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【秘】 陽光の元で ニーノ → 月桂樹の下で ニコロ男は黙って、真剣な表情を浮かべ、貴方の言葉に耳を傾けていた。 聞き落とさぬように、聞き零さぬように。 その内容は今の自分に足りないものを示してくれている、と思ったから。 「……だから。 思いやれて疑える人が、警察に向いている」 貴方の説明に唱えたい異はなかった。 聞き終えた頃には心から納得して、腑に落ちていた。 「独裁者には、なりたくないです。 今みたいなのはいやだって」 「でもオレ、割となんでも信じがちで。 ……今からでもせんぱいが言うみたいな。 向いているひとには、なれるのかな。 疑い続けるのが癖になったら、今度は信じるのができなくなりそうで……」 弱音ばっかり吐いていてよくないな、とは思うのだけれど。 つい落ちてしまった、情けないなとは頭の片隅に。 (-464) mspn 2023/09/17(Sun) 12:35:02 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡「オレだって大人だけど……?」 聞き捨てならなかったのでついそれだけは異を唱えつつ。 フルーツには興味を示してくれているようだからよかった、と微笑んでいた。 しかしクロスタータに対しての驚愕の声にはびくっと肩を震わせて。 ……なんだかそうやってまじまじと眺められると恥ずかしいんだよな。 「うん」と頷きと共に返した声は小さく、少し視線が逸れていたが。 「……ゎ、」 髪をぐしゃぐしゃに撫でられてきゅっと目を瞑る。 いつものそれよりも力強くて……痛い。 「ほ、褒め過ぎだって! まだ見た目くちゃってなってるし…… あと髪取れる!ちょっと痛い!」 声を荒げたのは照れ隠しも込みだ、むす、と頬が膨らんだ。 でも嬉しいのも間違いないから忙しない感情に顔に熱が灯る。 貴方の顔は真っ直ぐに見られないまま、ぼそぼそと付け足した。 「……なんか大変だったみたいだし。 息抜きにでも食べて」 (-465) mspn 2023/09/17(Sun) 12:42:46 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ「うんうん!」 困ってること、があるのはよくないが。 それでも手伝えることがあるのは嬉しいから前のめりだ。 「……お友達、ですか? ええっと、そういっぱいってわけじゃないけど。 いるにはいます」 「友達じゃないけれど繋がりって意味なら。 多いところもある……かな」 貴方の頼みごとにそれらが何の関わりがあるのかは分からないが、素直に答える。 前者は警察じゃなくても遊びに行く家族のような人や、友達は確かに居るしの意味。 後者は出自からスラムや養育院にはよく足を運ぶから、顔見知りは多いの意味。 「それがどうかしました?」 こてんと首を傾ぐ。 何にも気が付かないまま。 (-466) mspn 2023/09/17(Sun) 12:47:24 |
【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 陽光の元で ニーノ「そうだなぁ。 ニーノならなれるさ。」 落ちてしまった貴方の肩をポンポンと叩く。 大丈夫だ、と元気づけるように。 「たくさんの言葉を聞けばいい。 俺の言葉だってほんの一意見に過ぎない。 別の奴の意見で見える事もあるしな。」 貴方の姿は、ニコロにとっては眩しいもの。 真っ直ぐに、警察官としての道を悩みながら それでも正しさを探そうとする純粋なものに見えたから。 「信じられるのはある意味では美徳だよ。 誰かの救いになる事だってある。 その感性はきっと、お前を助けてくれる筈さ。」 (-467) ぴんじぃ 2023/09/17(Sun) 12:48:56 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ「そっかあ。なら、よかったあ。」 「あんねえ、実はあ、家に大量に果物が届いてえ。」 「…冷凍庫、まだ蟹で埋まってるからあ。どおしよおって」 用意していた言葉を吐く。 