【秘】 静かな怒り フィウクス → 半分の仮面 リアン知らない?きっとそう思っていたいだけだ。 「薄々気付いてはいるんだろう」 行われる"治療"の、もう一つの目的も。 "神隠しの森に消えた者"の真実も。 それは何も、大人や当事者だけの問題ではないという事も。 「何もかも今に始まった話じゃない。 お前にだって、ここがどんな場所か、嫌でもわかる頃だ。」 この場所は今もなお、あなたの思うままの城ではない事も。 「少なくとも、俺は。 10年も居たんだ。 とっくの昔に気付いてた。 どうすれば大人達の機嫌を取れるか、… ……何があいつらを喜ばせるか。」 だから取引を持ち掛けた。返答は検討するというものだった。 大人は狡猾だ。自分達の想像よりもずっと。 だからその言葉を鵜呑みにしてるわけじゃない。 ただ、この役目を負う事は都合の良い事だった。 (-41) unforg00 2022/05/05(Thu) 2:12:18 |
【秘】 静かな怒り フィウクス → 半分の仮面 リアン「それも……飽くまでも取り入る為の手段の一つだ。 何も俺一人でどうにかするわけじゃない。 そこまで自分を過大評価してるわけじゃない。 ただ…似たような考えの奴は、案外多いらしいからな」 たとえ誰が志半ばで心折れようと、自分は違う。 齎された理不尽に憤る事ができるならどこまでも歩いていける。 この病が、怒りさえあればそれに突き動かされる事ができる。 どんな苦しみの中であったとしても。 「どうにもならなきゃ、…… それまでだ 。」もしも仮に、いつかその全てが燃え尽きてしまったら。 全てを諦める事ができたら。 それはそれで、きっと楽になれるんだろう。 「それでも…… お前は共謀者になってくれるか ?」真意を問うその視線に応えるように。 片側だけの、透徹した眼が見返した。 きっとすべてが上手く行くと思える程楽観的にはなれない。 それでも今はまだ、フィウクスは心折れない。 自分への怒りではなく、誰かの為の怒りがある限り。 (-42) unforg00 2022/05/05(Thu) 2:13:15 |
【秘】 半分の仮面 リアン → 神経質 フィウクス今までは、見なかった振りをしていただけだ。 君の事情を知ろうとしなかったように。 「それが、この……神隠しに、繋がるのか。 ああ、普通の教育機関にしては可笑しな部分が多いとは思っていたんだ。 貴族の息子もいれば、貧しい家の娘も籍を置いている。 それも、珍しい病気を抱えた子供たちが多いとなれば。何かしらの手が入っているだろうとは、思っていた。 知名度の割に、設備も整いすぎている。 ……治療を理由にして、後ろ暗い事をしているのだろうと」 想像はしていた。信じたくはなかったが。 勉学の為の場所、抱えた病気の治療の為の場所。 治療のために行われている行為―――子供だましの噂で包み込まれた、大人の表に出せない黒い思惑。 ▽ (-54) otomizu 2022/05/05(Thu) 3:15:33 |
【秘】 共犯者 リアン → 神経質 フィウクス今だからこそわかる。 自分が入学時に大人から渡された一つの"特別な権利"。 これは、自分の事情を知っていて。身分を知っている大人が信頼を得るためのものだったのだろう。 「だが、どうにかしなければ。 僕たちは、手探りで。大きなハンディキャップを背負って社会に出ることになるのだろう」 もしここに留まるのであれば。 ただそうするだけでは意味がない。それでは、子供たちの笑顔が消えてしまう事に変わりはない。 大人たちのやり方を変える事も、必要になるだろう。 エゴだと言われても、そうでなければ。自分は納得できないだろうから。 「 勿論だとも! 僕達が生きていくために、変えなければならない。それに、言っただろう――― "君が良い方向に進みたいと望むのなら、その為の手助けはする" と」その目をしっかりと見据えて、淀みない返事。 そして、口角を上げる。共犯宣言だ。 「仮に―――君が、大人に近付きたいと思うことがあれば。 僕は、 その為の力 を貰っている。君を連れて、共に行くことが出来る。わかっているだろうが、その時は僕も君も"治療"を受ける事になるだろう。それでも良いなら、僕はいつだってそれを切る用意がある」 最終手段だ。あくまで、君が望むのなら その時は。 (-55) otomizu 2022/05/05(Thu) 3:19:34 |
【秘】 ライアー イシュカ → 神経質 フィウクス「わかっちゃいるけど、それを言うと全部 運、の一言で終わるんだよな…… 間違ってるとは言わねえって言うか、実際そうと思うし」 「でも、“みんな”そう言うんだよな。みんな」 みんな、と一括りにするには余りにも規模が大きい属性だ。 それでもあえてこんな言い方をする。拒もうとする。 個人として見れない訳ではないけれど、見てしまうと それこそ己の異質と比較して絶望する故の防衛本能。 「……頑張ろうとすら思えない地点の存在の人間なんて、 見えちゃいないのか、僕がそんなご立派に見えるのか…… ……もう散々疲れて来たんだ。諦めさせてほしい」 貴方の振って沸く家族の話と公平の件を聞いて、「ん」と短い一音だけが零れる。 適当な訳ではない。むしろすぐに難癖なり言い訳なりで反論してくる気質の男を思うと、納得するのは相当に珍しいし、満足している。 「……そうだよ。僕らは悪くない。 反省なんて、生きるのが精一杯の人間に求められてもだ」 「まあ、気晴らしにはなったからそろそろ戻るかな…… っていうかお前、まだ部屋で何か飼ってんの?今度覗くか」 (-60) poru 2022/05/05(Thu) 6:30:33 |
