人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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到着:二年生 小林 友

【人】 二年生 小林 友



  人魚は、南の方の海にばかり
  棲んでいるのではありません。
  北の海にも棲んでいたのであります。

  ─────『赤いろうそくと人魚』
              小川 未明*


 
(17) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 6:44:45
二年生 小林 友は、メモを貼った。
(a2) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 6:55:01

【独】 二年生 小林 友

/*
いきなり秘話来た!!!
なんだよぅ、陰の者ころころしたら泣いてゃう
(-6) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 7:06:52

【独】 二年生 小林 友

/*
なんだなんだ元彼か???
おん???(((ง'ω')و三 ง'ω')ڡ≡
(-22) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 14:57:14

【独】 二年生 小林 友

/*
わらった
いや、連投はうざいね
(-23) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 14:58:22

【独】 二年生 小林 友

/*
高校生ッ!て感じで好き……
こういうリアルな情動は、牛乳書くのすごく上手だと思う。
(-24) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 15:02:11

【人】 二年生 小林 友




  「柔軟体操はじめるぞ、二人組を作れ」



[体育教師の号令は、俺にとっての死刑宣告。

 クラスの中に、気のおける友人なんか
 一人もいやしないんだから。
 ……友人じゃなくても、初対面じゃないから
 声掛けても変じゃない、って?陰キャ舐めんな。

 目の前で次々と組を作っていく
 クラスメイト達を後目に、俺はため息をついた。
 腹が痛い、と言い張って帰りたい。
 二日目なんです、とか言って。
 あー、空の青さが、ひたすらに憎い。

 俺が体操着の裾を握りしめて
 ただじっと立ち尽くしていると……
 クラスメイトの青柳がそっと俺の肩を叩く。]
(40) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 15:09:21

【人】 二年生 小林 友



  「トモちんもひとり?
   したらオレと組んでくんね?」


[頼むよぅ、なんて声を出す青柳は
 男の俺から見ても背は高いし、バスケ部だし
 髪も染めてて……如何にも陽キャって感じ。

 白く眩しい歯を覗かせて笑う青柳に
 結局俺も断り文句が浮かばなくって
 運動靴の先を睨みながら頷く他なくって。

 いっその事、虐められてるとか、
 ……靴隠されたり、教科書燃やされたり
 今みたいに、ぼっち丸出しなことを
 指を指して笑われたりとか、
 ─────俺が被害者なら、
 多分この心持ちはよりマシだった、と思う。

 優しい人達の間で上手く立ち回れない自分が
 ただただ、惨めで。
 けど死ぬとかそういうつもりもなくって。

 屈託の無い青柳の笑みに消えたくなりながら
 俺は体を二つに折って、地べたへ手を着いた。]
(41) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 15:10:06

【人】 二年生 小林 友

[望んでこの世界に生まれたわけじゃない。

 望んでこんな生き方を選んだわけじゃない。

 だから、全部、仕方の無いこと。



 結局その日、体育が終わった瞬間
 俺は全速力で更衣室に駆け込んで
 着替えを済ませるやいなや
 教室へと駆け出した。

 ─────青柳に感謝も謝罪も、
 する勇気なんか、無かった。]
(42) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 15:10:38

【人】 二年生 小林 友

[だけれど、最近になってこんな学校生活に
 少し楽しみが出来た。

 図書館の片隅に見つけた、古い童話集>>24

 子ども向けにしては仄暗い香りのする物語は
 俺の心にぽっかり空いた穴ぼこを
 つかの間、やさしく埋めてくれるきがして。

 重苦しい授業が終わったら、
 部活に向かう同級生の隙間を縫って
 誰もいない図書館の片隅に行っては本を開く。
 古本特有の甘い匂いに鼻先を寄せると
 ざわつく心が静まるよう。]
(43) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 15:10:57

【人】 二年生 小林 友

[それと、もうひとつ。
 ネットの青空文庫でも読めるこの本を
 わざわざ学校で読む理由。

 俺は、書架の陰になった机に荷物を置いて
 本棚から慣れたように
 『赤いろうそくと人魚』を取り出すと……

 間に挟まっているだろう便箋を探して
 ぱらぱらと頁を捲るのだ。]
(44) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 15:11:17

【秘】 二年生 小林 友 → 元チアリーダー  早乙女 菜月


[もうとっくに、このやり取りは
 今の俺が生きてる意味……ですらあって。]
 
(-27) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 15:11:54

【人】 二年生 小林 友

[窓の外ではバットがボールを打った
 カッコーン、と軽い音が響いている。
 図書館の前の廊下を、軽音部らしき数人が
 楽器ケースを背負って駆けていく。

 そんな学校の風景から逃げるように
 俺は古びた本の世界へ埋没していった。]
(45) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 15:12:12

