【人】 水子たちの霊 ヒルコ─病院入り口 名坂、カナと─ 「死体安置室なら、こっちだよ。」 少女から了承>>140を得れば、二人に先立ち、先導して歩き始める。 向かう先は、地下室へと降りる階段。 鼻を抜ける地上より濃い黴臭さと、皮膚に纏わりつく水分を含んだ空気。 そんな中を、二人がついて来ているかどうか、時折振り返りながら――。 (153) eve 2022/08/10(Wed) 22:03:27 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ→死体安置室 ――部屋の中央には、赤黒く錆びた大きなベッド。 壁には、無数の金属の扉が並んでいる。 その中に何が仕舞われているか、かすかに漂う生臭さから、あえて言うまでもないだろう。 おもむろ、並んだ扉の一つに手を掛けて、躊躇なく開いてみせた。 「この身体が、『イモウト』?」 もし、少女が扉の中を覗き込むのなら。 まず鼻の奥に突き刺さる様な刺激臭を感じる事だろう。 次に、真っ黒な袋に包まれた大きな何かが、横たえられている事が目に映る。 (154) eve 2022/08/10(Wed) 22:03:47 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ「この身体だった人は、何人か前の■■さんだったかな?」 記憶は朧気ながら、この身体も「■■さん」呼ばれていたのだったと思う。 もしかしたら、一緒に案内したおねぇさんが、詳しい事を知っているかもしれない。 (155) eve 2022/08/10(Wed) 22:04:02 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ「――『俺』の役割は、ここで終わりだけれど。 どうする?」 少女の願いはかなえた。 ならば、もう『僕』が少女に同行する理由は無い。 少女がこれ以上、『私達』に望むものがないのなら、あとは二人に任せてしまおうと思うけれど。* (156) eve 2022/08/10(Wed) 22:04:06 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a53) eve 2022/08/10(Wed) 22:07:58 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ─死体安置室 名坂、カナと─ どうやら、自分の働きは少女の満足に足るものだったらしい。 これで、ここを立ち去っても後腐れはないという事だ。 ならば、あとはカナおねぇさんに任せてしまおう。 「『イモウト』、見つかると良いね。」 『私達』に礼を言う二人>>169>>175へ、『僕ら』も言葉を返しておいた。 (178) eve 2022/08/11(Thu) 0:21:40 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ部屋の出入り口、重く冷たい金属製の扉に手をあてて―――手が、扉の中へと潜り込んだ。 続いて肘が、肩が、頭が、扉の中へと潜り込んでいって、一番最後に残った脚が扉に飲み込まれて、子供の姿は綺麗さっぱり部屋の中から消えた。* (179) eve 2022/08/11(Thu) 0:21:47 |
(a59) eve 2022/08/11(Thu) 0:23:56 |
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