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【神】 pasticciona アリーチェテオとニコが逮捕された。 頭が真っ白に弾けたようにやけに周囲の音が滲んで聞こえ、 吐き気にも近い眩暈が襲い掛かる。 「……っ、……は、ぁ…………」 怖い。怖い怖い怖い。 あの牢獄の仲がどれだけ過酷か知っている。 あの現場に二人を、本当はもう誰も放り込みたくなんてなかったのに 「ごめ、……ごめん、なさっ……」 「テオ……ニコ………」 待つしかないの?待っていたら、本当に助けは来るの? 結局わたし、"また"なにもできなかった。 ねぇ、二人も同じ事、思ってくれていた? ──昨日の光景がリフレインする。 だとしたら、ごめんね。テオ、ニコ。 わたし、謝らないといけない事があるんだ。 #警察署_朝礼 (G3) poru 2023/09/20(Wed) 22:05:39 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ/* こんばんは、ラッシュ時改札失敗猫です。 来られるかな?と思っていましたが本当に来てくれて感無量です!やった〜!!! こちらこそ入村文で勝手に使っておいて一度もまだ会話したことがなかったので、ぜひ!お話して頂けると嬉しいです! 万が一役職について何かが出てもいいよう秘話進行の方が楽でしょうか?どちらにせよお任せします!よろしくお願いします! (-18) poru 2023/09/20(Wed) 22:19:53 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 黒眼鏡「優先順位の一番上。 ……誰よりも、優先したいものが愛?」 「一途なそれを思えば翳る気持ちも、ええ…… ──素敵だと思います。 その愛を受ける人が、羨ましいほどに」 私の愛とは、やはり違うけれど。 そんな熱烈で、それでいて純朴な愛は、 どうしても人間として、強く惹かれてしまう。 鐘の音。問われた言葉。 少しだけ困ったように空を眺めてから、語る。 「私なら……その人に渡して、笑ってくれたであろう物。 或いは生前はついぞ得られなかった物、かな」 目を閉じれば浮かぶそれを、送りました」 「結局は、押し付けたんですよ。 押し付けです。でも、それでいいと思ったんです。 結局は"こちら側"にいる私の自己満足でしたから」 「ものに心当たりがないのなら、例えば言葉。 言葉に飢えていたなら、言葉だけでもいいと思います」 (-33) poru 2023/09/20(Wed) 22:52:41 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ「…………あっ、……ダニエラ」 「ごめんね、平気よ。 ここで蹲ったってどうにもならないのを知っているから。 平気……に、なるしかないのよね」 顔色は悪い物の、涙で瞳が濡れていたりはしない。 両頬を軽く手で叩いたけれど、あまり効果はなかったようで、そこまで女の表情が晴れる事はなかった。 「ダニエラは大丈夫?無理してない? 私じゃなくても、他に弱音を吐ける人がいるならいいんだけど」 (-34) poru 2023/09/20(Wed) 22:56:48 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 徒花 テオドロ半目で見られ、思わず気まずげに視線を逸らした。 責められている気がする。悪癖なのはわかっているけれど。 「そう、かなぁ。嫌な男No.1になるには人の世話を焼きすぎじゃないかなぁ……みんな、そう言うことには敏感だから、嫌そうに見えて実は良い人No.1だと思ってる気がする……」 「それを"当然の事"、って言えちゃうでしょ? その時点で私は当然のように受け取ったりできないよ。 二人こそ、自分の凄さが全然わかってないんじゃないかなぁ……」 貴方の狙い通り、機嫌がばっちり取れてるので、少し調子に乗って来て少々余計な言葉も言うようになってしまった。 「私も見え過ぎちゃうの、あんまり得しない体質だけど…… 特に気苦労になっちゃいそうなテオには辛そう。 ニコは逆にうまい事やりそうな気もするんだけど」 そう考えると案外バランスがとれているのではないか。 3人仲良く警察をやっている今を思い、頷く。 「……なんだ。それなら私と、ちょっと似てるかも。 私、マフィアになるかも少しは考えてたんだよ。 