【人】 二年生 小林 友

   人間は、この世界の中で
   いちばんやさしいものだと聞いている。
   そして、かわいそうなものや頼りないものは、
   けっしていじめたり、
   苦しめたりすることはないと聞いている。
   いったん手づけたなら、けっして、
   それを捨てないとも聞いている。
(中略)
   せめて、自分の子供だけは、
   にぎやかな、明るい町で育てて
   大きくしたいという情けから、
   女の人魚は、子供を陸の上に
   産み落とそうとしたのであります。
   そうすれば、自分は、再び我が子の顔を
   見ることはできぬかもしれないが、
   子供は人間の仲間入りをして、
   幸福に生活することができるであろうと
   思ったのです。

─────『赤いろうそくと人魚』
               小川 未明*
(46) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 15:18:41

【人】 二年生 小林 友

  ー あの日の話 ー

[あの日はいつもと同じように
 書架の陰に隠れながら本を読んでいたっけ。
 いつも同じか、時々違うの。
 でもあの日は『赤いろうそくと人魚』だった。

 読み慣れた物語を進める指先が、
 ふと、質感の違う紙に触れた。
 見てみると、ページの間に、一枚
 一昔前の雑誌の付録みたいな便箋が
 世界を区切るように挟まっている。

 
「okini no Book!」
と吹き出しの出た
 目ン玉が顔の三分の一を占めてそうな
 二頭身の女の子……まじまじと見ると
 クリーチャーのような彼女は
 薄桃の用紙の上でにっこり笑っている。
 羽根が生えてる辺り、天使なんだろうか?
 正直、よく分からないけど……]
(49) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 21:14:57

【人】 二年生 小林 友

[ずっとこの本を読んでいたけれど
 こんなのが挟まってるなんて、初めてのこと。
 やけに静かな図書館の中を
 窓も閉めているのに、静かに空気がそよぐ。

 後ろの貸出カードは白紙。
 ……俺、最近借りたのに。

 
─────これは、陽キャの嫌がらせ?
 え、こんな地味なこと、する?
 これ誰にもダメージなくない?

 ……とかなんとか、くるくるその場で考えて。]
(50) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 21:15:48

【人】 二年生 小林 友

[色々考えた末に、俺は消えるインクペンを
 取り出すと、そのダs……レトロな便箋に
 適当にメッセージを書くことにした。

 イジメにせよ、誰かの忘れ物にせよ
 ここに気付いた人間がいることを
 何となく、示しておきたくって。]
(51) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 21:16:05

【秘】 二年生 小林 友 → 元チアリーダー  早乙女 菜月

[………………いいや。
 ぶっちゃけ言うと、ね。

 誰でもいいから、話を聞いて欲しかったんだ。
 宙ぶらりんのどうしようもない俺の事、
 誰でもいいから、知って欲しくて。

 ホントに、ただそれだけでさ。]
(-36) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 21:16:30

【置】 二年生 小林 友




  人魚は可哀想だ。
  人間の所へなんか来たくなかったろうに。
  こんな未来になるなんて
  誰も思ってなかったのかもしれないけど
  それでも、親のエゴに振り回されて
  来たくない所へ来させられて。

  恋も知らず、泡にもなれず。



 
(L0) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 21:18:10
公開: 2020/09/27(Sun) 21:20:00

【人】 二年生 小林 友

[コバルトブルーのインクが、
 薄桃の便箋の上を走る。
 はっきりそこに、俺の意思として。

 ……後半のポエムな感じはまあ、ともかく。

 大して読み進められなかった本も
 この便箋のせいで読む気になれなくて
 俺はそそくさと本を取って棚に閉まった。

 その日は、それっきり。

 ベッドに入る頃には、便箋のことより
 俺は元カノの事に想いを馳せていただろう。]
(52) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 21:18:33

【人】 二年生 小林 友

  ー 回想 元カノとの蜜月 ー

[……………………………………………………。

 ……………………………………………………
 …………はい、すいません、見栄張りました。

 いた事ありません。
 彼女とか。もうかれこれ17年ほど。

 大体、野郎の青柳にも
 ろくに話しかけられないのに
 女子相手とかホント輪をかけて無理。
 無理オブ無理。多分話しかける前に泣く。

 ……いいんだ、俺将来の夢、魔法使いだし。

 あーあ、マジしんど。寝よ。]

           [〜蜜月編、完〜]
(53) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 21:19:46

【人】 二年生 小林 友

[そうして翌日、あの本に挟んだメモを見に
 再び図書館を訪れたのだけれど……

 やはり、図書館は波を打ったように静か。

 ごくり、と何となく飲んだつばきの音すら
 館内に響き渡ってしまいそうなほど。
 毎回このくらい静かだったらいいのに、なんて。

 けれど、目的の書架に向かって歩き始めると
 ……なんだろ、妙な視線を感じる>>30
 相も変わらず図書館は無音で、足音は一人分。
 なのに、誰かにじっとつけられてるような
 じんわり背筋を逆撫でするような、
 妙な心地が続いていたか。

 もしかしたら、ここで振り向いていれば
 忍べてない忍者みたいな格好の影に
 ばったり出くわしてたかもしれないけど>>31
 やだよだって怖いじゃん。
 イジメだった時に主犯格がいても怖い。
 つまり、俺には振り返るメリットが無いのだ。
(54) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 21:28:42

【人】 二年生 小林 友

[『赤いろうそくと人魚』は
 相も変わらず本棚の一角に収まっていた。
 いつもの通り、背表紙に手をかけて
 棚から引き抜こうとしたその時─────

 横合いから
ズァッ!
と真っ黒な影が現れて
 本を取る俺の手の上へと手を伸ばそうとしたのだ。]


  
おヒ─────っ!!!!



