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人狼物語 三日月国


145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】

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視点:


【人】 充溢 バレンタイン


「喋る前から…………
 ご飯を詰め込んで…………
 しまうと、…………喋らなくて、
 ……………………済むんだよな」

口に物が入っているときに喋り出すと、
行儀が悪いと躾けられたこの体に感謝しつつ。

傍から見れば呑気に見えるだろうその行動も、
何かの拍子に髪の隙間から見開かれた瞳が見られれば、
どことなく鬼気迫った印象を与えたりするだろうか。
(3) backador 2022/05/04(Wed) 21:12:31

【人】 充溢 バレンタイン


「……………………ああ、」

ごくり、と水気のあるものを喉奥に押しやる音がして。
溢れないように何もかもシャットアウトするには、
食堂で見聞きするすべては少し許容範囲外で。

逃避先を探そうと視線は右往左往するものの、
その行先は視線の先ではなく、頭の中に着く。
      ・・
「そうだな。お茶にしよう」

どことなく暗号じみたそれを呟いて。

「何をするにもまずは落ち着かねえと。
 押さえつける蓋が無いとダメなんだ。
 薬を飲んで、花をお茶にして、それからだ」

「それから、センセイに話を聞いてみよう」

まるで順路を通っていない思考の道筋は、どこへ向かうのか。
(10) backador 2022/05/04(Wed) 21:31:25
バレンタインは、ずり落ちかけの帽子を直して、きびきびと朝食を済ませた。
(a1) backador 2022/05/04(Wed) 21:31:50

【置】 充溢 バレンタイン


ばんばんと胸を叩いて、つっかえた食べ物を胃に落とす。
ちょっと急ぎ過ぎた。これも愛嬌ということで。

「……不安だから確かめなきゃ。
 いなくなっても置いていったわけじゃない。
 ならそこまで怖がる必要はない。僕は。

 直接聞くのは怖いし、わからない。
 だけど直接聞かないと何もわからないんだ」

それは幾度となくやってきた、
自分に言い聞かせるような喋り方。
眠気で抑える前は、そうやって自分を安心させて。

「……何かに連れ去られたんだよな、きっと」

その意識が外に向けば、やっぱりそれは唐突なもの。
噂の正体に無関心だった故に、考えはそこから始まる。
(L0) backador 2022/05/04(Wed) 21:48:19
公開: 2022/05/04(Wed) 21:50:00
充溢 バレンタイン(匿名)は、メモを貼った。
backador 2022/05/04(Wed) 21:53:36

【秘】 高等部 ラピス → 充溢 バレンタイン

「………」

うろうろ、きょろきょろ。
あなたより随分と背の足りない最上級生が現れる。
手にはなんだか見覚えのあるような、ないような紙袋。
今のあなたは微睡みに包まれているだろうか。
それとも、その対極だろうか。

『バレンタインくん』
『こんにちは』

いつも提げている黒板に挨拶を書き記して、見せる。
目にかかる前髪からも、下にいる少女の姿は普段の景色より明瞭に捉えられるだろう。

『少し、お話をしたいのですが』

首を傾げて、あなたの反応を伺った。
(-23) dome 2022/05/04(Wed) 23:12:50

【秘】 高等部 ラピス → 充溢 バレンタイン

/*
狼です!!!!!
株式会社ハピネス運輸です。
襲撃先に決定致しましたのでお迎え秘話を配達にあがりました………。
役職によっては道連れができたりがあると思いますのでその辺りを踏まえて納得行くロールでお付き合い致します。

何もなければ話した後に睡眠薬入りお花のお茶をどうぞで大人に引き渡しフェードアウトしますが、飲まねぇよ(ちゃぶ台返し)とか自分で大人達の所へ行きたい!など希望の形があればなんなりとお申しつけくださいませ。

ロール内の時間帯も都合良い時間で扱ってください。
(-24) dome 2022/05/04(Wed) 23:14:06

【秘】 充溢 バレンタイン → 高等部 ラピス


「ラピスさん」

睡魔で押し付けず、いつになく冴えた瞳は、
あなたを、黒板を見下ろして、少し不思議そうに首を傾げる。

「……こんにちは。
 急ぎの用はねえから大丈夫、ですけど」

続いて紙袋を見やれば、逆側に首を傾げて。
勉強会に何か忘れものとかあったっけ。とかそんな辺り。
(-74) backador 2022/05/05(Thu) 11:41:53

