【人】 会社員 雷恩[返答の声色はしっかりしていて、倒れた原因は体調不良では ないと知れる。>>20 一先ず安堵の溜息を吐いた。 履き慣れない靴、と聞いて視線が足元に移る。 底が随分厚い。それにゴテゴテしている。 だが服装との雰囲気は合致していることを思えば、 服に合わせて履きたかったのだろうと推測できる。] ……具合が悪いんじゃないならいいや。 怪我は? [相手が立ったので此方も立ち上がる。 スカートを履いた相手の足元にしゃがんだ状態が拙いと いう危機感は一応ある。 厚底を履いていても、自分の方がまだ背は高い。 見つめる視線に気づいて瞬きをひとつ。] (26) Ellie 2024/05/05(Sun) 22:11:39 |
【人】 会社員 雷恩いや、目の前で人が倒れてスルーできる奴が 特別薄情なだけで、ふつうは声掛けるだろ。 自分が何もしなかった後に何かあったんじゃ 寝覚め悪いってヤツ。 [特に口にしなかったが、ワンピースの少女は 随分と可愛らしい顔立ちをしている。 転ばなくても人に優しくしてもらえるのでは? 優しさに飢えているような口ぶりに少し違和感を覚えた。 このまま実家に帰ると忘れてしまえる程僅かな――] (27) Ellie 2024/05/05(Sun) 22:12:11 |
【人】 会社員 雷恩え?なんて? [聞き取れずに聞き返した。 過去に同じ言葉を聞いていても記憶が繋がらない。 やはりどこかが痛むのか。 身体を近づけて聞こうとすると。] (28) Ellie 2024/05/05(Sun) 22:12:41 |
【人】 会社員 雷恩…………………ナンパ? [その文言はあまりに常套句だったものだから、 思わず噴出した。 気のせいかなと笑う顔に、どこか懐かしさを感じながら。] (29) Ellie 2024/05/05(Sun) 22:13:05 |
【人】 会社員 雷恩気を付けなよ。 君みたいに可愛い子にそう言われたら、 心当たりなくても適当言って成りすます奴も いるかもだから。 [プリンの箱を開けて、保冷剤を取り出すと、 彼女に差し出した。] 足、後で痛むかもしれない。 冷やしたらマシになるかも。 [その出会いを運命と捉えない位には普通の男は 「じゃあ」と軽く会釈をして通り過ぎようとした。*] (30) Ellie 2024/05/05(Sun) 22:13:40 |
【人】 会社員 雷恩[記憶の中にある「女の子」は小さいままだ。 2人の歳の差故か、成長期は先に男の方に訪れて、 「幼女を家に連れ帰る」ことに対し 「ふつうではない」と感じる精神が育ってしまった。 責任感よりも目の前のリスクを恐れる。 思春期の男子なんてそんなものだと自己を正当化し。 一度手を差し伸べた相手がどんな風にその手を見るのか 離されたらどんな気持ちになるのか 想像力は欠如していた。 大丈夫と微笑むその顔は「女」のもの。 歳の差は縮まらなくとも、二人の間に流れる月日は平等で 記憶のあの子も「女性」に成長するという当たり前の現象も 想像出来ていない。] (39) Ellie 2024/05/06(Mon) 0:06:14 |
【人】 会社員 雷恩そーゆーもん? まあ、「ありがとう」はもらっとく主義だから、 「どういたしまして」 [相手に怪我はない。 でも備えて保冷剤まで渡した。 割と完璧な「人助けをした」という一連の行動は それで終わりの筈だった。] (40) Ellie 2024/05/06(Mon) 0:06:52 |
【人】 会社員 雷恩[此方に心当たりのない「昔の知り合い」は、 今は彼女にとっては簡単に会える相手ではないようだと知る。 今、注意したばかりだが、この子は少し危機感が薄いのだろうか。 残念がっている様子など見たら、それこそ悪い奴ならば 成りすましを計画しても可笑しくないと思うが。] さっき怪我ないっつってなかったか? やっぱり痛むんだ? うーん…… [足を挫いた相手を家まで送るというのは。 もしかしなくても身体を支えることになるのでは? それを通りがかりの男に頼むなんて、 やはりこの子は危機管理能力が低いのかもしれない。 別の意味で心配になってきた。 ここで「用事があるから」と別れて、 その後に通りがかった相手に彼女が同じことを頼むとして。 大抵の男ならそれを「誘い」と取ってしまうのでは?] (41) Ellie 2024/05/06(Mon) 0:07:34 |
【人】 会社員 雷恩一応、連絡1本入れさせて。 駅着いたって連絡してるから、寄り道だって 言っとかないと心配させる。 [プリンならリュックに入れて多少揺れても崩れないだろう。 箱を仕舞って、実家に事情を説明するメッセージを入れておく。 そうしている間に明かされたプロフィール、 名前は流石に記憶に繋がった。] ルミ。 ……この近くに住んでる……昔から? 10年……15年くらい前にあそこの公園によく居た? ってか本当に「昔の知り合い」って俺の事だった? [ナンパじゃなくて、と屈託なく笑う。] (42) Ellie 2024/05/06(Mon) 0:08:06 |
