人狼物語 三日月国

87 【身内】時数えの田舎村【R18G】


【人】 夕凪

>>175 涼風

「困らせちゃったわね、親でもないのにごめんなさい」

残酷な選択をさせているのだと大人になった今、痛いほどわかる。
こうして言葉をすぐに返せないことが、全てだということも。
今私たちは一緒に夢を見てしまっているのだ。

「あなたの言葉もちゃんと聞いてないのに、悪いお姉ちゃんね。
 ……ここにいる間だけとかでもいいのよ。

 そうね、ここで綴りたいものができたらいつか形にするなんてどうかしら?
 私、それだったら死ぬまで待ってもいいわ」

どうか私たちに夢を見させて。
目の前のあなたに投げかけたのに、どこかの誰かにつげているかのような不思議な感覚だった。

「暗い顔しないでよ、もうっ!
 ほら、お手製の豚汁作ったから飲んで元気出して頂戴? 楽しい思い出たくさん作って帰りましょう。それが一番よ」

握った手で嫌なほど伝わる苦しさ、辛さ。
しばらく握り続けて、その手が離されるまで少年の成長をしっかり感じることが私の出した答えだ。
(180) toumi_ 2021/08/12(Thu) 18:53:24