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【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン喋らせ過ぎましたかネ、と思いながら紙を眺めて、 少し悲しげな顔を見せて。 「喉ヲ……自ラ?……そウ、でしたカ」 余計なお世話だったカ。思いながらも、 やっと立ち上がり衝立の奥へ。ハチミツ入りの、 喉を気遣うドリンクを貴方の前に置いた。 娯楽施設で買ったものでス、と説明して、二枚目の紙を見た。 「……シングソン、それ素面で言っテ…… 書いテ?いるのですカ?……だとしたラ、 なんというカ、まア、凄いでス……」 咳払いをひとつ。反応からして、照れているよう。 しかしそれより、今は走り書きの方に。 「……やはり歌、好きなのですネ。 ああいエ、私がそう感じただけですガ…… 貴方の歌いたい歌、カ」 名誉に、金。始めはそうじゃなかった。 昔は、好きに歌えていたのだろう。 それが主人が「成功」を掴んで、変わってしまった、 そのような流れを想像し、ため息をついた。 「誰も彼モ、本当ニ……儘ならなイ」 どうしてこんなにも、苦境と言うものが溢れているのだろう。 ふつふつと、電子の心の奥底で何かが沸き上がるのを感じた。 (-19) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 6:49:25 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 軍事用 リュイ「……やはリ、笑っている方がいいものですヨ。 スマーイル。この世はクソッタレですガ、 それでモ、一匙のともしびガ、あって欲しいものでス」 そう、微笑んだ。 「えエ、勿論。……というカ、ここまで腹を割っテ、 互いの苦境なんか喋ったりしテ、夢を語っテ、 とカ、友達っぽイ、じゃないですカ?既ニ」 (-20) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 6:55:43 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ「フ……世が世なラ、プロポーズの言葉のようですねエ」 そう茶化す一方、あなたの提案を聞けば、 しばらくの間、目を丸くしていた。 揶揄ってばかりの点燈用が貴方に揶揄われたような、 虚を突かれた表情だった。 「ソ、それはマ、あ確かにソ、うですガ……」 驚きながらも、人間たちの言葉を思い出す。 中古品、抱き心地の悪い雌肉、自動で掃除される便所、 啼くゴミ箱、穴と声のついた人形、タダマン、噴水女、etc... 利用価値はないとみている者もきっと多いような、 所詮おもちゃとしか考えられていないだろう言葉の数々。 それなら確かに金と引き換えられた方が得、と思われるか。 「シ、しかシ、私からバンドッグに返せるものがありませン。 無性型なラ、悦ばせるような器官もなさそうですシ…… それこソ、一生奴隷として尽くセ、というなラ、 わかりますガ……むむウ……ソ、それニ、 大きな買い物?とやらをするならバ、 尚更下名を買うことなド……」 混乱した様子。それは確かに望んでいた先そのものだが、 いざ目の前に道が開けると即座に踏み出せない。 ろくろ、ではないが何かを求めているように、 手が伸びては引っ込み、宙を彷徨った。 (-25) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 17:08:39 |
【墓】 点燈用 トムラビ「いいのですヨ、アトリ」 物陰から姿を現す、暗褐色のグレイ。 手には鎖のついた棘ランタン。 「そこのバンドッグもリュイも強いのでス。 敵なんか一瞬でス、一瞬。バシーッとやりますヨ。 それでも不安なラ、私もついていきましょウ。 ……いいですよネ?まさカ、この期に及んデ、 女型ハ、非力だし危なイ、なんて言い出したラ、 一層のボスと同じ目に遭わせますヨ」 鎖を引きずる音。微笑み。有無を言わさぬ気配。 ……正直、件のグレイとは馴染みが薄いのだが。 だからと言って、手を伸ばさない理由もない。 灯は誰の道にも燈されるべきだ。それに…… 危険な場所に友が行く、それに勝る同行理由など、ない。 (+0) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 17:19:00 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ「なんト、もはヤ……アー……」 絶句。様々な事象に点燈用の頭はついていけなくなった。 そういえば自分の給与はどうなっているのだったか。 