人狼物語 三日月国


131 蕐の残香、追憶のブーケトス

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視点:


プロローグ

【人】 街路灯



     今日も街は静かに時を重ねている。

(0) master 2022/02/13(Sun) 1:15:16





到着:  グレイス

村の設定が変更されました。

【人】   グレイス



    
「 わすれないで 」


  
(1) alice_sanjou 2022/02/13(Sun) 7:12:33

【人】   グレイス



  それはささやかな願いでした。
  死にゆく彼女が生者に願うこと。
  
忘れないでいて欲しい。

  たったそれだけのことでしたが、
  それを叶えるのは存外難しいものです。

  人は嫌なことを忘れて生きていきます。
  
悲しみから、苦しみから、自身を守ろうとするから。


  
(2) alice_sanjou 2022/02/13(Sun) 7:13:24

【人】   グレイス



  どんなに好ましい
の香りも
  いつか、時とともに薄れゆくように。

  人の記憶はいつか儚く散る運命。


  
(3) alice_sanjou 2022/02/13(Sun) 7:16:32

【人】   グレイス



  それでも、忘れて欲しくないと願った彼女は
  
追憶
の機会を作るために。

  あちら側からこちら側へと手招きを。
  生と死で引き裂かれてしまったとしても、
  唯一それをつなぎとめることが出来る物…
   記憶 ≠ナ二人を再び繋ぎたいと願うのです。

  
(4) alice_sanjou 2022/02/13(Sun) 7:19:04

【人】   グレイス



  私にできるささやかなことといえば、
  二人へと幸せを祈る花束を贈ることくらいです。
  
  これは二人の物語。
  私が贈るのは彼女への餞の言葉。
  私が語るのは彼への追憶の言葉。

  
(5) alice_sanjou 2022/02/13(Sun) 7:20:26

【人】   グレイス



  
二人の心が穏やかであるように、と

            
*花束を捧げましょう*


  
(6) alice_sanjou 2022/02/13(Sun) 7:21:39
到着:患者 アンネロズ

【人】 患者 アンネロズ




ㅤㅤ
A secret makes a woman more beautiful.

      
秘密は女性をより美しくするの



  
(7) alice0327 2022/02/13(Sun) 15:16:49

【人】 患者 アンネロズ



[ 人はだれしも何か、秘密を持っている。
  私もそうね、ひとつ。
  秘密にしていることはあるの。

  といってもこの秘密は私の親は知っている。
  私を担当している医師も知っている。
  私によく笑いかけてくれる看護師さんたちも。

  
知らないのは、私と親しい人たち。

  
  私の病気を知っている人たちには
  病気のことは言わないでって口止めしているの。
  だって、病名を聞いたらどんな病気なのか
  調べる可能性があるでしょう? ]

  
(8) alice0327 2022/02/13(Sun) 15:17:53

【人】 患者 アンネロズ



[ 
嫌なのよ、
難病指定されているような、

  死ぬかもしれない病気だなんて知られて
  憐みの目を向けられるのも
  腫れ物に触るような態度を取られるのも
  頑張って、って他人事のように言われるのも。 ]


  
(9) alice0327 2022/02/13(Sun) 15:18:50

【人】 患者 アンネロズ



   私はそんなに強い人ではないから。
   同情されたら、あなたたちはいいね、って
   僻む姿を見せてしまうかもしれなくて
 
   でも、そんなの嫌なのよ。

   死ぬかもしれないのならせめて
   記憶に残る姿は、明るく笑ってる姿がいい。


  
(10) alice0327 2022/02/13(Sun) 15:20:03

【人】 患者 アンネロズ



[ だから、対して強くもないくせに虚勢を張る。
  私は大丈夫よ、って。
  でも、そんな風に何でもないように
  見せてたからかな。お見舞いに来てくれる人は
  日に日に少なくなっていって。
 
  当たり前なのは、解っているの。
  みんな暇じゃないってことなんて。

  
わかっていても……。 ]


  
(11) alice0327 2022/02/13(Sun) 15:21:49

【人】 患者 アンネロズ



[ 寂しいって気持ちを抱かないなんて無理よ…。 ]


  
(12) alice0327 2022/02/13(Sun) 15:23:31

【人】 患者 アンネロズ


***


[ 専らベッドの上で本を読んで過ごしている
  私だけど、その日は陽の光が浴びたいと思って。
 
  天気のいい日だったから中庭で
  暫く過ごそうと思ったの。

  手に持っている本はよくある恋愛小説。
  周りになじめない男の子と
  どこまでも明るい女の子の恋物語。


  両親が買ってくれたベストセラーになった本。
  本屋さんに行けば山積みしてあるような。

  そんな本を左手に持って中庭へ行ったその日。 ]
  
(13) alice0327 2022/02/13(Sun) 15:24:22

【人】 患者 アンネロズ




[ その日が、彼との出会いの日だった。 ]**


  
(14) alice0327 2022/02/13(Sun) 15:24:50

【独】 患者 アンネロズ

/*
超突発で村やるぞー!ということで。
西さんは村建てとか諸々ありがとうございます、ペア相手私で大丈夫ですか……(震え声)
あとアンネロズ可愛くないですか……こんなかわいいチップを私が使って大丈夫なのか心配なのですが……()
(-0) alice0327 2022/02/13(Sun) 15:33:31
到着:ピアニスト イングラハム

【人】 ピアニスト イングラハム




The secret is just like a wedding veil.

女の秘密とは、花嫁のベールだ。




(15) 西 2022/02/13(Sun) 16:38:16

【人】 ピアニスト イングラハム



   そう、私の父は言っていた。
   その意味を幼子の私が知るはずもないが。

   
   ピアニストの父と母もしかり
   私の家系は芸術に対するバイブスが高めらしい。
   それは私自身もそうで、ピアノの演奏には
   幼い頃からずっと魅了され続けている。

   ボランティアとして病院でコンサートを
   開催することだって何度もあった。
   私としては慈善なんてない純粋な演奏を
   味わい、楽しみたかったのだが。そうも言えない。



(16) 西 2022/02/13(Sun) 16:41:07

【人】 ピアニスト イングラハム



   兎角、想い馳せるは薄れゆく記憶。
   ベールにその素顔をひた隠す少女。>>12

   いつか出会った君の真っ白なヴェールを
   私が外すことは叶ったのだろうか。

   今の私にはもう、その答えが、分からない。


(17) 西 2022/02/13(Sun) 16:44:55

【人】 ピアニスト イングラハム



  ***

   遡ること数年前。
   私にとっては数あるボランティア活動のひとつ、
   病院でのコンサートに出向いた時だ。

   「音楽は人の心を癒し、勇気を与える」と
   そんな両親の言葉を胸に臨む演奏は
   首輪を繋がれた犬のような息苦しさを覚えて。

   休憩と称した期間限定の逃避行の果てに
   私は
彼女
のいるその場所へ、辿り着いた。


(18) 西 2022/02/13(Sun) 16:46:38

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   いや、違う。
   本当は君をずっと探していたんだ。

   病院の中ですれ違った時の君の顔色が
   まるで春を迎えた白雪のように今にも溶けて
   どこかへと消えてしまいそうだったから。

   だから中庭で僕らが出会ったのは、必然さ。


(-1) 西 2022/02/13(Sun) 16:53:11

【人】 ピアニスト イングラハム



      「やぁ。こんにちは。」


(19) 西 2022/02/13(Sun) 16:55:39

【人】 ピアニスト イングラハム



   演奏者として恥じない礼装姿のまま
   先客にそう声をかけた。
それが始まり。


   彼女の反応なんてお構い無しな私は
   まだ子供のように無作法なままで
   彼女が何を思うかなんて知らずに。

    「本、好きなの?」

   そう言って手元の本に視線をやったりもした。


(20) 西 2022/02/13(Sun) 16:57:03

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   本当は君の指先を見てたんだ、なんて
   そんなことは口が裂けても言わないよ。
   詰め寄られたら分かんないけどね?


   なんで指先なんか見てたかって?
   それは、そう、綺麗だったから。それだけさ。*


(-2) 西 2022/02/13(Sun) 16:58:06

【独】 患者 アンネロズ

/*
これもしかして詰め寄られたいのかな……?
西さんは詰め寄られたそうな顔してる気がするけど(ド偏見)
(-3) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:10:16

【独】 患者 アンネロズ

/*
いや、ずるくないですか……全部がずるじゃん……。
(-4) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:10:38

【独】 患者 アンネロズ

/*
>>15
私の自己満足にこんなに綺麗に返してくれるんですか???
ってめっちゃ思ってて……(語彙力ゼロ
(-5) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:12:22

【人】 患者 アンネロズ



[ 病院は慈善が集まる場所だと私は思うの。
  ピアノのコンサートもその一つ。

  私も、聴いたことはあるの。>>16

  純粋に聴き惚れていたのは事実。
  演奏の美しさに。滑らかに動く指先に。
  彼の演奏に魅了されたの。  

  でも、叶うなら、病院という舞台ではなくて
  ただ、音楽を楽しむだけのコンサートホールで
  その演奏を聴きたい、なんて我儘を思ったわ。 ]


  
(21) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:48:49

【人】 患者 アンネロズ



   どうしてかって?
   だって、彼の表情はどこか翳っていて。
   息苦しそうな気さえ、してしまったのよ。

   自由に演奏しているというより
   どこか型にはめられて窮屈そう。

   そんな素人の意見がどこまで正しかったのか
   知る機会はあったかしら?

  
  
(22) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:49:29

【人】 患者 アンネロズ



 ***


[ あたたかな陽の光が照らすその場所で
  私と彼は出会ったの。

  眩し気に目を細めて、ベンチに腰かけている私と
  礼装姿の貴方の出会い。それはただの偶然? ]

  
(23) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:50:33

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   その時は偶然だと思っていても
   後から思い返せばそれは必然だった。

   そうやって二人で笑い合えたら
   素敵だと思わない?

   
   
だからそうね、私たちの出会いはきっと必然。


  
(-6) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:51:30

【人】 患者 アンネロズ



    こんにちは。いい天気ね?

