人狼物語 三日月国

202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】


【人】 緑山 美海

数日前に自身が受付を担当した、仲睦まじい夫婦。
その人たちの幸せそうな笑顔と左手の薬指に煌めく指輪が、何故か記憶に残っていた。

『楽しんで頂けたのだろうか』
受付をした時の光景を思い出しながら、そのことを考える。

あれだけの大荷物だ、きっと早くから準備をしていたに違いない。
お客さんの笑顔を見るのが好きなその人は、帰る時にも会話をしたかったな、と。

少し名残惜しい気持ちを抱いたが、人には人の都合があるし仕方がないと諦めた。
奥から同僚の1人が出てくれば、声を掛ける。

「あのご夫婦、もう帰ったんですね」

『あれ?今日は私が担当なんだけど、チェックアウトの受付なんてしたかな』『どのご夫婦ですか?』

「ほら、お揃いの赤い髪をしたご夫婦」
「紅葉みたいに綺麗な髪をしてたろ、目立つから記憶に残ってたんだよな」

同僚は不思議そうな顔で首を傾げ、口を開く。
(237) rururu_966 2023/03/14(Tue) 8:43:16