人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
── 回想:洋館/17歳の誕生日 ──



[ 毎年誕生日の数日後に帰郷するのが習慣になっていた。
 一目を避けて夜更けにそっと洋館を発つまでして帰るのは
 あまり気乗りのしないものだったけれど、家族らしい行事
 は、まあ、不快なものではなかった。

 洋館での暮らし、ナハトと過ごす時間に少しずつ満たされ
 精神的にも安定してきたのか、疾うに諦めていた人たちが
 歩み寄ろうとしてくれることを素直に受け入れられた。

 17歳の誕生日を迎える一週間前。
 いつものようにそれを知らせる手紙を待っていたけれど、
 待てども知らせは届かない。
 手紙を書いても宛先不明で戻ってくる有様に、なんとなく
 指先が冷える感じがする。

 洋館の職員に、父を──コールリッジ卿について調べて
 もらうように依頼した。
 中央の邸宅の主に何かがあるなら、調べることも容易で
 あろうと、その報せを待つ。 ]
 
(74) 2022/12/14(Wed) 2:46:16

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ 春、雨上がりの朝に生まれた。
 宿命だったのか、
 或いは二人とも死産の筈が、証持ちだけがその性質故に
 生き残ってしまったのか。
 一人きりで生まれた日。


 喪失感に身も世もなく泣くしか出来なかった、
 丁度こんな日だった。

 
 握り潰した報告書。ただ窓の外を見ている。
 約束の時間になっても現れないので迎えに来てくれた彼
 を声だけで部屋に招く。

 
 
「卿は半年前に職を辞し、中央の邸宅を引き払い、
 婦人の療養の為に南に小さな屋敷を買って暮らしている」


 そうだ。

 
 ──何かを、期待していたわけじゃない。
 ただ、そこにあることだけは疑っていなかったものが
 なくなっただけだ。 
 たとえば、愛はなくとも、家族の繋がりだとか。 ]
 
(75) 2022/12/14(Wed) 2:48:03

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ でも、────ああ、それでも。
 
 それは長い夢を醒すノックの音だった。

 

       
「 ──ねえ、どうしていないの?」




 いつかの少女の嘆きがリフレインする。     ]
 
(76) 2022/12/14(Wed) 2:48:24

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 


[   ねえ、どうしていないの?  ]


 
(77) 2022/12/14(Wed) 2:48:42

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ 知りたくなかった。気付きたくなかった。
 どうしたって 生きて いる ことを許してはくれなかった。
 生きていたくて、でも許されない気がしていて、
 それを誰かに本当はあなたたちに認めて貰いたかった。
 でもその答えがこれなの。 ]
 
(78) 2022/12/14(Wed) 2:49:00

【人】 Y『恋人』 クリスタベル


[ 駄目だってわかってた。
 兄がいて、私がいて、家族四人が あなたたちの望む
 完璧だった。でもどうしたって わたしたちはひとり
 で。

 ──── ひとり、で。 ]
 
(79) 2022/12/14(Wed) 2:49:18

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ 本当は、何もない? ]
 
(80) 2022/12/14(Wed) 2:49:30

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

[ 彼は何か声をかけられただろうか、
 それとも沈黙を守っただろうか。
 窓を睨む自分には何も聞こえない。一瞥もしない。
 考えるのは苦手だ。考えることに疲れてしまったから。
 なのにずっと考えている。割れる様に頭が痛い。
 アリアの薬なのに、おかしいや。
 いくつ飲んでもちっとも効きやしない。 ]


  17年前の今日も、こんな日だったそうだよ


[ 来てくれてありがとう、
 と言いたかったような気がする。 ]


  きみと出会ったあの家にはもう帰れないみたい


[ ごめんね、少し体調が優れなくて。
 と伝えたかったような気がする。 ]


  おんなじ日にまたなくしたんだって。笑っちゃう


[ だから食事は一人でしてきてね?
 とお願いしたかったような気がする。]
 
(81) 2022/12/14(Wed) 2:50:56

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 

[ 頭がぼうっとする。
 
 
ねえ、どうしていないの。


       その答えは
「ここにいるからだよ」
と。


 根拠もない。確信もない。ただそう信じただけだ。
 信じる心を支えたのは胸にある証で、
 辻褄を合わせると成程しっくりときてしまったのだ。
 しっくりときてしまったから狂うしかなかったのだ。
 