ただ、圧倒的に適性がなさそうで……娼婦から入って、 娼婦のまま終わりそうだったから……警察に入ったの」 (-43) poru 2023/09/20(Wed) 23:18:04 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ「悪法だとは思っていたわ。心配だとも。 でも、まさかこんな勢いで始めるなんて…… こんな大がかりだと協力者の数も少なくないはず。 みんな、どうしてなんだろう。脅されて、なら、 恨むこともできなくなっちゃうんだけどね……」 もし私利私欲の為なら?そんな想像をすると胸が痛む。 (-47) poru 2023/09/20(Wed) 23:22:41 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → オネエ ヴィットーレ必死に焦燥感と戦いながら練り上げようと試みた最中にかけられた声に、一瞬目を丸くしてから、ようやく自分が暴走している事に気づいたのか、恥じ入るように顔を伏せて。 「ごめん、そうだよね、 焦りばっかり先走って、私…… 全然ヴィットーレの事安心させられてない、や……」 ひとつひとつ、諭されれた単語。 それが全て心に重くのしかかる枷のように辛いけれど、 落ち込んでいてはいけないのだ。 「……違う。ヴィットーレ。 私、貴方に安心させてほしくてここに来たんじゃない。 貴方を守りたくて、寄り添いたくてここに来たの。 それは辛い事から優しい目隠しをして貰って、 夢だけ見せてもらうのとは、きっと違うと思う」 声色を聞いて、後悔が滲む。 自分は、何をしに来た?ヴィットーレを困らせに来たの? 心配をかけるばかりで、本当にそれは助けになるといえるの? ──違う。 「──貴方の姿が見たい」 「辛くて、痛くて、苦しいなら、気を使って隠さないで」 「わたし、もう立派な大人よ。守られるだけじゃない」 「貴方の中の私は、肩を預けるのすら、頼りないかな」 (-56) poru 2023/09/20(Wed) 23:40:37 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ「そうじゃなかったら? ……私利私欲だとしても、理由は様々だと思う。 だから……聞いてから考える、と思う」 「私は裁判官でもないから、公平に判じた場合許されない人を許しちゃうかもしれない。 逆に、許される人を許せないかもしれない」 「勿論、許さないからと言って私刑を起こしたりはしないよ。 ただ……こうだからこう、って機械的に決めるよりは、 やっぱりその人の話を聞いてから、私は決めたい。 それが相手に対する誠実な対応…… って、信じたいっていうと、大袈裟かな、あはは」 「だ、ダニエラは?どうするの?」 (-57) poru 2023/09/20(Wed) 23:45:05 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ「楽、か。……それもいいと思う。 立派なんて言われるけど、抱えきれるものの重量は人には決まっていて、……わかっているのに、それでも聞かずにいられないだけよ。それは立派から程遠いどころか、真逆だと思うの…」 「多分、……私は怖いんだわ。 楽、で切り捨ててしまった選択肢が、良いものである可能性に」 「……悪いことの方がきっと、多いんだろうけどね」 「だから、楽って言うのはわかるかも。 ……自分から覗かなければ、傷付かずにいられる。 きっと、賢い生き方というのはそういうものなんでしょうね」 (-70) poru 2023/09/21(Thu) 0:22:50 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 黒眼鏡貴方の中に迷いが見える訳ではなく、答えを既に出しているのなら、女はそれについては頷くだけ。 美化すぎるかも、と言うのだって。その通りだと思うし、そんな事ないとどちらも思う自分がいたから、それ以上の言葉を乗せるのは野暮だと思った。 「あら、それなら猶更じゃないですか。 そんなに話していないなら、 勝手に言葉を置いていけばいいんですよ。 ほら、自己紹介でも、好きな歌でも、或いは物でも。 コーヒーはお好きかしら?それならそれでも」 「ああ……でも、共犯のわたしがいる時でないと入れない と言うのなら、やっぱり言葉が一番じゃないかな。 