人狼物語 三日月国


260 【身内】Secret

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【赤】 従業員 ルミ

 

[ 叶っていくのに。叶っているのに。
  どうしてこんなに虚しいばかりなのだろう。
  ────どうして。

  わたしは、 ]


  ………………っふ、あは、は

  お兄さん、……だいすき
  ……あいしてるんだよ、本当に……


[ 目から流れたものはただの汗で、
  きっと目を閉じていれば彼は気付かない。

  誤魔化すように笑って、身体を動かした。
  中に彼の熱を吐き出させるためだけに、
  それだけを目的にした虚しい動きで。** ]

  
(*47) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:57:47

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 恋は万有引力なのだと誰かが言っていた。
  ツバキの花が落ちるように音もなく、
  りんごの実で堕ちたように先もない。

  原初の罪というものがある。
  禁断の果実を齧って神に背いた二人の話。
  彼らには口にせず共に在り続ける未来があったのに
  罪を犯してでも手にしたい何かがあった。


  それならば、この恋は。
  わたしと貴方、原初の罪出会ったこと
  ──その対価は。 ]

 
(*55) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:01:58

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


[ 過去痛み現在思い出と同じ色をしていらしい。 ]


 
(-21) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:02:24

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 初めて食べたアイスの甘さも。
  焼き芋の舌を焦がすような熱も。
  名前を呼ばれることの嬉しさも。
  誰かに花をあげることの情動も。
  貴方と同じ名前の生き物がいることも。
  痛みも苦しみも愛しさもなにもかも。

  貴方が与えて、貴方は消えた。
  ────忘れようとするたびに、あなたを思い出す。 ]


  …………なぁに?
  これでもまだ名前で呼んでくれるんだ。

  そうすれば逃げられるとでも思ってる?


[ 力も抜けて上手く喋れない状況なら、
  いっそわたしに絆された振りをして
  隙を突いて逃げる方が現実的かもしれないものね? ]

 
(*56) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:02:33

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 今更男と女として知り合うなんて出来やしない。
  もう一度最初からの幻想は夢のまま。

  出会い方が選べないなら、
  手離し方は選べるのが人間だよね?
  ────今度はわたしがそうする番。

  一緒に同じ傷を負って。
  何を見ても、なにに触れても、どんな日常でも
  わたしを思い出して、──死ぬまで傷の中で会おうよ。
  制止の言葉は聞いてあげない。

  かさぶたを剥がして傷口を抉って貴方を手にする。
  夢すら果てる程に焦がれたこの結末が、

  ──きっと何よりも喜べるはず、だった のに、 ]

 
(*57) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:02:38

【赤】 従業員 ルミ

 


  …………?

  ……あぁ
  お兄さん、薬切れ始めちゃった……?


[ 先程よりも明確な音になった言葉を耳に入れ、
  わたしは問いに答えず小さく呟いた。
  視界の端で彼の手がすこしずつ動いている。

  身体でも押すか、力に任せて暴れるか。
  薬剤の追加投与なんて危うい真似は出来っこない。

  ならばと抑えつけるために、彼の肩へ
  そっと手を伸ばそうとして── ]

 
(*58) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:03:08

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


  ──────……、 は……?


[ 虚空を撫ぜて落ちる手を見届けながら
  わたしは水面を波打たせるように声を震わせる。 ]

 
(-22) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:03:14

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 真意が読めなくて、わたしは目を細めて動きを止めた。
  滲んだ視界を晴らすように眦を拭ってから、
  途切れ途切れに紡がれる言葉へ耳を傾ける。 ]


  嘘つき。
  そうやって、またわたしから逃げるくせに。

  ストーカーにそんなこと言ってまで逃げたいの?
  ──殺さないって最初から言ってるじゃない。
  ああもう、どいつもこいつも、そうやって……!!