間延びした声。そこでえ、と続く。 「減らすの、手伝って欲しいんだあ。」 「あの、警察のみんなには、あたしが配るからあー。」 ここまで言えば、質問の意図も伝わるだろうか。 へらりとまた気恥ずかしそうに頬をかく。 「こんな手伝いでも、いいかなあー?」 そうして小首を、こてん。 頷いちゃ、だめだよ、 それは、ただ心に浮かんで蓋をされるだけの、口にはできない言葉。 (-477) oO832mk 2023/09/17(Sun) 13:55:10 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 月桂樹の下で ニコロ「ニコロせんぱい……」 ぽんぽんと肩を叩かれながらも貴方の瞳を見つめる。 自分ではなれるかどうかなんて、全然想像がつかない。 それでもせんぱいはそうやって言葉にしてくれるから。 「……はい」 例え未来が上手く見えなくても、教えてもらえたこと。 貴方の言う通りたくさんの言葉を聞く必要があるのだと。 その行為を通して見えてくるものはきっとたくさんあるのだ。 今教えてもらえたみたいに。 「ありがとうございます。 ……へへ、なんかそういわれるとちょっと照れるかも」 「今日はニコロせんぱいに色々話聞いてもらっちゃった。 すみません、折角の休憩中なのに。 でもオレ、話せてよかったです! なんかちょっと、すっきりしたっていうか」 いつか貴方みたいに、己も誰かにアドバイスできる日が来るだろうか。 来たらいいなと思う、だから今はその為に一生懸命を尽くすしかないのだろう。 「そろそろ時間終わりですよね? ……途中まで着いていってもいいですか?」 (-482) mspn 2023/09/17(Sun) 14:22:37 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ「蟹の次は果物が……?」 以前貴方が話していたPapà gambalungaの新しいお届け物だろうか。 しかし冷蔵庫が蟹で埋まっているとなればそれは大変だろう。 だって果物は傷みやすいし、と。 何も疑わない。だから。 (-487) mspn 2023/09/17(Sun) 14:36:32 |
ニーノは、笑って頷いた。 (a24) mspn 2023/09/17(Sun) 14:37:07 |
【秘】 無敵の リヴィオ → 陽光の元で ニーノ涙を流すことの何がみっともないのか。 そう思う心はあれど、君が隠すなら暴こうとは思わない。 代わりに、浮かんだ笑顔に笑顔を返そう。 「誰かに問える君は強い。顔を上げられる君は強い。 だから君は、君なら、 大丈夫 だ」もう一度君に大丈夫を唱え、笑みを深める。 君なら君の道をいつか、見つけられると信じているから。 「そうして悩める君は強くなれるよ。 迷うことは悪じゃない、立ち止まることもそうだ。 諦めてしまわない限り、君の道はちゃんと続いている」 「いくらでも迷っていいから、いつか。 …いつか、君がその迷路を抜けられる日を俺に」 語る男の瞳は細まり、そのまま緩やかに閉じられた。 「──俺に、見せてくれ。見守っているさ、ずっと。 だから俺で良ければ、いくらでも」 (-488) sinorit 2023/09/17(Sun) 14:38:12 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ「──任せてください!」 「それぐらいならお安い御用……っていうか。 お手伝い権なくても手伝うぐらいですよ。 いっぱい届くとほんと大変ですもんね〜」 職場に持ってきているのだろうか。 それとも大量だって言うぐらいだから家に置いたままだろうか。 そんなことを考えながらも男はただ。 「あ、ちょっとだけオレの分も貰っていいですか? 家族も食べるかなって思って……」 貴方に頼ってもらえた事実に、嬉しそうにしていた。 (-489) mspn 2023/09/17(Sun) 14:39:12 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 無敵の リヴィオ「────」 ……あ、やっぱだめかも。 過った次の瞬間には一滴だけ零れてしまった。 