長くても、一言でも、押し付けならどうせ同じです」 「先程まで私に調子よく喋ってくれていった貴方は 一体どこに行ってしまったのかしら?」 なんて、わざとおどける様に貴方を探す身振りをして、 また貴方に視線を戻しながら、笑う。 そんなに気を張らなくてもいいんですよ、と。 (-231) poru 2023/09/21(Thu) 19:14:24 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → オネエ ヴィットーレ「強くなりたいって強さを、貴方がくれたのよ。 誰でもない貴方の背を見て、追いつきたくて、」 いつの間にか、それだけじゃ足りなくなっていた。 ずっと目隠しをして守って貰ってる自分に気づいた時、真っ先に思い浮かんだのは貴方の姿。 ねえヴィットーレ。貴方には寄り添える人はいる? 私じゃ、だめかな。 「ふふ、わたし、偉いでしょ。でもね、」 姿を晒してくれたのを感じ、貴方に視線を移して。 本当はこんな檻を壊してすぐにでも駆け寄りたいのに、その居た堪れなさとやるせなさの混じった衝動を、奥歯を食いしばって耐え忍ぶ。 目を背けちゃだめなんだ。懸命に私達を守ろうとしてくれた勲章を、他でもない私が否定するわけにもいかない。 女は一度も泣いていない。泣きはしない。 化粧の下にも、一度も痕は残っていない。貴方から貰った強さの証明だ。 「ヴィットーレ。貴方の方がたくさん凄くて偉いわ。 私なんかより何倍も、ずっとずっと、偉いよ」 「そんな痛々しい傷を負ってまで大切なものを 守り続けようとずっと耐えていてくれたんだよね」 「──ありがとう。私達の為に頑張ってくれて」 きっと貴方は、家族の誰にも隠そうとするから…… その一つの言葉に心からの感謝を伝えたい。 せめてその偉業を、私だけは認めたかった。 だからあなたに見せる表情は、ここに来て初めて見せる穏やかで柔らかな労りの笑顔。この子は大丈夫だと思って貰えるように、少しだけ気丈に。 檻の向こうに手を伸ばせるほどその隙間は広くはないだろうから、せめて肌と肌が触れ合えないか試みるように一部の隙間に手を押し付けた。 (-390) poru 2023/09/22(Fri) 17:05:49 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ「どんな話に切り替えてもいいの?」 「じゃあそうね」 「──どうしてニーノだったの?」 「それとも、手柄が欲しかっただけ?」 本当は、ずっと聞きたかった。 どうして貴方で、彼で。そんな事をしていたのかって。 けれど先程の答えを思うに、答えて貰えないだろうか。 最も、不意に話題を切り替えた事に後悔はない。 あるとしたら、張り詰めた緊張感だけ。 (-391) poru 2023/09/22(Fri) 17:15:10 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 徒花 テオドロ「…………うん。じゃあ、ちょっとだけ誉めようかな。 ……はぁ、凄く緊張した………… さっき持ち上げる傾向があるっていったでしょ? 二人とも、私が「警察になりたい!」って言った時も 特に理由も聞かずに勉強を教えてくれるものだから、 実は気になっていてそれはもう仕方なかったのよ」 大袈裟に大袈裟を重ねた溜息を吐いた。 よくよく観察してみれば、先ほど喋っていた時はまるで菓子に手を付けていなかったから、見せないようにしていたが内心は余程の緊張感で満ちていたのだろう。 まさか、マフィアとの二択で入れそうだから警察にする。 なんて、人によっては激怒されそうな内容だ。 二人はそんなはずないと薄っすら理解をしつつも、 それでも「答え」を見るまでは冷や汗ものなのも事実で。 「……ようやく息ができるわ。 持ち上げられてるつもりはあっても、持ち上げてるつもりはないんだけど、テオも似たような事を感じていたりしたなら、もう少しちゃんとこの問題は向き合った方がいいかもしれないわね」 「……何故こうなるかというと、多分私は…… 持ち上げると言うより、みんな自分の事を"落としてる"」 「……これが原因かなって思う」 「あ、また怖い事言ってる…… 二人揃ってマフィアになってた道もあったとしたら、ちょっと面白いな。 でも、テオとニコの事撃てって言われたら撃てないや。 ──テオは、どう?マフィアになって、私達のこと撃てる?」 (-394) poru 2023/09/22(Fri) 17:29:50 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 黒眼鏡「ふふ、それはそれは。光栄です。そう褒められる事は なかなかない事なので、調子に乗ってしまいそうだわ」 話しやすい。 女が言われて喜ぶ言葉だから、 ちょっと弾んだ声色を完全には隠しきれないだろう。 あなたが大袈裟に悩む仕草も、 そこから墓標に呟く仕草も、 貴方よりも何十倍も内心、緊張した様子で。 緩く指を組みながらあなたの一挙一動を 真剣な眼差しで、少し息を呑んで見守っていた。 気を張らなくていいと言ったのは当人なのにこの有様である。 もしかして耳を塞いだ方がいいかしら…… 何て事を真剣に考えている間に帰ってきた笑顔を見て、 ようやく落ち着いたものだから、こちらも緩い笑みを返した。 「付き合うと言う程、負担になる事はしていませんよ。 私も、こうしてアリソンさんとお会いできてよかった」 共同墓地に埋葬された人、ひとりひとりに祈ることは、 やはり機会はどうしても減ってしまい、そうした新たな機会を得られる事は良い事だと、心から思って止まないのだ。 「あら、そんな頼りない殿方だと、 この共犯関係ももう、続けられなくなってしまいますが」 どうしましょう。と。女はこの共犯関係は今日限りでも、続いてもどちらでも構わない。 だから、貴方にそれを選んで貰おうとするように片手を差し出した。 (-395) poru 2023/09/22(Fri) 17:52:25 |
【教】 pasticciona アリーチェ「──思い切り呼ばれてしまったわね、名前」 「諜報していたのがバレて叱られるのは慣れっこだけど…… こうして人に報告している現場を見てしまうと、 色々と複雑に思う所があるわね……」 「この夢は見納めになるのかしら。 ……困るわね。ようやく取り柄が見つかったと思ったのに」 (/0) poru 2023/09/22(Fri) 18:02:09 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ「そんな……」 本当は何と言ってほしかったんだろう。 弁解の言葉か、あるいは仕方のないと思えるような理由か。 愚かにもこの段階においても、女は望んでいて。 だがそんな女が望むものは何一つ与えられない。 「あの牢獄は、生易しい物じゃないわ……。 沢山血を見て、陰惨で、目を覆いたくなるような光景も多くて……」 こんな事を語るからには、誰かに会いに行ったことがあるのだろう。女にとっては地獄とも思える光景だった。 「嫌だから、って理由だけで、入れちゃうなんて…… 同じ、一緒に働く仲間なのに……」 そんな場所に入れた事を、"いつも通り"に答えられる様子が恐ろしい。 本心であれ本心じゃなかれ、いずれにしてもそう振舞える人間は、自分なんかより余程場数を踏んでいると考えているから。 「……ダニエラ。貴方、何者なの? 普通の巡査にそんな事できるとは到底思えないよ」 (-397) poru 2023/09/22(Fri) 18:12:43 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → オネエ ヴィットーレ「もう、"みたいなのでも"なんておかしいよ。 こんなに立派になったって言うのなら、 そのお手本になった人ももっと肯定してあげてほしいな」 くすりと笑ってはいるが、心からの言葉だ。どうにもヴィットーレはたまに妙に自罰的過ぎるように聞こえる事を言うのが、どうにももどかしい。 きっと貴方がそんな事を思っているなんて知ったら、 思わずお説教でもしてしまったかもしれないくらいだ。 「ヴィットーレ……」 「泣いてもいいのよ。だっていつも、 辛い時は泣いていいって言ってくれてたじゃない」 「わたし、ヴィットーレがずっと耐えてきたの、知ってるよ。 だからもう一人で耐え続けなくていいよって、言いたいの」 貴方が泣いては駄目といったのは、自分達の関係を隠す時だけ。酷い事、と貴方が言っていたように、それくらい、泣くのを抑える事はアリーチェだって辛い事だと思っている。 だからそんな事を言われたら、無理やりにでも貴方との手を合わせるように押し付けてして、その手と触れ合う。 そんなに傷付いた姿であっても、まだ温かい血が貴方に通っているのが嬉しくて、その体温に触れられるのが嬉しくて。 「無理して泣かなくてもいいわ。 でも、無理して我慢しなくてもいい」 「──自慢の家族なら、分かち合いたいもん。 辛い事も嬉しい事も、こうして……掌が温かい事も」 自分が泣いている時、或いは泣くのを堪えた時、貴方が優しく包み込むようにしてくれたように。 ──あれ、でもおかしいな。何でわたし、今、胸がちくっとしたんだろう。 (-431) poru 2023/09/22(Fri) 21:19:48 |
