![]() | 【秘】 共犯者 ユス → 共犯者 ツルギ 母の頭へ振り下ろす。 母の頭へ振り下ろす。 母の頭へ振り下ろす。 誰にだってできる、簡単な単調作業。きっとこれは神様がくれた、否、違う。 俺たち二人が掴み取った 幸運 だ。もうなんだってよかった。 もう生きたいなんて思わなかった。 どうでもよかった。 だって、 何故なら、 「お母さん」 自分の命は、自分だけのものでは無いらしいので。 (-153) もちぱい 2022/03/12(Sat) 20:59:27 |
![]() | 【置】 共犯者 ユス「命をくれた人に感謝するんだ」 うん! おかあさん。 「その人がいなかったら今の貴方はいなかったのよ」 ありがとうって、ちゃんと言うね。 「何馬鹿なこと言っているの。命を救われたのだから、もっと人の役に立つ仕事に就かないとダメじゃない」 他の子みたいにしちゃダメなの? 「大きくなったね義徳君。昔はよく寝込んでいたのになあ。救ってくれた人に感謝しなくてはね」 そうだね、叔父さん。 「ちゃんと今年の分の手紙は書いたの?こういうのは欠かしてはいけないのよ」 誕生日よりも大切なことなんだね、お母さん 「毎日を大切に生きれば、きっと貴方の中で生きる提供者の方も喜ぶと思うわ」 先生。臓器は何も言いません。俺に心臓をくれた人は、こんな臓器一つになってまでも生きていると思われたいのでしょうか。 (L0) もちぱい 2022/03/12(Sat) 21:00:27 公開: 2022/03/12(Sat) 21:05:00 |
![]() | 【置】 共犯者 ユス ありがとうございます。 命を救ってくださりありがとうございます。 自分の命は貴方のおかげで助かりました。 この御恩は一生忘れません。 これからは毎日感謝を忘れず生きていきます。 ありがとうございます。 この命は自分だけのものではありません。 無駄にする事なく生きていこうと思います。 貴方に誇れる人間になることを努力します。 世のため人のために生きていこうと思います。 ありがとうございます。 (L1) もちぱい 2022/03/12(Sat) 21:00:55 公開: 2022/03/12(Sat) 21:05:00 |
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![]() | 【秘】 ユス → 共犯者 ツルギ 女の頭へ振り下ろす。 女の頭へ振り下ろす。 女の頭へ振り下ろす。 誰にだってできる、簡単な単調作業。 女が物言わぬ肉塊になっても尚、ずっとそうし続けていた。 珍しい景色が見たかった。 もう一度考えることを始めた心が、久方ぶりに動くほどの景色が見たかった。 俺の中にある他人を見ず、俺を見てくれたお前が心から笑う姿が見たかった。 もう、それしかないんだ。 それだけが、生きる理由なんだ。 ……一成。 俺の命は、俺だけのものではないから。 (-154) もちぱい 2022/03/12(Sat) 21:04:21 |
加害者 ユスは、メモを貼った。 ![]() (a40) もちぱい 2022/03/12(Sat) 21:05:46 |
![]() | 【秘】 共犯者 ユス → 普通 ナツメ「どうやら嫉妬するらしい。俺も驚いた。 俺のものに手をつけられるのは酷く嫌だった」 まるで他人事のように答える。例えようのない、制御しようがない心の動きを自分の中で観測するなんて随分と懐かしいものだったから。 さて、後悔の話に関しては。 「成る程な。逆に知らなければ精神的に負荷が掛からず済むと考える者だっているだろうに、ナツメはそうではなかったということか」 どんぐりクッキーをひょいと口に入れ、水で喉を潤してから言葉をまとめる。 「知らないことを綺麗だと言うのか。 俺は逆に、そういう自覚できていなかった己を知ることが出来れば今後何処かで活かすことができる情報が増えると考えて良いものだと思うのだがな」 「知らなければ挽回も出来ない。知らなければ改善も出来ない。知らないまま悪手を取り続けたとしても、気付けない。 それは時に罪とも呼ばれるし、愚かとも蔑まれる。 無知のまっさらで綺麗な白より、俺は多くを知っている濁りの方が好ましいと思うぞ、ナツメ」 貴方をフォローしているというより、最早個人の好みの話をしているようだった。 (-162) もちぱい 2022/03/12(Sat) 22:58:28 |
