人狼物語 三日月国

129 【身内】狂花監獄BarreNwort2【R18G】


【秘】 無 アルレシャ → 衝撃波 ポルクス


困った笑いに含まれるものを、普段なら見てればわかるかもしれないが、今はわからない。
貴方がこっちを見ているなぁ、と思いはするものの。

離れていく唇を追いはしない。
追う発想がない。

少しの間貴方の唇に視線を向けていたが、やがて貴方の顔全体へと移る。
どうして不思議そうな顔をしているんだろう。何か気に食わないことでもあったのだろうか。それにしては不機嫌さはなさそうだ、云々。
思考を回すための準備運動のように考えが巡り始めて、けれど、

「……ぁ、」

もう一度唇が触れれば、全て霧散してしまう。
それも、さっきとは違う。合間に息を継ぐ必要があるほど。
ぐ、と息が詰まる。のが、なんだか
気持ちいい、ような。


「…っは、ぁ、」


下唇を噛まれ、軽く肩が跳ねる。
やられっぱなしも性に合わない。一度だけ、自ら口を動かして音を立てた。


乱れた呼吸の隙間で、また頭を回すことを試みる。
なんでこんなことになってる?俺は生き返ったばかりで、こいつは待ってて、ここは蘇生室で、


「……ここじゃまずい」


ぽつ、と呟いた言葉は、それで本当に合っていたのか。
少なくとも、この状態の脳味噌で口に出せる、まっさらな本音であることは確かだ。
(-64) 2022/03/08(Tue) 8:19:20