【秘】 充溢 バレンタイン → 高等部 ラピス

/*

ご連絡ありがとうございます、激アツです。
多分お茶にしてから“センセイ”に声を掛けに行こうと動き出したところを呼び止められた形になりますかね。
特に襲撃されて発動する能力はないので大丈夫です。

お花に関しては……ある子とのロールで手渡された花があり、それをお茶にして飲もうとしていたところで。

そちらから提示されるものは断っちゃうかもしれません。でも睡眠薬メチャクチャ飲みたい(!)ので、あるいは今その『ある子から貰った花』をバレンタインが手にしてる体で、どっちも飲むor交換して飲む方向に行くのが……丸いのかもしれません。
(-77) backador 2022/05/05(Thu) 11:48:18

【秘】 高等部 ラピス → 充溢 バレンタイン

『それなら良かった』

時間はあると聞けば、一度安堵する。

『昨日の勉強会でも宿題を頑張っていて、
 まだ疲れがあると思ったもので』
『色々と取りかかる前に、休憩をするのはどうですか』
『お茶でもどうでしょう』

こうして誰かを気にかけて声をかける姿を、
バレンタインは時折見かけていたかもしれない。
世話を焼く最上級生は、珍しくない光景だ。

手に持っている紙袋に視線を感じると、
トットに分けてもらった花弁なのだと添える。
あなたが花をお茶にすると口にしたので、
折角ならと自分の分も持ってきたらしい。
(-79) dome 2022/05/05(Thu) 12:20:21

【秘】 高等部 ラピス → 充溢 バレンタイン

/*
お返事ありがとうございます!時系列については了解しました。

では睡眠薬ルートを通るということで、
1.お花のお茶知ってるから私が淹れてあげるよ(薬投入)
2.お話し区切りの時点でおかわりを淹れる(薬投入)
3.そのお花と交換して飲んでみる?(薬投入)

のどれかがロールとしてはやりやすそうですね……ご希望の番号あればお教えください。
上記を改変して提案いただいてもOKです。
(-80) dome 2022/05/05(Thu) 12:22:34

【秘】 充溢 バレンタイン → 高等部 ラピス


お茶の提案をされればまず沈黙を挟む。
別件で先約があって、それを天秤にかけてるような。
そして“トットに分けてもらった”との字を見れば、
実に不可解そうに口元に手を当てて。

「花は……
 “僕が保健委員だから”と、
 トットがくれたもの、なんですが」

眠気ではなく訝しさに目を細めて。
でもそれを問い質してみるでもなく、暫く考え込み。

「……でも、ちょうどいいかもしれねえな。
 僕も、その花を持ってきたところで、
 うん、ならどの道お茶にするのは自然なことだ」

警戒をしていないのか、あるいは何か自分の中で理由をつけて納得したのか。あっけなく快諾する。

トットを信用していないわけでも、
ラピスさんを疑うわけでもない。
それはきっと、対して重要じゃない気もするから。
(-85) backador 2022/05/05(Thu) 13:56:42

