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【人】 従業員 ルミ…あはは、お兄さん忘れちゃったの? 昔教えてくれたのに。 わたしのこと忘れちゃうなんてひどいなぁ。 [ ──勝手に解釈してくれて助かった。 植え付けられた偽りの記憶に乗っかって、 努めて明るく、冗談めかして拗ねてみせる。 わたしはお兄さんのことを忘れられなかったのに。 忘れようと思わずとも、記憶から消してしまえたのか。 ────分かってる。 所詮これは名前も無いNPCの馬鹿みたいな妄執。 頭と理性では分かってて、でも、引き下がれない。 だから今、二人はここにいるんだもの。 ] (18) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:06:46 |
【人】 従業員 ルミ……他の大人とか、学校とか、どうでもいいよ。 " かわいそう "だから助けるんでしょう? 一緒にいてくれないなら、 途中で役目はおしまいって消えちゃうなら、 かわいそうじゃないわたしを見てくれないなら、 最初からそんなのいらない。 [ 水底の澱みの様にまっくらな声だった。 彼の言葉や感覚はきっと、社会人として真っ当で 絶対的な大人の意見だ。 欲しいのはそんな遠巻きな距離と温度じゃないのに。 ここにあって当然なのは、その関係でしかない。 会わずに重ねた何十回の夜が あの頃の楽しかった毎日を冷やしていく。 小さいまま、小さかった頃のまま大きくなりたかった。 胸になにかが込み上げてくる。 今すぐに痛みでこの感傷を流してしまいたいような、 ] (19) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:07:05 |
【人】 従業員 ルミ────うん。 ルミ、頑張ったよ。お兄さん。 [ ああ、でも。 死にたくなるような痛みを与えるのが彼ならば、 生きたくなるような温度をくれるのも貴方なの。 ] (20) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:07:12 |
【人】 従業員 ルミ[ 本題に入る彼がどれほど飲み進めたかを確認し、 警戒させないよう一人分の間をあけてソファへ座る。 画面越しではない、大人になった好きな人。 ──奇跡なんかで終わらせない。 ] あのね。 ……えっと、えへへ、ちょっと恥ずかしいな。 わたし──好きな人がいるんだけど。 [ 小さな頃は絶対に話題にも上らなかった恋の話。 お兄さんは──半年前が最後だもんね? SNSの内容を思い出しながら言葉を続ける。 ] (21) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:07:45 |
【人】 従業員 ルミでも、わたし……今まで人と上手くいったことなくて。 その人もね、半年くらい前まで恋人がいたりしてたし " 今は "全然関わりもないくらいなんだけど。 ……けどね、その人以外好きになれないの。 ……わたし、友達もいなくて、親も頼れないから 将来どうしようって……一人の家が心細かったの。 こんな格好だと余計に、人の目も厳しいし……。 [ これは全部嘘じゃない。 実際問題、わたしは人と関わるのが下手だから。 他の店に行った痕跡を見るたび裏切ったと思い込んで、 いつもと違う匂いがすれば他の女だと怒りだして。 愛される錯覚を得るために営業を頑張れば 同じ店の女の子から距離を置かれるばかり。 夜の女だと馬鹿にされたことだってある。 傷が増えるたびに、彼との時間だけを思い出して、 二度とあんな時間は来ないのかと不安になって。 ] (22) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:08:14 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩[ でも、考えて考えて────気付いたんだ。 逃げてしまった獲物は、追い掛けて掴んでしまえば良い どんな肉食獣でも、毒の前には勝てないでしょ? そうすれば一生わたしを忘れない。 そうなれば、 ] (-4) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:09:00 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩[ もうあの頃の温かいだけの優しかった日々と 貴方が消えてしまった痛みから逃れられるんだ。 愛してもらえるなんて思ってないよ。 綺麗なだけの思い出として昇華しないで、お兄さん。 ] (-5) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:09:42 |
