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【赤】 救いたかった レグナ少しぼんやりする様な、けれど幸福感で満たされていく様な。 すっかり熱っぽくなった若草色を見ながら、今の自分も同じ様な目をしているのだろうか、とぼんやり思う。 触れられるだけの筈なのに、猫の様に甘い声のせいで、また頭の中がぐるぐると巡っていく。 手が、口が、下がっていけば。その感覚はより強く。とっくに熱は湛えていたけれど、改めて触れられるとすっかり身体はその気になってしまっている。 「……う、」 ……少しの、迷い。 うっとりとした微笑みと、柔らかな刺激。 分かっている、これだけじゃ、足りない。 「………………、し、 ……し、たい……」 (*0) smmmt 2024/04/13(Sat) 1:32:47 |
【赤】 救いたかった レグナ「……うー……」 わかってて言わせて来るのだから意地が悪い。 照れを誤魔化す様にふい、とそっぽを向くものの、視線は結局逸らせずにいる。 愛でる様に弄ばれれば、分かりやすく身体が跳ねる事だろう。 「え、」 したことない事をすると言われれば、そんな間の抜けた様な、けれども少し期待が混じった声を零した後。 熱っぽい吐息がかかったと思うと、そこに唇が触れた。 ▽ (*3) smmmt 2024/04/13(Sat) 11:54:54 |
【赤】 救いたかった レグナ生温い舌が絡み、卑猥な水音が辺りに響き始めれば。 分かりやすく頬が赤く染まり、猫の様に目を丸くしながら。けれどもやはりその痴態から目を離せない。 「まっ……馬鹿、マオ、何やって、 ……っく、ふ……!」 弱いところに舌が触れれば、面白いほどに熱がぴくぴくと震え。舐めとられる傍から蜜が溢れ出る。 刺激だけでなく、その光景も、音も。全てが甘く思えてたまらない。 (*4) smmmt 2024/04/13(Sat) 11:55:13 |
【赤】 救いたかった レグナ「うぁ、……く、……んっ、」 思わず詰まった声が漏れ出るのを、手で口を抑えて誤魔化そうとする。それでも堪えきれなった吐息が零れていく。 熱い口内と舌で与えられる刺激も、甘く響く声も、必死になって自身にしゃぶりつく妖艶な姿も。 全てが脳裏まで溶かしていく様な快楽となって、腰を跳ねさせ。それがまたあなたの喉をつついたのだろう。 そのまま欲を吐き出しそうになった所で口を離され。 熱と唇を糸が繋ぐ様子に魅入りながらも「もう少し、」と珍しく正直な言葉を零し、まだダメと言われれば何故と言いたげにあなたを見る。 ▽ (*7) smmmt 2024/04/14(Sun) 1:55:19 |
【赤】 救いたかった レグナそれから、あなたが膝を立て立ち上がるのを見て。 秘部に自身の熱が当たれば、再び目を丸くする。 ――期待も予想もしなかったわけではない。けれど、だからこそ、初めてのその行為に頭に熱が昇る感覚がした。 「……あ、マオ、」 捕まえるか、或いは縋るかのように、指を絡ませられれば。それに応える様に握り返す。 つぷ、とあなたの中に熱が沈み。それから一気に包まれ、繋がって、ひとつになる。 手と手を、大事なところを繋いだまま。ぴったりとくっつく様に。 ああ、おいていきたくないな、と過って。しまう。 「……――、」 強請る声と、視線に。 理性も胸の内も溶かされる様な、気がした。 そうして欲しがられるまま、今だけは。 無我夢中で己の欲と愛をぶつけ、甘い一時を堪能した事だろう。 ▽ (*8) smmmt 2024/04/14(Sun) 1:55:36 |
【赤】 救いたかった レグナ――気が付けば、夜もすっかりと更け。 二人してくったりと寝台に身を預けて、少し気怠げな余韻に身を浸している。 もしもまだあなたがくっついている様子であれば、背や頭をぽんぽんと軽く叩きつつ。 「……満足、したか?」 なんて聞いてみる。 もし否と答えられても、流石にもうこれ以上する体力は残ってないのだけど。 (*9) smmmt 2024/04/14(Sun) 1:55:48 |
【赤】 救いたかった レグナ「ばっ、 今はあんたに聞いてんだっての!」言い出したのはこちらだし、口で言うよりももっとすごい事をしたというのに自爆しているぞ。 「……よかったよ」 ごにょごにょしながらも返す。 ぺったりくっつかれているのと、結構な疲労感とで。今は動けそうにない。 (*11) smmmt 2024/04/14(Sun) 12:17:09 |
【赤】 救いたかった レグナ「〜〜〜ッッ、絶対聞こえてて言ってんだろ!!」 「よかったってそう言ったんだよ!!」 からかう様子にぷんすこしながら。 仕返しのつもりなのか、頬をつまんでむにっとした。 「……そういや、さ」 「マオの記憶の中の俺は、何を渡したんだ」 つまんだ指はそう時間を置かずに離して。自分の発言を誤魔化すついでに、ふと浮かんだ疑問を投げかけてみる。 (*13) smmmt 2024/04/14(Sun) 13:20:23 |