【教】 pasticciona アリーチェ「あら、そんな気を使っていてくれてたの? いいの。ペネロペが考えて決めてくれた事なら、 どちらでも私は気にしなかったわ」 勿論見つかった事を残念だとは思いはしても、 伝えていなかった事で貴方を責める事はない。 「ふふ、疑心暗鬼になった時の考え方みたいね。 実際当てられちゃってるから何とも言えないんだけど」 そう言って今日はスプリッツを貴方に差し出して、貴方が口をつけるよりも先にこちらが自分の分をぐいっと煽る。 「……これはただの雑談なんだけど。ペネロペはさ、 大切な人と会話をしていて、心が痛くなる時ってある?」 (/2) poru 2023/09/22(Fri) 21:25:48 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ「……今だって、仲間だったと思ってるわ。 それは嘘じゃない。でも、 貴方の言葉だって、嘘じゃないって思ってる。 ……だから、わかんなくなって、」 信じてる。信じたい。 彼女は面倒臭がりで説明が不足しがちだけど、 こうして今まで一緒に笑い合った、他でもないあなたは、 心ない人物だとは、とても思えなかった。 だからこそ、何か理由があるんじゃないかと。 そんな救いのような言い訳に縋ろうとし続けている。 「…………っ」 ビクリと体が震える。 "あそこに連れて行かれたくはない" 純粋な恐怖と、自分が連行された場合に教会にかかる嫌疑。 そのどちらもが身を竦ませるには十分な威力だった。 「でも、私、貴方の事が知りたくて……」 先程は打って変わって小さくなった声は、 それでも未練たらしく響いている。 (-437) poru 2023/09/22(Fri) 21:34:17 |
【教】 pasticciona アリーチェ「ふふ……そうね、オトモダチ! そんなオトモダチをもしかしたら 置いていく事になるかもしれないのは心苦しいけど……」 きっと帰って来て見せる。とまでは、言い切りたくても言い切れなかった。 ただでさえ不思議な空間で、過酷とわかっている檻の中。 ふわふわと言葉を濁すしかない。 「……博愛主義じゃない、ってこと? 大切な、家族、なの。昔からそれが当然で、 それがとても嬉しかった事なのに……」 「なのに心がなんだか痛くて、少し寂しいのは、 ちゃんと家族として愛せてない、って事なのかしら……」 少し間違った方向に捉えながら、唸る。 (/4) poru 2023/09/22(Fri) 22:24:52 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ「あ……」 今となっては随分懐かしい言葉。 それを話題に笑っていた日は、まさかこんなにも世界が変わってしまうなんて欠片も思ってはいなかったのに。 「……馬鹿。 ダニエラがそう言ってくれたから、私助かったのよ」 ダニエラにとっては些細なエピソードでも、自分にとってはとても大事だったのだ。きっと、貴方に対してもそれと同じ事のように思っていて、 貴方が笑みを浮かべ続けている理由だってわからず、 貴方が何を考えているのかが全く── 最も、普段から実際読み取れていたかと言うと定かではないが── 読み取れず、困惑の内に髪に触れられ、目を伏せて不安げに左手を右の手でぎゅっと握り込む。「……わたしだってなりたくないし、させたくない、よ」 触れる髪を伝って微弱に震えているのが伝わるかもしれない。 きっと脅しじゃないのだろう。冤罪にしか見えない同僚を艶やかに逮捕してのけた人だ。自分の事だってすぐに何とかしてしまえるだろう。 怖くて、辛くて、それ以上に何もわからない自分が悔しい。 (-456) poru 2023/09/22(Fri) 22:41:43 |