  
(24) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:51:50

【人】 患者 アンネロズ



[ ふわり、とゆるく口角を上げて。
  日焼けしていない白い頬は
  少し不健康そうに見えてしまったかしら。
  
実際、不健康だからここにいるのだけれど。


  礼装の彼とは対照的に私の服は病衣。
  運命の出会い、というにはあんまりいい恰好は
  してなかったかもしれないけれど
  服装を気にするのも今更よね。  ]

 
(25) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:52:35

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ もう病衣姿で人に会うのも慣れたと
  私は思っていたのに。
  貴方の前だとなぜかそわそわしてしまうの。 ]


  
(-7) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:53:07

【人】 患者 アンネロズ



   本は……好きよ。
   ……ううん、
好きってことにしてる
の。

   あんまりすることなくて。
退屈だから読んでる。



[ 手元の本に視線が移れば
  題名が見えるように表紙を見せて。
  
  代わり映えしない日々に退屈してたものだから
  つい、言わなくてもいいことまで
  口走ってしまった私は、右手の指先を唇に当てた。 ]

  
(26) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:54:05

【人】 患者 アンネロズ



   あ、これはひみつ、ね。
   皆には本好きのアンネだと思われてるから。

   名乗ってなかったわよね。
   私はアンネロズ。
   アンネって呼んでもらえたら嬉しいな。

  
(27) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:54:36

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム


[ 名乗ったら貴方の名前もきけたかしら。
  まさか指先を見られていたとは
  思っていないけれど、
  もし、私の口元に視線が移るようなら。

  私の指、何かついてたかしらって
  たてていた指を二本に増やして
  あなたにピースサインを送ってみましょうか。 ]*
  
(-8) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:55:34

【独】 患者 アンネロズ

/*
秘話、貴方がひらがなになってしまった……ミス……
(-9) alice0327 2022/02/13(Sun) 17:57:54

【独】 ピアニスト イングラハム

/* 何この子めっちゃ可愛いんだけどなんで死んでしまうん???
(-10) 西 2022/02/13(Sun) 18:01:47

【人】 ピアニスト イングラハム



   病院が慈善活動の溜まり場にされたとして
   命懸けで戦う患者からすればいい迷惑だろうに。

   そんな承認欲求のために患者を利用する気分は
   当然、いいものとは到底思えない。

   だがまさか鍵盤の音色に隠れた私の顔色を
   見抜いてしまうような者がいたとは思わない。
   全く、不思議なこともあるものだ。>>22



(28) 西 2022/02/13(Sun) 18:33:33

【人】 ピアニスト イングラハム



 ***

   その出会いは、冷えた心には心地いい。
   いい天気だという彼女に同意を示し、
   隣へと腰かければ見えぬ物も見えてくる。

   太陽を知らぬ純白は外界との距離を感じさせ、
   その程度は知らずとも、病院にいる理由が
   私にもなんとなく分かる程だった。


(29) 西 2022/02/13(Sun) 18:34:04

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   何を着るかではなく誰が着るか
   男はそんなことしか見てはいないよ、と。

   いつか君に話す機会があって欲しいものだ。
   僕はそう...願わずにはいられない。


(-11) 西 2022/02/13(Sun) 18:34:56

【人】 ピアニスト イングラハム



    「退屈、か。」


   正直、驚きはしなかった。
   少し考えれば想像がつく話なのだから。
   それでもってこの事は
   周知の事実というわけでもないらしい。

   脳裏に浮かぶ「同情」の二文字は
   ぐっと脳の奥深くへと押しやった。



    「その本は僕も見た事がある。
     確か本屋でも最近見かけたやつだよね。」


   面白いの?そう聞かない理由は、
   彼女の言葉がその答えだ。>>26


(30) 西 2022/02/13(Sun) 18:36:46

【人】 ピアニスト イングラハム



   幸か不幸か、彼女を知らない私は
   彼女が造り上げたフィルターが効かない。
   本好きのアンネと聞いて首を傾げたのは
   言うまでもないこと。>>27



    「あぁ、ごめん。最初に名乗るべきだった。
     僕はエドワード・イングラハム。

               よろしくね、アンネ。」


   間違えていた順序を正すと
   私は彼女に倣うように自身の名を名乗る。


(31) 西 2022/02/13(Sun) 18:38:58

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   僕の意図を知ってか知らずか
   君の口元を向く僕に示されるは二本の指先。
   
   透き通るような真っ白なそれは
   僕にとっては魅了の対象であり
   同時に羨望の対象でもあった。

   いいピアニストは指先が綺麗だと
   僕はそう教えられてきたのだから。

   不思議そうにしているアンネに
   僕は小さくふふっと笑う。


(-12) 西 2022/02/13(Sun) 18:40:57

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   「今アンネが言ったことは秘密にするよ。>>27
    だから僕が君の指先が綺麗だって見惚れた事も


        他の人には内緒にしておいてくれる?」



(-13) 西 2022/02/13(Sun) 18:42:53

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   それでお相子だよね、って。

          君は納得してくれたかな?*


(-14) 西 2022/02/13(Sun) 18:43:36

【独】 ピアニスト イングラハム

/* 詰め寄られてないのに結局言ってんじゃねーか、ってなりそう。おっしゃる通りです...(((
(-15) 西 2022/02/13(Sun) 18:51:31

【独】 患者 アンネロズ

/*
最高すぎてもうだめだ(五体投地
となってるけどお返事はゆっくり考えよう……( ˇωˇ )
(-16) alice0327 2022/02/13(Sun) 19:48:56

【人】 患者 アンネロズ



[ 慈善が集まることが悪いとは思わないし
  音楽だったり人の優しさは患者にとって
  勇気にもなりうる。
毒にも、なりうるけど。


  私は、同情が入り混じった慈善は
  毒だと思っているから
  全部を受け入れることは出来ないの。


  だからかもね。
  全ては見えなくとも横顔だったり纏う雰囲気が
  窮屈そうにみえた貴方は多少なりとも
  頭の片隅に残り続けていたの。 ]
  
  
(32) alice0327 2022/02/13(Sun) 21:11:57

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム


***


[ 誰が着るかを見ているのが男だとしたら
  一秒でも可愛く、美しく見せたいのが女だと思う。
  
それが、気になる異性の前なら、なおの事。


  話す機会はあったんじゃないかしら。
  服を気にするそぶりを隠しきれるほど
  私は器用じゃないんだもの。 ]
  
(-17) alice0327 2022/02/13(Sun) 21:13:08

【人】 患者 アンネロズ


[ 退屈と言ったら同情されるかもしれない。
  なんて、普段なら思うのにね。
  つい言ってしまった一言への彼の反応は>>30
  私にとっては好ましいものだったの。 ]


   そうね、ベストセラーらしくて。
   両親からプレゼントされたのよ。

   まだ途中だけど、いい話だと思う。


[ きっと結末は、二人が結ばれて終わるんだろうな。
  そんなふうに思ってしまうくらいの、王道な物語。
  私は嫌いじゃなかった。
 
  この物語に出てくる子くらい
  明るく前向きになれたらいいのにとか
  色々思うことはあるにしても。 ]

  
(33) alice0327 2022/02/13(Sun) 21:14:07

【人】 患者 アンネロズ


[ 本好きだ、なんてフィルターを通していないから
  本好きのアンネ、なんて言われたら
  首を傾げるのも当たり前よね。
  そんな様子がおかしくて少し笑っちゃったわ。 ]


   こちらこそよろしく、エドワード。


[ 名前、全く知らないわけではなかったの。
  だって、奏者の名前は
  コンサートの張り紙で見たもの。

  知ってたとしても、本人から直接聞くのが
  礼儀かなって私は思うから。

  それに、彼が何もフィルターを通さずに
  私の事を見ているように
  私だって、彼を奏者というフィルターには
  通したくなかったのよ。 ]
  
(34) alice0327 2022/02/13(Sun) 21:14:47

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム


[ 二本の指を示す時
  もしかしたら少しだけ前のめりになったかも。
  詰め寄っているつもりはなかったけれど
  もしそう見えたならそれはきっと
  貴方ともう少し話したいって思いが
  意図せずに溢れてしまったんだと思うの。 ]



   私の指に……?面白いこと、言うね。
   私は貴方の指も綺麗だと思うわよ。

  
(-18) alice0327 2022/02/13(Sun) 21:15:48

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   そうね……内緒にする代わりに
   
私ともう少し、お話しましょう?



[ 小さくわらう貴方に向かって
  何処か子供のように悪戯に笑ってみせるの。
  本当は、貴方の秘密をばらすつもりなんてないし
  貴方が示した条件で十分お相子なのに
  さらに我儘を上乗せしてしまう。  ]

  
(-19) alice0327 2022/02/13(Sun) 21:16:23

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   なんてね。
   安心して、これは私たちだけの
秘密。


  
[ 貴方の反応はどうだったかしら。
  いいよって即答でもされない限りは
  私は冗談だよって空気で
  我儘を誤魔化そうとするでしょうね。
  貴方の手を取って、
  自分の大きくない手で包み込みながら、
  秘密はこの手の中、って言わんばかりに。

  即答されたら?
  それなら勿論、喜んでお話するわ。
  普段何してるかとか、好きな物とかを
  貴方に聞いてみようとするはず。  ]**
  
(-20) alice0327 2022/02/13(Sun) 21:18:46

【人】 ピアニスト イングラハム



 ***

   分かるよ、と共感を示すべきか?
   生憎と消毒薬に満ちた病室の虚無感を
   私は知らなければ、知ることも無い。

   私が知っていることはただひとつ、
   共感こそ毒に他ならないことのみだ。>>32

   毒を毒に思わせない器用さがあれば
   少しはマシなことも言えたかもしれないが。



    「確か、恋愛小説だったっけ。
     僕も詳しくは知らないんだけどね。」


   表紙とタイトルからの予測だったから
   その辺はあまり自信がなく答えてしまった。

   それなら読んでみようかなって
   そう思う理由は、秘密だ。



(35) 西 2022/02/13(Sun) 22:27:23

【人】 ピアニスト イングラハム



   恐らく他者とアンネの間にとって
   本好きというのは演劇の役であって
   それでいて私とアンネの間に演目はない。
   笑うアンネの姿に尚更首が傾くばかり。

   それから思いついたように目を見開いて


    「せっかくだし、エドって呼んでもいいよ。
     僕と仲のいい人は皆そう呼ぶんだ。」


   彼女が私にアンネと呼ぶことを望むなら
   それと同等のことを望んでいたい。
   そんなわがままを伝えてみせただろう。


(36) 西 2022/02/13(Sun) 22:28:23

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   人は見たいように見、信じたいように信じる。
   だからきっと君は前のめりでいてくれたんだろう?
   僕がそれを望んでいたんだから。



    「これでも一応ピアニストだからさ。
     指が綺麗な人は、羨ましくてね。」


   そう本心を伝えて。
   自分の指を褒められれば意外そうに
   今度は自分の指先を見つめてしまう。

   もちろん光栄ではあったが
   君からそんな言葉を貰えるほどの
   自信はなかったからね。

   けれど付け加えられたわがままには
   僕は思わず目を丸くしてしまったんだ。


(-22) 西 2022/02/13(Sun) 22:31:10

【独】 ピアニスト イングラハム



   狡いな、君は。

      そう言いたくなる気持ち、わかるかい?

