【人】 リー──数年前: 運命を恨むまでの幸せな時間 海に馴染みがないと、興味が湧くんだろうか。 ……果物は好きか?海水を舐めたままでは 口の中が違和感だらけになるだろうから、 何かもぎたてを渡そう。 [ 彼女の様子を見ながら、ふと思った。>>136 口の中をさっぱりさせてあげたいと。 だから、リーは近くの蜜柑を風の力を使い ひとつ収穫すると、皮を剥いて半分を彼女へ、 そしてもう半分はリー自身が。 甘酸っぱいその味は暫く忘れられなかった。 約束の日は毎月訪れ、彼女との距離感も 徐々に近づき半年くらい経った頃、 手を重ねて、密着するようになった。 ] (205) 2021/12/04(Sat) 0:12:04 |