【人】 従業員 ルミ────お兄さん、そろそろ効いてきた頃じゃない? [ 体内に取り込んだ毒は、あたたかな血に混じり巡る。 もう指先から力が抜けるくらいは起きたかな? 大丈夫、怖いお薬じゃないからさ。 少し思うように動けなくなってしまうだけ。 ] (23) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:11:26 |
【人】 会社員 雷恩[季節は夏に差し掛かり、部屋のエアコンは稼働していない。 なのにどこか冷える心地がする。 心が鳴らす警鐘を、罪悪感が打ち消そうとする。] ……悪いな。 手当の間くらいは待てるけど、 俺が帰った後の方がゆっくり確認できるか。 [ありがと、と受け取ったコーヒーは白を混ぜた薄茶色。 マーブルを作る要素に、頼んだミルク以外が入っているなんて 見た目からはわからない。] (24) Ellie 2024/05/07(Tue) 21:34:12 |
【人】 会社員 雷恩ごめんごめん。 てかあんなにちっちゃかったのに覚えてるルミが すげーんだって。 [それだけ彼女にとって当時交わした会話は少なかったのだと 学校でも家でも会話の絶えない生活をして個々の会話を 忘却の海に流す男は想像できない。 ルミの記憶力が良いと感心して謝った。] 許して!このとーり! な? [他の誰かにもやっているから身についたままの謝罪。 合わせた手よりも頭を低く下げて、ちらりと上目で伺う。 それを懐かしんでくれると期待する程度には 無神経な男だ。 いっそそこで失望してくれた方が双方にとって思い出を 綺麗なままで残せたかもしれない。] (25) Ellie 2024/05/07(Tue) 21:34:44 |
【人】 会社員 雷恩ルミ………… [少女の瞳が昏く曇った気がした。 実家を出て、仕事を得て、金に困っていなくても 彼女の心はまだあの公園で無償の愛を求めているのかもしれない。 学校は卒業する日が来るし、親はふつう自分より先に死ぬ。 どんな相手だって、四六時中そばにいることなんて出来ない。 それを普通に育った人間は肌で覚えることができるけれど、 「かわいそう」フィルターのかからない目で寄り添われた経験に 乏しい故に、恐らくルミはその「ありえない」愛を求めているのだ。 役目のある間だけ近寄る相手を拒否する彼女に そういうものだと諭すのは不可能だ。 せめてこれからの人生で、彼女を満たすものに出逢えたら良いのだけれど。 それを探す為に、通信制高校を自費で卒業するだけの 頑張りを続けられたのだったら良いのに。] (26) Ellie 2024/05/07(Tue) 21:35:12 |
【赤】 会社員 雷恩[白雪姫が齧った毒林檎は、喉に引っかかっていたから 死に至らなかった。 齧って咀嚼して、細胞となったやさしさは、 死を迎えられるのだろうか。] (*8) Ellie 2024/05/07(Tue) 21:35:49 |
【人】 会社員 雷恩……うん、うん、そっか。 「そのひとじゃなきゃ」って人がいて、 半年前まで恋人がってことは、今はいないんだろ? まず関わりを作って意識してもらうのとかは? [「半年前」のキーワードにも反応せず、 意味のないアドバイスをする。 関りのない相手に恋をしたことがないので 薄っぺらいだろうなとは思っていても、 こういう「相談」に単なる共感ではなく「解決策」を 示したがるのが生物学上の男の生態らしい。] (28) Ellie 2024/05/07(Tue) 21:37:12 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ[普段呼ばれない名前は 男から肉食獣の野生を奪っていたのかもしれない。 いや、そうでなくともきっと、毒には抗えない。] (-7) Ellie 2024/05/07(Tue) 21:37:49 |