[俺は思わず悲鳴を上げて飛び退いた。
 見れば、身長同じくらいの、影だけが
 ぬぼーっと俺の真横に立っている。

 何これ、どんないじめ?祟り系いじめ?
 影は物言いたげに本棚へと手を伸ばすけれど
 俺はもう、正直、キャパシティオーバー。
 シャカシャカと床を這いずって
 出口の方へと逃げようとする。]
(60) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 22:08:45

【人】 二年生 小林 友

[……もし、影の声が聞こえていたら
 この後の話って変わっていただろうか。
 後から思えば、そうなんだけど。

 でもあの時の俺は突然の怪奇現象を前に
 チビらんばかりにビビりあがっていた。
 顔中でろでろにしながら図書館を飛び出し……]


  「うわっ!……えっ、どしたトモちん!」


[そのまま、図書館の外を歩いていた青柳に
 思い切り体当たりしたのだった。]


  あ、わ、ま、ま、ま……!
  か、かぎぇ、わ!


[顔面蒼白、歯をガチガチ鳴らしながら
 俺は今起きたことを説明しようとしたけれど
 全然、言葉にできなくて。]
(61) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 22:10:00

【人】 二年生 小林 友

[なんて説明すればいい。

 図書館で本を借りようとしたら
 突然黒い影が現れた?
 本当にそれ、見間違えじゃないの?
 居眠りでもしてた?

 床に蹲った俺の肩をしっかり支えながら
 じっと顔を覗き込んでくる青柳を見ていたら
 パニックの波が引く毎に、
 だんだん惨めさと恥ずかしさとが募ってきて
 結局俺は何も答えられずに
 赤い顔して、胸中の本を抱き締めるだろう。

 それでも、青柳は黙って俺に着いてきてくれて
 その日はバスケ部の面々に囲まれながら帰った。

 「いじめられてるなら、言えよ?」
 「トモちんちょっと疲れてたんだよね」
 「ほんとに、無理してない?」

 もうどいつもこいつもほんとに、イケメンで
 優しくて……俺はいっそ殺して欲しくなった。]
(62) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 22:10:41

【人】 二年生 小林 友

[優しいバスケ部の面々は
 最寄りの駅まで着いてきてくれた上に
 アイスまで奢ってくれた。

 だぁれも、「ありがとう」なんか求めてなくて
 最後まで俺を気遣ってくれてて……
 家に着くなり、情けなさで俺は泣いた。

 その間も、バスケ部と過ごしてる間も
 図書館から持ち出してしまったあの本は
 ずっと、俺の腕の中にいた。]*
(63) シュレッダー 2020/09/27(Sun) 22:11:06

【人】 二年生 小林 友

[そりゃあさ、誰も信じてくれないって。

 図書館にいたら黒い影に襲われた、とか。

 図書館から持ち出した本に、ダサい便箋が挟まっていて
 それにメッセージを書くと、ずっと俺が持ち出してても
 いつの間にか返信が書き込まれている、とか。

 俺だって、他の誰かががそんなこと言ったって
 多分、絶対信じないもん。]
(111) シュレッダー 2020/09/28(Mon) 13:33:37

【人】 二年生 小林 友

[最初にもらったメッセージは果たして
 俺のポエムへの感想だったか、
 それとも俺に倣って本の感想でも書いていたか。

 どんなんでもいい。
 だってそんなことより、誰かが、俺の言葉に
 何かの意思を示してくれた。

 正体はあの影かもしれないけど
 正直、怪奇現象は俺に実害がなければオッケー。
 特に殺すだの祟るだのの物騒ワードが出てこなければ
 俺はまた便箋に返事を書くだろう。]
(112) シュレッダー 2020/09/28(Mon) 13:33:50

【置】 二年生 小林 友



  返事をくれてありがとう。
  こんな走り書きに返事が来るなんて
  思ってもみなかった!

  君も、この本が好きなの?



(L1) シュレッダー 2020/09/28(Mon) 13:34:41
公開: 2020/09/28(Mon) 13:35:00

【人】 二年生 小林 友

[青いインクに声を乗せて
 俺はこの便箋越しの相手と何を語るだろう。

 俺がこの桐皇学院高等学校の二年生で
 この本が好きで読んでいたこと。
 図書館へはよく放課後本を読みに来ること。

 名前は……そうだ、ユウ、ということにしよう。
 もしなんかお化けだったら、怖いし。

 俺はペンを走らせながら
 ふと、自分の口角が上がっていることに気付くだろう。

 物語の一頁に自分がいるみたいな不思議な感覚。]
(113) シュレッダー 2020/09/28(Mon) 13:35:03