【赤】 蒼鉛の魔術師 ヴィスマルト[初めて師匠に会った時、やけに驚かれたが。 人嫌い故の事だろうか…と当時は考えて。 しかしその後の、友好的な振る舞いを見れば 偏屈なんて噂はちっとも当て嵌まらないと、 首を傾げたものだった。 羽交い締めの挨拶は、 当初こちらの足が浮いてしまっていたな… あんな洗礼を弟弟子も受けたのだろうか。 他にも。思い出される事は、いくらでもあるが。 …そうだな、私達師弟の間に流れていた空気は これほど賑やかなものでは無かったと。 そんな事を考えていたのは、 茶会の席で、二人のやりとりを眺めていた合間。] (*1) 2022/04/01(Fri) 5:55:06 |