だってあんまりにも貴方が真っ直ぐに、己を信じてくれるから。 「……ぁー……」 大丈夫の一言を貰えるだけでこんなにも安堵する。 見守ってくれる誰かがいるというだけでこんなにも幸せに満ちる。 己の為にと贈られた言葉ひとつひとつを胸の内、大切に抱きしめながら。 ぐしぐしと目元を擦り、顔を伏せながらも声を絞り出した。 「……せんぱい、だいすき」 ありがとうの方が先だったかもしれないとは形にした後に。 だから次いで震えた声で「ありがとう」もちゃんと伝える。 そうして顔を上げればまだ少し潤む瞳を細め、それでもにっと笑った。 「──へへ。 せんぱいのお陰で明日からもがんばれそー……です! ね、オレ、無敵のナンバーツー目指すんで!」 もちろんナンバーワンは既に無敵の貴方だ。 そんな軽口を叩けるぐらいどこか心が軽くなった男の声に、沈んだ色はもう無かった。 (-491) mspn 2023/09/17(Sun) 14:59:44 |
【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 陽光の元で ニーノ千草色の瞳は貴方を見返せば 僅かに細められて、笑う様子を見せる。 「気にすんなって。 こっちこそ色々と聞かせて貰ったんだしな。 スッキリしたなら良かったぜ。」 貴方に時間を言われれば、ゲ、という表情に変わるのだから 人懐こい犬のようにくるくると目まぐるしい。 「やっべ、もうそんな時間か。 おう、いいぜ。途中までな。 そっちは見回り再開か?」 (-498) ぴんじぃ 2023/09/17(Sun) 15:32:03 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ女は。 「そっかあー。頼りになるう。」 笑顔のあなたに。その首肯に。 さも嬉しそうに、へらりと笑った。 誰にもバレないように、笑顔を作るのは、得意だ。 「もちろん、ニーノくんの分も、いいよお。」 「じゃあ、今日仕事が終わったら、家に呼ぶねえ。」 「ほんとたくさんだからあ、覚悟しててえ。」 暢気そうな声でそう言って、この場は一先ず解散。 定時の後、「それじゃあ行こっかあ」と女はあなたに声をかけただろう。 (-501) oO832mk 2023/09/17(Sun) 15:35:54 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 月桂樹の下で ニコロ返される笑みにこれまでの会話が貴方にとって重荷になっていないと知り、安堵した。 最後にもう一度墓石を撫でてから立ち上がり、変わる表情には肩を揺らし笑って。 「はい、オレもすっかり忘れちゃうところだったけど。 見回り再開します、今日の仕事はそれだから」 「せんぱいのお陰でさっきよりもちゃんと、皆のこと見て歩けそう」 だからと感謝をもう一度伝え、そうして貴方と共に歩きだすことだろう。 伝えた通りに道の途中までは一緒に、道中は他愛ない会話を添えて。 別れるときはまたハーモニカ聴かせてくださいね、なんてねだってから駆け出していく。 遠ざかる背がしゃんと伸びているのは、貴方がくれた元気のお陰だった。 (-502) mspn 2023/09/17(Sun) 15:53:24 |
【秘】 無敵の リヴィオ → 陽光の元で ニーノ男が再び瞳を開く頃、一滴の涙は既に落ちきって。 映るのは目元を擦り、顔を伏せながらも声を絞り出す君だった。 だいすきだと伝えてくれる君へ「俺もだよ」と返し。 ありがとうを伝えてくれる君へ 「礼を言われることじゃない」と男は笑う。 結局、言葉を受けて下を向き続けるか。 あるいは、上を見て、前に進もうとするか。 それを選ぶのは自分自身他ならないのだから。 「はは、その調子だ。君がそう名乗れるようになること、 俺は楽しみに、期待して待っているよ」 いっそナンバーワンになるほどに高く。 君の心が強く、いつか形を掴めますようにと願って、 君へと手を伸ばしその頭を撫でようとするのだった。 (-504) sinorit 2023/09/17(Sun) 15:57:52 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ覚悟してて、なんて言葉にはくすくすと笑っていたが。 