![]() | 【神】 共犯者 ユス 指をさす姿を見るのもなんだか懐かしく感じられるな(>>2:11)と思いつつ、「行儀が悪いぞ」と言ってやった。今回は規律を遵守する者ではなく、単純に揶揄うつもりで。 叩きつけられたメモを見る。 「ふむ。だいたい何も決まっていないな」 馬鹿正直に答えながらツルギにもメモを渡しつつ。 「だからこのメモがどんな話になるのか分からない。 完成したら、ツルギと観に行くかもしれないな。お前にとって悔いのないものを作ってくれ。俺は舞台を見たことがないから、お前の作品が初めての舞台鑑賞になる。 一人の観客の舞台イメージが良いものになるか悪いものになるか、お前次第ということだ」 「頑張るといい。頑張ったら、脚本芥像の建設費用少しくらいは出すことを考えてやるから」 そう言いながら貴方が裁判場へ出ていくのを見送ったのだった。未来の自分達がどんな景色を見るために何をするのかなどは伏せたまま。 ……それは、貴方と話をするのに必要ないだろうから。 (G33) もちぱい 2022/03/12(Sat) 23:40:02 |
ユスは、アクタから貰ったメモを撮影して端末に保存した。 (a47) もちぱい 2022/03/12(Sat) 23:41:06 |
![]() | 【秘】 共犯者 ユス → 怪物 ツルギ 何も聞こえない。 痛いほどの静寂が広がっている。耳に飛び込むのは自分の乱れた吐息だけ。 家族がいない時の家はこんな感じだっただろうか。でも、一人でいた時の空気にしてはいやに気持ち悪かった。落ち着かない。 「………………はぁ」 俯けば普段後ろに流しているはずの前髪がだらりと視界を塞ぐことに気付いた。鬱陶しさに思わず乱雑に片手で前髪をかき上げれば僅かに滲んだ手の汗が額をかすかに濡らした。 Wなんか事故でもあって、親が死ねばそこで終わるけどW。 あの時、紛い物の世界の中で貴方が語った嘘を思い出す。 「……あれは確かに嘘だったな。 死んだところで何も終わりになるはずがない。 死者が齎すものは名残のみ。終止符をくれることなど決してない」 もう一度、深いため息をついた。 「終わったところで、楽になるという気持ちなど手に入らないな」 葬儀が面倒だなとか、遺産の処理も考えるだけで億劫だとか、そんな場違いな事が脳裏によぎった。 (-171) もちぱい 2022/03/13(Sun) 3:56:31 |
![]() | 【独】 共犯者 ユス ──こうして、似た状況を作り上げて気付いてしまう。気付いてしまった。 ああ、彼と相互理解するのは不可能なのだと。 可能性も、見いだせないと。 胸に去来する感覚に意識を向ける。 血の繋がる人間を全て殺した時から迫り来る何かが、みるみるうちに心を食い潰していく。 無理だと悟った原因。心を埋め尽くす一つの感覚。 ああ、それを、言い表すならば──。 (-172) もちぱい 2022/03/13(Sun) 3:57:30 |
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![]() | 【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ ただただ虚しい。何もない。 救いもない。絶望もない。 楽にもならず、苦にもならない。 ただ心の中に虚が広がっていくばかり。 憤りは当然のこと、寂しいも悲しいも苦しいも何もなかった。 全て自分の意思だ。 自分の選択で殺した。 家族だけじゃない。己もだ。 考えることを放棄した時に自分は心を切り落としたんだ。 他の人ならきっとやりようはあったかもしれない。でも自分はこの選択を取り続けた。やめる事ができた筈なのに、望んでこの選択をし続けた。 人の心臓を貰い救われて、誰か見知らぬ人間が選ばれ死んでいく事実を踏み台にして生きて帰ってきたと思えば家族を皆殺し。 親不孝者、忘恩の徒。 命を踏み躙る怪物、人でなし。今の自分はまさにそれだ。 (-174) もちぱい 2022/03/13(Sun) 4:03:01 |
ユスは、小さく喉を鳴らした。「……ふ、は。……はは、ははは……」 (a55) もちぱい 2022/03/13(Sun) 4:03:23 |
![]() | 【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ どうしてこんな生き物になってしまったんだろうな。 父も母も堅物が過ぎるが、真っ当な人だったのに。何一つ不幸せな事などない、ごく普通の家庭だったのに。 どうしてだろうな、なんでだろうな。 同じ境遇にあっても、他の人はきっと違っただろう。 ……ああ、ツルギが話していたな。 W生まれた子供に罪はないWと。 罪は無い。罪が無かったとしても、だ。 (-176) もちぱい 2022/03/13(Sun) 4:06:40 |
