人狼物語 三日月国

87 【身内】時数えの田舎村【R18G】


【見】 天狼の子 夜長

>>8 百千鳥 【祭りの終わり】

 こっくり、頷いた。

「さみしいのは、俺も」

「この夢にいた人、みんなみんなで、こうして一緒に集まるという
 のは、とても難しかったと思う。夢でもなければ、本当に。
 特に俺は、ほとんどが話に聞いただけの人たちで」

「……ああ、モモチには今言っておきたいな。
 最初は俺も分かっていなかったが、
 俺は父さんでなく晴くんなんだ」

 雪子と和臣の息子の、小学2年生の晴臣。そう説明される。
 
「晴臣」と直接言えないので、少しややこしかったかもしれない。


「俺は、本当はここに来たことがない」

 夢から覚めたら、会いにいける人には直接会いに行きたいから。だからその時にか、もしくは雪子さん伝手に、この夢にいたのは和臣でなく晴臣だと伝えるつもりだった。

 けれど夜長は、百千鳥に対してはなんだか大人の皮を被っていたくなかった。いやそれよりも、晴臣として今話したかったが正しいだろう。
夜長本人も、それは自分の中で形になってはいないが。


「家族揃って来るのが一番だったと思うが、そうはなって
 いなくて。家族の中で誰かひとりだけというのなら、
 俺でなく雪子さんがいた方が良かっただろう」

「でも、俺がここに来たことを、母さんは喜んでくれる」
 
(@3) 2021/08/17(Tue) 20:46:23