【人】 会社員 雷恩偶然、最近になって、あの子今どうしてんのかなーって 思い出したんだよ。 だから公園通って実家に帰るつもりの今なんだけど。 元気だったか? って、ストーカーに遭ってんだっけ、 じゃあこんなとこで男といるの見られたら拙いな。 送ろっか。 [言われたことを疑いもしない。 ストーカーがいると聞いて納得の顔立ちの可愛さだ。 記憶の女の子は化粧をしておらず、 どちらかというと汚れている時もあったように思うが、 成長した彼女は髪の先まで綺麗にケアされていて、 「可愛い」を保つために頑張っていることが伺える。 可愛くなったらなったで大変なんだなと 他人事のように呟いて、リュックを前抱きにすると 背を向けてしゃがんだ。] (43) Ellie 2024/05/06(Mon) 0:08:54 |
【人】 会社員 雷恩[肩を貸すにも身長差の所為で上手く支えられそうにない。 腕を支えにするくらいで歩けるなら、そもそも 他者の善意の延長を頼んだりしないだろう。 それならばおんぶをするのが一番足に負担が少ない気がして。] 公園でよく会ったなってとこまでは覚えてんだけど、 家がどの辺とかまでは覚えてないから ナビは頼むよ。 [自分との繋がりを残す為に彼女が取った手段だと気づかない。 「偶然」の再会を純粋に喜んでいた。**] (44) Ellie 2024/05/06(Mon) 0:09:22 |
【人】 会社員 雷恩[いつからだったか、公園に一人でいる女の子を 見かけるようになった。 2歳上の兄が友達と遊ぶようになって、 自分はそれに混ぜて貰えなくなったから周囲を見る 習慣が出来たから気づいたのだろう。 自分よりも随分小さい――小学校入学前に見えた。 そんな小さな女の子が、保護者といるのでもなく 誰かと遊ぶでもなく、ただ、「居る」。] 『なーなー、アイス食う?』 [最初に話しかけたのは、兄と食べていた時の癖でつい買った 半分に割るタイプのアイスの片割れをあげた時。] 『知らない人にものもらっちゃいけないって 母さんには言われてるけど、俺があげるのはいいよね』 [相手の子にとって自分も「知らない人」なのに。] (53) Ellie 2024/05/06(Mon) 19:48:07 |
【人】 会社員 雷恩[どんなことを話していたか、すべては思い出せない。 ただ、ちょうど遊び相手がいなくて寂しかったから、 自分より小さい女の子に兄貴風を吹かせることで 気持ち好くなっていただけ。 優しさだったかと言われたら首を傾げてしまうが、 与えた側がどんな気持ちでいても、与えられた側が それを優しさと捉えるのなら、そう呼んでも差支えはないのだろう。] (54) Ellie 2024/05/06(Mon) 19:48:55 |
【人】 会社員 雷恩『雨じゃん!傘持ってねーの?!』 [日を重ねれば、彼女が家に帰れない事情があると 子ども心にもわかる。 雨が降った日も、そうではないかと公園に立ち寄って、 濡れている子を見て慌てたっけ。 家に帰ればなんて言えなかった。 強引に手を引いて同じ傘に入れた。 家に連れ帰って] 『母さーん!友達ずぶぬれ!!』 [どこの子かわからずとも、濡れた少女を放っておけない 優しさを持っている母親は、温かい風呂と牛乳を用意してくれた。] (55) Ellie 2024/05/06(Mon) 19:49:17 |
【人】 会社員 雷恩[経験していないことに関する危機感は薄い。 スマホを盗み見ようと思ったことはないし そうしようとした人とつきあったこともない。 指先の動きが数字を打刻する時、視線に気づくことはなかった。] あー、そうだよな、「お兄さん」って 呼ばれてたんだっけ……。 いま聞いたら恥ずいななんか……。 [むず痒い気分になるのは、あの日々以外自分が 「お兄さん」であった時がないからだ。 懐かしさに緩んだ頬が羞恥に染まり、 少しだけ強張る。 「昔の知り合いなんて、お兄さんしかいない」>>46 ああやはり、あの子は「ひとり」だったのか。 友達がいなかった理由は、大人になった今ならば 色々推測することは出来る。 よくここまで生きて来れたものだ。 物理的に守ってくれる相手に恵まれず、 心を護る為に呼べる相手にも恵まれず。] (57) Ellie 2024/05/06(Mon) 19:50:30 |
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