【秘】 充溢 バレンタイン → 高等部 ラピス

/*

というわけでお花は預けちゃうので煮るなり煎じるなり好きにしちゃってください。ちなみにこっちはPL情報としてこの花が何なのかの確証は全く取れてなかったり。

ともあれ、よろしくお願いしますね。
(-86) backador 2022/05/05(Thu) 13:59:48

【秘】 高等部 ラピス → 充溢 バレンタイン

『そうなのですか』
『私もトットくんから聞いただけですが、
 傷に塗ったり、お茶にして飲むと効果があるようです』
『他にも分けてあげた子がいるらしいですよ』

薬効のようなものがある、とだけ自分も聞いている。
おそらくそういった理由で保健委員にも預けたのだろう。
花壇で花に水をやる彼の姿が頭に浮かんだ。

『では、場所を移しましょうか』

快諾されれば、いつもより受け答えのはっきりしたバレンタインを連れて学舎外に休憩用に設置された白いティーテーブルへ。
木漏れ日が差すそこは、今日は人気が無い。

少し待っていて、と黒板で伝えると暫くしてからカップに注いだお茶を持って戻ってくる。
あなたの前には
隠し味
入りの方を。

透き通った液面が、日差しを受けて光を湛えていた。
(-89) dome 2022/05/05(Thu) 15:10:33

【秘】 高等部 ラピス → 充溢 バレンタイン

/*
預けられました。ありがとうございます!
PLもただ聞いた情報だけでロールしていますが嘘ではない筈……。
睡眠薬はキリの良い感じのタイミングで任意で効き始めて大丈夫です。
しばしお付き合いいただきます!
(-90) dome 2022/05/05(Thu) 15:11:13

【秘】 充溢 バレンタイン → 高等部 ラピス


「……なるほど。
 あれだけ内緒みたいにしてた割には……
 みんなに配ってたんじゃねえか、トット……」

まあそんなもんか、と鼻で笑い飛ばす。
席に着き、普段なら微睡んで待つところ、
ほんの少しそわそわと落ち着かない様子で。

「そう、怪我をする子はあまりいないんだけど、
 姿を見せなくなる子は最近多くってね。
 僕も気が気じゃなくなったところで、
 心が落ち着くらしい花のお茶を飲もうとしたんだ。

 ギムナジウムから居なくなったのだと思ったけど、
 ちらほら姿を見せる子も現れて、
 そういう点では安心できたことはできた、けれど。
 
 ──……ラピスさんは、
 この頃皆がいないことをどう思ってます?」

その落ち着きのなさは溢れ出る言葉へと。
表情は硬いのに饒舌に喋り出すその様は、
あまりにもアンバランスに見えるだろうか。
(-103) backador 2022/05/05(Thu) 18:09:38
充溢 バレンタイン(匿名)は、メモを貼った。
backador 2022/05/05(Thu) 18:11:20

【秘】 高等部 ラピス → 充溢 バレンタイン

『つまりみんなの秘密ということですね』
『トットくんもきっと善意でやっていることですから…』

淹れたてのお茶の香りを纏いながら文字を綴る。
どこか心が落ち着く匂い。
書き終えると、表情と不釣り合いに溢れ出る言葉を
聞きながらカップを傾けた。

「………」

『神隠しと噂は立っていますが、
 大半は学舎に戻ってきていますからね』
『そうではない何かだと思います』
『一部では隠れて行われる治療という話もありますし』

元々、この生徒はオカルト的なものを
手放しに信じない性質だった。
幼気な外見が与える印象とは正反対に、論理的なものを好む。
実態を僅かながら知っているというのも
理由の一つだったけれど。
ただ、己が関与していない失踪については
少女も確証が持てなかった。
(-108) dome 2022/05/05(Thu) 19:23:03

【秘】 充溢 バレンタイン → 高等部 ラピス


立ち香る匂いに表情には何の変化もないものの、
落ち着いて言葉を選ぶ余裕が出てきたようで。

まくしたてるような喋り方は段々と形を潜めて、
素に近い、少年らしい無邪気さが顔を覗かせる。

「やっぱりそうだよな。
 うん、食堂の隅から隅まで漁る前に、
 同意を得られてよかったです。

 僕は別に……神隠しでもよかったんだけど。
 ああいや誤解を招くなこれは。
 自分からいなくなるようじゃなければ、
 僕はどうだろうと構わねえんだってことで」

喉を潤すためにお茶を舌に乗せ、転がし、
鼻から抜ける香りを楽しんでから喉に流す。
オカルトやファンタジーを信じているというよりかは、
やはり根本的なものには無関心だから、という形。

「ただ、それでも……治療は少し嫌だけど。
 内側から出てくる言葉が止められない感覚。
 それを治すには無理矢理押し付けることしかできなくて。
 隠れて行われるものなんて、より過激に決まってます」
(-111) backador 2022/05/05(Thu) 19:57:44

