人狼物語 三日月国

164 夏の想いのひとかけら【R18】


【人】 綴 千翠

[身体も髪も、涙に濡れた顔も全部洗って、
肩までお湯に浸かると、私は芯から解れるような
心地よさに目を閉じながら、そっと胸の中心にある
手術痕に触れる。]


 …ちゃんと話さなきゃ


[隠したままではいられない。
ひとめぼれだと鹿賀さんは言ってくれたけど
彼は私にこんな傷があることは知らない。

もう痛みがあるわけではないけれど、私自身、
どれ程時間が経ってもこの痕を見慣れるという事は
なかった。]
(169) 2022/08/01(Mon) 19:01:15