[ 唇を噛み締めて、自分の腕に爪を立てた。
  傷付いてくれと願った以上大差はないだろうけれど、
  物理的に傷を負わせたいなんて思ってはいない。

  行き場のない激情を彷徨わせながら、
  わたしはもう一度、彼の顔を じ、と見下ろして。 ]

 
(*59) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:03:42

【赤】 従業員 ルミ

 


  ………………………。
  …………逃げたら死んでやるから。


[ 目論見通りにはいかないと続けることは出来ただろう。
  けれど同時に、彼の幻影を、貴方へ見ていた。

  撫でられたかったわけじゃない。
  そんな夢はもう小人たちの家に置いてきた。
  ただ、もしかすれば、と微かな蜘蛛の糸を手繰ったの。

  わたしから逃げないお兄さん。
  わたしを、忘れないでいてくれる、お兄さん。 ]


 
(*60) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:03:52

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


[ この期に及んでわたしは、
  思い出として留めるべき過去を捨てられなかった。

  昔の幻影貴方に現在を重ねる。
  ──ただ行為から逃れるための計算の色が、
  彼にないことくらい分かっていた。 ]


 
(-23) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:04:00

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 熱を引き抜き、けれど警戒するように跨ったままで
  わたしは動向を見守った。

  撫でられたかったわけじゃない。
  だって、この恋が実らないのと同じで
  撫でて貰えるわけがないって理解してるから。


 
撫でて欲しいなんて望めない。
それだけのことをしてるって、分かってるから。
* ]


 
(*61) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:07:27

【赤】 従業員 ルミ

 

[ あの時間を忘れて、過去の貴方を記憶に埋めて。
  きっとそうするのが一番良い道だったかもしれない。
  わたしは貴方を傷付けないし、
  貴方も忘れた過去を思い出すこともない。

 
諦めるのは生きていくだけならとても楽で、
けれど選べたのは無様でも縋りつくいばらの道。

思い出すたびに惨めで痛くて腕を切った。
血を流すたびに生きている実感があって
でも、そこにはいつも、貴方はいない。
 ]

 
(*68) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 22:48:31

【赤】 従業員 ルミ

 



  [ もう名前を呼んでくれる声さえ遠いのに。 ]



 
(*69) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 22:48:37

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 彼の声は震えながらも、言葉の輪郭を形作る。
  持ち上げられた手を見やり、動向を注視しながら
  うそではないと紡ぐ声へ目を細めた。 ]


  そう思わせて逃げる算段かもしれないじゃない。


[ 理性では彼の言うことが正しいと分かっている。
  感情が、一度消えた相手のことを信用できないだけだ。

  ちがう。
  信用できないという言葉すらも正しくはない。

  これ以上、期待して傷付きたくないと
  自己防衛に徹しているだけ。 ]

 
(*70) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 22:48:41

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……諦めさせたのはお兄さんなのに、
  なんでそんなこと言うの?

  わたしから離れて、勝手に消えて、逃げて
  新しく女まで作って幸せそうで──
  忘れてしまえるような昔の子どもひとりが、

  …………ッお兄さんには他にたくさんの人がいても
  わたしには、わたしにはずっと、
  昔のお兄さんしかいないのに!!


[ どうして勝手に大人になったの。
  どうしてわたしの知らない顔を他の女に見せてるの。

  今からの貴方を諦めなかったとして、
  貴方はわたしのモノになってくれるの? ]
 
 
(*71) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 22:48:47

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 叶わない夢なら最初から星屑になって落ちてしまえ。
  咲かない花なら最初から枯れて朽ちて消えてしまえ。

  わたしのものにならないお兄さんなら、
  いっそ過去に執着していた方が楽だった。
  ────なのに結局今の貴方の傷を欲しがっている。

  相反した感情と憎悪と愛情。
  矛盾を抱えていることくらい分かっていて、
  途方もない夢だけは見ないように自制して。 ]

 
(*72) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 22:48:50

【赤】 従業員 ルミ

 