【人】 会社員 雷恩? は? 「聞いてきた」? え、好きな人って俺の知り合い、 qわせdrftgyふじこ?! [何が起こったかわからなかった。 「効いて」が「聞いて」だと思う鈍感さを後悔する間もなく。] (29) Ellie 2024/05/07(Tue) 21:38:16 |
【赤】 会社員 雷恩[体幹にはそれなりに自信があった。 自分よりも華奢な女の子にちょっと押されたくらいで 簡単に倒れてしまうだなんて。] え、 なに、 ルミ……? [何故自分の目は天井を捉えているのだろう。 すぐに起き上がろうとして、 上手く力が入らないことに気づいた。 一気に血の気が引く。 唇が震えるのはわかるが、身体に震えは伝わらない。 もはや自分の身体は自分の支配下にないことは 明らかだった。 そう知覚すると、上手く言葉すら出て来なくなった気がする。 なんで、と上手く言えただろうか。*] (*9) Ellie 2024/05/07(Tue) 21:38:44 |
【人】 従業員 ルミ……ふふ。 仕方ないな、許してあげる。お兄さん。 [ ────この時だけは、ね。 懐かしさに緩む頬と、憎らしさが胸を打つ。 ちらりと上目でこちらを伺う様は わたしが絆されると信じて疑わないみたいだ。 そう、あんなに小さい頃の想い出に固執する方が きっとおかしくて、馬鹿だよね。 お兄さんにとっては家族との会話より些細で短くって ──すぐ忘れてしまえるものだったのに。 お祭りの光を見て、私を思い浮かべもしないんでしょう あの時甘すぎると言って渡してくれたりんご飴。 懐古の海に沈めることに躊躇いがない貴方。 ] (30) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:28:02 |
【人】 従業員 ルミ[ どんな人だってずっと片時も離れず、なんて出来ない。 けれど、不可能でも" そうありたい "と思うのが、 それを出来る限り伝える努力をするのが愛じゃないの? 見知らぬ愛を探そうと思える人間なら良かった。 そうすれば貴方を傷付けることも無かったのに。 でも、一度味わった愛が欲しかった。 どうしても忘れられなくて、手離せなくて、 ──誰に何を言われたってこれは戀だった。 愛されないなら、二度と交わらないくらいなら わたしの恋はここで散って その先で死を迎えるの。 ] (31) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:28:16 |
【人】 従業員 ルミ無理だよ。 [ わたしはひどく落ち着いた声音でそう返した。 何の確証があって、と言われるかもしれない。 ] ────そんな希望、とっくに捨ててる。 [ 力になろうとはしてくれているのだろう。 けれどその解決策は有効性を失って、 今や毒を巡らせる以外になくなってしまった。 間抜けな声を上げる彼に、思わず無邪気に笑う。 ] (32) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:28:21 |
【赤】 従業員 ルミ[ 彼の身体は、呆気なくやわらかなソファへ沈んだ。 起き上がらない様子を見て、「やっとだ」と小さく呟く。 そのまま足の怪我なんて無いように彼の上へ跨って、 顔を見下ろし、両頬に手を伸ばした。 ] " なんで "? どっちを聞きたいのかな。 身体が動かない理由? わたしがこんなことした理由? ……上手く喋れなくて怖いよねぇ。 でも大丈夫、わたし、お兄さんのことなんでも分かるよ [ わたしはキッチンのシュガーポットを指差した。 多少でも首が動かせるなら見えるだろうけれど、 見えなくても持ってきてあげるつもりはない。 ] (*11) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:29:13 |
【赤】 従業員 ルミじゃーん! あれ、歌舞伎町で買えちゃう" 魔法のお薬 "だよ! ……あ。人体に害はないから大丈夫、安心してね。 わたしがお兄さんにそんなことするわけないもん だから、大人しくしてて。 ──────……悪いことを考えてたの、 わたしでごめんね? [ でも、と続けて口を開く。 彼の反応は視界に入れているけれど、 どんなものであれ、止める気はなかった。 指差すために離した手を再度彼の頬へ宛がう。 伝わる体温はあたたかい。 ] (*12) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:30:06 |