【秘】 高等部 ラピス → 充溢 バレンタイン

『バレンタインくんも、言葉が止まらない感覚がわかりますか?』
『私はそういうときは延々と文字を書いています』

まるで自分もそうであるかのような。
この生徒の場合はそれが病気ではないのだが。
試してみる価値はあるのかも、なんて付け加えた。

『戻ってくるだけ幸いではありますが』
『手荒なことをされるのだとしたら頂けませんね』

ぼんやりと森の方へ視線を向ける。
そよ風が立ち昇る湯気の行方を歪ませた。
無邪気さを少しずつ取り戻す声に耳を傾けて、

『バレンタインくんは、病気が治る可能性があっても治療は嫌ですか?』

そんなことを聞いた。
(-116) dome 2022/05/05(Thu) 20:21:49

【秘】 充溢 バレンタイン → 高等部 ラピス


「我慢……しなくてもいいん、ですか?
 ……参考にしておこうかな……

 とはいえども、薬を飲んだら眠くなるし、
 大抵はそれで片付いてしまうんだけども」

堪え切れなくなったらひたすらに書き出すとか、
やってみてもいいかもしれないな。そう思ったところで。

「……治るなら、必要なら拒みこそはしねえけど。
 それがどうしても怖い、嫌な事ならそう思うし。
 何をされるか分からないからな、そもそも。

 ナイフ入れて……頭弄って。
 それでよくなるなら……いいんだけれど、な」

それでよくならないから、
ここで長い間暮らしているわけでもあるのだけど。
湧いた無邪気さは、徐々に緩やかな、
周りからしてみれば普段通りの声色へ。

「……うん、……僕は、普段から眠たげだけど。
 それは病を押さえつけるためであって……
 できることなら……そんな乱暴な形じゃなくて、
 自分で言葉を、ちゃんと選べるように…… ……?」

ようやく身体の怠さを認識して、言葉を詰まらせる。
薬はまだ飲んでいないはず。
それなのに──眠気があるのはなぜ?
(-122) backador 2022/05/05(Thu) 21:39:26

【秘】 高等部 ラピス → 充溢 バレンタイン

『ストレスを解消する方法はいくつもある方が良いです』

徐々に眠気が蝕んでくるあなたに気づき、
睡魔を妨げないようにチョークが黒板と触れ合う音を小さくする。
眠たげな声と、簡素な物音が重なる。
なんとも無機質な子守唄だ。

『できることなら、正当な治療法を使うべきですが』
『それで皆が良くなるのならと、私は思ってしまいます』
『治療で改善した後に、それを自分で良い方向に導けたら。』

治ることが全員にとっての幸せではない。
それもまたわかっていることだけれど。
ただ、自分に課せられた役割と願いがたまたま一致してしまっただけ。
それを受け入れてしまっただけだ。

『眠くなってきましたか?』
『やはり疲れているのでしょう』
『少し休んでも良いと思いますよ』
(-132) dome 2022/05/05(Thu) 22:51:29

【秘】 充溢 バレンタイン → 高等部 ラピス

「……ラピスさんは、
 皆が、……そうやって『良い方向』に進めると。
 心の底から信じられると……思いますか?

 僕は、……僕はそう思えなくて、不安だから……
 不安が溢れて止まらない、病気が……治らないんだ。
 良いことなんて……悪いことの前には……無力で」

ふつふつと煮え立つ、充溢したソレは、
茶の香りと微かなチョークの音で、
押さえつけるまでもなく霧消していく。

良いことは考えられないけど、
自分でも信じられないくらいに心中は穏やかで。

「でも万が一、みんな治療を……
 受けさせられてるのだとしたら。
 
 それは、……悪いことを考えてしまう僕、とかには。
 残酷で、……優しいこと、なのかもしれないな」

暗中に背中を押している、ということなのでしょう?と、
終ぞ隠し味の正体、出どころには気づかなかったが、
最後に上げた顔の口元は僅かに微笑んでいる。

「……そう、だね。休もうかな。
 やろうと思ってたことは、あるけど……
 ちょっと眠った、あとでも……遅くはないだろう、し」
(-184) backador 2022/05/06(Fri) 10:38:20