 『恋人』が真に一人で生まれてきた例はないという。
 二人で証を持って生まれてくるか、箱庭の『恋人』の
 ように二人でひとり生まれてくるかだそうだ。

 なら私は何なんだろう。
 手を取り合う片割れも、心で繋がる片割れも持たないの
 ならなんで生まれてきたの、なんでまだ生きているの。


 神様はどうして完璧につくってはくれなかったの。 ]
 
(82) 2022/12/14(Wed) 2:52:43

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ いつか、完璧だと言ってくれた人>>0:356を見遣る。

 ────完璧では、ないなら。

 羨ましいと言ってくれたのも>>0:350
 綺麗だと褒めてくれたのも>>0:352
 ふたりにとくれたプレゼントも>>0:357
 離れたくないと言ってくれたことも>>0:360

 完璧なわたしたち に向けられたその全ては、
 私のものにはならない。
 
 彼が求めるのは私じゃない。

      それなら、いつかきっと、今日のように。 ]


  ……あなたもいつか私を置いて行くのね


[  置いて行かないで  と縋りたかった気がする。 * ]
 
(83) 2022/12/14(Wed) 2:53:22

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ それから。

 倒れてベッドに運ばれて、医者に診せられて、
 薬の包み紙から過剰摂取をしこたま叱られて、
 安静のために寝る様にと言い付けられ泥のように眠って。
 また起きて考えて寝て。
 そうして意味不明な言葉を投げられて戸惑っているだろう
 彼に何も返せないまま、思い至ったことがある。


 正気か狂気かの違いだけで、結局何も変わっていない。

 墓の中の猫にいる猫の生死を問う思考実験と同じだ。
 片割れが『恋人』だったのかどうかなんて、
 『恋人』にわからなければ神にでも聞くしかないのだ。

 だから真実なんてどうだっていい。構わない。
 これまでどおり、それでいい。
 
      ねえ、お願いだからここにいて。
      ここにいてよ、お兄様。        
* ]
 
(84) 2022/12/14(Wed) 2:54:16



  なぜあなたがいて
  だれもすくえないのですか?

  すくうきもちは ほんとうにありましたか?


 [ 死神は叫びました。
   穏やかで、平穏な箱庭。

   教皇の存在は、死神にとって
   

   意味のない、自分とは違って



   まるで箱庭そのもののようだと、感じていました。
   
   慈愛の聖者。
   死神は、信じていました。

   あなたを ]

 

Y『恋人』 クリスタベルは、メモを貼った。
(a10) 2022/12/14(Wed) 3:15:56

Y『恋人』 クリスタベルは、メモを貼った。
(a12) 2022/12/14(Wed) 3:25:23

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
── 回想:力が抜けるやりとり ──



  っふ、ふふ────


[ 駄目だ、ツボに入った。>>0:534
 天丼だし声のトーンの割にはちらとも驚いた風はなし。
 絵本の台詞みたいで珍妙でキャッチーで癖になる。 ]


  …………ふぅ。 やあ、ごめんごめん。
  ちょっと意表を突かれた。

  それは素敵な名前を付けてもらったんだねえ。
  じゃあわたしたちはその名付けに敬意を表して、
  きちんとフォルスと呼ばせてもらうとしようかな?


[ 売店、そういうのもあるのか。
 洋館にいながらお買い物が出来るなんて便利だな、
 と興味が向いたので、]
 
(117) 2022/12/14(Wed) 8:42:58

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ 後日真新しい財布片手に実際に訪ねてみれば>>0:399
 本で読んだ商人の挨拶を投げてみると、>>0:535
 実に軽快な反応。成程、これが本場。 ]


  本で読んだのそのままで、今ちょっと感動してるよ。
  本当にやるんだなあ、モウカリマッカボチボチデンナーってやつ。


[ おすすめと聞いたら、何故か売り子と返された。
 確かに商品とは言ってないけど。 ]  


  うーん、それは興味がなくもないけれど。
  お金も買い物もはじめての経験なんだ。
  売る側が務まるとは思えないなあ。


[ だから次の機会に、というのは体よく断る便利語録だ
 って読んだことがある。社交界にも派生系があるとか ]
 
