人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【秘】 白昼夢 ファリエ → 寡黙 エミール

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じっと、あなたを見たまま答えを聞き届け。

「────」

また目をまんまるにした。
外の世界を見に行こうと話をしたのは覚えている。
けれど、まさかこんな風に選ばれるなんて思ってもみなかったから。

「え、ええと」
「あの……えっと…………」

あの、とか。えっと、とか。場繋ぎの声ばかりで考えが言葉にならない。
あなたからこうもはっきり告げられた答え。
それは、今まで奥底に秘められていたこその純真さもあった。
積み上げられた時間は目には見えなくとも、滲みだして女を逃がしてくれない。
きっとそれはポジティブな想いだけで連ねられていない。
真っ直ぐに伝わってしまった証拠に、薄墨の瞳はあなたを映したまま揺れ続けている。

(-37) shionsou 2024/02/18(Sun) 23:31:16