人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【人】   タカノ

―― 魔法使いの職場を覗く ――

 オープンキッチンって、いいよねぇ。

[ おまかせ大好き、と口にしたシャミちゃんが
 牡蠣をすり鉢で潰すようにしている。

 細い腕、細い指が一つ一つの作業を
 丁寧に、けれど素早くこなしていく。

 それこそブラウン管は古いか。
 液晶画面を通して見ているような
 感覚だ。

 正直なところ、彼女が手にした瓶の中身>>199
 なんであるかも、今握っている野菜>>202が、
 何なのかも、皆目検討がつかない。

 だからこそ、面白く思えてしまうんだよね。

 やがて小鍋が煮立つようにコトコトと鳴る。
 小さな皿か、スプーンか、
 それにすくわれたひとくちは、彼女の口元へ。

 繊細な味の違いがわからぬ自分は、
 ただ期待に胸躍るばかりである。 ]
(263) 2023/03/03(Fri) 21:40:34