??? 工藤美郷は、メモを貼った。 (a16) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 7:14:30 |
【人】 ??? 工藤美郷──回想・廊下にて── [名づけの提案に、女は首を振った。] いらない。 あなたが何と言おうと、私も工藤美郷です。 [彼女の理想と、現実の彼女。それがどれほど乖離していようとも、もとは同じ一つのもの。 ならば違う名前などいらない。たとえ誰に認められなくても、偽物と呼ばれようとも、同じ魂の表と裏だと、彼女は信じているから。] そう……本当に、タチが悪い。 [気持ちを汲んで、その心に沿って行動することができるならば。 感情の癖の近しい相手であればあるほど、汲み取る精度は高まるのだろう。 多数派 けれど、工藤の心の傾向は、あまりにも“普通”からはかけ離れている。 やるせなかった。根底にあるのが善意であるが故に。] (97) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 21:04:04 |
【人】 ??? 工藤美郷──回想・特別展の前に移動後>>258~── [特別展の前に行くと、小泉先輩は息を飲んだ>>2:257。 陰惨な風景に、それでも気を取り直したのか、やがて小泉先輩が問いかけてきた>>2:258。 女は不敵に笑う。] 随分とムシのいい相談ですね。 ……良いですよ。この子が望むなら、いつでも替わってあげる。 [もし小泉先輩が、絵の女を溶かしていたのなら、これ以上の交代は叶わなかっただろう。 つまり、例え怪異を相手にしても不必要に傷つけない、彼の心の在り様>>2:213が招いた善果だ。 悔しいので言葉にはしてやらないが。] (98) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 21:05:17 |
【人】 1年生 工藤美郷[そうして。 不器用な工藤美郷は、絵の中から引きずり出されると、勢い余って小泉先輩に倒れこんだ。] ……………………。 [何度か瞬きをすると、状況を把握するようにあたりを見渡す。 後ろを振り返れば、何事も無かったかのように、工藤の絵が収まっていた。 絵は先程までとほとんど変わらない。変わったことと言えば、脛に一つの傷もついていないことだけ。 それから工藤は身を起こすと、自らの足でしっかりと立ち、じっと小泉先輩を見上げた。>>2:260] 私と小泉先輩は分かり合えない。 [抑揚無く、事実を確認するように繰り返した。 彼の言う「思い込み」はまさしく真実で、ぴたりと分かり合えることはきっと無いのだろう。 だが、すれ違いながらでも、関わることはできる。 今、先輩が話しかけてくれているように。] (100) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 21:06:58 |
【人】 1年生 工藤美郷……………………。 [工藤は、先輩の話を、言葉にしてもらわねば決して察することのできない胸の内を、じっと聞いていた>>2:260>>2:261>>2:262。 頷くことも無く。目を逸らすことも無く。 その二つの丸い瞳の中には、小泉先輩が映っていた。] ……小泉先輩が何と言おうと、私にとっては魔法でした。 私のことは分からなくても、小泉先輩は、店長やその他の人とはうまくやっていたから。 私は忖度しないのではなく、できないのです。 他の人たちがそれを高い精度で行って、滞りなく人と関わっているのが、どこかでずっと羨ましかった。 (101) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 21:07:42 |
【人】 ??? 工藤美郷『眠っているのなら、 ここから出さないと話を聞いてもらえないのかな? 絵の中に手を入れるだけで、 こちらの話を聞いてもらうことは可能だろうか?』 [もう一つの問いかけ>>2:259。 それに、彼女はこう返した。] 私とこの子が同時に外に出ることは無い。 昼と夜とが一度には訪れないように。 だから、手を入れただけでは、この子は何も反応しない。 この子が絵の中にいる限り、私はここに居る。 この子が絵から出れば、私がそこに入る。 [このように、絵から引きずり出すことを促した。 隠し事を一つ残したまま。] (103) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 21:12:26 |
【人】 1年生 工藤美郷彼女の中に私の心が溶けている間、おそらくは私にも皆さんと同じように世界が見えていました。 全く同じではなくても、かなり近しく。 小泉先輩の顔を見れば、私を疑っているのが分かりました。 声を聴くだけで、怒っていることも分かりました。 その怒りの後ろに、私や、他の人たちの身を案じる心を見ました。 それらの先輩の心に気づくたびに、私の中に先輩を評価する心が溢れ、合わせて反応するたびに苦しくなりました。 [「彼は私を疑う人」と評価して、だからごまかさなければいけないと思った。 「彼は私に怒っている」と評価して、だから逃れなければいけないと思った。 評価に応じた、「だからこうしなければいけない」という思い。] あれは、精度の高い妄想だったのでしょう…… [その能力は、人間社会を円滑に回すためには欠かせないものだけれど、自分の心を潰す圧力も伴っていた。 この心を他の人たちが持っているのならば、なるほど、工藤とはまた別種の生きづらさを抱えているのだろう。] (105) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 21:14:45 |