【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ「……三人の事がどれだけヴィットーレにとって 覚悟がいる事で重い十字架だったのか、痛いほどわかる。 だからこそ、わたしに話してくれたのが本当に嬉しい」 この檻さえなければ、今すぐにでも貴方に抱き着いて、その涙を拭ってあげたかった。或いは、両手を取って優しく握り込んであげたかったのに。 「だからね、こちらこそ本当にありがとう。 絶対もう貴方を独りにはしないから」 それでも、貴方が私の前で泣いてくれた事に、心底安堵した自分もいて、それと少しだけ罪悪感も募る。 その感情の元手が何処かはわからないけど、少し浅しい気がするのは……どうしてなのかしら。 「……ごめんね、ヴィットーレ…… まだ、貴方に頑張ってとしか声をかける事ができないのが、今、本当に悔しいけれど……それを反骨精神にして、頑張るわ。少しでもこの状況を崩せる何かを探してくる」 だから、少しの間だけお別れ…… 言いかけて、あなたが顔を近づけるように呼ぶのがみえたから、何の覚悟も備えもなく、檻に近づいて。 頬に触れたぬくもりの正体に辿り着く頃には、あなたは離れていただろう。 きょとん顔が、時間が経つにつれ真っ赤に染まっていくのがよく見て取れたはずだ。 「ヴィッ、いま、わた 、わ、〜〜〜〜!!!」 羞恥に染まり切った顔では碌な言葉を発することができず、ついには何を発音してるのかわからないほどにずるずると檻伝いに沈んでいって。 ── ti amo. 共通語で言えば"愛してる"。 恋人に贈る言葉よ、なんて訂正を、今はする気にはなれなかった。 ばかばか。いじわる。わかっていてもわかってなくても……ずるいひと。 (-513) poru 2023/09/23(Sat) 2:24:29 |
【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレだから、ようやく起き上がって来て少し拗ねて むくれた様子も隠さないまま、貴方の真似をするように とんとん、とジト目になりながら檻を叩く。 先ほどの顔を近づけるジェスチャーの真似事をしているのだ。 叶うならばそのまま、唇の位置に口づけを檻越しに落としてから、ゆっくり身を離して、貴方を見つめる。 その柔く細められた瞳からの眼差しは、 今まで貴方に見せた事のない、 どれもが大人の女が謳う感情を含んでいて。 「ti amo.……ヴィットーレ」 どこか大人びていて、 切なげで、愁いと熱を帯びた色。 言われたからには、言っていいって事だよね? 「──またね」 そうして、貴方の反応を窺う事もなく、 一度も振り返らないまま、その場を後にした事だろう。 (-516) poru 2023/09/23(Sat) 2:27:43 |
アリーチェは、牢屋を後にした後、手で顔を覆った。 (a21) poru 2023/09/23(Sat) 2:31:03 |
【教】 favorire アリーチェ「……家族、以外に欲しい愛情の形──? そ、それ、って、」 二本指のハートを見て、顔は真っ赤に染まって、 慌てて突き出した手に当たったスプリッツが転がるのを更に慌てた様子で直して(最もこの空間だからかすぐに元の場所に中身も戻った)、わ、わ。と言葉にならない声を上げながら、机にべちゃりと突っ伏した。 「……家族相手に、どうしよう」 「迷惑、になるんじゃないかな、嫌だったりして…… ……嫌だなあ、きらわれたくない…………」 思ったより自覚症状はあったのか、愛と言われて案外素直に肯定をする。その分疲弊具合も多くみられるが。 (/6) poru 2023/09/23(Sat) 2:32:11 |
【秘】 favorire アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ「……本当?で、でも……」 視線が右往左往する。 その提案を飲むか、アリーチェの中で葛藤が発生する。 このまま、何も知らない振りをして見逃して貰えば、 自分がまだ逃れられるなら、あの人も子供達の事も助けられるかもしれない。 実際には不可能なそれを夢見て、 でも、ダニエラは? ずっとずっと、その言葉がリフレインする。 だけど、 「──わ、かった」 「あなたの要求を呑むわ。誰にも、話さない。 ……見逃してくれる?」 恐る恐る、お伺いを立てるような問いかけ。 最も昔からこの女の気弱さを考えると、そうおかしなものではないけれど。 それが"貴方に"向けられての事なら、随分と珍しい事だろう。 (-518) poru 2023/09/23(Sat) 2:41:31 |