【赤】 救いたかった レグナ「さっき聞いてきただろ。 正解はなんだったのか、気になって」 カードで遊んだ記憶は自分にはないので、その事かなと思いつつ。頬擦りしてくるのを眺めて聞いている。 そして、帰って来た答えに。 「…………」 「???」 背後に宇宙を背負ってしまった。宇宙猫かも。 (*15) smmmt 2024/04/14(Sun) 16:49:50 |
【赤】 救いたかった レグナ経緯の説明で一先ず宇宙猫は解かれた。 「なる、ほど……。なあ……」 こいびとの様な真柄となるぐらいだ。マオの記憶の中の自分が"現実"の記憶を持っていない、という想像ぐらいは流石に付いていたのだが。 そこで頷く自分も自分だな……と少しだけ思った。……いや、"今だけ"という条件を付けたとはいえ、その欲を受け取った今の自分も、大概か。 しょんぼりとしながら続けられる言葉を聞く。 ……後ろ髪を引かれる気持ちは、ある。あるけれど。 ▽ (*17) smmmt 2024/04/15(Mon) 2:07:42 |
【赤】 救いたかった レグナ「…………、ああ」 「何て言ったら、いいかな。ここではない、別の世界。 ……どうしても、行かないといけない、理由があるんだ」 「マオの事は。……絶対に連れていけない、って訳じゃない。けど。 連れて行ったとしても、もう。会えないと、思う」 余程の奇跡でも起きない限り。 "現実"とこの世界では、何もかもが違う。それぞれが生きる場所も、誰かに会うことの難しさも。 あなたにとっては、何を言っているのか分からないかもしれない。 けれど、レグナの目は真剣な色のそれだ。 それから、ゆっくり考えて。間を置いて。 「……なあ、マオ」 「例えば、もう俺に会えないぐらいなら、」 「 ――死んだ方がマシだ 、とか。そう、思ったりは、するか?」 (*18) smmmt 2024/04/15(Mon) 2:09:00 |
【赤】 救いたかった レグナしがみ付いてくるあなたを、そっと抱きしめ返す。 優しく、だけれど。その手はほんの少しだけ、震えている。 「……そうだな。ここは、何でも叶う場所だ。 あんたもアリアもいるし、行きたい所にだってすぐ行けるし……したい事だって、何でもできる」 「けど、」 死んだら、終わり。ぽつり落とされた声が、聞こえた。 ――それを痛いほどわかっている、だから。 「ここにずっと居たら、な。 ……その、死が。終わりが、来るんだ。 きっと、そう遠くない未来に。この世界に居る誰にも、等しく」 「俺はそれが嫌だった。嫌だったから、……なんでも、した」 このしあわせな世界で、あってはならないような事だって。 ……結局、己の願いは叶わなかったけれど。 (*21) smmmt 2024/04/15(Mon) 13:25:26 |
【赤】 救いたかった レグナ「望み通りに居られる場所、欲しい物はなんでも手に入る、それは間違いない。……が、 同時に都合の悪い事、嫌な事、思い出したくない事を、忘れさせる場所。 ……そうだな。例えるなら、幸せな 夢 。――あんたも、俺も。こことは別の世界で。 文字通りの意味で、寝たきりのまま、夢を見続けているんだ。」 語り続ける。真実を叩きつける。 忘れていた方が幸せだった真実。 ……それでも、思い出してしまったからには。 やさしく撫でる手を背に感じながら、更に話を続ける。 「……さあ、な。きっかけは分からない。 少なくとも館に集められた時には、別の世界の事を思い出してた」 世界に綻びが出たのか、神様にえらばれたのか、単なる偶然なのか。 それはレグナの知る所ではない。 (*23) smmmt 2024/04/16(Tue) 1:01:01 |
【赤】 救いたかった レグナ「…………」 遮る大声を聞けば、そこで言葉は止まる。 受け入れたくないという様に耳を塞ぎ、身体を丸めるあなたを見る。 ちがうと、否定するのは簡単だけれど。 他者の感情までは操作出来ないとも、思いはするのだけど。 それを証明する手立てまではない。 目の前に居るあなたのことすら、現実に存在している人物であるかも、証明できない。 「……もし、今聞いた事を忘れたいと願えば」 「ここに残るなら。忘れられる、と思う」 この世界は、それを望む相手に対しては、どこまでも優しくあり続けるのだから。 (*27) smmmt 2024/04/16(Tue) 11:39:06 |
【赤】 救いたかった レグナ「あんたほんと相変わらずだな」 ぼそぼその中に羅列されている諸々を聞きながら。 「……けど、うん」「そうだな」 「全部が全部、あんたの望み通りになってるのなら」 「こんな事言わない、な」 困った様な表情で、それで先程の答えになってるか、と付け足してから暫くそのままでいたが。 勝手に上着かシャツを奪って何処かに行こうとしたなら「あっ、おい」とは言ったかもしれない。 追いかけるべきか、と身を起こした所であなたが戻って来る。 ▽ (*30) smmmt 2024/04/16(Tue) 17:59:05 |
