人狼物語 三日月国

5 光と闇の幻影月蝕〜Phantom lunar eclipse〜


【人】 ボク師 エリオン

[それまで、ひとりであったモノ《ヒト》が。
イシに昇格した際にまず受ける先例は、集合知に属するということである。

個であったはずの己が、中枢《ボク》を流れる数多のイシたちに合流する。
その随《まにま》に、新米たちが得るものは何か。

それは全能感である。それは法悦である。
肉の器から解放されたことによる、爆発的な生命《イシ》の奔流。
流れの中に在ることを学ぶまでは。
余程心の底に秘めた自我《イシ》なくば、
抗うことも儘ならず悦楽の中、力を他に預けて流されることになる。

──集合知に諮る《はなしあう》余地など、余程強いイシでもなければ直ぐにできなかろうし。
中枢《ボク》に残されるとはいえ長い期間を経たイシが戻るべき肉の器を思い出せるかもまた、非常に低い可能性の話である]
(203) 2018/12/17(Mon) 13:37:05