[そんな折、尻の割れ目を撫でられて
食い込む指に咄嗟に変な声が出てしまった。
慌てて周囲を見回したが
幸いこのあたりに他の客はいないようである。]

ちょ、ちょっと、もぉっ……！！

[かあああ、と顔を赤くしながら
しれっと他の玩具を手に取る元親を見る。

一つは犬の尻尾がついたエネマグラ。
もう一つはピンクのアナルパール。

楽しそうな元親の説明を聞きながら、
…実際に自分がそういうことをされるのだと思うと
何とも言えない気持ちになって、俯いて目を逸らす。]

[なんというか、変に意識すると
この場でうっかり反応してしまいそうで。
もじもじと恥ずかしそうにしながら頷くのだった。**]

[ 俺と近いサイズのモノを、という事で
　探して手渡したディルドには、
　光希はまだ抵抗があるようだった。
　
　まぁ確かに初心者向けではないし、
　光希の性格を考えるとハードルは高いだろう。
　
　それなら、無理に買う必要はない。
　初めてだからこそ、
　光希の抵抗が薄い物か試して行けばいいのだから。
　
　そう考えて、ディルドを元の棚に戻した時。 ]
　
　
　………。
　
[ ぼそ、と小さく呟かれた言葉に、
　ぴくりと肩を揺らした。 ]

　

　
[ そりゃあ、玩具に負けたら悔しいとは思うし
　光希には俺のものが一番好きで居て欲しいとは思うけど。
　
　それでもそれを、
　本当に口にされてしまったら、そんなもの ]
　
　

　
[ 天使のような俺の恋人は、
　本当は小悪魔なんじゃないかとすら思えた。 ]

[ 触れたくなった心地のままに、
　隙を見て光希の尻に触れる。

　
　可愛らしい声を上げる光希に、
　ニマニマと満足げに口角を上げた。 ]
　
　
　……ふふ。つい…ね。
　光希があんまり可愛い事言うから。
　
[ 自分の悪戯の原因を恋人に擦り付け、
　手に取った玩具の説明を。
　
　恥ずかしそうに眼を逸らし俯く光希には、
　嫌がる素振りはなくて。 ]

　

　　
[ じっと見つめてしまうのは、
　その素振りがどうにも可愛くて仕方ないからで。
　
　どうしてこんなにも、
　いちいちその仕草で俺の心を擽るんだろう。 ]
　
　
　ん。じゃあこの３つ買おうか。
　……光希に使いたいから。
　
[ やんわりと光希の頭を撫でる。
　周りに誰も居ないのを良い事に、
　愛おしさのままに彼の頬に小さくキスをした。 ]

[ バイブ等の箱類は、小脇に抱えるのもなんだったので
　店内脇に置いてあった小さめの買い物かごに放り込む。 ]
　
　あとはゴムとローションも
　せっかくだし専用の買っておこうか。
　通販だとなんだかんだ送料かかるし…。
　
[ ゴムには大きさと素材以外あまり拘りはない。
　普段使っているサイズの大きなゴムやアナル用ローションも
　ついでに籠に入れつつ、
　光希に気になるものがあれば足を止めて一緒に見るつもりで。
　
　買い物かごにはそれなりに物が溜まって来たが、
　ココに来たかった目的の半分はまだ終わっていない。
　
　通路の終わり際に差し掛かった所で、
　ぴたりと歩みを止めた。 ]

　　
　……この店選んだのはさ。
　うちから近かった…ってのもあるんだけど、
　もう一つ理由があって……。
　
[ アダルトグッズが所狭しと並ぶ店内の、更に奥の方。
　光希風に言えば、ダンジョンの奥深くに当たる場所。
　壁一面に専用コーナーが設けられている一画に足を止め。 ]
　
　コレ系のグッズが豊富だったから…
　ってのもあるんだよね。
　
[ 視線を送った先には「SMグッズコーナー」と書かれた文字。
　拘束具や鞭、ギャグボール等
　明らかにノーマルなプレイでは使用しないものが
　所狭しと並んでいた。
　
　赤や黒で彩られたそのコーナーは、
　見た目にもなかなかの迫力があり、
　初心者には大分刺激的なグッズが多い。 ]

　
　……痛そうなのとか、
　光希が抵抗あるやつは選ばないし
　する気はないからそこは安心してね。
　
[ きっと光希からしたら少し怖いのではないだろうかと、
　そんな風に声をかけてみる。
　
　安心させたくてそっと手を握ると、
　以前スマホで見た可愛らしいピンクの
　ふわふわした毛で包まれた手錠を手に取り
　光希に手渡した。 ]
　
　
　…苛めるなら、痛みじゃなくて……
　気持ちよく苛めてあげたいから…。
　

　
　だから……一緒に選ぼうか。
　痛くなさそうな手錠と……

[ 視線を送るのは、光希の顔の下。]


　……光希の肌に似合う首輪を。
　
[ その白い首筋に指を伸ばし、ゆったりと撫でた。** ]