人狼物語 三日月国

129 【身内】狂花監獄BarreNwort2【R18G】


【人】 黒風白雨 バーナード

>>79>>81 アルレシャ・ラサルハグ
 己の従者の強さは
大変不本意ながら
知っている上にこの状況となれば、男の意識は無自覚のうちに「当事者」のそれから「観客」のものへと変化する。
 己の従僕が親愛なる狼相手に負けるはずがないという慢心が精神を緩やかに溶かしていく。
 常日頃から口の減らない従僕があの可愛い返事一つだけを返したことに対しても随分と気を良くしていた。

 だからこそ、アルレシャの反撃を視認できていたにも関わらず援護は入れず。
 ラサルハグが
雷を用いた通信
を行わぬまま回避に移った際の反応が僅かに遅れた。

 男は先程の大立ち回りを見ていない。それだけのエネルギー消費があったと理解していないし、従僕が憤怒の内にあるが故に生じる変化を捉え損ねた。
 
観客気分でいたがために状況を見誤ったのだ。


「ッ、」

 それでも身体は動くのだから不思議なものである。
 ラサルハグに追撃が行われないように追加で数発打ち込み、
 風を用いて援護射撃を行った。

 しかし、身体が動くことが必ずしも正解とは限らない。
 ただでさえ疲弊していた状態で咄嗟に能力を行使したのだ、
 その影響が己が身に与えた反動もまた大きい。

 己と対峙する同僚が、
 僅かによろめいた隙を突けないほどの素人だとは思えない。
(85) 2022/02/23(Wed) 1:49:48