人狼物語 三日月国


212 【身内村】桜色のエピローグ✿

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視点:


【人】 火澄 七瀬




 全身を濡らすには及ばない雨。
 それでも互いに傘を開いた分、
 私達の距離を開かせるのには十分で。


 「 …… 禎光?
   ああ、それは。 仕方がないですね。

   禎光は ─── 身体が弱いのですから。 」
 
 
 だから、瀬名の手から傘が離れて、
 唐突に彼女が私の隣へと飛び込んでくれば。
 縮んだ距離に、思わず心臓を跳ねさせました。
 
 
 
(62) 希 2023/05/06(Sat) 10:41:42

【人】 火澄 七瀬




 不意に思い出したことがあります。
 確かあの日もこんな風に、
 今にも落ちてきそうな曇天の下でした。

 瀬名と禎光の遊びのこと。>>50
 知ってはいましたが、自ら参加はしていませんでした。
 微笑ましいと、少し呆れた表情で見守ること。
 それが姉の役割だと思っていましたから。
 
 不意にむくりと沸いた悪戯心だったのです。
 
 
 
(63) 希 2023/05/06(Sat) 10:42:22

【人】 火澄 七瀬




 「 禎光、今帰り?
   雨降りそうだけど、傘は持ってきた? 」


 ある日の放課後の昇降口。
 たまたま瀬名が隣にいない帰り道でした。
 私はそっと、自らの装飾品を外してみたのです。**>>24
 
 
 
(64) 希 2023/05/06(Sat) 10:45:44