【赤】 救いたかった レグナ「…………」 そのまま。ゆっくり、ゆっくりと。あなたの語る話を聞く。 少しだけ長い間を置いた沈黙の後。 「分かってる」「分かってるよ」 「少なくとも俺は、だけれど」「あっちの方が、ずっと苦しい」 「……でも、な」 「これだけは破れない、破りたくない」 「そんな約束を、向こうに残しているんだ」 ――目を、伏せる。 「ごめんな、マオ」 (*31) smmmt 2024/04/16(Tue) 17:59:33 |
【赤】 救いたかった レグナしがみ付く様に抱き着かれる。 抱きしめ返しは……しなかった。 伏せた目をそのままにして、考える。 まるで自分の事を、ひとではない何かの様に言うんだな、とぼんやり思った。 「……ああ」 「とても、大事なもの、なんだ」 「都合の悪い事が、嫌な事が、思い出したくない事があっても。 苦労する道だとわかっていても、これだけは」 「例え相手があんたでも、譲れない」 きっとこれは、綺麗ごとで、愚かで、どうしようもなく自分勝手な考えだ。 それを他者に対してまで押し付けようとした自分は、本当に"悪役"でしかなく、そしてそうあり続ける事すら叶わなかった。 ――それでも救いたかったんだ。 (*33) smmmt 2024/04/17(Wed) 12:42:39 |
レグナは、マオの背に隠された"それ"に、気付いていない。 (a0) smmmt 2024/04/17(Wed) 12:43:15 |
【独】 救いたかった レグナ/* ちなみに気付いていたとしても気付かない振りをするぞ。 ロールの流れによってはこっちも自害か、マオ様殺害からの自害か、心中かのどれかを仕掛けるつもりで居たぞ。 (-2) smmmt 2024/04/17(Wed) 12:45:45 |
【赤】 救いたかった レグナやさしげな手が背を撫でる。 重ねられる声に、その言葉の内容に。 少しだけ、赦される様な、救われる様な。そんな心地がした。 投げだしていた手を、片方。ぽん、と、あなたの頭に置いて、撫でる。 見慣れた若草色が、蜂蜜色とかち合った。 「マオ、」 ――その瞳の奥に、声色に。しらない、何かが混じっている。 「…………。マオ?」 ▽ (*36) smmmt 2024/04/17(Wed) 19:49:33 |
【赤】 救いたかった レグナ撫でていた手が止まる。 強く抱きしめられる、それと同時に、背から冷たい何かが入って来る。 「……――ッ、」 何が起きたか認識した瞬間、その温度は一気に熱く、熱く。変わっていく。 小さく呻き、置いていた手がぐしゃ、とあなたの髪を掴んだ。 (*37) smmmt 2024/04/17(Wed) 19:50:07 |
【赤】 救いたかった レグナ引き抜かれれば痛みに呻く声がもう一つ。 それから、冷や汗と混じった血が背を伝っているのを感じた。 髪を掴んでいた手はずるり、落ちる様に肩の方へ。指先が痺れ、酷く震えている。 「…………、」 「そう、か」 諦観の様な、覚悟の様な。そんな呟きと共に、あなたの表情を見る。……視界が少しだけ、揺れている。 動こうとする様子はなく、そのまま押し倒され。ベッドに沈み込むと共に、じわ、とシーツに赤い色が広がった。 (*39) smmmt 2024/04/18(Thu) 0:30:13 |
【赤】 救いたかった レグナ血に濡れた手が自身に触れる感触。腹にのしかかる重み。 それに、いつかどこかの記憶が重なった様な気がした。 ……夢の中で死んでも、走馬灯は流れるものなんだろうか。それにしたって、覚えのない筈の記憶なのだけれど。 痛い。苦しい。握られた手が上手く握り返せない。 警告音が鳴りやまないのに、少しずつ体温が奪われていく、気配がする。 霞んでいく視界の中、あなたが自身の首元にナイフを宛てがい、引く様子が映った。 ▽ (*42) smmmt 2024/04/18(Thu) 19:30:55 |
【赤】 救いたかった レグナどさり、先程より重い音がして、身に体重がかかる。 哀しいほどに綺麗な赤が、二人を染めていく。 「……ほんっ、と、」 「しょうがねえなあ、」 遠のいていく意識の中。 下手すると、自分の考えを全て破られていた事態にも関わらず。 何故だろうか、不意に。少しだけ、笑みがこぼれていた。 (*43) smmmt 2024/04/18(Thu) 19:31:36 |
レグナは、マオのその言葉を聞いて、―――。 (a2) smmmt 2024/04/18(Thu) 21:38:43 |
レグナは、笑顔のまま、目を閉じた。 (a3) smmmt 2024/04/18(Thu) 21:38:54 |
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