  …………おかげさまで。


[ ここで可愛く愛想を撒けるような女の子だったら、
  ここで、強がって突き放せるくらい強ければ。

  なにかを探すように持ち上げられる腕を見やり、
  そ、とすこしだけ頭を下げる。
  ────撫でられたいなんて、思う資格はないけれど

  ふれられたいと、願ってしまって。* ]

 
(*73) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 22:52:34

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 女は彼と違って、経験してきた物事が少ない。
  生きてきた世界とてそもそも狭いような生き物だ。
  多くの人々と経験を知るよりも、
  閉じ切った閉鎖的な世界で身を守ることを好んだ。

  思い出のウェイトは過去に寄り過ぎた。
  痛みも重みも麻痺するほどに時を重ねて、
  昔を反芻し、飲み込み、追体験でこころを誤魔化す。

  過去を今に当てはめて息をしているだけ。
  そうするのが楽で、なにも傷付かずにいられるから。 ]

 
(*80) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:41:48

【赤】 従業員 ルミ

 

  …………なにそれ。
  今更そんな、 体のいい言葉で騙されたりなんか……


[ ────死んでしまうのが一番楽だと考えたこともある。
  こころを殺して生きていくより、
  身体ごと死んでしまえばいいのかと。

  けれど。
  どうして苦しいばかりの世界で生きて来たのか。

  死ぬことを別に恐ろしいとは思わなかったのに
  ──……それならば、なぜ。 ]


  ……


[ 愛されようと色んな人に愛想を振り撒いて、愛を買った。
  金を渡して夢を買った。
  いくら繰り返しても満たされないまま大人になって、 ]

 
(*81) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:42:09

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 目的もなく生きていくのなら、それでも良かっただろう。
  けれど傷を付けながら、
  生きるために彼のアカウントを探って彼を見続けた。

  それは間違っても感動する類の話ではない。
  犯罪として背筋を凍らせることはあったとしても、だ。 ]


  ……べつに、最初から泣いてない。


[ 嘘だ。今更繕っても意味のないこと。
  涙で罪を誤魔化すみたいで、それは──
  そんなことはしたくないだけ。

  ちっぽけなプライドだ。
  わたしが泣いて許されるのは簡単だけれど
  それを見せられる彼の気持ちはどこにいく? ]

 
(*82) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:42:32

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 彼の手が僅かだけ、体温も移らないほどかすかに触れる。
  頭を少し下げただけでは届かなかったのか、
  力の抜けた腕は、頭の代わりに醜いわたしの手首を撫ぜる。

  長袖を着て見えないように誤魔化した過去の傷痕。
  現在を生きるために過去で裂いた血肉の痕。

  ────ひきつれた皮膚越しに感じた彼の指は
  おんぶして背負ってくれた時とは程遠い。
  弱々しさだけが胸を打つ。 ]


  ────────……ッ


[ なにをするのかと見ていれば、貴方は。
  あの甘えとはまた違う懐古を連れてくる。 ]

 
(*83) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:42:48

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


  で、でも、かわりにお兄さんがいたくなっちゃう……
  ルミいたいのへいきだよ?

  ……あ、もうっ、お兄さん!
  そういうこと言っちゃ、めっ!なんだから!


[ 知識のない子どもでもわるい言葉だと分かる。
  だめ!と年下のくせに妙なところでお姉さんぶって、
  そのくせ怪我の痛みに両目を潤ませていた。

  痛い、とあまり動きたがらなかった幼い子どもも、
  不思議とおまじないの後は軽快に歩けるようになり
  痛みを食べてくれた人の後ろへ引っ付いて。 ]

 
(-25) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:42:57

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 

  ……お兄さんって
  いたいのとんでけーじゃないんだね。

  お兄さんがいたくなるのに、たべてくれるの?
  えへへ……やさしいねぇ。
  あのね、でもね、ルミもおっきくなったら
  お兄さんのいたいの、たべれるようになるから!