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![]() | 【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ 結論を口にする。それでも何か思うところなどない。あったとしても、きっと生まれたそばから抜け落ちて周りに叩き落とされ潰れている。 だって、自ら器の底を切り取ってしまったのだから。 (-177) もちぱい 2022/03/13(Sun) 4:08:25 |
![]() | 【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「…………」 WそれWを見た。 氷とかじゃなくて、これは、そう───包丁のような。 馴染みのあるものだった。自ら何もかもを切り捨てた自分に呆れた人間がよく見せていたものだ。 理解する。 声に出さずとも、その声その目その態度が全てを伝えてくれる。 可能性をまだ純粋に信じていたのなら、そんな反応見せる筈がないだろう? なんだ、もうお前も分かっているじゃないか。 きっと無理だ、同じ景色を見るなんて。 なんだかおかしくてもう一度乾いた笑いが出そうになった。目の前で笑ってやろうかと思った。 笑ったまま、目の前で死でやったらどうなるんだろう。 悲しむ? 泣いてくれる? ああでも、きっとただ可能性がありそうな人間を失ったと落胆するだけのような気もするな。 お前が泣いていたのは、本心を晒した時だったから。 夢が叶わず落胆するなんて、もう散々経験しているものな? 慣れているだろう? (-178) もちぱい 2022/03/13(Sun) 4:09:49 |
![]() | 【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「ツルギ。ここは暗いな」 徐に口を開いた。 「俺のいる場所は、周りが色褪せて見えたままだ。けれど此処が明るく鮮やかな訳じゃない。暗くて、誰もいない。 誰もいないんだよ」 こんな人でなしの周りなんて。 けれどきっと、貴方と同じ場所にはいない。 こんなにも近くにいるのに、自分たちは。 ──ひとりぼっちのまま、それぞれのトンネルに閉じ込められながら並んでいる。 (-179) もちぱい 2022/03/13(Sun) 4:10:36 |
![]() | 【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ 服を着替えろと勧めた貴方の言葉を無視して貴方の目の前まで歩み寄る。 普段綺麗に整えられている髪も、数歩動いただけでぐちゃりと揺れて崩れた。濡羽色した前髪が、ばらばらと血に塗れた青年の顔を覆っていく。 「…………」 一度濁れば、もう無色透明に戻ることは叶わない。 人でなしの汚濁を湛えた眼差しが、じぃと貴方を見下ろしている。 「……………………」 かすかに小首を傾げる。 こきん、と己の首の骨が高く鳴いた。 (-180) もちぱい 2022/03/13(Sun) 4:11:34 |
![]() | 【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「ツルギ。聞きたい事がある」 怪物は静かに貴方を見ている。 「お前の目には、俺が……俺たちがどう映っている?」 その濁りは、貴方を見下ろしている。 「これは全て俺の意見なんだがな」 「お前は出会う者たちを理解者たり得るか、そうでないかの基準でしか見ていないんじゃないかと思うんだ」 じっとこちらを、周りを見据える刃物のような視線を思い出していく。 貴方は己を試していた。ずっと、ずっと。 今だってそうだったのだろう。 自分に都合の良い存在かどうか、試していた。 「周りの顔色ばかり気にして」 「そのくせ、試すようなことばかりをして」 「怖くなったら予防線を張って」 「お前自身が、お前の周りに瓦礫を積み上げる」 ▼ (-194) もちぱい 2022/03/13(Sun) 12:59:59 |
![]() | 【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「なあツルギ。 俺は、お前だけが俺を見てくれていると思っていた。 周りは常に俺の中にある他人を必ず見ていて、俺という個人だけを見ようとはしなかった。 でも違う。 お前は俺という個人すらも見ていなかった。 お前は散々他人から誰かの代わりとして見続けられたのに、 他の誰でもない自分自身を見て欲しいと思っているのに、 お前は他人越しに理想の存在ばかりを夢見ている。 お前にとっての俺は唯一か? お前にとっての俺は、ほんとうに俺の形をしているか? 個を見ようとしない限り、 お前がその人を品定めする目を止めない限り、 お前が人を人として見ようとしない限り、 お前は誰にも見てもらえない。 ……今のお前では、きっと何処にもいけないよ」 ▼ (-195) もちぱい 2022/03/13(Sun) 13:00:44 |
