「　キファ？」

その声は星を通じてキファの元へと届くだろう
特質もない青年の声
印象に残りにくい、だがそれでいて大人しい穏やかな声だった

だが現実味のないその声は頭の中に語りかけてきて
傍にサダルの体温を感じさせない

「あの、　　自分の声が届いている？　ますか」

「　キファ？」

その声は星を通じてキファの元へと届くだろう
特質もない青年の声
印象に残りにくい、だがそれでいて大人しい穏やかな声だった

だが現実味のないその声は頭の中に語りかけてきて
傍にサダルの体温を感じさせない

「あの、　　自分の声が届いている？　ますか」

「いま、行くから待っていて」

「今聞こえているの！？　自分の声が？
　こんな冴えない声が！？　は、恥ずかしい……」

「星の力に声を記録することは出来たけど、こんな魔法は無かったよ」

「どうしよ、う。自分はどうすればいい？　あのねキファ。
　色んなことにんだけど、キファのためにも死ねなくなったことだけはわかるよ」

「キファ…………
　」

「」

「あ、わかった。怪しまれないように……？　はわからないけど」

「」

脳内で泣き始め、途端静かになる声

「………………あ」

「………………ねえ、誰かもう一人」

「」

「ねえ、聞こえていたら。
　今、会議で、、早く。責任を、取って」

「――――――」

昨日の会合を思い出したのだ、そうだ、


「見ないで！！　くれ！！　恋に狂って生き方がわからなくなった自分を見ないで、キファ助けて、これが恋じゃ無くなって良い。駄目だ、誰かと話してないと気が狂いそうになる！！！！」

脳内小一時間うるさい声は響き続け、当の本人は澄ました顔で誰かの看病や書記の仕事をしようとしている

「　どうして、どうして、……やっと自分の意思で作りたい物が出来て、それがあの凄惨な事件現場と新しい刺激だけだったのに！どうして、なんでこんな汚い感情とぐちゃぐちゃの頭をヌンキにまで見られなくちゃ、ひっ、もう、もう……せっかく、せっかく取り繕っていたのに、こんなところでごまかせるわけない」