(-21) 西 2022/02/13(Sun) 22:31:32

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




   「冗談にしてはタチが悪いな、全く。」


   掴み所がないその様子は僕の気を引くには
   充分すぎるほどのウェディングベール。

   悪戯な笑みを浮かべるアンネの姿に
   苦笑いを浮かべていた僕の表情は
   きっと明るいままだったはずだ。

   彼女の手に包まれる僕の手は
   不思議と熱を帯びていくような感覚がする。
   それはまるで、暗闇に火が灯るように。



(-23) 西 2022/02/13(Sun) 22:32:42

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




   「じゃあ、僕の秘密をもっと明かしたら
    そしたらもっと...君と話していられるのかい?」


   
(-24) 西 2022/02/13(Sun) 22:33:27

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   上乗せされるわがままへの答えはイエス。
   仕返しだと悪戯な笑みを浮かべて
   彼女が振ってくれる話題に答え始めるのだ。

   と言っても普段やってる事は演奏ぐらいで
   好きな物が実はチョコレートだったりと
   話題性のなさに我ながら情けないと思うのだが。



(-25) 西 2022/02/13(Sun) 22:35:35

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   話し始めれば話題は無限に湧くが時間は有限だ。
   終わりは僕の逃避行が終わりを告げたと同時。

   「エド」と、こちらに手を振る両親に
   今行くよと答えれば、途端に名残惜しさが募る。

   しかし今度ばかりはわがままも言えずに
   アンネとはその日は別れることになったのだろう。


(-26) 西 2022/02/13(Sun) 22:36:45

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   しかし別れ際、君にだけわかるように重ねた手は
   両親に見えないように二人の身体で隠す。

   それからアンネの指先に自身の指先を合わせると



(-27) 西 2022/02/13(Sun) 22:38:59

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




   「ねぇ。アンネ。
    君の為だけに、僕はまた病院ここへ来るよ。

    そしたら、今日の話の続きをしよう。」



(-28) 西 2022/02/13(Sun) 22:41:43

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




   それは僕から再度重ねた、わがままだった。**


(-29) 西 2022/02/13(Sun) 22:42:19

【独】 患者 アンネロズ

/*
あぁーーーってリアルで叫んじゃったね……
このロル独り占めしていいの控えめに言って最高では??
(-30) alice0327 2022/02/13(Sun) 23:01:53

【独】 患者 アンネロズ

/*
というかこれはお互い様なんだけどゆっくりやりましょうって言ったはずなのに返しが早いんですよ……
まぁ休日だからね……((
(-31) alice0327 2022/02/13(Sun) 23:10:25

【独】 患者 アンネロズ

/*
ところでこの差分はどう使えばいいですか……
私の発想力が貧困すぎてこの差分の使いどころさんに悩んでます……でもどこかで使いたいですよね、ホラー味あるし。
(-32) alice0327 2022/02/13(Sun) 23:37:31

【人】 患者 アンネロズ


[ エドって呼んでもいいってことは>>36
  呼ばれたいってことと同じに取っていいのかしら。
  少なくとも呼ばれたくないのなら
  そんなこと言わないはずだから、
  その望みには喜んで応えるの。 ]


   なら遠慮なくそう呼ばせてもらうね、エド。
   これで私も、仲のいい人の仲間入り?


[ そう言って楽しげに笑った。 ]
  
(37) alice0327 2022/02/14(Mon) 0:33:32

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   そうなのね。でも、綺麗な音を紡ぐのに
   必要なのは指の綺麗さより……
   心じゃないかしら?

   
心の内に眠るものを呼び覚まして

   
言葉にできないものを表現するのが音楽だ…

   なんて、これは前に読んだ本の
   受け売りなんだけどね?


[ 貴方が自分の指先を見つめるのにつられて
  同じ方を見る。あの時滑らかに動いてた指は
  綺麗だなって思っていたし
  今見ても、綺麗な指だと私は思う。

  私はピアノが弾けるわけではないから
  どちらかというと指の綺麗さと音は関係あるのか
  なんて純粋な疑問なの。
  勿論、怪我をした手で弾けるとは思わないから
  手を大切にするのは自然だと思うけれどね。 ]
 
(-33) alice0327 2022/02/14(Mon) 0:34:48

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   ごめんなさい、
   でも、話していたいって思ったのは本当なの。


[ タチが悪いって言われたらほんの少し眉が下がって。
  でも、それも一瞬の事。
  だって貴方の顔は曇ってなかったもの。 ]

  
(-34) alice0327 2022/02/14(Mon) 0:35:23

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   そうね、たくさんお話したいから
   貴方のこと、もっと聞かせて?

   

[ 我儘を叶えてもらえるなら
  貴方の仕返しなんて気にならない。
  嬉しくて笑みがこぼれるのを止められないの。

  普段やってることが演奏だと聞けば
  どんな曲弾くのかとかそれはそれで興味は尽きないし
  チョコレートが好きなら、今度一緒に食べたいとか。
  今度の約束なんてまだしてないのにそんなことを。

  手元にあった本の話も少ししたわ。>>35
  貴方は知らなさそうだったから
  簡単なあらすじを伝えて、
  興味があるなら読み終わったら貸そうか、
  って言ってみたりもしたのよ。 ]

 
(-35) alice0327 2022/02/14(Mon) 0:36:10

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ 楽しい時ほど時間がたつのはあっという間。
  逃避行だったとは知らない私だけど
  
呼ばれている人を引き止めることはできずに。

 
  その日はそれでお別れすることになるの。 ]

 
(-36) alice0327 2022/02/14(Mon) 0:36:42

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



  大丈夫だからって普段虚勢を張ってるから
  誰かを引き止めようなんて思わないのに
  今日ばかりは引き止めたいと思ってしまった。


  もっと、お話したいと思ったから。
  もっと、時を重ねたかったから。 
 

  
(-37) alice0327 2022/02/14(Mon) 0:37:22

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム


[  私にだけわかるように手が重なって
   自身の指先にエドの指先が重なる。

   時を重ねたいって私の思いが
   伝わっているみたいに思えて、
   白い頬に熱が集まるような感覚がした。 ]



   会いに来てくれるの?嬉しい。
   そしたら、貴方が来るまでにこの本、
   読み終わっておくから。借りにきて、ね?

   勿論、もっとお話もしましょう。


[ 花が咲くように微笑んで
  約束を交わして、彼をその日は見送ったの。 ]**
 
(-38) alice0327 2022/02/14(Mon) 0:38:28

【人】 患者 アンネロズ

***


[ それから後、両親には出会った彼のことを
  軽く話して、次また来てくれた時のために
  チョコレートを用意したい、なんて
  わがままを言ったりもしたわ。
  それくらいなら、って喜んで両親は
  私のわがままを叶えてくれた。
  お友達と仲良くね、って両親に言われて
  頬が緩んでしまったのは彼には内緒。 ]

 
(38) alice0327 2022/02/14(Mon) 0:38:59

【人】 患者 アンネロズ



[ さて、冷蔵庫の中のチョコレートが
  貴方の目に触れるのはいつだったかしら。

  私の病室に貴方が訪ねてきてくれたなら
  笑顔で出迎えて、座って?って
  椅子を指し示しながら、冷蔵庫からチョコを出した。
  
貴方が来るときのために用意してたの、
って
  少しだけ得意げにね。 ]

  
(39) alice0327 2022/02/14(Mon) 0:39:44

【人】 患者 アンネロズ



   来てくれてありがとう。
   お話の続きをしましょう?


[ 貴方と向かい合うようにベッドに腰掛けて
  話し始めることにするの。
  そうね、この前の本は読み終わったとか
  そんな話を最初にすることになるかしら?

  前は貴方の事を聞いて終わったから
  私の事を聞かれるのなら、
  
病気のこと以外なら
何でも答えるつもりよ。 ]*
  
(40) alice0327 2022/02/14(Mon) 0:40:20

【人】 ピアニスト イングラハム



   仲間入り。言い得て妙な話だ。>>37
   こちらの意図を丁寧に読み解く姿に
   私は驚きを隠すことが出来なくて。


    「そういうことになるね。
     正しくは、仲良くなりたいと思うくらい
     君に興味を惹かれてるってところかな。」


   そういう意味では仲良しの人よりも
   特別なのかもしれないね、と。
   楽しげに笑っているアンネに私は告げる。


(41) 西 2022/02/14(Mon) 3:02:01

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   指先の綺麗さを求めるのは手を怪我しない
   プロ意識を高めるための方便に過ぎず、
   真に求めるべきは心の有り様。

   君の口から毀れた感想は真理を突いている。
   それがたとえ受け売りに過ぎないとしても
   本来あるべき初心を指し示していた。

   君はそれも素人意見だと思うだろうか。>>22
   僕としてはどこかの阿呆に聞かせてあげたいくらい
   君のその言葉、好きなんだけどね。



(-39) 西 2022/02/14(Mon) 3:02:42

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




    「それなら、もしアンネが演奏したら
     きっと素晴らしい音色が聴けそうだ。」


   君の言っていることは間違っていないよ、と。
   君に伝わることを願って、僕は再び笑う。
   一瞬だけ眉が下がった時には少し動揺したけど
   僕の真意はちゃんと伝わっていたみたいだから。
   何も心配なんてしちゃいない。


(-40) 西 2022/02/14(Mon) 3:04:19

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   「僕でよければもちろん。
    それに、君の事も聞かせて欲しい。」



   アンネはともかくとして
   僕には話せないという話題はないのだから
   聞かれれば素直に答えよう。

   何度かコンサートをやる機会があって
   都度、課題曲の練習をしていることや
   好きなチョコレートの話だってしてみせよう。

   流石にコンサート見に来てよ、とは
   この時には言えなかったけどね。
   今度の話をされるのは、悪い気がしなかった。



(-41) 西 2022/02/14(Mon) 3:05:49

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   本を読もうと思ったのは
   一冊の物語を通して、君と同じ世界を
   共有してみたいと思っていたからで。

   貸そうかと言ってくれた君には
   お願いしたいと僕も頭を下げただろう。



(-42) 西 2022/02/14(Mon) 3:09:37

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   そしたらさ。

   「この本、返しに来たよ」って。
   君に会いに来る理由がもうひとつ作れるだろう?