![]() | 【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「……でも」 「それでもいいよ」 「俺は、それでもいい」 振り返る。あの紛い物の、仮初に満ちた世界での日々を。 「お前にとって俺は理解者になる資格など持っていなかったとしても。 お前の唯一になれなかったとしても」 たのしそうにわらう顔が。 全てを晒して泣く顔が。 貴方が見せてくれた本心が。 「お前が俺の心を確かに動かしたことだけは真実だ。 虚ろしかなかった俺の心が、 何もかも切り落として死んだはずの俺の心が、 心臓を取り上げられた時から他人に居場所を奪われた俺が、 もう一度生き返ったのはお前のおかげだ」 こうして、本物にまみれた暗い世界に戻って来させた。戻ってきてもいいと、思えた。 紛い物の世界の中で手にしたもののなかでも、 この感情だけは、本物だ。 (-196) もちぱい 2022/03/13(Sun) 13:03:00 |
![]() | 【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「俺もまたもしかすれば心が動かしてくれるなら、個を見てくれるなら誰でもよかったのかもしれない。 でも、ありとあらゆる可能性の中から俺が出会ったのは剣城一成だ。 俺にとって、唯一として大切にしたいとW俺の意思でW選択したのは、剣城一成ただひとりだ。 もう、誰でもよくなんかなくなったんだよ」 考えることを放棄したのを放棄した。 もう一度生き返って、考えて考えて錆びついた頭が壊れそうになっても考えて、 そうして手にした選択がこれだ。 貴方にとって自分がどれほどの価値だったのか分からない。 けれど、自分にとって貴方の価値は、 命だけではなく全てを捧げても惜しくないものなんだ。 ▼ (-197) もちぱい 2022/03/13(Sun) 13:03:41 |
![]() | 【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「ツルギ。 俺はお前の命も、時間も、感情も、何もかも。 俺が、俺の為に、全部欲しいって思ってる。 お前がそうじゃなかったとしても。 似た苦しみも、おぞましい痛みも、必要なら喜んで飲み干すと言った。 約束は違えない。俺は、お前以外は平等にどうでもよくて、平等に無責任を振りかざす。 でも、お前のことだけは何があっても全て責任を取る。 お前を理解できなくても、お前と同じ場所に並んで立てなくても、 俺は壁の向こう側にいてもなお傍らにいる。 壁を挟んでも、ずっと近くにいる」 泣いて突っ伏す貴方の足元にずっといたように。 「暗くても、ひとりぼっちでも、俺は平気だから。俺は、怖いなんて分からない人でなしだから。 俺はお前のものとして生きているだけで、お前が作る景色を見る事ができるだけで、お前がお前らしく振る舞うのを見るだけで、それでいいんだ。 俺は理解者なんていらない。理解されなくても、俺はお前のおかげで虚しさを埋める事ができるから」 ▼ (-198) もちぱい 2022/03/13(Sun) 13:04:31 |
![]() | 【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「ツルギ。 俺とお前、共犯者がやる事はこれで最後だ」 「着替えてくる。 あとはお前の手で、俺に暴力を振るって被害者に仕立て上げるだけ」 「それで俺とお前の罪は完成する」 共犯者は穏やかに語る。 「でも、どの選択をするかは全てお前に任せる。 このまま完遂して、俺と生きるでもいい。 全て諦めて自殺するでもいい。 嫌になったからと俺を殺しても構わない。 着替えている間に逃げたっていい。 何もしたくないなら、これ以上お前が苦しまないように俺がお前を殺すとしよう。 俺はお前にだけ、全ての責任を持つ。 俺はお前だけ、全て受け入れる。 お前の為に、俺の為に、俺は動く」 ▼ (-199) もちぱい 2022/03/13(Sun) 13:05:33 |
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