【独】 神経質 フィウクス/* 事の次第によっては 一緒に死体も埋めてくれそうなおともだちが多くて おれうれしいなあ〜〜〜〜〜(皮算用) 死体は作りません。多分。 (-68) unforg00 2022/05/05(Thu) 10:03:11 |
【秘】 共謀結託 フィウクス → 半分の仮面 リアン「………ああ、そうか」 自分の為でもあるという事を前提としても。 あなたがどうしてそうまでするかはわからないけれど。 一生をかけても理解や共感は及ばないかもしれないけれど。 今も言う事をきかない感情を抑圧するのに精一杯で、 病に冒された心では、 その承諾を、申し出を、素直に喜ぶ事すらできないけれど。 「なら、一緒に行こう」 最後に何れの道を選ぶ事になったとしても。 今だけは、腹の底の焼け付くようなこの怒りを 憤る事を、ほんの少しだけ肯定できそうだ。 今はそれだけで十分だ。 (-70) unforg00 2022/05/05(Thu) 10:39:40 |
【秘】 不安 フィウクス → 半分の仮面 リアン「……俺は…まどろっこしいのは嫌いだ。 だからこの際はっきりさせておく」 「俺のこの病は、…… … 対人関係でだけ症状の出るものだ 。だから本当は、 楽になるには、一人で居るしかない。 それでも、生きていくにはそうもいかないから、いつも」 本当は二人で一部屋を使う事すら毒でしかない。 けれどここに来てからは大人の意向によって、 あなたの来るずっと以前から何度も相部屋を強いられていた。 「頭で思ってる事と、感情の動きが、てんでばらばらで、」 それが厳密にどのようなプロセスで引き起こされているか、 未だに確かな事がわからない。自分で自分がわからない。 自分の事なのに大人に教えられていないからわからない。 だって、まさか、思わないだろう。 病によって、人に向ける感情が、 全て『怒り』に属するものに捻じ曲げられて、 本来の自分の意思に反して変質させられているなんて。 「おかしいんだ」 打ち明ける事の不安や葛藤に苦悩、それから。 やるせなさが怒りに変わって、それをまた抑圧して。 声色は非常に不安定なものだった。 (-71) unforg00 2022/05/05(Thu) 10:41:17 |
【秘】 抑圧 フィウクス → 半分の仮面 リアン「──お前は。」 深く息をして、努めて冷静であるようにして。 短く、ただそう問い返した。 あなたの抱えるものを、あなたがこの施設に来た理由を、 この場所の外で生きていくには重荷になるものを。 「ここを俺達の居場所になるように作り変えるには、 俺達にとって何であれば居場所足り得るのか。 お前は自らの居場所に何を望むのか。 それがわかっていなければ、……行動は無謀でしかない」 「 お前はどうしたいんだ 」 (-72) unforg00 2022/05/05(Thu) 10:42:31 |
【置】 懐疑 フィウクス正午に差し掛かる少し前。 形式的に目立った不調はないかを尋ねられて。 形式的に軽いカウンセリングを受けて。 形式的に、何か困った事はないかと問われて。 それで、何も改善はしない。 これまでの人生の中で数え切れない程繰り返されたやり取り。 「………先生、」 医者に、大人達に、これまで数え切れない程投げ掛けた問い。 「私の病は治るのですか。」 (L1) unforg00 2022/05/05(Thu) 10:50:52 公開: 2022/05/05(Thu) 11:00:00 |
【秘】 苛々 フィウクス → ライアー イシュカ「…鳥を飼えたら良かったが、結局叶わなかったな。 鼠が二匹。 今はもうマウスじゃない、ラットの方だ」 あなたの記憶にある限りでも。初等部から中等部までは、 マウス──つまりハツカネズミを飼っていた。 当時は今よりも余裕がなかったから、それが精一杯だった。 今飼っているのはラットと呼ばれて区別される大型の鼠だ。 「相変わらず難儀な奴」 そっけなく、ぽつりと付け足した随分な感想は。 気晴らしにはなった、という言葉へのもの。 幾らこの場所は外より殊更にそれぞれの事情があるとはいえ、 この気難しい乱暴者と好き好んで関わりたがる人間はそう居ない。 ここがどんなに好きな場所でも自分が居るだけでぶち壊しだ。 普通は。 「……俺達は悪くない。 もし何か悪いとしたら、それは、多分 運だとか、タイミングだとか、廻り合せだとか」 「どうせ人生なんて不公平なギャンブルの連続だ。 俺達は… 始まった途端随分な負債を背負わされた ってだけだ」どこか苛立たしげに、忌々しげにそう言って。 お開きに向かう会話に合わせて飼育小屋の壁から背を離した。 (-73) unforg00 2022/05/05(Thu) 11:34:04 |