(-43) 西 2022/02/14(Mon) 3:10:21

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   そんな言葉にしない願いを込めても
   過ぎ行く時間は憂うことしかできず
   取り戻すことは出来ないから。

   今の僕に出来るのは未来の話だけ。
   未来の提案を受け入れられれば
   花に誘われる蝶のように頬は緩んで。


    「あぁ、約束だ。」



   別れ際に約束の証として
   小指を差し出して見せたのだった。

   
(-45) 西 2022/02/14(Mon) 3:12:38

【独】 ピアニスト イングラハム




   見舞いを気取って
   僕は君に会う時間を増やしていく。

   君のふわりと柔らかな笑顔を
   僕はずっと傍で見ていたかったから。

   気づけば僕の頭の中は君でいっぱいで。
   重ねられた時は、
幸せ
と呼ぶに相応しい。



(-44) 西 2022/02/14(Mon) 3:20:09

【独】 ピアニスト イングラハム




   いつしか僕は、君を好きになっていたんだ。


                   アンネロズ。




(-46) 西 2022/02/14(Mon) 3:22:51

【人】 ピアニスト イングラハム



 ***

   私が彼女に会いに行った回数など
   両手両足の指を足しても及ばない。

   彼女の両親に会うことがあったのなら
   プロの演奏家らしく礼儀正しく振舞っただろう。


   しかし彼女の前とあっては私も流石に気が緩む。
   見舞いに来る度に彼女に何を話そうか
   次第に考えることが楽しみになっていた。

   
(42) 西 2022/02/14(Mon) 4:36:12

【人】 ピアニスト イングラハム



   いつの日だったか。
   お見舞いにと持ってきていた果物を
   冷蔵庫へとしまおうとした時に
   私はそのチョコレートを見つけた。

   「これは?」と尋ねてみれば
   どこか得意げにチョコを準備するアンネがいて
   私は嬉しさのあまり思わず笑ってしまったのは
   今でも記憶に新しい。


(43) 西 2022/02/14(Mon) 4:38:50

【人】 ピアニスト イングラハム



   「ふふ、僕のためにか。
    それなら今度から紅茶を持ってこよう。
    アンネが紅茶が苦手なら他のお茶でもいい。」


   優しさと気遣いに何も添える物がないのは
   すこしばかり寂しい気もするからと
   その日を境に見舞いは小さなお茶会へと変わる。


(44) 西 2022/02/14(Mon) 4:40:34

【人】 ピアニスト イングラハム



   重ねられるお茶会の時間。
   アンネが楽しそうに聞いてくれるから
   最初はほとんど私の話ばかりだった。

   もちろん彼女の事を聞こうとしていても
   なんだかんだで自分の話をして時間切れだ。


   またいつものように迎えてくれるアンネに
   私は微笑みかけて、あの時の本の話を始めると
   読み終わったと彼女が言っていたものだから。


(45) 西 2022/02/14(Mon) 4:41:55

【人】 ピアニスト イングラハム



   「本の見所を聞いてもいいかい?
    本の内容は流石に聞けないけど...

    君がどんな場面が好きだったか、
    君が見たままで聞いてみたいんだ。」


   本を読む前に聞くのはタブーだったかな、と
   アンネのリアクション次第では今のは無しと
   取り下げることになるだろうが。

   頭にチラつくのは病気のこと
   だかその話題は繊細なもので
   こちらから聞くことは、本来許されない。



(46) 西 2022/02/14(Mon) 4:42:21

【人】 ピアニスト イングラハム



   好きな食べ物のことなど
   アンネに聞かれたことはお返しにと
   聞き返すことがほとんどだった。

   後は...そうだね。
   どんな演奏を聞いてみたい?とか
   どんな場所に行ってみたい?とか

   話はどんどん病院の外のことへと
   渡り歩いていくことになっただろう。


(47) 西 2022/02/14(Mon) 4:43:48

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   「僕は、君の病気の辛さを知らない。
    もしかしたら外の話なんて
    聞きたくないかもしれない。

    けれど何処かに行く度に、何かを得る度に
    すぐに君に話をしたくなってしまうんだ。

    もしもアンネと一緒ならと想うと
    いてもたってもいられなくてね。」



(-47) 西 2022/02/14(Mon) 4:47:25

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   言い訳のように並べた句。
   それがもしも君の気分を害したとしたら
   その時は静かに頭を下げることになる。*



(-48) 西 2022/02/14(Mon) 4:49:03

【独】 患者 アンネロズ

/*
>「この本、返しに来たよ」って。
君に会いに来る理由がもうひとつ作れるだろう?

まさしく返しに来てほしくて貸そうとか言ってるので汲みとってもらえるのさすがすぎる……。
これは西さんとペアさせていただくたびに思うんですけど、相手のロルを汲み取って丁寧に書いてくださるんですよね……
(-49) alice0327 2022/02/14(Mon) 9:43:13

【人】 患者 アンネロズ



[ 少し揶揄う意図がないわけではなかったのに
  素直に肯定…ただの肯定以上のものが
  貴方から返ってきて、落ち着かなくなった私は
  頬を撫でていた髪を耳にかけた。
  
特別って響きになんだか照れてしまって。>>41 ]


  
(48) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:02:12

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   私が……?
   もしピアノを弾くなら貴方に教わりたいわ。

   
そうしたら、もっと素敵な音色になると思うの。



[ 奏者じゃない人が分かったように言うなんて、とか
  気を悪くさせてしまったらとも思ったけれど
  それは杞憂だったみたいね。
  間違っていないと伝えてくれる貴方に笑いかけた。
  貴方の意図が私に伝わったように
  私の意図もきっと貴方に伝わっている。
           
そうならいいな、と思うの。 ]

  
(-50) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:02:53

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   ふふ、嬉しい。
   私の事ももちろん話すわ。
   病院ではあんまり変わったことは起きないから
   思い出話が多くなりそうだけど。


[ 練習、頑張っているのね、とか
  私もそのチョコレート好き、とか
  傍から見たら他愛ない話だったかもしれない。
  でも、私たちにとってはとても楽しい時間。

  貴方の練習の話を聞いたら尚更
  コンサートに行きたいと思ったけれど
  外出できるか分からない状態では言えなくて。 ]


 
(-51) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:03:31

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   頭を下げられたら快くいいよって言ったの。

   貸そうか、って言った理由はね。
   貴方なら返しに来てくれると思ったから。


  
(-52) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:04:19

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   そうしたら。
   「感想、聞かせて?」って
   貴方とお話する話題がまた一つ増やせるでしょう?


  
(-53) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:04:54

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ 言葉にしなくても互いの願いは同じだから。
  未来に向けた約束が二人を繋ぐなら
  過ぎた時間を憂うこともないわよね。 ]


   
約束ね。また会いましょう。



[ 差し出された小指に小指を絡めて。
  また来てくれるって約束を疑うことのない私は
  さよならは言わなかった。 ]

  
(-54) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:05:37

【人】 患者 アンネロズ


 ***

[ 彼はたくさん会いに来てくれた。
  変わり映えしない日々が鮮やかに彩られていくようで
  次は何を話そう、何を聞こうって。
  そんなことばかり考えて過ごしていたし
  楽しみが増えると退屈だと思うことは減った。

  両親にも時折、彼が来るのが楽しみだと伝えてたから。
  彼と両親が会った時、>>42
  父も母も好意的な態度を見せたはずだし
  「時間があるときにまた会いに来てあげてね」
  なんて、言葉をかけていたと思う。 ]

  
(49) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:06:09

【人】 患者 アンネロズ



[ 冷蔵庫のチョコレートが見つかった日は>>43
  私にとっても嬉しい日。
  
何故って、エドが嬉しそうにしてくれたんだもの!

  彼のために、って準備したものが
  喜ばれていたならこれほど嬉しい事もないわよね。 ]

  
(50) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:06:38

【人】 患者 アンネロズ



   エドも紅茶が好きなの?私と同じね。
   私は特にアップルティーが好きなの。


[ 折角用意してもらえるのなら、断るのはむしろ失礼。
  だから、私が好きな紅茶の種類も教えたわ。
  そうして私たちのお喋りの時間は
  お茶会へと変わるの。>>44 ]
  
(51) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:06:59

【人】 患者 アンネロズ



[ いつでも、私はエドの話を楽しそうに聞いていた。
  だって、楽しいんだもの。
  自分の話をしたくないわけではなかったけれど
  話したくないことが一つある私と
  聞いたことに応えてくれる貴方では
  自分のことを話す時間に差が出るのは自然なこと。


  本を読み終わった話をすれば返ってくるのは
  見どころが知りたいという質問がきた。 ]

  
(52) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:08:06

【人】 患者 アンネロズ



   見所…そうね。
   主人公の女の子が周りのことも自分のことも
   いつでも信じていられる強い心を持っているのは
   いいな、って思うの。
   
私は、そんなに強くないから。


   主人公は私のためにしてることだから、って
   好きな男の子を助けているから
   男の子がそれを断れない場面も好きよ。

  
(53) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:08:41

【人】 患者 アンネロズ


[ 内容に触れすぎると楽しみが減るから 
  少し難しい質問だとは思ったけれど
  タブーだとは思わなかった。
  口元に手を当てて少し考えてから
  伝えたことが貴方の楽しみを奪うことに
  なっていなければいいな、と思いながら答えたの。

  貴方の反応を聞いてから本を渡して、
  読み終わったら感想をぜひ聞かせてね
  なんて笑って言うのよ。 ]
 
(54) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:09:48

【人】 患者 アンネロズ



[ 楽しい時間を重ねていくたびに
  自分が病気のことを秘密にしているのが
  苦しくて、胸が痛くなってくる。

  本当にその人を大切に想うなら
  きっと言わなければならないこと。

  でも、私は言えなかった。 ]


  
(55) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:10:14

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ 
死ぬかもしれない人と仲良くなりたい人が

  
何処にいるというの?


  決意ある別れなんてそう簡単に出来はしない。>>n1
  別れの可能性がちらつく中で会うよりも
  何も知らないまま、楽しい時間を過ごしてほしかった。

  それがより貴方を苦しめるかもしれないと。
  来るかもしれない別れに私が向き合えていたなら
  想像も出来たかもしれないのにね。 ]


  
(-55) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:13:19

【人】 患者 アンネロズ


[ 好きな食べ物はリンゴのタルトだったり、甘い物。
  でも、食べ過ぎるとよくないから
  そんなには食べてない。後は魚より肉が好きとかね。
  変わった好みではないし
  ありきたりな答えだったかもしれないわね。

  どんな演奏を聴きたいかって言われたら
  貴方の演奏、って返してしまったから
  少し困らせてしまったかしら?
  どんな、とは違うものね。 ]

 
   貴方が自由に演奏しているのを聴きたいの。
   
   行ってみたい場所は……海、かな。
   砂浜を走り回ったり泳いだりしたいわ。
   

[ 貴方の心の赴くままに演奏している姿が見たいと。
  そう言う意味で言えば納得してもらえたかな。
  
  行きたい場所は叶わない夢を乗せて伝える。
  
激しい運動は、今はもう出来ないから。

  でも、夢見るだけなら私にも許されると思うの。 ]
 
(56) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:14:00

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   貴方の話はいつでも楽しいわ。
   私はあまり外に出られないから
   知る機会をくれるエドに感謝しているのよ。

   それに、そうやって私に話してくれる
   エドの顔を見ていると私も楽しくなるの。

   だから、もっとたくさん話して、ね?


