氷肌玉骨を手に ナオアキ(匿名)は、メモを貼った。 66111 2022/06/09(Thu) 19:52:28 |
【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ 誰もいなくなった会議室。ずるりずるり、粘着質な音がする。 「お留守番アリガト〜、思っていたよりも結構あけちゃった」 「他の人居ないし、さみしかったでしょ。ごめんね」 弱々しい声をこぼしながら、ソレはなんとか椅子に座り込んだ。床に転がっているよりかは多少見てくれはマシだが、焼け爛れ傷付き、数えきれないほどの穴が開いたソレは、どうにも人とは思えない外見だ。 「……取りに来たはいいケド、これじゃ汚しちゃうのよねェ」 視線の先には枕があった。あの猫ちゃんカバーの。ふ、と伸ばされた手は途中で止まる。血の赤は何だか分からない黒に塗りつぶされて久しい。どれにしろ、触れることは憚られた。 「ここから動くのも、はァ、しばらく無理そう。テンションで動きすぎ」 「治ったら、そうねェ、汚れ落とすよりも袋持って来た方が早そう」 「置いた場所にあれば、探さなくていいんだケド」 「意識一回飛んじゃってから、静かになったわねェ」 「あんなに五月蠅かったのに」 「どっか行っちゃった? 結局何だったのかしら、アレ」 「アタシ、死なないわ? 死んだかもしれないケド、死ねないの」 (L11) 66111 2022/06/09(Thu) 19:55:20 公開: 2022/06/09(Thu) 20:00:00 |
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