「は〜い」なんて間延びした声も呑気に返していた。 そうして定刻後、声を掛けられれば待ってましたと言わんばかりに近寄る。 そのまま二人で貴方の家までを歩いて行くのだろう。 朝に比べれば少しマシなようには思うが、それでも街中に漂う緊張感は変わらない。 道中に交わす会話は普段通り他愛ないものと、それから。 「──そういえば本当にこうなっちゃいましたね。 やっぱり現実になると、少し無理矢理すぎるなって思うから……その内少しでも落ち着くと良いんですけど」 貴方にだけ聞こえる声でそんなことも呟いていた。 (-505) mspn 2023/09/17(Sun) 15:59:24 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ「あー。うーん、取締法〜?」 目的地は、そう大きくもないアパルトメント。 街中を少し歩いて、そう遠くない距離にある。 「パオロさんも、逮捕されちゃったんだっけえ?」 「…あんまり話したことなかったけどお、本当にマフィアと繋がり、あったのかなあ。」 そんなことない、パオロはただの真面目な巡査。 今頃何をしているかなんて、考えない方が絶対にいい。 「…とか言ってたらあ、あたしたちも捕まっちゃう?」 「繋がりがあったって、信じるしかないよねえ。」 「どんなに強引でも、それが決められたことなら」 「あたしたちは守らないと、だしい。」 「…やっぱり、あんまり考えすぎると、苦労するよお。ニーノくん。」 ね、と顔を覗くようにして笑いかける。 誤魔化す意図も込めて。だって、歯が浮くような台詞だ。 先日、あなたと同じ話をした時にも感じたこと。 その法を、女は悪用しようとしている。 (-509) oO832mk 2023/09/17(Sun) 16:27:40 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 無敵の リヴィオ頭を撫でられると反射でつい目を瞑ってしまった。 それもすぐに開けて、己が目標として憧れる貴方の顔を見つめる。 未だ未熟な心はすぐに揺らぐ、視野だってきっと広くはない。 それでも与えてくれた愛情を躊躇いなく受け止める術だけは十分に知っていたから。 「リヴィオせんぱいに期待してもらえるなら、 がんばらないとなあ」 綻ぶ口元はふにゃりとした柔らかなもの。 ほんのちょっぴり、自分からも撫でてくれる手に擦り寄るように頭を押し付けたりしていた。 そんなやりとりがちょっと落ち着いた頃に、すっかり冷めきったパネッレをひとつ摘まんで。 「ご飯こうやって一緒に食べれて、うれしかったです。 でも今日は雨降るんだっけ……そろそろ食べ切らなきゃかな」 もそ、と口に運んで咀嚼し、後にオレンジジュースも飲み切る。 食事を片付けていく途中、ちらっと貴方を見上げた男は本日最後のおねだりを。 「ねえリヴィオせんぱい。 オレがんばるけど……また、もし。 ちょっと下を向きそうになったら、せんぱいに甘えても良いですか?」 「そうじゃなくても、またせんぱいの話色々聞いてみたいし…… ごはんとか……こう……」 いいかなあって、向けているのは期待を込めた瞳だ。 (-512) mspn 2023/09/17(Sun) 17:03:39 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ「パオロさん……そんな風には見えなかったんですけど」 少しだけ視線が落ちそうになる、のを堪えた。 ふるふると軽く首を横に振ってから、貴方の言葉に耳を傾けつつ。 顔を覗かれて笑みを見せてもらえれば、少し眉を下げて笑う。 「心配してくれていますか? ありがとう、ダニエラさん」 「そうですね。 ……前話したときはもう、深く考えなくていいかもって思ったんですけど」 貴方なりの励ましの言葉だと、男は勝手に受け取っている。 だからこそ素直に頷けないことにほんの少しの申し訳なさを感じながら、それでも抱いた感情を言葉にした。 込められている意図も今は、見える筈もないから。 「簡単に答えが見出せなくても、やっぱり考えていたくて。 