  
(-56) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:14:46

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ きっと気を遣ってくれたんだと思うから
  気にしないで話してほしくて
  偽りない心を貴方に見せる。

  ここで病気は辛くないと強がれたなら
  もう少し安心させられたのかしら。 ]*


  
(-57) alice0327 2022/02/14(Mon) 11:15:30

【独】 患者 アンネロズ

/*
今思ったんですがアンネロズさんずるいね???
(-58) alice0327 2022/02/14(Mon) 21:49:33

【人】 ピアニスト イングラハム


 ***

   彼女の両親の前でやけに緊張したのは
   はて、何故だったんだか。

 
   好意的に接してくれる彼女の両親の言葉は
   迷惑かという私の懸念を打ち消してくれた。
   なんとなく血の繋がりを感じたりもして、>>49
   不思議とあの日食べたチョコレートに
   心満たされたことも記憶に在った。
 

(57) 西 2022/02/14(Mon) 23:40:15

【人】 ピアニスト イングラハム


 

    「アップルティーか。よし、覚えた。
     楽しみにしていて欲しい。」
 

   彼女の好みをまた一つ知るその裏で>>51
   今にして思えば「今度」なんて無粋かと
   そんな不安があったりもしたものだ。
 
 
(58) 西 2022/02/14(Mon) 23:41:05

【人】 ピアニスト イングラハム



   重ねられるお茶会の時間の最中
   語られる本の見所に私は耳を傾ける。
   核心に触れずに見所を教えてほしいなんて
   我ながらとんでもないわがままだとは思う。>>54


   答えてもらえば考えるように指先を顎に当てて
 
 
    「強い心、か。
     我の強ゆえの優しさなんだとしたら
     二人は最後に幸せになりそうだね。」
  
  
   そんな感想の口にすることになるだろう。
 
 
(59) 西 2022/02/14(Mon) 23:43:26

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




   それだけ強い興味を持って聞いてしまったから
   本当は聞き流してしまえばいいことだったのに
   その一字一句を正確に聞き取れてしまった。
 
 
        そしてそれを口にしてしまうのは、
         大人になりきれない僕の甘さのせい。



(-59) 西 2022/02/14(Mon) 23:46:37

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ

  
 
    「強くなくてもいいんだよ。
     僕だって、君と同じだから。
     強い心を持つ人なんて、そうはいない。」



(-60) 西 2022/02/14(Mon) 23:47:52

【人】 ピアニスト イングラハム



   そう呟くとすぐにはっとして。
 
 
    「ごめん、知ったようなこと言って。
     気にすることじゃないって言いたかったんだ。
       .......この本、読んだらちゃんと返すから。」
 
 
   誤魔化すように笑って彼女から本を受け取ると。
   いつか求めた未来の予定を口にすることになった。


(60) 西 2022/02/14(Mon) 23:49:17

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   幸せな時間の中で交わされた密約。
   決して踏み越えてはならない線引きは
   奇しくも君の思惑を綺麗になぞっていた。

   それでも次第に大きくなっていくのは
   病気のことを聞きたくなる気持ち

   幼い僕は君がどれだけ重い病気か知らずに
   一緒に背負いたいなんて青臭いことを
   ずっと考えてしまっていたんだ。



(-61) 西 2022/02/14(Mon) 23:50:42

【人】 ピアニスト イングラハム



   ありきたりな答えであっても
   私にとってはダイヤのように貴重な資源
   期待はずれなどありえない。>>56

   しかし彼女の考えていた通り
   「貴方の演奏」と言われれば戸惑いを
   隠さずにはいれられなかったのも事実。


   イメージが浮かばずに困っていると
   その答えを彼女はくれる。
   それは私にとっては理想の演奏の形で
   それもまた彼女に惹かれた理由だ。


(61) 西 2022/02/14(Mon) 23:52:18

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   君が話してくれた夢を
   僕に叶えることが出来るのだろうか

   そんな不安すら僕は跳ね除けてしまうほど
   君の笑顔を見ていたくなってしまう。
   それが結局気休めでしか無かったとしても

   それでも僕は耐えきれずに。

(-62) 西 2022/02/14(Mon) 23:54:56

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




   「それならいつか、海に行こう。
    僕の演奏だって何度でも聴かせる。

    いつになるか分からなくても
    こうして話をするだけじゃなくて
    
    君の行きたい場所に僕が連れていくよ。」



   
(-63) 西 2022/02/14(Mon) 23:56:25

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   気づけば僕は君の手を握って
   じっと見つめてみせただろう。

   君がもっと笑っている顔が見たくて。
   僕は一番やってはいけない約束を、してしまった。
**


(-64) 西 2022/02/14(Mon) 23:58:00

【独】 患者 アンネロズ

/*
これは果たされない約束ですよね???お約束のあれですよね???
いやでも海はともかく演奏は聞きに行きたさある……(海は無理って諦めてるPL
(-65) alice0327 2022/02/15(Tue) 0:22:38

【独】 患者 アンネロズ

/*
アンネロズはずるい子ですがイングラハムくんもずるいとおもうんですよね……というかめちゃめちゃ丁寧に甘いの積み上げてますけどこれ確定で崩れるのヤバくないですか……震える……
こんな頭悪い灰書くのためらわれるけど黙ってられないので許してください……
(-66) alice0327 2022/02/15(Tue) 1:20:26

【独】 患者 アンネロズ

/*
>>57
ここの灰文字とか上手くないですか?上手いですよね??
イングラハムくんが一人称使い分けてるの私ちゃんと見てるんですから……(解釈違ったらどうしようと思いながら)
(-67) alice0327 2022/02/15(Tue) 1:23:47

【独】 患者 アンネロズ

/*
こんな騒いでる暇あったらかけばいいのでは…と思いつつ
このチップ顔がよすぎませんか…八割顔で許される気がしてちょっと調子乗りたくなりますよね……(ダメです)
(-68) alice0327 2022/02/15(Tue) 1:30:37

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム


 ***


[ 余計なことを言ってしまったと自分でも思う。
  言わなければいい事だったのに。

  貴方が私の話を熱心に聞いてくれる人なのは
  わかっていた、はずだったのに。

  きっと貴方の前では出来るだけ心を偽りたくない
  そんな気持ちが、言葉を溢れさせてしまうのね。


           
少しでも隠し事の罪悪感を

            
減らそうとするかのよう。 ]

  
  
(-69) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:10:31

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム




   
エドも、同じ……?



  
(-70) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:10:56

【人】 患者 アンネロズ



[ きょとんとしていたら、
  貴方は誤魔化すように笑った。

  聞いた方がよかったのかもしれないわね。
  貴方のどこか強くないのか。
  でも、それを聞いてしまえば
  私達が越えずにいる最後の線を
  越えることになりそうで、言えなかったの。 ]



   ううん、エドは優しいわね。
   それに、貴方と同じならいいかもって思えるの。

   
返しに来てくれるの、待ってるね。



[ また一つ、会う約束を重ねて。
  願っていた通りにそれが叶うことが嬉しかった。 ]
  
 
(62) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:12:12

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ 幸せな時間を過ごす中で
  貴方が一度も病気のことを気にしていないと
  思っていたわけではないのよ。
  むしろ、気にしている可能性があることは
  漠然とではあるけれどわかっていた。


  いいえ、わかってるつもりだっただけなのかもね。
  貴方が背負いたいと思ってくれていることまでは
  気づきもせず、私は隠し続けていたの。 ]


  
(-71) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:13:11

【秘】 愚者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム




   
貴方の気持ちを無碍にして。


           
アンネは愚か者だわ。
 

  
 
(-72) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:14:57

【人】 患者 アンネロズ



[ 戸惑わせてしまってもそのあとの
  私の答えできちんと伝わったみたいで安心した。>>61

  私が聴いた時の貴方の演奏は
  自由、からは離れていたし
  コンサートのために課題曲を演奏しているのも
  話に聞いていたから。

  私はね。
  貴方が弾きたいと思った曲を
  何も気にしなくていい状況で弾いてほしかったの。
 ]

  
(63) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:15:50

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム




   
わがままを言うのなら


           
私一人のために。



  
(-73) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:16:44

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ そんな我儘は伝えなかった。
  でも、私は貴方の予想外の返答に
  思わず言葉を詰まらせてしまうの。 ]



   
……っ、エド…………。


   
  
(-74) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:18:35

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ 本当?って聞き返しそうになったけど
  ぐっとこらえたのは、
  手に伝わる貴方の温もりと
  交わる視線が、嘘じゃないと伝えていたから。

  自分でもわかるくらい頬が紅潮して
  あんまりにも嬉しかったから、
  思わず泣きそうになってしまったわ。 ]


  
(-75) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:19:05

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   
ありがとう、エド。


       
( そんな貴方のことが
――――
。 )


  
(-76) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:20:15

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ 芽生えつつある……もうとっくに芽生えていた
  気持ちに、名前を付けるのは簡単だけど
  それは出来なかった。名前をつけてしまえば
  私はきっと、死を今よりも怖がるから。


  だから私は少し潤んだ瞳でお礼だけを告げて。
  貴方が見たいと願ってくれた笑顔を見せたのよ。 ]**

  
(-77) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:21:01

【人】 患者 アンネロズ


 ***


[ いつのことだったかしら。
  私は長い事入院しているけれど
  病院から全く出られないわけではないのよ。
  身体の調子がいいって検査でわかれば
  外出だってできるのよ。

  そう、私が外出できるかもしれないと
  貴方に伝えた日が、確かにあったのよ。 

  外に出てもいい日が久々に訪れるとして、
  叶うなら、貴方のコンサートに行きたいなって。
  私は、そう考えたものだから。 ]
  
(64) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:21:49

【人】 患者 アンネロズ



   ねぇ、聞いて、エド。
   いい知らせがあるのよ!


