人狼物語 三日月国


202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】

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視点:


片連理 “椿”は、メモを貼った。
(a0) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 0:24:37

【赤】 片連理 “椿”

  “狼”は近しい者から喰らうといいます。
  そう言い伝えられるほどに、衝動に抗った者は少なかったのね。
  だから貴方の選んだ道はたぶん正しい。その場所を、守りたいのなら。……だけど


[そこまで言って、椿は悲しげに眉を顰めた。]

  
  ひとつところに留まる限り、その所業はいつか知れます。どこで見たとか、だれといたとか、いつは不在だったとか……そういうものが、積み重なるの。そしていつか誰かが、結びつけてしまう。


[友達や、仲間という存在は椿にはわからなかったが、一箇所に長く留まるのが危険だということはよく知っている。どんなに気をつけていても、いつしか噂は立ってしまうのだ。]


  だから、その時に貴方が、絶望しないといいと願います。


[どうあるべきかは彼自身が決めること。力になりたくても、楓の願いまではどうすることもできないし、その願いはあまりにも彼の性質とは噛み合わない。かといって、無関係な人を死に至らしめてまで守りたかったその場所を諦めろなどとも言えず、椿には精々彼の平穏を願うことしかできなかった。]**
(*0) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 2:57:50

【赤】 片連理 “椿”

[頬を撫ぜる手はその声と同じく、無機質で冷たい。
 光沢のない琥珀色狼の目が近づく。
 それを瞬きもせずにじっと見ている。
 あるいは、乾いた色の唇から覗く牙を。
 赤が重なったのはほんの一瞬、すぐに下唇を歯列が捉えた。何かを感じる猶予も与えられず、牙は柔らかな肉を貫く。]


  ——ぁ


[小さく呻いて、目を見開く。
 舌先にとろりとしたものが触れる。慣れた味がする。
 じわりと滲んだそれは次第に溢れて、唇の端から流れ落ちた。]
(*3) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 11:46:18

【赤】 片連理 “椿”

[しばらくの間、椿は何を問うでもなくただ黙って楓の目を見つめていた。重い沈黙の中、喘ぐような呼吸の音だけが響く。やがて、大きく息を吸いながら一度ゆっくりと瞬いて、椿は低く呟いた。]


  私も、殺す喰べる


[既に日は落ちて、夕暮れの名残に糸のように細い月が浮かんでいた。]**
(*4) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 11:48:31

【赤】 片連理 “椿”


  ……いたい


[傷を袖で拭って、唇を巻いた。赤黒い染みが袖口に残る。まだ口の中に鉄錆めいた味がする。唇の傷は、小さくても出血量が多くなる。]
(*8) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 15:12:29

【赤】 片連理 “椿”

[唇を重ねたその一瞬だけ、白昼夢の続きを見たような気がした。しかし咬まれたその瞬間に自分の死を連想したし、別にそれでも構わなかった。

 死ぬのが怖い、とは思わない。
 誰かに殺されるのをずっと待っていた気すらする。
 死にたくない、と思わないわけでもない。
 それでも、生きることも死ぬことも、自分には許されていないのだと、そんな気がしている。]
(*9) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 15:13:23

【人】 片連理 “椿”

[楓を追って、リビングへと向かった。
 ソファに横たわる彼と肩を合わせるように、床に腰を下ろして膝を抱える。

 今はただ、そばにいたいと思った。]
(28) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 15:20:49

【赤】 片連理 “椿”


[いつ、“その時”が来てもいいように。]**
 
(*10) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 15:21:15

【赤】 片連理 “椿”


  ……べつに。


[椿は素っ気なく答えた。]


  あのまま殺しても、良かったのに


[自分だって同じことをしたかも知れないのだ、怖がる理由がなかった。]
(*13) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 17:33:08

【赤】 片連理 “椿”

[大きなガラス戸越しに外を眺める。東から染み出した黒が夕焼けの橙も黄昏の紫も西の果てに追いやって、辺りは青みがかった闇に浸され始めていた。

 少し肌寒い気もする。
 何か作ろうか、とも思ったが、食べる気もしない。楓も何も言わないから、同じようなものなのだろう。
 茶を淹れにキッチンに立って、湯が沸くのを待つ間にカウンターの下の棚を漁る。紅茶の缶がやたら充実していて、中には茶葉のようだが全く知らない名の記されたラベルがついているものもあった。

 特に冒険はせず普通の紅茶を選んで、缶をしまおうとしたところで、奥に幾つかの小瓶が見えた。手にとってラベルを確認して、ポットと一緒にそれもトレイに乗せる。]
(*14) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 17:33:44

【赤】 片連理 “椿”

[部屋の中はもう青みも抜けて十分に暗かったが、薄暗さに慣れた目には特に不都合もなかった。
 トレイをテーブルに置いてカップを並べ、紅茶を注ぐ。それから、さっき見つけた小瓶の中身を小匙にほんの一杯、カップの中に垂らす。
 楓の視線を感じたなら、椿はにこりとして小瓶を楓の方へ向ける。]


  少し冷えますから、毒でも飲むことにします。
  あたたまるのよ、いかが?