【神】 遠望 フィウクスどこかでカラスが鳴いている。 敷地の隅。 森にほど近く、けれどやはり踏み入りはしない、境界の場。 その場所にとどまって、ただそれを聞いていた。 午後の事だった。 カラスは賢く、ときに人の顔さえ見分けるのだと言う。 ワタリガラスは一般的に善いものとされ、 多くの逸話で人々に重要な事を知らせる役目を担っていた。 どこにも行けない自分の代わりに外の世界を見てくれる。 子どもの頃から、そんなワタリガラスが居てほしかった。 叶うとも思っていなかったが。 (G0) unforg00 2022/05/05(Thu) 11:54:16 |
【独】 神経質 フィウクス/* こうして見ると結構なんというか 病気のせいで閾値越えると感情優位になってしまうだけで 考え方そのものは愚かではないっぽいんですよね(他人事)。 手癖でいつもの理屈こねこね男になってるだけじゃないですか? はい………その通りです……… (-78) unforg00 2022/05/05(Thu) 12:14:50 |
【秘】 神経質 フィウクス → 月鏡 アオツキその日のどこかの時間。 授業を放棄して、自由になった時間であなたを探す。 そのうちに姿を認めれば、 「──お時間よろしいでしょうか、先生」 なんて、畏まったふうにしているのは言葉だけ。 元は先輩にあたるから、歳上だからといって。 あなた達実習生にも遠慮はしない。この病人にそんな余裕は無い。 声色はいつも通り無愛想でどこか不機嫌そうなもの。 「あんたに聞きたい事がある」 「"教育実習生のアオツキ"じゃない。 或いはそれを含む一人の人間、個人としてのあんたにだ」 (-81) unforg00 2022/05/05(Thu) 12:38:19 |
【秘】 神経質 フィウクス → 雷鳴 バット先日は姿を見せず、 今朝は以前より早くに食堂を後にして。 姿の見えないあなたを、今度は少しだけ意識して探す。 皮肉な事に、こんな時だけは病的に過敏な神経が役に立つ。 「…………」 何処かの一人部屋に誰かの気配を感じればノックをして。 何処かに見覚えのある人影を見れば、 以前のように、遠巻きな距離のまま、一度だけ名前を呼んで。 何れも返答が無いか、或いは。 どこにも居ないなら、適当なところで切り上げる。 何も一人で居たい所を邪魔したいわけじゃない。 (-82) unforg00 2022/05/05(Thu) 12:48:32 |
【秘】 雷鳴 バット → 神経質 フィウクスまだ食堂では互いの心配をするものがあり、 消えたものの安否を確認しあって相談している頃。 朝の授業が始まるまでには、また時間がありそうだ。 青年の姿は貴方が探した内、貴方が彼に教えた一室の中にあった。 食べ物の匂いがする、というには香ばしい香りは薄く。 ある程度食べきった様子ではあるものの、ほとんど無傷のパンやトマトが残っている。 扉の開いた先に顔を向けて、やっぱり隠すように食事の前にさりげなく腕を伸ばした。 入ってきたのが貴方だとわかれば、少しは安堵が混じるけれども。 「……ごめん」「長く、使い過ぎていた?」 「なるべく早く」「片付けるから」 (-99) redhaguki 2022/05/05(Thu) 17:56:45 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「フィウクス君丁度よかった」 「君にパンを焼いて行こうと思っていて―――え?」 本当にパンをが入った籠をもった実習生は君に声をかけられれば、しばらく間を開けてから瞬きをし返した。 台詞に遅延するように振り返り、髪を揺らして。 「ここには私しかいません」 「なんですか、聞きますよ〜」 何処か笑っていたような気がした。表情は変わらない。 (-105) toumi_ 2022/05/05(Thu) 18:19:52 |
【神】 神経質 フィウクス>>G1 エルナト 「お前達の声よりは、よっぽど。」 あいも変わらず無愛想な返事と共に。 片側だけの視線がじろりと声の主の方を見た。 「こんなところでもなきゃ誰かが居る」 「こんなところに来る奴はそう居ない。 俺の気に障るものは少ない。 そう考えてここに居たが、お前が来たから潮時だな」 出たい訳でもないのに。 問い掛けに続く言葉に不機嫌そうに眉根を寄せて。 その後に、随分と余計な刺のある答えを寄越した。 言葉に反してその場を動く様子は無い辺り、 今は自分から立ち退くつもりは無いようだけど。 遠くの方で、森の中から、鴉がまた一羽飛び立っていった。 (G2) unforg00 2022/05/05(Thu) 18:58:09 |
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