[ なんて上機嫌でそのことを告げたの。
  貴方が前に約束してくれた、
  演奏を聴かせてくれるって話が叶うかも、なんて。
  
  海にだって、いけるかもしれないわ。
  その時の私はそう思っていたの。  ]*


  
(65) alice0327 2022/02/15(Tue) 2:22:27

【人】 ピアニスト イングラハム



 ***

   私の言った意味を知ってか知らずか
   呆気に取られたような彼女の表情は
   少しばかり怖くも思える。

   引いた国境を踏み越えるような不安は
   相手を想えば想う程花瓶になるのだから。



    「それなら良かった。
     あぁ、必ず、返しに来るよ。」


   必ず、と口にしたからには返しに来るのも
   当然早くなるもので。余す時間の全てを
   読書に注いだのは言うまでもないこと。


(66) 西 2022/02/15(Tue) 8:25:24

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   恋愛小説なんて本当は好きじゃない。
   悲観と妄想に満ちた男女の物語なんて
   僕の心を掴みはしなかったから。

   けれど、この本を通して見る景色は
   君と出会わなければ知ることもなかった。
   君を通して見る景色は、美しかった。


   自分の為だからと迷わず行動を起こす姿に
   僕は影響を受けてしまったのかもしれない。>>53

   それでもなおこの国境を越えない臆病者。
   それがエドワード・イングラハムであり
   僕が弱者たる絶対的な所以でもあったんだ。




(-78) 西 2022/02/15(Tue) 8:27:34

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




     どうか安心して欲しい。

        愚か者はここにも一人いる。

           君は...独りじゃないから。




(-79) 西 2022/02/15(Tue) 8:28:38

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



      弱者の声にならない主張など
      壁の向こう側にいる君に届くはずもなく。**



(-80) 西 2022/02/15(Tue) 8:29:28

【人】 ピアニスト イングラハム



 ***

   君一人のためだけに僕の音色を届けましょう。

   そんな想いは運命の因果を掛け合わせて
   結果、彼女の優しさに甘える形に収まる。

   叶うかも分からない約束を交わせば
   それは私自身の生きる糧ともなっていった。

   課題にも観衆にも民俗にも縛られない
   そんな自由を彼女の為に使えるのなら...。


      未来を夢見ていたのは、お相子というわけだ。

      

(67) 西 2022/02/15(Tue) 8:32:04

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   表情に出ようとも出なかろうとも
   病室に漂う空気が君の涙を予言する。
   僕はといえば心配になってつい君の
   様子を伺うことにするのだが、

   告げられた感謝の言葉に
   杞憂であることを教えられて。


    「あぁ、楽しみにしていてくれ。」


   君の涙ぐむ笑顔につられるように
   僕も小さく微笑んで、決意を固めてみせただろう。


(-81) 西 2022/02/15(Tue) 8:33:15

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



     愚か者の抱いた決意が

          過ちだったとも知らずに。>>n1**



(-82) 西 2022/02/15(Tue) 8:35:56

【独】 患者 アンネロズ

/*
天才がいる……え、天才じゃん……
(-83) alice0327 2022/02/15(Tue) 8:39:12

【独】 患者 アンネロズ

/*
そこで決意拾うの?????
天才の所業では……というかこれ装飾と差分合わせてもらってますよね???めちゃくちゃ好きです……(拝む
(-84) alice0327 2022/02/15(Tue) 8:49:41

【人】 ピアニスト イングラハム



 ***

   彼女の助けになろうと躍起になったものの
   実際、私は私で彼女に救われた。

   それは譜面に音符のインクが滴るように
   彼女との約束は私の演奏への意欲を
   この上ないほどに高めてくれていたから。

   両親がからかうように
   「何かいいことでもあった?」などと言うので
   やめてくれと不満を顕にすることもあったが。



(68) 西 2022/02/15(Tue) 8:55:32

【人】 ピアニスト イングラハム



   新たに予定表に書き込まれる日課
   学校と演奏の練習以外には何よりも優先される
   病院への見舞いというイベント。

   それまではアンネが病室から出られる日がある
   なんて思ってもみなかったから。
   アンネからそれを聞いた時は分かりやすく
   喜びの表情を浮かべることになっただろう。>>64

   受付で看護婦が微笑ましげに
   ニヤついていた理由が、その時初めて分かった。



(69) 西 2022/02/15(Tue) 8:56:12

【人】 ピアニスト イングラハム




   「本当か!?」


   外出の許可が降りたということは
   回復も近いのだと私は勝手に解釈して
   病室には相応しくないくらい声を張り上げる。

   それからこほんと咳払いをして
   頑張ったんだね、などとアンネを労うと


   「なら、その日は必ず予定を空けるよ。
    僕にとっては君が一番大事だから。」


   そう、意気込んでみせるのだった。
   その心臓の奥底に、大きな決意を秘めて。



(70) 西 2022/02/15(Tue) 8:57:48

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   演奏を聴かせようと、海へ行こうと、決めたあの日

   僕の秘めた想いも、決意も
   その全てを明かそうと思っていたんだ。
   君と一緒にいたいと、心からそう思ったから。



(-85) 西 2022/02/15(Tue) 8:58:43

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   アンネロズ。

   ずっと、僕の傍にいてくれないか。
   君の病気のことも、一緒に背負わせて欲しい。


             僕は.........君の事が────



(-86) 西 2022/02/15(Tue) 8:59:50

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




   それは、二度と消えることの無い傷跡後悔**




(-87) 西 2022/02/15(Tue) 9:00:42

【人】 患者 アンネロズ


 ***

[ 必ず、という彼の言葉はきちんと守られた。>>66
  思った以上に返してもらえるのが早かったから
  読むの早いのね、って感心したりもしたわ。

  貴方の感想を聞きながら紅茶を楽しむ時間は
  やっぱり私にとってかけがえのない時間だった。 ]

 
(71) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:11:17

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ この本を読んでいて良かったって。
  本好きのアンネはただの役に過ぎなかったのに
  貴方と何かを共有できるならそれは素敵なことだし
  本を読むのもいいものだって思えたわ。


               
これは貴方のおかげね。


  貴方と共有することで、
  一人で読んだ時には恐らく
  強くは感じなかったはずの気持ち……
   ハッピーエンドへの羨望 
            を抱いてしまったけれど。 ]

  
  
(-88) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:12:54

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム




   貴方と私も物語みたいに……なんて
   そんな風に思ったことだけは、言わなかった。**



  
(-89) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:13:43

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム


 ***


[ 貴方の小さな微笑みを見て
  ただただ、幸せだな、って思っていた。
  この幸せな時間が、ずっとずっと続いてほしい。

  
貴方の隣でずっと微笑んでいたい。


  心に秘めた想いを音にはしなかったけれど
  私は握ってくれていた貴方の手をとって
  自分の頬へと引き寄せると
  あたたかさを確かめるかのように
  
いとおしさを表現するかのように

   
            
頬擦りして、微笑った。 ]


  
(-90) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:16:06

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム




     
音にしなかった過ちを


          
後悔したときには遅かった。 **



  
(-91) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:16:46

【人】 患者 アンネロズ


 ***


[ ボランティアとして病院に来たことがあって
  多少なりとも顔が知られている彼が
  病院へと見舞いに来ているというのは
  私を知る看護婦さんたちも知っていること。

  ちゃんと私から言うから秘密ね、って
  口止めはしておいたはずなのに!
  ニヤついていたなんて貴方から聞けたなら
  貴方が見ていない所でこっそりと
  文句を言いに行ったと思うわ? ]


  
(72) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:17:42

【人】 患者 アンネロズ



   ふふ、本当よ!
   最近は調子がいいから
   もしかして、って自分でも思っていたの。
   

[ 労いの言葉には嬉しそうにしつつ、>>70
  貴方が予想以上に喜んでくれたから
  くすくす笑いながら、付け加えた言葉。

  
回復が近いようにも聞こえるそれは

  
きっとあなたの勘違いを招いてしまったのでしょう。

  
調子がいいのは回復が近いから
ではなくて

  
神様がくれた最後のチャンスだった
…なんて


  当の本人ですら予想してなかったのだから
  その解釈を責めることなんて
  誰にもできはしないのよ。  ]



   私達同じこと考えてたのね。
   私も、外出できるって聞いた時
   真っ先にあなたを思い浮かべたのよ?


  
(73) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:21:03

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ 貴方に報告する私はきっと嬉しそうにしてたはず。
  そうして二人で予定を決めた。
  私はとても楽しみだったの。

  貴方の演奏を聴けることも
  海へ行けることだって。


  
何より、貴方と病院の外で会えることが。
 


  
(-92) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:22:22

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   その日は私も普通の女の子になれる。
   そう、夢を見ていたの。

   病気なんて忘れて、好きな場所へ行ける
   ただのアンネロズになれるって。

   貴方の傍に居られるって、思っていた。


   きっとその日なら、病気のことを聞かれても
   私は答えたんだと思うの。
   貴方の決意を、聞くことが叶っていたなら…。

  
  
(-93) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:23:09

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ 本当に楽しみにしていたのに。
  二人にとって大切な約束が
  貴方に消えない傷をつける結果になるなんて。 ]**


  
(-94) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:23:37

【人】 患者 アンネロズ


 ***


[ 約束をした日が迫ってきたある日。
  その日は、お母さんが見繕ってきてくれた
  服を試しに着ていたの。
  黒を基調にした裾にフリルのついたワンピース。
  胸元にリボンがついていて、それを後は結ぶだけ。
  そんなときに病室のドアが開いたの。
  訪ねてきた人が貴方だと分かった時は
  それはもう、びっくりしたわ。
 
  
だって今日は来ないと思っていたんだもの。 ]



   エド……!?
   
な、なんで、っ……。


  
(74) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:24:46

【人】 患者 アンネロズ



[ いつもの病衣姿じゃないことに
  気づかないわけ、ないわよね。

  貴方との約束の日に着ようと思っていて
  当日までのお楽しみにしたかったのに。
  予定外の訪問で貴方に見られてしまって。
  少しだけ唇を尖らせて拗ねたように、 ]


         
……この服のことは当日まで

         
秘密にしようと思ってたのに。



[ なんて言って、ふい、と目をそらした。 ]

  
(75) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:25:51

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ でも、見られてしまったのなら
  どう思っているのか、聞きたくなるでしょう…?

  だから私は、置いてあったリボンを結んでから
  貴方の前に行って、少し裾をつまんで見せて。 ]


    
ねぇ、エド。


          
この服、可愛いでしょう?



