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【人】 お菓子の国のプリンセス ベニエでもね、あたしは、そんな力、要らないの。欲しくないの。 父様母様と手を繋いでお出かけしてみたかった。 王宮に迷い込んだ猫に、この手で触れてみたかった。 幼い時にどうしても触れてみたくて指先でつついた猫は、小さな金貨になってしまったわ。 友達と手を繋いで一緒に笑って、一緒に走って────そして、いつか。 いつか、ね。 素敵な殿方に手を取られ、ダンスをしてみたいの。 (48) Valkyrie 2019/09/14(Sat) 21:05:48 |
【人】 お菓子の国のプリンセス ベニエこの手袋、ね。 あたしの国にある虹沼だけに棲む、白銀蛙の皮でできてるの。 見た目は絹と変わらないけど、熱も光も空気も、なんにも通さないこの手袋。 舞踏会に貴婦人がつけていくものとは、全然ちがう。 この手袋越しに触れても、ぬくもりはわかんない。 分厚い布を10も20も重ねたみたいに、感触だって伝わらない。 そんなの、もう、嫌なの。 だから、あたしのこの力、消して頂戴。 国のものに知れたなら、ぜったいぜったい、許してなんてもらえないだろうけど。 だから秘密よ。 ぜったい、秘密。* (50) Valkyrie 2019/09/14(Sat) 21:06:07 |
ベニエは、ぬめぬめな幸薄男は、どうぞ気になさらないで?[慈愛の微笑み] (a40) Valkyrie 2019/09/14(Sat) 21:08:43 |
ベニエは、バンバン!(あたしもやってみたいなあ……) (a41) Valkyrie 2019/09/14(Sat) 21:18:05 |
【独】 お菓子の国のプリンセス ベニエおお…………今回の願いは、皆揃って、わりかし重い…… (そして割とどう足掻いても全員の分を叶えることはむずかしい……) (そしてあたしの、ほのかな恋心の行く末は一体……) (はじまったときから失恋していたってやつ……?) (-13) Valkyrie 2019/09/14(Sat) 21:24:08 |
【人】 お菓子の国のプリンセス ベニエ……あたしの願いが、こうだもの。 みんな、それぞれ切なる願いを持っているとは、思ってたわ。 あたしはあたしの願いを叶えたい。 でも、異国娘とぬめぬめさんの願いも、きっとすごく大事だわ。 …………こういうことで戦うのって、あたし、したことない。 こわいわ。 [ぽつりと呟いた] (56) Valkyrie 2019/09/14(Sat) 21:26:45 |
【人】 お菓子の国のプリンセス ベニエ────うん。 譲れないわ。譲りたくはないわ。 あたしには、異国む……ぇ、と……カグラ、みたいにたくさん強くはなれないかもしれないけど。 でも、戦うしかないなら、戦うわ。 (59) Valkyrie 2019/09/14(Sat) 21:40:17 |
【人】 お菓子の国のプリンセス ベニエ■ >>22 デッドへの返し "大丈夫ですか?" そんな問いかけをする者は、もはや、あたしの城には存在しない。 「あんたみたいに、図々しくあたしに物申せる人なんて、城にいやしないわ」 今日も余裕綽々って風に、笑み混じりにそんな事を言う、この男。 なんでこんなに苛つくのか、その理由はなんとなく解りはじめてた。 ────居ないからだわ。 国には、誰も。 こんな風に、ごく普通に話しかけてくる人が。 こんな風に、ごく自然に笑いかけてくる人が。 国の中では、どこでだって、いつだって、あたしは尊敬と畏怖の対象だもの。 ワンダーランドは、とっても広大。あたしの国は、その一部でしかない。この幸薄男の言うウミガメの歌が聞ける海なんてところも、行った事はない。 「ふうん。────国の外には、色々と面白いのがあるのね」 だから、"散策はいかが?"の誘いに乗ってやった。 「エスコートは不要よ。気持ちだけ頂くわ」 (64) Valkyrie 2019/09/14(Sat) 22:13:53 |
【人】 お菓子の国のプリンセス ベニエ だってあんた、お菓子になりたくないでしょう? 手袋越しだって、みんな、あたしを怖がるもの。 こちらが手を差し出した途端、 びくりと手を引っ込められるのはもう懲り懲りなの。 ちろりと睨め付けてやったけど、男からは穏やかな微笑みが返ってくるだけ。 どうやら他意無く本気でエスコートするつもりだったらしいこの男に、あたしは深く深く溜息を吐いた。 お人好しのこのひょろ長い男に、だから少しくらいはあたしの話をしてやってもいい。興が乗れば、あたしのたった一つの願い事も口にする事もあるかもしれない。 「これは、秘密よ」 誰にも言っては駄目なのよ。 彼を見上げ、屈むようにせがんだら、あたしは耳元で囁くように告げるだろう。 あたしのたった一つの願い事。* (65) Valkyrie 2019/09/14(Sat) 22:15:12 |
【人】 お菓子の国のプリンセス ベニエ■ >>45 カグラへの返し 異国娘──名前を覚えた。カグラって言うんですって──といくらか仲良くなれたから、あたしは自分の城に招待したの。 ショートブレッドにスコンにクッキー、季節はずれのクリスマスプディングまで支度して。紅茶はたっぷり、セイロン、アッサム、ダージリンにキームン、お好みぜんぶを飲めるように。 カグラはすごいわすごいわ、って喜んでくれた。 あたしにとっては、当たり前の日常。 左手を使って手に入れた金貨がなんでも運んできてくれる日常。 ────羨ましいのは、あたしの方だわ。 そうして"自由"にふるまえるあんたが、羨ましい。 胸にもやんと広がる思いには蓋をして。 そうしてたくさんおしゃべりしたの。 (66) Valkyrie 2019/09/14(Sat) 22:16:02 |
【人】 お菓子の国のプリンセス ベニエ「────欲しいもの?」 それは無いの。あたしにも無いのよ。 要らないものがあるだけなの。 すぐさま言葉にしたかったけど、喉の奥につっかえて、なかなか声に出てくれない。 カグラの瞳はキラキラしてる。 言葉もぽんぽん、金平糖みたいに輝いて、転がって。 あたしの願いは、空を見上げて「叶えたいの!」と叫べるようなものじゃない。 王宮の中でなんか、ぜったいぜったい、口にはできない願い事。 ────でも。 "親友"って、言ってくれた。 彼女は、初めて出来た、あたしのお友達。 「あのね…………うん、帰り道で、話すわね」 夕陽が長く影を落とす林の中で。 あたしは小さく告げるのよ。 秘密の秘密の、願い事。* (67) Valkyrie 2019/09/14(Sat) 22:17:13 |
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