人を思いやること、信じること、疑うこと。 全部大事だってせんぱいが教えてくれたんです。 法律が絶対に正しい訳じゃなくて、そこを疑うことをやめたら……ただの独裁者になってしまうって」 「すぐにどうにかできることじゃないかもしれないけど。 ……考えて、オレなりの答えを見つけて、できることがあるならしたい。 ただの下っ端が何言ってんだ〜って感じですけどね」 気恥ずかしそうに頬を掻いた。 (-513) mspn 2023/09/17(Sun) 17:08:03 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ「…んー。そっかあ。」 そういうところも含めて、「苦労する」って、思う。 それと同時に好感を抱く。 そんな不要なものは、見ないふり。 「えらいねえ。ニーノくんはあ。」 「…あたしは、んーー。」 軽く、眉を寄せる。口尖らせて、その間、革靴が床をたたく、たたく。 「やっぱり、我が身がかわいいかなあ。」 それは、混じり気のない本心。 あの法案に捕まる訳には、絶対にいかないから。 「…幻滅、したあ?」 角を曲がる。往来を1本、離れていく。 (-526) oO832mk 2023/09/17(Sun) 18:25:14 |
【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ「はいはい」 髪を撫でまわしながら、大人大人、なんて言葉が透けて見えるような頭の叩き方。 恥ずかしがる様子すらも楽しそうに眺めると、 あなたの頭をがっしと腕で抱え込んで――これはヘッドロッグだ。 ぐりぐりとこめかみをはさみこみながら、嬉しそうにクロスタータとフルーツを掴む。 「ああ、もらうよ。 ……はー」 「いや、ほんと、トシ食ったわ」 ぐりぐり、ぐりぐり。抑えられているので、男の顔は良く見えないが。 なんとなく、その声は嬉しそうで、寂しそうだった。 「なんだ、髪セットでもしてんのか? 色気づいて〜〜」 (-530) gt 2023/09/17(Sun) 19:02:51 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ貴方の答えを受け取り、それに返答を返す前。 尋ねられれば瞬いて不思議そうに。 「? どうして?」 そうは思わない、は既にその声音に表れていた。 「身を守るのは大切だし立派なことですよ。 無謀に動くより、ずっと」 「ダニエラさんが自分を大事にできているってことじゃないですか」 それほどの価値を自身に見出せている証左に他ならない、とも。 だから今度はこちらが貴方の顔をそっと覗き込んで、笑った。 「なら、オレは嬉しいです。 きっとお母さんだって……は、決めつけすぎかな」 でもそう思いますよって、表情に暖かさを滲ませて。 (-533) mspn 2023/09/17(Sun) 19:07:20 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡ぜ〜〜〜ったい思ってないなこれ……なんて考えていたわけだが。 次いでがっしと抱え込まれた後── 「──いだだだだッ!」 悲鳴が上がった。昔から変わらないやつ。 「ちょッ、痛いって、嬉しいんじゃないの!? 悪いことしてないだろ!もー!」 「身だしなみぐらい気を付けるし!大人だもん!」 どんな思いが声にその色を滲み出させているのかわからなかった。 顔を見られたらもう少しわかったのかもしれないけれど、叶わないので。 とりあえず今は突然のヘッドロックに抵抗するべく、腕辺りをべしべしとしながら「ぎぶぎぶぎぶ!」と喚いている。 (-535) mspn 2023/09/17(Sun) 19:13:04 |