[ そんな風に笑いかけたの。
  
似合ってるって思ってくれていたらいいな。 ]*


 
(-95) alice0327 2022/02/15(Tue) 12:27:08

【独】 患者 アンネロズ

/*
演奏聞けた方が丸く収まりそうとか考えていたんですが聞けないパターン美味しいので最高だなって思いました(頭悪い感想
(-96) alice0327 2022/02/15(Tue) 15:49:57

【人】 ピアニスト イングラハム



 ***

   あの日は確かたまたま近くで公演があって
   せっかくだからと病院に足を運んでいた。
   観客から頂いたフルーツのおすそ分けという
   我ながら取ってつけたような理由を添えて。


   とはいえ急な来客だったものだから
   迷惑でないか、と病院の看護婦に
   再三確認を取ったわけで。

   とんとん、というノックと共に
   彼女が許可をくれれば病室にその顔を
   覗かせるのだったが。>>74

   私が驚きのあまり口をポカンと空けたその顔は
   まさにマヌケと呼べるような情けないものだった。


(76) 西 2022/02/15(Tue) 21:27:27

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   目に映るのは、普段とは違う君の服装。
   頭で分かっていたことだったのに

   君が普通の女の子だってことを改めて実感すれば
   込み上げるものだって当然あるんだ。



(-97) 西 2022/02/15(Tue) 21:27:54

【人】 ピアニスト イングラハム



   サプライズドッキリにしては
   あまりにも空気が読めてなかったらしい。

   アンネがどうして不服げなのか
   すぐに察した私はというと


    「あ、いや、ご、ごめん。
     一言連絡をするべきだった。

        その......僕は、間が悪いな。



   思わず頭を下げると慌てて病室の外へと
   出ようとする。

   しかし目を逸らすアンネを前にして
   そのままトンズラをこくという訳にもいかず
   ただ反省の色を浮かべることしか出来なかった。


(77) 西 2022/02/15(Tue) 21:29:02

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   逸らされた目がだんだんと泳ぎ始めて。
   醸す不服は段々と興味へ、その香りを変える。

   僕が君に何を想うかなんて
   そんなの決まっているのに。


   それは覗き見てしまった代金なのか
   感想を求められた僕は頬を染めて。


    「えっも...その服は、僕の...ために...?」



   自惚れを承知の上で、尋ねてしまう。
   もしも君の答えがYESなら
   僕はさらに手で顔を覆い隠すところだ。


(-98) 西 2022/02/15(Tue) 21:29:59

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




   「あぁ...よく、似合ってると思う。

        こう言ったらなんだけど...
        凄く、ドキッとさせられたよ。」



(-99) 西 2022/02/15(Tue) 21:31:10

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   そう感想を告げた僕はと言えば
   その日は終始頬を染めていたものだから。

   病室にやってきた看護婦にからかい気味に
   微笑みを向けられてしまったわけだ。**


(-100) 西 2022/02/15(Tue) 21:32:36

【人】 ピアニスト イングラハム



 ***

   アンネとの約束の日。
   私は朝から落ち着かない気持ちでいた。

   演奏の練習も全てキャンセルして
   彼女に会うためだけに身嗜みに普段以上に
   気を遣ってみせたりもして。
   彼女の可愛らしい姿を思い出して
   少しでもそれに釣り合うようになりたかったから。


   この後何を予定しているかは
   傍から見ればすぐに分かってしまうほど
   私はずっと浮き足立っていた。
   まるで、何も知らない呑気な子供のように。


(78) 西 2022/02/15(Tue) 21:34:03

【人】 ピアニスト イングラハム



   病院から一番近いところにある海
   付近の公民館をわざわざ無理を言って借りて
   夢を叶えようとこの日の準備を重ねてきた。

   彼女はどう喜んでくれるだろうか。
   そんな期待に胸をふくらませて。

   私は病院へと向かって歩き始める。
   「お昼頃にそっちへ迎えに行くよ」と
   そんな連絡をひとつ残して。

   私は彼女に、会いに行くのだった。*


(79) 西 2022/02/15(Tue) 21:35:14

【独】 ピアニスト イングラハム

/* 死にたいです(誤字)
(-101) 西 2022/02/15(Tue) 22:11:05

【人】 患者 アンネロズ



[ ノックの音を聞いて、私は最初、
  お母さんかなって思ったの。
  そうじゃなくても着替え終わっていたから
  部屋に入られても問題ないと思って。

  彼は今日公演があるって前に話していたはず。
  来るとは思ってなかったの。>>76

  驚いたのはお互い様。
  不服だったけどすぐ機嫌をなおせたのは
  貴方の感想への興味が大きかったけど
  貴方の驚いた時の表情が可笑しかったから、なんて。
  そんな理由も少しあったのよ。 ]


 
(80) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:15:53

【人】 患者 アンネロズ



[ 貴方がサプライズで訪ねてきたら
  普段通りなら、きっと喜んで
  お茶会を始めていただろうから
  貴方は何も悪くない。>>77
  ただ、二人してタイミングが悪かったのね。

  貴方があまりにもバツが悪そうにするものだから
  
気にしないで、
とかそんなことは言ったわ。 ]

 
(81) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:16:24

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ 普段病衣ばかり見せていたから。
  私だって、気にしていたのよ。
  
  
可愛いって、思われたいから……。


  頬を染めた貴方から自分のためなのかって
  問いが返ってくれば、ふふっと笑って。  ]

  
   
そうよ、貴方と出かけるときのために。

   

[ 自惚れなんかじゃないわ。
  貴方の前では可愛い女の子でいたい。

  手で顔を覆い隠している貴方を見ると
  私まで、頬が赤くなっていくの。
  
だって、恥ずかしいじゃない……。 ]

  
 
(-102) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:17:56

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



   それなら、たくさん悩んだ甲斐があったわ。

          貴方に、喜んでほしかったの。


  
(-103) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:18:37

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



[ そのあとは、その服を着たまま、
  いつものようにお茶会を始めたはず。

  ずっと頬を染めている貴方が珍しくて
  いつもより貴方の事を見つめてしまっていたから
  看護婦さんが微笑んでいたのには気づかなかった。


  似合ってるって言ってもらえたことを
  心の中で反芻しては終始笑顔で過ごしたの。 ]**

  
(-104) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:19:18

【人】 患者 アンネロズ


 ***


[ エドとの約束の日。
  私は朝からずっとそわそわしていたわ。
  
いいえ、前の日の夜から、ずっと。


  綺麗に髪を梳かして
  いつもはしないお化粧だってして
  褒めてもらった服を着て。

  
貴方の演奏が聞ける
って、
  子供のようにはしゃいで待っていたの。 ]

  
(82) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:19:47

【人】 患者 アンネロズ



[ 海の近くにある公民館に行って
  貴方の演奏を聴く予定。
  どんな演奏なんだろう、とか
  色々考えていたし、
  夢がかなうって思って、わくわくしてた。

  貴方の連絡に、>>79
  
楽しみに待ってるね、
と残して。

       
貴方と交わした言葉はそれが、最後。 ]


  
(83) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:21:11

【人】 患者 アンネロズ


[ 貴方から連絡を貰った後、
  私は窓の方に立って、貴方が来るのが見えないかと
  ずっと景色を眺めてたの。
  
  
舞い上がってた気持ちは、胸の痛みに邪魔される。 ]



   
いっ……いた、い……。



[ 昨日まで、私の体調は安定していたし
  今日だって、大丈夫だろうと言われたから
  この日をずっと待っていたのに。

  
嫌だ、嫌だ、約束があるのに。


  立っていられなくなって、胸を抑えながら倒れ込む。
  近くで待っていた両親が慌てて
  ナースコールで医師を呼んだ。  ]
  
(84) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:22:42

【人】 患者 アンネロズ



[ エドとの約束を破りたくない嫌だ、
  そんなふうに心が叫ぶ一方で。


         死が迫っているのを感じたの。
         死にたくない、って強く思う。 ]


  
(85) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:23:15

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム




    
エド……、 ―――――。



  
(-105) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:24:00

【人】 患者 アンネロズ



[ きっとそれは音にはならなかった。
  最後に名前を呼ぶことさえかなわず。
  苦しくて、目をつぶれば、脳裏に浮かぶのは貴方の顔。
  
会いたいな……。

  それが叶わないとどこかで思ってしまったのは
  
死期を、悟ってしまったから。

  自分の身体のことは自分が一番わかる。
  そんな言葉の意味を死ぬ直前で知ることになるなんて。

  私は薄れゆく意識の中で、
  遅すぎる
後悔
をしていた。

  貴方に病気のことを伝えればよかった。
  貴方にもっと我儘を言えばよかった。 ]


  
(86) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:25:26

【秘】 患者 アンネロズ → ピアニスト イングラハム



 
[ 例えば。 ]




        
抱きしめて




          [ って。
            言えばきっと叶ったのに。 ]


  
(-106) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:27:07

【人】 患者 アンネロズ



[ 後悔なんてしてもすべてが遅い。
  ねぇ、エド。

  もし、私が秘密を抱えず、
  全部貴方に打ち明けていたのなら。
  何かが変わっていたのかしら。

         私には、わからないの……。 ]


  
(87) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:27:48

【人】 患者 アンネロズ



[ 私が意識を失った後も
  医師は処置を続けてくれていたけれど。

         貴方が病院にたどり着く前に
         私の心臓は止まってしまった。 ]


  
(88) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:28:20

【人】 患者 アンネロズ



   [ 私と貴方の時間は、

           
終わってしまったの。 ]


  
(89) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:29:03

【人】 患者 アンネロズ


 ***

[ 貴方が到着したとき。
  私は病室のベッドの上で永遠の眠りに落ちていた。
  何が起こったのか、空気でわかったかもしれない。
  わかっていてもいなくても、
  私の父が、震える声で娘の死を伝えたはず。
  母はずっと泣いていた。
  でも、貴方に気づいたなら ]


   「 ごめんなさい…もっと早く、言えば…。 」


[ そんなことをずっと、繰り返したでしょう。
  両親は私が貴方に病気のことを伝えていないと
  知っていたし、伝えるべきか悩んでいた。
  でも、娘の意思を尊重して、
  自分の言葉で伝えるのを待っていたのだ、と。
  そんな説明を聞いたら、貴方はどう思ったのかしら。

  説明すら、聞く余裕もなかったかしら。 ]
  

  
(90) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:30:05

【人】 患者 アンネロズ



[ 私の両親は娘を喪った悲しみに暮れながらも
  貴方のことを、ずっと心配していたはずよ。

  私の想い人だと、知っていて。
  もう付き合っているとすら思っていたはずだから。

  そして、どこかのタイミングで
  貴方にこう告げるの。   ]


  「 今まで沢山気にかけてくれてありがとう。
    アンネのことは、もう忘れていいのよ。 」


[ それは、両親の気遣いだった。
  でも……。それが貴方にとって
  果たして、慰めになったのかしら、ね。 ]*

  
  
(91) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:32:36

【独】 患者 アンネロズ

/*
肩書消し忘れに泣いてる(そっち)
(-107) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:32:57

【独】 患者 アンネロズ

/*
最後だけ消すのも変だなと思ってそのまま突っ切りました()
(-108) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:33:29

【独】 患者 アンネロズ

/*
肩書変えておこうか悩む。プロはこのままでいようかな…。
(-109) alice0327 2022/02/15(Tue) 23:34:13

【独】 患者 アンネロズ

/*
>>90>>91
この辺は補完みたいな感じなので全部灰文字にすれば
淡々としてていいかなって思ったんだけど
見づらかったらごめんなさいとは思っている…。
(-110) alice0327 2022/02/16(Wed) 0:34:55

