【赤】 オリト シア ……ん……、…… [小鳥の啼く声で目が覚める。 障子の向こうは太陽の明るさを伝えて、朝が来たことを教えてくれる。 眠気でとろりと落ちてくる瞼を何とか持ち上げながら、隣へと視線を移したらまだ眠っている横顔が見えて。 幸福感で胸いっぱいになりながら、伸び上がるようにして顔を覗く。 彼の身体の上に乗って、少し体重を掛ける。 寝起きで解けた髪を耳にかけて、邪魔にならないように。] 基依さん、朝ですよ。 起きて……? [とは言うものの、まだ自分自身も布団から抜け出せずに彼に身体を寄せる。 寝ぼけ眼の彼の目が覚めたなら、おはようのキスをねだろうか。**] (*227) 2021/05/25(Tue) 8:38:20 |