[ だから待っててね、と言って笑った。
  その頃には彼も同じだけ時間を重ねて大きくなって
  子どもの手助けなんていらなくなるのに。

  どこにも彼は行かないと信じていた幼い頃。
  撫でられては無邪気に喜べていた甘い記憶。 ]

 
(-26) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:43:46

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 噎せたように笑う姿が理解出来なくて、身体を引いた。

  どうしてこの状況で今彼は笑えるのか。
  なにも覚えていないくせに、
  どうして二人のおまじないだけ鮮明に見せてくるのか。

  ここで都合よく受け止めて幸せになれるような、
  お気楽で軽くいられる性格はしていない。 ]


  ……なに、お兄さん、意味わかんないよ
  今痛いのは、そっちの方でしょ……?

  上手く腕も動かせないのに、


[ 自分の頬を殴ってしまっていたのを思い出して
  恐る恐る、頬の怪我を確かめようと指を伸ばす。
  触れられるのは、彼にとっては怖いことだろうか。

  躊躇うように指先が空を彷徨って、 ]

 
(*84) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:43:59

【赤】 従業員 ルミ

 


   [ りんご蜘蛛の糸は落ちる。 ]


 
(*85) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:45:12

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 迷子のような、悪さをした子どものような。
  顔立ちばかりが大人に近付いた女のかんばせは、
  どんな言葉も似合わないマーブルカラーだ。

  背後から急激に匂い立つ過去に戸惑って、
  責め立てるのではない彼の反応に怯えている。 ]


  ………………せっかく今日の為に
  お金も貯めて、お兄さんのことたくさん調べて
  チャンスをモノにしようと思ったのにな。

  いいよ。もう。
  ────なんにもしないし、抵抗しない。

  警察でも何でも、連絡して良いよ。


[ やめてよ。
  今更どうしてこっちを見ようとしてるの。
  頭のおかしい犯罪者で、ストーカーなんだから、

  昔と同じ仕草で、言葉で、やさしくしないで。 ]

 
(*86) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:50:40

【赤】 従業員 ルミ

 


  ……わたしの十数年なんか
  嘘でも食べちゃだめでしょ、お兄さん

  痛くなっちゃうよ……ほんとにさ。


[ 呟き落とすように咎めて、目を伏せる。
  相変わらず跨ったままの体勢だと
  彼の顔が嫌でも良く見えた。 ]


  ………… ほっぺた、怪我は?


[ 自分が気にしていいことではないかもしれない。
  けれど、自分の仕込んだ薬の影響ともなれば
  資格がないなんて理由で放置もしたくはなくて。

  両腕を下ろしたまま、小さく尋ねる。
  敵意がないと示す唯一の手段だった。** ]

 
(*87) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:56:57

【独】 従業員 ルミ

/*
お兄さんの昔のクソガキ感いいですね
小学生そういうこと言うよねーーって思った
(-27) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 1:06:28

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 

[ 誰から好意を向けられても満たされなかった。
  対価を払い続ける愛もあったし、
  中には本当に自分に恋をした客もいたと知っている。

  愛してくれるなら誰でも良かったわけじゃない。
  なのに着飾って、好みの女を演出して、
  埋まらない隙間を見ないで済むように
  多くの好意を欲しがった。

  偽物のひかりが目を焼くたび、思う。
  ──愛を得るたびに擦り減っていることを。 ]


 
(-32) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:27:59

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 幼い頃は子供騙しにもならないことばかりだった。
  隠れきれず、丸わかりの状態でかくれんぼをしたり
  お花の指輪は、すぐ編めるくらい簡単だと偽ったり。

  傷付けるための嘘には乏しかったはずだ。
  ────気付けばすっかり嘘つきに育ってしまったが。 ]


  だから、……ッ、


[ 泣いてないと否定しようとして、言葉を呑む。
  彼の声音に宿った確信を感じ、
  言葉の投げ合いをするよりも引くことを選んだのだ。

  多く語るほど、過去の傷が痛むから。 ]

 
(*92) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:28:04