【人】 XII『吊された男』 ユグ[少年が洋館に馴染み、望みのものは用意できると聞いてはじめに願ったものは、白いローブだった。 小柄な自分に合う大きさの、きれいな白い上着。 それから丁寧に、丁寧にあの日に着せられたローブを洗い。使用人にも手伝いを依頼して。 真新しいものを身に纏いながら洗ったそれを返しに行ったのは、もしかすると死神にとっては意外なことだったかもしれない。 返却は了承されたか、断られたか。 どちらにせよ、ユグは今も白いローブを好んで身に着けている*] (295) 2022/12/12(Mon) 12:54:54 |