人狼物語 三日月国

164 夏の想いのひとかけら【R18】


【人】 元子役 辺世 流

[珠梨さんと]

歩き出す直前>>276、珠梨さんが顔を覗き込んできたので、心臓が跳ねた。微かなアルコールの残り香に、彼女の吐息を感じたせいもあるかもしれない。

「じゅ、珠梨さんも赤くなってるよっ……!」

見透かされている気がして、恥ずかしさをごまかすように握る手に力を込める。

思ったより彼女の足取りはしっかりしていたけれど、虫の声とか飛行機の明かりとか、普段気にも止めないようなことに反応する姿は悪くなかったし、実際そういう他愛も無い事でも話しかけられて、話しして、十分楽しかった。
気がそぞろになりそうなのを抑えて、彼女に合わせてゆっくりめに歩き、展望台まで辿り着いた。
(280) 2022/08/03(Wed) 5:51:53