【人】 若者 ミスミ(やっぱり、日本に残ればよかったかな) [日本再上陸まではあんなに軽快に、跳ねるようにリズムを刻んでいたデッキシューズの裏も今ぺったらぺったら、下手くそな餅つきのような音を立てている。 祖母が亡くなったのは自分が父親と、彼が再婚した義母と共に渡英したしばらくあとだった。 大人になったらばあちゃんと一緒に店がやりたいと伝えた時に握った手は、どうしてあんなに大きなおにぎりが握れたのかと思うほどの、痩せて骨に皮がやっとへばりついているかのような小ささだったのを思い出す。 それでも、そしたらばあちゃんは大河が帰ってくるまで元気でおらんとねえ、と、笑っていたのに、時間というやつは何て残酷なんだろう] (431) azumi 2023/03/02(Thu) 22:26:05 |