【秘】 無敵の リヴィオ → 陽光の元で ニーノ「もちろん俺も嬉しかったさ。 誘ってくれてありがとう、ニーノ」 前を向き晴れていく君の心とは対照に、 曇り空の広がる空は今にも雨が降り出しそうだ。 この時間を名残惜しく思う気持ちはあれど、 そろそろ解散の時が近付いているのかもしれない。 「…あぁ、俺で良ければと言っただろう? いくらでも、甘えてくれて構わない」 「また、食事も行こう。俺の話は……はは。 何か、いい話題を考えておくよ。 君も、聞きたいことを考えていてくれ」 隣へと置いたカップを再び手に取り、 残るジュースを飲み干して、 立ち上がった男は君へと手を差し出した。 「次も、楽しみにしているよ」 (-536) sinorit 2023/09/17(Sun) 19:21:14 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ陽だまりのような笑みに、言葉に。 眼鏡の向こう、ミントブルーが2、3度瞬く。 「…お母さんは」 「どおだろおねえ。」 在りし日の母を思い返せば、きっとそれでいいと言ってくれる。 今の自分を、肯定してくれる。 だから悩むように思い浮かべたのは別の姿だった。 リスクを嫌う人だった。それでも、と女は自分の意思でここまで来たけれど。 「わかんないなあ。」 「今度お墓参りのとき、聞いてみよお。」 笑いかけると、考えたことを横に置く。 遠くにアパルトメントが見えてきた。あそこだよお、と指さして、てくてく。 鍵を挿して捻る。解錠の音がした。 「ちょっと待っててえ」 振り返り、半分開いた扉の向こう。 たくさんのダンボールが積まれた部屋が、ちらりと見えた。 (-543) oO832mk 2023/09/17(Sun) 19:42:51 |
【鳴】 陽光の元で ニーノそそそ……と貴方にグラスを戻しながらも。 「エッ」 ケロっと明かされたネタ晴らしにはそんな声が出た。 飲む前に言わなかったのはつまり、とほんのちょっぴりじっとりとした視線を向ける。 「も〜〜〜……揶揄ったな? ロメオさんが悪い大人だなんて思ってないけどさあ〜。」 それでもびっくりするのはびっくりするから唇を尖らせて。 「というかなんでそういうの知ってるの? もしかして常識……?」 オレが無知すぎるだけか……?と零しつつも自分のカクテルにも口をつけてみる。 口内に広がったのはお酒とは思えないほどの、甘さ。 やっぱり度数はきついのだけれど先程のよりは飲みやすい感じがして、「デザートみたい……」を呟いていた。 (=5) mspn 2023/09/17(Sun) 20:23:03 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ「うん、聞いてみてください」 死者は何も語らないけれど。 それでもこちらから語り掛けるのは自由だから。 貴方が思い浮かべている姿が、母ではなく違う誰かであることも知らないまま。 あ、そろそろ着くんだなと思えばてくてくとこちらも大人しく着いていって。 「はーい」 返事をしつつも扉の間から見えた部屋。 段ボールがたくさんあって、あれがもしかして……?と首を傾ぐ。 それなら一人で処理しきれなくて大変だろうと納得もの。 出来る限り持っていこうだなんて考えながら、貴方が戻ってくるのをのんびりと待っている。 (-555) mspn 2023/09/17(Sun) 20:25:42 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 無敵の リヴィオ感謝を伝えられると、ああ誘ってよかったんだなって思えて。 甘えることを許されれば、向ける好意は膨らんでいくもの。 差し出された手には少しばかり驚いて瞬いていたが、それでもすぐ。 喜色に満ちた満面の笑みを浮かべれば── 「……はい!」 ──指先を伸ばし、重ね、その手をぎゅっと握った。 ……その後は、ゴミをきちんと片付けてから共に歩く。 真面目な話を多くしたから、帰路の道中は他愛のないものを。 例えば明日せんぱいが着けてくるピンの予想とか。 例えばねこって好きですか?とか。 話していればあっという間に分かれ道の場所。 最後は手をぶんぶんと振りながら別れたのだろう。 そうして一人、家へと向かって歩いて行く最中。 貴方から貰った信頼と勇気を忘れぬよう。 胸の内で大丈夫を繰り返し、ずっと抱きしめていた。 (-562) mspn 2023/09/17(Sun) 20:42:03 |
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