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人狼物語 三日月国

202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】


【秘】 片連理 “椿” → 一匹狼 “楓”

[特に、他意があったわけではなかった。しかし、大して空腹を覚えていたわけでもなかった。
 彼はよく反応した。やはり、似たようなものを抱えているのだろう。
 そのことについて、彼はどう考えているのだろう。まえに会った時には既に“そう“だったのだろうか?おそらくそうだ。

 あの時、ヒトには聞こえない、同胞だけの秘密の声を聞いた。それだけは、はっきりと覚えている。

 楓に逢いたいと思ったのも、それが理由だ。もう一人、■■と名乗った彼にも——ああ、すこし記憶がざらついている。逢いにいったのだ、彼の住む赤い薔薇の国まで。けれど、彼はもう呪いを受けてはいなかった。それで結局、他愛のない思い出話をして、そのまま彼のもとを去った。あれは一体、いつのことだったのだろう。

 ぼんやりと物思いに耽る。螺旋の一周が、永遠に続くのではないかと思うほどに引き伸ばされる。時間の感覚など、曖昧なものだ。実際のところ、夢を彷徨う椿と、現を生きる楓とでは異なる時間が流れている——のだが、それを確かめる術は互いにない。椿も、赤薔薇の国へ赴いた話を楓にするつもりはなかった。尤も、話したところで記憶はあやふやなのだが。]
(-121) 2023/03/02(Thu) 2:40:02