【秘】 高等部 ラピス → 充溢 バレンタイン

『絶対などは無いのだろうと思っています』

善意というものは時に悪手となる。
だから、これはきっとただの傲慢なんだ。
不安を押し退けて、治療を押しつける。
許されない時が来るんだろう。

『バレンタインくんが、良いことが悪いことに勝てると信じられる時が、来てくれると嬉しいです』
『不安を見ないようにするのではなく、
 不安を正面から見据えられる時が来てほしい』

それは全部、願望なんだけれど。
僅かに持ち上がる口角を見て、反対に此方は眉を下げた。
こうして罪悪感を覚えることすら、白々しい行いをしている。
背中を押すよりは、突き落とすと形容されるべきなのだろうか。

『片付けは私がやっておきます』
『もう寝てしまっても、大丈夫ですよ』

おやすみなさい。

心の中でそう呟いて、その意識が眠りという名の海に沈むのを少女はただ見つめている。
(-199) dome 2022/05/06(Fri) 13:57:27
バレンタインは、今日は授業を欠席した。
(a25) backador 2022/05/06(Fri) 14:06:04

バレンタインは、深い、深い眠りに落ちて、きっと良い夢を見る。
(a26) backador 2022/05/06(Fri) 14:06:45

【置】 充溢 バレンタイン


夢を見た。

大人たちの無遠慮な手が、自分の肌の上を這いまわる夢。

眼球を僅かに動かせること以外は、
指一つすらぴくりともしないし、
だから脳内で反響する言葉を一滴も外に零せない。
誰もが僕を眠っている人間のように扱って、

僕は鮮明に全てを見て、感じて、
ありったけの負の感情を脳内に吐き出していく。

(───)

空の薬瓶が転がっている。
空のアンプルが転がっている。
空の注射器が転がっている。

自分が何をされているのか、何をされたのか、
想像に難くない。けれど全ては分からない。
(L3) backador 2022/05/06(Fri) 20:06:14
公開: 2022/05/06(Fri) 20:30:00

【置】 充溢 バレンタイン


いつまでたっても覚めない。
と思っているうちに目が覚めた。

否、“夢じゃない”と理解した。
濃く煮詰められた不安の感情と、
それを押し付ける怠い何か、は、
正しく現実の自分が普段から感じているそれと同じ。

違うのは、一切の眠気がないのに、
言葉どころか身体すら動かせない事。

『───うご、いて』

必至に、何度も何度も身体を動かそうと、
念じて、縋って。そうしたら、
自分の声によく似た電子音が、頭の上から響く。

唇も喉も石みたいに固まっている。それなのに。
(L4) backador 2022/05/06(Fri) 20:14:33
公開: 2022/05/06(Fri) 21:35:00

【置】 充溢 バレンタイン


『……え?』

その電子音を皮切りに、大人たちは口々に何かを言って、
身体を這うのを続けるもの、慌ただしく部屋を出ていくもの、
まるで働きものの虫たちを眺めているような気分だ。

『なに、やめ───僕、を─── ───!』
『───? どういう、こと……?』

頭で喋りたいと思ったことを、代わりに言ってくれている。
でもフィルターが、マイナスの言葉を濾しとっていくように。
不安の糸から紡がれるものは何もかも、出ていかないように。

そうしてようやく、今自分が置かれた状況と、
その意図を全部理解した。ような気がする。
(L5) backador 2022/05/06(Fri) 20:24:23
公開: 2022/05/06(Fri) 21:35:00

【置】 充実 バレンタイン


『─── おはよう、ございます』

どれだけ強迫的な妄想に取りつかれても、
それはもう、外側に溢れていくことはない。

容れ物に、ちゃんとした蓋がついたのだ。
(L6) backador 2022/05/06(Fri) 20:30:48
公開: 2022/05/06(Fri) 21:40:00
バレンタインは、充溢した不安と、それと同じくらい希望に満ちていた。
(a29) backador 2022/05/06(Fri) 20:33:09

充実 バレンタイン(匿名)は、メモを貼った。
backador 2022/05/06(Fri) 20:43:55

バレンタインは、同じく、夜遅くまで部屋に戻らなかった。心配する人はいない。
(a32) backador 2022/05/06(Fri) 20:46:26