【秘】 favorire アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ「……うん、」 「でも、お礼を言われる事はひとつもないよ」 これまで通り。 貴方は気にしていないようにも見えるけれど、 女の中ではそれが酷く遠い言葉に見えた。 それでも今この瞬間、貴方を引き止める言葉を持ち合わせてはいないから、離れていく靴音を聞いて俯きながらこちらも踵を返す。 心の中で何度も声が聞こえる。 本当にこれでよかったの──?と。 一度足が止まる。振り返りそうになった衝動を、何とか拳を握りしめる事で耐えきって。その先へと歩いて行った。 (-652) poru 2023/09/23(Sat) 16:54:47 |
【秘】 favorire アリーチェ → 徒花 テオドロ「……。 いまちょっとテオの事格好いいって思っちゃった。 言い切れるの、凄いな。でもいい考えかも。 速射だけは自信があるからそのつもりでいようかしら」 余りの迷いのなさが見て取れた答えに称賛を浴びせる。 でも、その信念の強さは確かに自分より余程マフィアになってもやっていけそうだな、と頷いている。 「やりたくないことをしてまで生きてたくもない…… ……昔はわたしもそう思ってたけど、おかしいな。 気付けば踏み止まる要因が増えている気がする。 ふふ。さっきからテオの事が羨ましいかも」 大切なものが増えれば増える程身動きがし辛くなる。 最も、それだけ抱えていてなお突然の衝動で動き出すのもこの女の特性だから、こんなしおらしい事を言っていても実際はどうだかいまいち定かではないが。 「……そうね、26年の筋金入りだものね。 "今"はそれで事足りる。それはそうだけど…… ……そろそろわたしたちも、ずっと居られるかと言うと バラバラになる日を考えないと、って思ってて」 今は、大丈夫だろう。だけどこの先、三人が別れる未来だっていつ来てもおかしくない。そんな年齢だ。 最も、普通は「仕方ない」で終わらせる話をわざわざ口に出す時点で甘えが全く抜けていないのだが。 (-658) poru 2023/09/23(Sat) 17:17:27 |
【秘】 favorire アリーチェ → 黒眼鏡「ふふ、そこから得られる縁も事柄も沢山ありますから。 無関係の人、と言う区分自体が私からすると 少し寂しく聞こえるくらいです。 今親しい人の大半も、元は無関係の人が 大半な事も多いでしょうから。 めぐって自分の為になってくれる事も多いですよ」 どうですか、隣人愛。みたいな軽さ。 なんて暢気に構えていれば、次の瞬間、突然の浮遊感。 「ひゃ、 ひゃあ!? 「す、すみませんすみませんっっ!! 調子に乗って酷い事を言いましたっ!」 「アレッサンドロさんは十分頼りになります!!!」 ここで更に煽ることができれば大物だったかもしれないが、 如何せん女はこういう時、勢いに押されるととても弱い気弱な人間だった。 ひんひん泣き事のようにあなたに謝罪、もとい拙い誉め言葉で何とかして貰おうとしている。 勿論、そのまま走られればそれはそれで小さな悲鳴が上がるくらいで、抵抗も何もしないだろう。むしろしがみ付いてくる。 (-661) poru 2023/09/23(Sat) 17:30:09 |
【秘】 favorire アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ「え、」 デスクに忍ばされていたメッセージを読んで、 書かれた追記の文を見るとぱっと慌ててそれを隠して、 今度は周囲の人に見られないように注意を払いながら 時計を確認した後、「巡回に行ってきます!」と 唐突な振りをして、警察署を飛び出した。 ここで誰かに相談をしていればよかったのに。 或いは、誰かがその不審さに気づいてくれればよかったのに。 けれど今、それを一番気にしてくれていた幼馴染二人は牢の中。 女を止める人はもう職場に片手で数えられるほどしかおらず、 それら数人が付きっきりで見ている筈もないのだ。 そうなれば、振り込め詐欺にすら引っかかる女は安易にその誘いに乗る。 「──あ、あの……」 「そ、相談、は……」 指定された港の倉庫XX番裏手。 碌な荷物も持たず、常に身に着けているベレッタのみの状態で頼りなさげな様子の女は、倉庫に姿を現し、おどおどした様子で周囲を見渡していた。 そんな態度が余計に検挙する側からすると怪しく見えるのは皮肉でしかない。 (-664) poru 2023/09/23(Sat) 17:44:55 |