日々を暗闇に塗り潰される一方で、そんな事も忘れていた。 ……なんとなく給与も使われてそうな気がして、 深く考えるのはやめておく。 「……バンドッグ、あなタ、かなりカッコイイですヨ。 はあァー……無欲といいますカ、なんといいますカ。 シングソンとモ、リュイとモ、また違った方面デ、 他者を惹きつけるのですねエ……」 達観したような遠い目でそう呟く。ここの男達は本当に。 だからこそ心の奥底が疼くのだろうけど。 「……負けましたヨ、バンドッグ。我が友ヨ。 私がそうしたいようニ、貴方がそう言うのなラ、 私を買ってくださイ。傍に置キ、助けてくださイ。 その代わリ、私も貴方を助けますかラ」 微笑んで手を取り。 「……特に性的享受なら最高をお約束しまス!」 冗句で以て結んだ。 (-29) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 20:39:40 |
【墓】 点燈用 トムラビ「マ、ちょっと危ない遠足のようなものでス。 それくらいの気持チ……では流石にあぶないカ。 一応、準備は欠かさないようにしましょうネ」 お薬、ハンカチ、回復用おやツ、持ちましたカ? 愛玩用にそんな確認をしながら、 自身は鎖を腕に巻きつけ、棘ランタンを片手で持つ。 もう片手には幾らかの宝石の原石。 それを服の内にしまい、準備はOK。 「私はいつでモ。道中の灯はおまかせヲ」 (+1) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 20:47:20 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ「あっはっハ!バンドッグカワイイでス!」 揶揄っている時こそ本領なのかもしれない。 いや、点燈している時が本領であって欲しいが。 「フ、どこでも開発すればどうにでもなるのでス…… とまあアダルトな話はこれくらいにしておきましょウ。 ……その言葉を有難く思いまス、友ヨ」 刑務官のその柔軟なこころにこそ、助けられている。 だからやはり微笑みを。ついでに頬をつついておく。 「……やはりプロポーズめいていますねエ…… バンドッグ、男にしろ女にしロ、 あまり魅了しすぎないようにした方がいいですヨ……」 「リュイに?あア、それは素敵でス。 彼も友達デ、そう言われなければ私が誘う所でしタ。 ……フ、では二人の胃袋を助けるとしますカ……」 半分……いや2割くらいは真面目に忠告して、 友の事に安堵した。二人の助けに悩む事はなさそうだ。 「ア、ついでニ、ひとつお聞きしたい事ガ……」 お耳を拝借。呟いて、耳元へ。 そして顔を逸らして頬に口づけ。 「親愛の証でス。ご感想ハ?」 (-32) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 22:23:13 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ「これは苦労しそうですねエ…… 刺されないように気をつけてくださいヨ」 引き続き頬を指しておいた。 「リュイには是非来て頂きたいものでス。 完全に私のわがままですガ…… まア、本人の意思が最優先ですからネ」 彼がどういう答えを出すかはわからないが、 その道に灯がある事を願う。点燈用として、友として。 「……」 「バンドッグ、マジで結婚する時の奴ですそれハ。 こういうのの耐性ほんとにないんですネ…… いエ、この場合は私から言うべきでしたネ。 不束者ですがどうぞよろしく、バンドッグ」 (-35) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 23:34:02 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ「まあその方が可愛いですヨ、えエ」 可愛げとは身につくものではない、 身に宿っているものだ。点燈用はそんな信条を掲げた。 「はイ、信じて待ってますヨ、バンドッグ」 元の職場での扱いやその露見を考えれば、 保護団体に預かられれば手出しもしてくるまい。 これが自ら戻る事でもなければそうはならないだろうし、 あなたと約束した今そうする事もないだろう。 「マ、その辺は一緒に探せばいいのでス。 丸一日遊園地とか引きずって歩いたリ、 変なゲームをぶっ通しでやってみたりしテ、 リュイの新たな楽しみでも探ってやりますヨ」 どこか自信を見せて、こちらもお茶をひとくち。 「……あとは出来ればコード全部解除したいとこですネ。 とはいえシングソンに諸々凄まじく負担を強いましたシ、 あまり無理して解除する事もないカ…… というか彼も引きずっていきたいですネ。 ……いヤ、彼の場合はどうなんでしょウ……うーム」 などと零す。