[物騒な冗談をにこやかに放ちながら掲げた、スキットルほどしかない小さな瓶。そのラベルには、派手な飾り文字で“ラム”と記されている。]**
(*15) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 17:41:54

【赤】 片連理 “椿”


  あら、可愛らしいのね。


[揶揄うように言いながら、紅茶をマグカップに注ぐ。秋の並木道が描かれたカップは、薄暗い中では木の葉の赤が沈んで真っ直ぐに伸びた道だけが白く浮き上がって見える。]


  じゃあ、ほんの少しだけ。


[軸の細い、小さな匙に半分だけの酒を紅茶の表面に浮かせるように静かに垂らす。砂糖のような甘い香りがほんのりと漂い、これだけ僅かな量ならアルコールの苦味はほとんど感じないはずだが、口にすれば体の芯から熱が生まれるような感覚が得られるだろう。]
(*18) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 20:36:06

【赤】 片連理 “椿”

[テーブルの前に膝をついて用意をしていた椿は楓の分のカップをテーブルに置くと、また膝を抱えるように座り直した。]


  冬にはよく、こうしてお茶を飲むの。
  よく温まって、気持ちよく眠れるのよ。
  飲み過ぎたら、怖い夢を見てしまうけれど。


[今は黒にしか見えない赤い花柄のカップを両手で包み込むように膝に乗せる。右手の袖口には、黒い染みが残っていた。椿はそっと唇をカップに当てる。傷は塞がりかけているようだった。熱いカップが傷に触れないように、少し顔を傾けて水面を吹く。]
(*19) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 20:37:59

【赤】 片連理 “椿”


  怖かったな。
  突然水の中に落ちて、深みに引き摺り込まれて。
  息ができなくて、どれだけもがいても暗がりに引き込まれるだけで。
  そのうち、足元に手が見えて、私を沈めようとしているのが、見慣れた人だったりして。すごく怖かった。


[彼は椿にとっての全てではあったものの、彼こそが自分を化け物たらしめているのではないか、という恐れはいつもどこかにあった。彼を恨んではならない、その献身に報いなければならないと自分に言い聞かせて、愛しているのか、愛されているのか、憎んでいるのか、恨んでいるのかも考えないようにして、ただ望まれるままに生きて、望まれるままに消えようとしていた、ような気がする。]


  怖い夢は誰かに話すと見なくなるっていうけれど……
  そんなの嘘。どんなに慰めてもらったって、
  すぐにまたやってくる。


[貴方もそうでしょう?というような目を楓に向けて。]**
(*20) nemunemusan 2023/03/07(Tue) 21:08:47

【赤】 片連理 “椿”

  私ははじめから、“そういうもの”だったから……
  そうでない時があると、怖いのでしょうね。


[紅茶を冷ましては少し啜っての繰り返し。]


  私にはたぶん、わからないの。
  昨日まで大事にしていたものを壊したくなる怖さ。
   どうせいつかは壊したくなるのなら、初めから近づかない方がいいでしょう。


[楓の夢の話だ。椿には楓がひどく迂遠なことをしているように見える。いつか必ずやってくる拒絶の時を予見しながら、それでもそこを自分の居場所と定めることは、自ら苦しみの中に飛び込んでいるようで。]


  私にはそんなものがないから、自分が死ぬのもあまり怖くはないの。生きてても、さみしいだけ。


[椿は楓の膝に頭をもたせかけた。今はどうだろう、と考える。互いに分かり合えなくても、同胞とも言える彼が共にあれば、寂しくはないのだろうか。]**
(*24) nemunemusan 2023/03/08(Wed) 10:53:49

【赤】 片連理 “椿”


認めるのが……。


[楓の言葉を繰り返す。
 確かにそうなのかもしれない。
 が、それを認めてしまうなら、自分と同じにしかならないのだ。それが彼にとって良いことかどうかはわからない。

 また、紅茶をひと口啜る。体はよく温まっていたが、頭の奥のどこかが冷たく冷えきっているような気がする。]


[紅茶のカップをテーブルに置いて、椿は楓の隣に座った。]


  どうするのが、正しいのかしら。
  ——いいえ、もしかしたら、正しい道なんてどこにもないのかもしれない。


[楓の膝に手を置いて、彼の目を見上げる。それから、揺れる耳飾りを、柔らかく跳ねた髪の先を、さっき喰らい損ねた首筋を見る。本当に貫くことはできないのだろうか。終わらせてしまうのがあるいは正しいのではないだろうか。自分も、楓も。そんなことを考えながら。]**
(*26) nemunemusan 2023/03/08(Wed) 15:10:43

【赤】 片連理 “椿”

  狼のままに。良いわね。


[楓の素直な提案に椿は微笑む。
 それに近いようなことはずっとしてきたはずだが、楓の口から聞くとなんだか希望があるように聞こえてしまうから不思議だ。]


  昔は、あったのだそうよ。
  そういう、ヒトではない者の集まるところが。昔話だし、本当のことかどうかはわからないけど。


[そう語ったのは、今はいない片割れだった。今にして思えば、それはただの方便であったのかもしれないが。]
(*30) nemunemusan 2023/03/08(Wed) 20:01:09

【赤】 片連理 “椿”

[心のままに生きることを、椿はもう忘れている。例えば、全てを捨てて共に生きてくれ、などと懇願する道もあっただろうか?そんな思いつきがふと脳裏をよぎったが、小さく首を振って追い払う。何もわざわざ、付き合わせることもない。

椿は楓の腕にもたれかかって、目を閉じた。楓はそれを許すだろうか。酒精の軽い酩酊の中、今はそれが最も落ち着くようだった。]**
(*31) nemunemusan 2023/03/08(Wed) 20:13:21