【人】 1年生 工藤美郷同時に、その心の揺らぎに振り回されるあまりに、普段感じられるものが膜を貼ったように鈍くなりました。 時折流れる風の向きや、空間に当たる音や、肌に触れる感触が、どうでも良くなりました。人に気を取られるあまりに、私を取り巻く環境に鈍感になっていた。 小泉先輩に使えて私には使えない魔法があるように、私に使えて小泉先輩には使えない魔法がある。そのことに気づきました。 [誰だって欠点がある。お互いに補い合えるように。>>2:262 完璧であれば、完璧であるがゆえに人を苦しめてしまう。 同時に、誰にでも突出した能力がある。ただ、あまりにも自然にこなせてしまうから、長所は短所よりも見えにくいだけで。 その能力で誰かを補うことができるのならば。] (106) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 21:15:34 |
【人】 1年生 工藤美郷そうであれば、私は私だけの魔法を使って、もう少し生きていたい。そう、願っています……。 [たとえ、砕けた命が自分のものでも。迎えが来るまでの間だったとしても。] (107) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 21:15:57 |
【人】 1年生 工藤美郷[それから工藤は、迷いなく言った。己の望みを、忖度することなく。] 私には小泉先輩の力が必要です。 私の行いで傷ついた時には、どの行いで傷ついたのか言ってください。 私が誰かを傷つけていたら、そのことを教えてください。 私には分からない人の心を、先輩の言葉で説明してください。 [そのための時間が、あと僅かしか残されていなくとも。決して無駄にはならないから。]* (108) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 21:16:22 |
1年生 工藤美郷は、メモを貼った。 (a39) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 21:23:15 |
【独】 1年生 工藤美郷/* 一回のラリーをつい重たくしすぎるマン。(小泉先輩情報量多くてすまーーーせーーーーん) 「ずっと力になる」と言うてくれたのをいいことにめっちゃ寄りかかるやつや。大丈夫ですか小泉先輩。工藤は遠慮できないぞ。 (-49) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 21:26:39 |
【独】 1年生 工藤美郷/* 似てる名前シリーズ 今泉 小泉 武藤 工藤 黒崎 津崎 こうさか あさか よくまぁここまで一文字ずつ被ったもんだ (-61) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 22:03:35 |
【独】 1年生 工藤美郷/* アレルギーに混ざれなかったのは痛恨ンン……!!!!! エピペンは持ってますか。肉魚大豆食べられないとビタミンB12とタンパク質の不足が心配ですね。卵と乳でタンパク質大量に摂るしか。ビタミンB12は悪性貧血起こすからもうサプリメントをとっておいてほしい。あと葉酸と鉄か。貝とかイカとか食べてほしいけど甲殻類もダメなんだっけ。イカタコも無理なのかな。ああ聞きたいことがたくさんん…… (-62) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 22:09:33 |
1年生 工藤美郷は、メモを貼った。 (a40) kumiwacake 2022/09/08(Thu) 22:19:30 |
【人】 1年生 工藤美郷──特別展前>>3:123── 先輩は最初からはうまくやれなくても、失敗から学んだ。>>125 いちいち聞かなくても、人の反応から察した。 [工藤は失敗だけでは学べない。だからいちいち質問して、一つずつ丁寧に躓かなければいけない。 その代わり、指摘されても傷つかない無頓着さを持っていた。 それは人によっては強さと見えるのかもしれなかった。 工藤の長い話を、小泉先輩は時折相槌を打ちながら聞いた。 その苦しみを現実のものと肯定されれば、>>3:126] ……………………。 [工藤はしばらくの間沈黙した。 あの時のような、評価が産む苦しみは、もう胸の中には宿らないけれど。] (191) kumiwacake 2022/09/09(Fri) 7:06:38 |
【人】 1年生 工藤美郷そうですね。例えば…… [と、工藤の面倒な魔法のことを話しただろう。>>3:127 肌に当たる服の感触が気になって、同じ素材しか着れないこと。 天井の低い場所では、音が逃げなくて耳が痛くなること。だからよくイヤフォンをつけていること。 同じ食材を食べても毎回違う味に感じてしまうこと。 林檎一つ食べるにしても。品種が違えば果肉の歯触りが変わる。 口に入れて、咀嚼するうちに温度が上がれば、酸とえぐみの香りが解けて、舌がひきつれる感覚が起こる。 皮にわずかに残る農薬の香り。洗った水道水の塩素の匂い。そういったものにえずいてしまう。 切れにくい包丁で切れば、繊維のもつれが気になる。かといって、ステンレスより鋭い切れ味の鉄包丁を使えば、今度は鉄の味がする。 鋭すぎる五感の上、多くの人が当たり前に行っている、不要な情報を捨てる能力が低い。 そういった特性を持つ工藤にとって、世の中はうるさかった。 だから工藤は同じ事ばかりを繰り返す。同じ音楽を聴き、同じ時間に動き、同じ食べ物を選ぶ。情報が多くて混乱しても、同じ事を繰り返していけば秩序が生まれるから。] (192) kumiwacake 2022/09/09(Fri) 7:08:28 |
【人】 1年生 工藤美郷こういったことは、当たり前のものだと思い込んでいました。 自分の体しか使ったことが無いので。 私に皆さんの思考の癖の説明が必要なように、皆さんにも私の説明が必要なのですね。 [何を説明し、何を省くか。 その取捨選択能力は、おそらくこれから小泉先輩のサポートで身に着けていくものなのだろうけれど。] (193) kumiwacake 2022/09/09(Fri) 7:09:40 |
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