【人】 ピアニスト イングラハム



   部屋を後にして数分。

   誰もいない部屋の隅の棚
   飾っていたピアノの写真が
   棚から落ちて砕け散った。

   砕け散るガラス片が何の予兆なのか
   私は取り返しがつかなくなった頃に思い知る。

   それが全ての終わり。

   
(92) 西 2022/02/16(Wed) 2:19:25

【人】 ピアニスト イングラハム



    そして二度と、始まる事などない。



(93) 西 2022/02/16(Wed) 2:20:18

【人】 ピアニスト イングラハム



 ***

   病院に辿り着けばもう一度アンネに連絡を送る。
   この前は急で驚かせてしまったから
   今度はそうならないようにと気をつけた結果だ。

   しかし、送った連絡に返事が来ることはなく。
   私は少しだけ心配になりながら院内へと
   その足を踏み入れることとなった。


(94) 西 2022/02/16(Wed) 2:21:01

【人】 ピアニスト イングラハム



   やけに重苦しい空気が満ちる。
   汗を垂らし走り回る医者に
   まるでお通夜のように顔を淀ませる看護婦


   穏やかな空気じゃないのは確かだ
   それはまるで、誰かが亡くなったかのようで。
   けれどそれが誰なのか、私には見当もつかずに。



(95) 西 2022/02/16(Wed) 2:21:43

【人】 ピアニスト イングラハム



    「えっと、すみません。
     アンネロズさんと面会を
     お願いしたいんですが......。」


   そう受付の看護婦にいつものように声をかける。
   けれど看護婦はいつものようには答えてくれず
   何かを隠すように口ごもっていて。

   その理由を知った時、私は息を飲んでしまった。


(96) 西 2022/02/16(Wed) 2:22:22

【人】 ピアニスト イングラハム




       え───────。



(97) 西 2022/02/16(Wed) 2:22:53

【人】 ピアニスト イングラハム



   本当の絶望を目の前にすると
   人は怯えることすら出来ないのだと
   私は最悪の形で学びを得る。

   アンネの訃報の引き換えに得たのは
   知りたくもない人間の真理と、消えない傷。


   けれど、彼女はそんなこと一言も言ってなかった。
   いつか自分が死ぬかもしれないなんて
   彼女は一言だって言ってはいなかったはずなのに。

   彼女はきっと、回復の途中だと思っていたのに。


(98) 西 2022/02/16(Wed) 2:23:48

【人】 ピアニスト イングラハム




     「なん、で.........。」



(99) 西 2022/02/16(Wed) 2:24:27

【人】 ピアニスト イングラハム



   現実を受け入れられなくて怒るのでも
   現実を受け入れて哀しむのでもなく

   まだこれが現実だという自覚すら持たず。
   私はただ鉛のように重い身体を引きずって
   彼女がいつも出迎えてくれた病室を目指した。



(100) 西 2022/02/16(Wed) 2:25:17

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




   そうだ。こんなの、悪い冗談だ。


         あの病室にはきっとアンネがいて。


   またいつものように僕は出迎えてくれる。


         用意してくれた可愛らしい服を着て


   僕と外に出ることを待ち侘びてくれている。


         そうに、そうに、決まってるんだ。




(-111) 西 2022/02/16(Wed) 2:26:19

【人】 ピアニスト イングラハム




     しかし事実は残酷で。
     私の眼前に飛び込んできたのは

               アンネの、亡骸だった。



(101) 西 2022/02/16(Wed) 2:27:46

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




    世界でたった一人だけの

        僕が愛した人の、亡骸だった。



(-112) 西 2022/02/16(Wed) 2:29:13

【人】 ピアニスト イングラハム



   くらりと意識が飛びそうになる。
   血管が悲鳴をあげるように
   血液までパニックを起こしかけた身体を
   無理矢理奮い立たせると
   病室にいた者たちの視線が私へと集まって

   私に気づいた彼女の両親が
   その全てを、教えてくれた。>>90


   こちらへ謝罪をする彼女の両親は
   私よりも深く哀しむことになるのだろうに

   最後まで他者を気遣うその心に
   私は彼女の面影を辿らずにはいられない。



(102) 西 2022/02/16(Wed) 2:30:27

【人】 ピアニスト イングラハム



   今ここで泣き叫ぶことだって出来た。
   それをしなかったのは
人徳者彼女の両親
の前で
   私がそんなことをするわけはいかないからで

   そんな私に追い討ちをかけるように
   忘れていい。>>91
そんな言葉が心臓を抉る。

   彼女の両親の気遣いだということは
   痛いほど伝わってきた。

   それに憤る資格など私にはないということも
   十分に分かっていた。


(103) 西 2022/02/16(Wed) 2:31:43

【人】 ピアニスト イングラハム




   「すみません。少しだけ...
    彼女と二人にさせてもらえませんか。

    彼女に...ちゃんと別れを、告げたいんです。」


(104) 西 2022/02/16(Wed) 2:32:18

【人】 ピアニスト イングラハム



   赤の他人の私が言えたことではない
   しかしこれまでの事を好意的に見てくれた
   彼女の両親は私の願いを聞き入れてくれて


   部屋に残ったのは
   取り残されてしまった私と
   逝ってしまったアンネの亡骸だけとなった。


(105) 西 2022/02/16(Wed) 2:32:54

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   二人きりになった病室。
   君がいつも用意してくれた椅子に座り
   僕は冷たくなった君を見つめる。

   涙なんて、流さないよ。
   君に余計な心配をかけたくないからさ。


   麻痺すら覚える意識を振り絞り
   僕は震えた声で彼女に語りかけた。


(-113) 西 2022/02/16(Wed) 2:47:16

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   「ねぇ、アンネ。

    今日はさ、海に行こうとしていたよね。
    今の季節はあんまり人がいないからさ。

    外に慣れない君も安心して楽しめるかなって
    そんなふうに考えてたんだ。

    それに、君のために練習した曲を
    君に披露するのも楽しみだったんだ。
    失敗するかもしれないって不安だったけど
    君の前なら笑って許してくれるかもって
    不思議と緊張も無くなっていた。

    本当に僕は、君の事ばかり考えていたんだ。」


(-114) 西 2022/02/16(Wed) 2:48:41

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



      ─────────



(-115) 西 2022/02/16(Wed) 2:49:50

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   「僕は...君に謝らないといけない。

    僕が君の事を...君の病気の事を
    怖がらずに聞いていればよかったのに。

    僕のせいで、君に一番大切な事が言えなくて
    一番大事な時に、傍にいられなかった。」



(-116) 西 2022/02/16(Wed) 2:50:41

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



   「信じてもらえないかもしれないけどさ。

    僕は......君が好きだったんだ。
    君が好きで、誰よりも大切で。

    僕はずっと、君に傍にいてほしいと
    そう思っていたんだ。」


(-117) 西 2022/02/16(Wed) 2:51:41

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ




      ─────────



(-118) 西 2022/02/16(Wed) 2:52:25

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



    「ごめんね。こんな僕で.....本当に...。」
    
(-119) 西 2022/02/16(Wed) 2:54:10

【秘】 ピアニスト イングラハム → 患者 アンネロズ



    静寂の病室。

        僕は永眠る君に誓いの口付けを重ねる。



(-120) 西 2022/02/16(Wed) 2:55:59

【秘】 イングラハム → 患者 アンネロズ




    大丈夫、僕は泣いてないよ。

    君を失ってしまった哀しみが
    少し目に染みてしまっただけなんだ。**




(-121) 西 2022/02/16(Wed) 2:57:48

【独】 患者 アンネロズ

/*
最後のロル天才すぎてもう………もうだめだ……(語彙力
(-122) alice0327 2022/02/16(Wed) 3:00:58

【独】 患者 アンネロズ

/*
書き方とシチュエーションの作り方が好みすぎるのに
描写力とセンスで殴ってくるしなんかもう色々犯罪級にしんどい……。
(-123) alice0327 2022/02/16(Wed) 3:09:53

【人】 イングラハム



 ***

   アンネに別れを告げて病室を出ると
   外で待っていてくれた彼女の両親に


    「ありがとうございました。 」


   そう深々と礼をして私はその場を後にする。
   向かう先は病院の玄関出口...ではなく
   誰も通らないような外付けの非常階段で。


(106) 西 2022/02/16(Wed) 3:31:25

【人】 イングラハム




    私はコンクリートの壁を


          己の握り拳で殴りつけた。



(107) 西 2022/02/16(Wed) 3:32:45

【人】 イングラハム




   なにが『約束』だ。


   なにが『強くなくてもいい』だ。


   なにが『一緒に背負いたい』だ。


   なにが『僕が連れていく』だ。



(108) 西 2022/02/16(Wed) 3:34:10

【人】 イングラハム



   自惚れるな、惚れた女一人守れぬクズが。

   お前に出来ることなど何もない。



(109) 西 2022/02/16(Wed) 3:35:06

【人】 イングラハム



   アンネロズを失った痛みが魂を引き裂く。
   壁へとぶつかる怒りの数だけ
   引き裂かれた魂が更にバラバラに崩れていく。

   粉々に砕け散る魂が今更どの面を下げて
   彼女を愛しているなどと言えようものか。



(110) 西 2022/02/16(Wed) 3:38:25

【人】 イングラハム



   ゴン、ゴン、と不細工な音を奏でる度に
   耐えかねた拳からは流血が零れ落ちていく。

   あぁ、痛くない。痛くないよ。
   君が背負った痛みや、君を失った痛みに比べたら。


   すると胸ポケットから何かが
   血溜まりの上に落ちていった。

(111) 西 2022/02/16(Wed) 3:40:04

【人】 イングラハム



   それはチョコレート。
   アンネが私の為に用意してくれた
   甘くて美味しい、私の一番好きな食べ物。

   包みから落ちて血と砂で汚れたチョコレートを
   拾い上げて、それを口へと放り込むと

   甘くて蕩ける想い出の味を
   ざりざりとした鉄の味が邪魔をする。


   
(112) 西 2022/02/16(Wed) 3:41:58

【人】 イングラハム



   それでいて。

   このチョコレートは
   もう二度と、口にすることは出来ない。



(113) 西 2022/02/16(Wed) 3:42:31

【人】 イングラハム




   小鳥が囀り子供たちがはしゃぐ
   そんな長閑で平和な病院の何処かで


         一人の男が、慟哭を奏でていた。**


(114) 西 2022/02/16(Wed) 3:43:27
(n5) 2022/02/16(Wed) 3:46:34