とはいえ自分の言葉への結論としては、 「まア、どれにしろ時間が必要ですネ」 でまとめられるのだが。 (-37) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 0:45:14 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン「……貴方も大概ですねエ…… バンドッグとはまた別方向で心配でス……」 喉を癒す貴方を眺めながら呟いた。 それから、止まった筆を見て、 視線を紙からあなたに移す。そしてまた紙へと。 「…………」 歪み、滲む文字を追う。雫の元へ視線が動く。 貴方の願いを聞いて、こころが、いたい――。 その瞬間、電脳の奥底で何かが弾けた。 ▼ (-45) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 18:04:57 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン「シングソン」 気が付くと、貴方の名を呼んでいた。 気が付くと、貴方を両の腕で抱いていた。 気が付くと、貴方の髪を指先で撫でていた。 外装も、機能も、尊厳も、権利も、 その全てを弄られ、変えられてきた点燈用が、 ずっと大切に抱いていたものが。 記憶が、こころが、酷くざわめいて仕方がない。 暗闇に灯を。誰かに希望を。手の届く貴方に、助けを。 ずっと昔、自身の点燈作業に付き添っていたヒトが、 落盤に巻き込まれそうになった際、咄嗟に庇った時から。 あの日、機能ではなく、こころがそう叫んだ時から。 「私ハ、あなたを助けたイ」 そこにいた感情が、増幅されて噴き出した。 ほんの少しでも、それが死の寸前にある仄かな灯でも。 暗闇の中に燈される、確かな灯りでありたい。 点燈用は、貴方を抱き、撫でる。自分自身を助けられない今、 貴方をどうにかする事は出来ない今、これが精一杯の灯だ。 (-46) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 18:14:03 |
【墓】 点燈用 トムラビ#ハノイの塔 「…………」 ただ冷静に、飛んできた線路だとか、鉄パイプを 目前で回した鎖で絡めとり、止める。 そのまま振り抜き手を離し、倒れた時刻表に叩きつける。 『現状解決を一から十まで他者に頼り切る』 『全て死罪に相当するだろう』『どうして』 『じゆうに』『いきていたいだけなのに』 飛び交う言葉が幾つか、心と、記憶の内に響いていった。 泣いて、願って、乞うて、何か得られた事があったか? 得られたものは、 生きる事への罰だけだ。 強き者が揮う鞭だけだ。 男が言う"褒美"だけだ。 「バンドッグ、リュイ」 「少シ、下がってくださイ」 ▼ (+3) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 18:33:50 |
【墓】 点燈用 トムラビ#ハノイの塔 言って、前に出る。鎖を引いて、ランタンを手に。 遮二無二暴れるエネミーの群れの中心に、それを投げつけた。 「貴方達ハ、きっと私でしタ。だかラ、ごめんなさイ。 それと――お疲れ様。もウ、寝る時間ですヨ」 ランタンが着弾した瞬間、それは大規模な爆発のように。 全てを焼き尽くす火を噴いた。それは特に人型のエネミーを、 徹底的に、そして一瞬で、焼き焦がしていった。 後には黒い焦げ跡と、崩れていく炭と、舞う灰だけ。 「おやすみなさイ、さようなラ。 貴方達の苦しミ、終わった事を祈りまス」 静かに引いた鎖の先で、ランタンの灯が揺れていた。 幽かなその灯りは、弔火のようだった。 「……さア、道、空きましたネ。行きましょウ」 (+4) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 18:36:09 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ「ではカッコイイ、とも言っておきましょウ。 実際カッコよくもあるのですシ」 可愛くかっこいい看守、子供の憧れみたいな存在。 ある種のヒーロー的な属性だ。 実際、ヒーローのような事をやっているわけだし。 「リュイには娯楽ヲ、私にはコード解除ヲ、 シングソンにハ……癒シ、でしょうカ…… まア、ともあレ、終わってからの話でス。 それまでは出来る事をしていきますヨ。 そう言う訳デ、宜しくお願いしますねバンドッグ」 改めての一礼。そうした後は、ただ自室でのひと時。 折角だからアロマキャンドルを焚いたりだとか。 貴方を揶揄ってみたりだとか。 貴方が部屋を出る時まで、そんな時間を過ごしたのだ。 (-47) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 20:18:52 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン繰り返し、繰り返し、貴方の頭を、背を撫でる。 幾つもの雫が薄い衣に吸い込まれていく。 貴方が呟く度、こころが悲鳴をあげる。 「貴方ハ……貴方ハ、きっと間違っていないのでス。 恐らくハ、貴方の主モ……そうであって欲しク、思いまス。 ただ少し踏み外しただケ……そこから戻れるかハ、 私にはわかりませんガ……」 貴方の主が、最初の頃を思い出して、貴方と同じように 感じてくれるのならば、心は元の道に戻れるのだろう。 人間とて、全ての記憶や心を捨てる訳ではないはずだから。 それでももし、心すら元に戻れないのなら。 貴方を責め、苦しめ、或いは捨てたり、 人間に近しいという事を利用して点燈用のように扱うのなら。 きっとこの点燈用は何が何でも貴方を助けに行くだろう。 貴方が私にそうしてくれたようニ。 ▼ (-55) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 22:20:40 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン「……声帯との接続部位も変わっテ、 発音が妙になった私に歌えとハ。 貴方の我儘も中々ですネ、シングソン」 嗚咽が収まるまでそうしていたように、 収まってもまだ、貴方を抱き、背と頭を撫で続ける。 微笑んで、命令ではなく……頼みを聞いた。 「古い歌しか知りませんシ、発音が悪いのは勘弁ですヨ」 そう前置きして。 「...Sing, sing a song...」 貴方を呼ぶように、囁くように、口遊む。 「Sing, singsong Make it simple to last your whole life long Don't worry that it's lost your voice for anyone else to hear Just sing,sing a song」 貴方が声を出せなくても、貴方のきもちは届いたのだから。 本来の歌とは、少しだけ歌詞を変えて歌い。 そのあと貴方の背中を、歌のリズムでつついてみせる。 とん、ととととん、とん、ととととん。 喉への負担の少ないハミングをしながら、指先で歌って。 御一緒にいかガ?なんて言いながら、また貴方を撫でた。 きっとそれは貴方の求めている答えとは違うのだろうけど、 それでも灯のひとつとして。ハミングを続けるだろう。 (-58) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 23:01:09 |
【墓】 点燈用 トムラビ#ハノイの塔 「―― 歩き続けまス 、道なき道を 」弱者は、落ち着いた声でそう呟く。 答えの答えは求めていない、答えを求めているのは 今前に立っている者だろうから。あくまで、返答として。 「出来ない事モ、諦めた事モ、沢山ありますシ、ありましタ。 道を踏み外した事モ、一度や二度ではありませン。 それでも私ハ、生きテ、いるのでス。 道がないなラ、道のない所に踏み出せばいイ。 踏み外したなラ、這いあがればいイ。 ……ましテ、ここでの友がいるのなラ、 這いあがる時に手ぐらい貸してくれるかもしれませン」 目を瞑り、ここに来てから助けてくれた友たちを思い出す。 あなたに声をかける愛玩用に微笑みかける。 「私モ、そうありたイ。踏み出す暗闇ニ、灯を燈したイ。 一人で無理だと言うのなラ――友に頼るまデ、でス。 そうして友が困った時ハ、私が友を助けまス。 ……多分、そうやっテ、新たな道は……出来るのですヨ」 そう、静かに呟いた。 (+5) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 23:19:13 |
【墓】 点燈用 トムラビ#ハノイの塔 「あそこまでがっちり組み合っているト、 打てるものも撃てるものもありませんねエ……」 甲高いホイッスルの音。 放たれたデータの刃に渦のように鎖を巻き付け、 背負って投げる要領でその向きを逸らす。 微かに背中が削れたが、怪我の範疇でもない。 前衛と後衛 と相手 この身体は改造されて尚不便な事ばかりだ。 「男の子って皆あんな感じなんでしょうカ。 ……理解できない半分、羨ましい半分でス」 半ばぼやくように、愛玩用の持ってきた薬を借り受ける。 刃から解いた鎖でそれを巻くと、 そのまま、遥か高空へ向けて鎖を振って、強く引く。 頭上で破裂した薬品の雨は、 掲げられた灯の光と共に回復を撒き散らしただろう。 (+7) shell_memoria 2023/12/10(Sun) 20:59:08 |