［　>>0:24 彼女のことを初めて知ったのはSNS。
　　顔は隠しているけれど、可愛くて、
　　何より低身長の成人女性だったところに
　　いたく興味が湧いて、追っかけていた。
　　いいねは全部に押して、
　　個人サイトができたら毎日覗いた。
　　配信もできるだけ毎日最初から最後まで。

　　とある日、希望として言っていた
　　服装を彼女が着てくれたことがあって
　　その日は最初の投げ銭でお礼の5万。
　　その後はコメントを投げるたびに1万。
　　読まれたら追加で2万投げて、
　　総額はその日だけで20万はいった。　　］
　　

　　最近の動画、更に可愛いんだよね。
　　もっとお金あげたいんだけどなぁ…。


［　一瞬だけ捲れるスカート動画も、
　　ちょっと過激な自慰動画も、
　　彼女が出すものは写真であれなんであれ全部買った。
　　それがいい手段かどうかはさておき、
　　彼女のことを必要としている人間がここにいる。
　　それを証明するには買うしかなかった。

　　ただし、彼女のプレイ動画はもっと長く欲しい。
　　ダイジェストだからどういう動きなのか、
　　ゆっくり楽しむことができないのだ。
　　はぁ、と贅沢な悩みに対するため息をつきながら
　　家で仕事のBGMとして動画を垂れ流す。　　］

　　…………ま、ちょ、…わぁ…これは、マジか…
　　なになに……希望の服装…………え、これは…
　　普通に悩むな………◯学生っぽい服がいい、っと。


［　ダイジェスト動画を何本も買ったある日のこと。
　　とうとう自分にも運が回ってきた。
　　彼女に会う権利と、それに伴う権利が与えられた。
　　日程を確認してすぐに調整をかけた。
　　前後の日も仕事を入れないようにして、
　　何があってもいいように、準備を始める。

　　以前配信で着てもらった服装は、
　　もっと可愛げのある、メイド服か何かだった。
　　けれども今回に関しては、趣味を詰め込んでも
　　2人だけの空間のはずだから許される。
　　そうなると、こういう感じ、と
　　URLも一緒にいくつか送ってイメージを伝える。　］

　　すごく楽しみだよ、シリウスちゃん。…何着て行こう。
　　見た目よくしておかないと幻滅されるかな。
　　あんなに投げ銭してるやつが実は…とかなったら
　　可哀想だしね。幻滅されないようにしないと。


［　鼻歌まじりに持っている服を確認する。

　　お金があると匂わせておけば、
　　いいことがあるかも、と勘が働いたので
　　少し高かったセットアップを選ぶことに。
　　スーツだと堅苦しいかなと思ったので
　　セットアップくらいの緩めの服装。　　］

　　となると、素顔まで見られるのか……
　　これからの投げ銭にもブーストかかるかも。
　　あ、そうだ。ダメだってわかってるけど
　　聞きたくなることってあると思うんだ。


［　これは独り言である。
　　彼女とのやり取り中に、生中はいくらだせば
　　させてくれる？と聞いてみた。
　　今まで、生も中も動画で確認ができなかった。
　　それはつまり、彼女がさせてくれない。
　　そちらのほうが説明がつく。

　　ということは、諭吉を積んだら案外、
　　いいよと言ってくれるのかも、と想像。
　　けれど、というか当たり前にNOと返事が来て
　　それもそうか、と納得はした。　　］

［　そして当日。待ち合わせ場所にマスクをつけ
　　万が一顔見知りが通っても
　　すぐには見つからないようにして待つことに。

　　彼女らしき人を見つけたら、
　　とびきりの笑顔が見られるはず。　］


　　初めまして、テトラです。
　　可愛いシリウスちゃんに会いたくてたまらなかった。
　　いつも楽しく配信見てるよ。


［　と、会ったらまず挨拶から。
　　実物の彼女を見たら、やっぱり小柄で可愛いと
　　ぞくっとする何かがあった。　　］*

　［　おじさんと思われているとは微塵にも思わず
　　　うんうん、と彼女が提示してくる服装に
　　　全部絶対似合うね、と肯定を示す。

　　　彼女が似合わない服は多分ない。
　　　露出が多くても少なくても可愛い。
　　　ランドセルはあってもいいけれど、
　　　趣味としては薄型の横長バッグ。>>19
　　　彼女に品物のURLを送り、送金してあげるから、と
　　　希望のバッグを買うように指定した。　］


　　　ロリコンかぁ…………
　　　いや、多分もっと拗らせてるよ。

［　返事にそれもそうか、と笑って。
　　どうしたら繋がりを(この場合の繋がりとは
　　体のつながりではなく、関係という意味)
　　もっと深いものにできるだろうか。>>20

　　認知自体はされていると自負しているので
　　今回のランダムギフトなどではなく、
　　会ってあげてもいいと思われたら、
　　多分勝ったも同然だと推察する。　　］

　　マスクも一緒だね、びっくりしたよ。
　　そうだ、今日は1日お兄ちゃまって呼んで？
　　呼んでくれるなら、色んなところに
　　可愛い妹のことを連れて行ってあげるから。


［　示し合わせたわけでもないのに、
　　色は残念ながらこちらがグレーだが、
　　マスクというお揃いを見つけてにこやかに。

　　腕に抱きつかれて夢に見ていていた
　　彼女の生身を感じれば、そっと頭を撫でて。
　　もし、彼女が希望したバッグを背負っていれば
　　とても可愛らしいちょっといいところの
　　小学生のような雰囲気を感じた。　　］

　　まずはね、買い物から行こう。
　　そして食事を済ませてから、



［　腕を組んでもらったまま、
　　彼女を連れて行くのは勿論ブティック。>>21
　　好みじゃないと言われれば次々と店を変え
　　彼女が気にいる店に入れば、
　　店員には中学受験合格祝いに、と言って
　　好きなものを買っていいよと口走る。　］

　　ふふ、可愛いなぁ……。
　　値段は気にせず買っていいよ。
　　でも、今日はひとまず1つだけね。


［　一気に買われては、会う口実などが作れない。
　　なので、今日は1つだけ。
　　次回があれば、またひとつ。
　　とはいっても、買うものはなんでも良し。
　　服でもアクセサリーでもバッグでも買った。

　　満足いく一品を買ってあげたら、
　　腹ごなしに近くのホテルのラウンジにでも。
　　好きなものをお食べ、と促して
　　多分マスクは外さないだろうから、
　　食べるかな？と少し心配になった。　　］

　　少し落ち着いたら、いこっか。
　　今日のことすごく楽しみだったんだ。


［　これから先の目的地はわからないから
　　彼女に連れて行ってもらうことになる。
　　これまで画面越しに見る側だったけれど
　　今回は、見られる側。
　　どうなるのだろうかと、期待が高まる。　］*