人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【人】 厨房担当 ゲイザー



 ……しっかし、マシロはすごいな。
 「あの人が私の母親じゃなければ」って、
 ちゃんと思えるようになったんだもの。
 まあ私も、おかーさんのこと
 そんな悪く思っちゃいないんだけど――。


[なんて積もる話をここで重ねれば、「サキサキクッキー」第二段のたくらみもレシピの伝授も、何より瑞野からの今日の用件にも遅れてしまうと気づき、一度口を閉じる。
 それでも――大咲らの時間稼ぎの罠(?)には気づかぬまま――ふたりきりの帰り道で、やはり一言だけは続けることにした。]


 いい人に巡り合えたんだね、マシロ。


[それが誰か、なんてわざわざ聞く必要はない。
 恋仲を詮索し、横槍を入れたがる親族めいた真似はしない。
 ただ、母への思いを感謝にまで昇華させた、その由縁になったのだろう人の存在だけを思い、祝福のようにふんわりと笑っていた。]
(287) 2023/03/16(Thu) 21:06:19