(118) 2022/12/14(Wed) 8:43:16

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ さておき。
 おすすめ商品とやらの説明をふむふむと聞いて、
 「悪魔がどんな顔に〜」と振られれば ああ、と ]


  ふふ。彼が甘いお菓子を食べてる顔、可愛いんだよ。
  見せてあげたいけど、残念。感想だけ教えるね。


[ 違うそうじゃない。
 と思ったかもしれないけれど、やっぱりそれも面白がって
 ぽんと言葉が返るのだろうなと
 思うけれど
それはまた別の話
 * ]
 
(119) 2022/12/14(Wed) 8:43:45

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ もし。
 彼の友人に向ける眼差しを見咎められたら決まり悪げに、

 ……君は宿敵に弱味を握られてるかも知れない時でも
 相手を警戒しないでいられるタイプかい?

 わたしたち はそうじゃ「なかった」んだ などと零した
 かもしれない。
それもこれも別の話
。 * ]
 
(120) 2022/12/14(Wed) 8:44:29

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
── 回想:二年前のある日 ──


[ 結局定期的に通う常連になった。>>0:386
 頭をちょっと使うとすぐ痛むので困り物。

 飲み易いのがいいなあとか眠くなる作用のはないかな?
 なんて好き勝手言うくらいには、一方的な距離が縮まり、
 相手はいい意味で最初のまま。
 
 だけど、 
 勝手に量を増やすどころか一気飲みしちゃった、
 なんて言ったら流石にしっかりと怒られるだろうか。>>84

 そんなだというのに復活第一発言は ]


   やあ、麗しの薬師の君。
   少し強めの薬をお願いしたいんだけど、いいかな?
  

[ だというのだから始末が悪かった。 * ]
 
(121) 2022/12/14(Wed) 8:45:24

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
── 回想:17歳の誕生日から ──


[ あの日。様子がおかしかったことを>>82>>83
 心配してくれただろうか。 
……多分、きっと。

 回復してきた頃>>84
 もしあの日のことを聞かれたとしても

 「ごめんね? なんだっけ、忘れちゃったな。
  薬を飲み過ぎてぼうっとしていたみたい。」

 何を聞かれても薬のせいと誤魔化しただろうし、
 家の何某かはきちんと伝えた…或いは報告書に
 目を通して承知のことだったかもしれないが。

 あの日の後も変わらず過ごしている。筈だ。
 少なくともきみにだけは、そう映るように過ごしていた、
 
つもり。
 * ]
(122) 2022/12/14(Wed) 8:46:20
Y『恋人』 クリスタベルは、メモを貼った。
(a17) 2022/12/14(Wed) 8:53:11

Y『恋人』 クリスタベルは、メモを貼った。
(a18) 2022/12/14(Wed) 8:54:23

あの子
『運命の輪』
が、幸運と不運を繰り返す存在なら、

 
『正義』
は、幸福と不幸を裏表にさせる存在だった。

 それら
幸不幸
二つは常に釣り合っていなければならない。

 誰かの
幸福
不幸
と、別の誰かの
幸福
不幸
もまた、
 釣り合わなければならない。

 均衡が崩れることが、どうしても赦せなかった。

 22人でバランスよく保たれていたはずの均衡が、
 一人を欠いて崩れ始めた時、

 
『正義』
『正義』
公平の定義
った。]

[例えば球体を作ろうとした時。

 粘土や張子で作るなら、
 足りない部分を補えば良い。

 けれど、例えば木片から削り出した球が、
 凹んで欠けて、歪になってしまったら?

 足すもの
代用品
も存在しなかったなら?


 反対側を、削るしかない。

 そうして反対側を削ったならば、
 歪になった球体が、
 余計に歪さを増すだけだとしても。



 そうして、かつて、『正義』は────、]

[もしも、『正義』が『運命の輪』のように、
 変化を受け入れることができたなら、

 もしかしたら、『正義』は────、


 なんて、
 そんなたらればは、何の意味もない。

 その不寛容さこそが、
 『正義』に与えられた性質のひとつだったのだから。

 『正義』はかつて、
 均衡が崩されることを、ひどく嫌悪し……


               
れていた。]

 
[ 箱庭に居た『教皇』デセスパール
 
自らを失う瞬間まで

 自分自身を、神を恨んでいたことを。
 
 
理性を失ってからは

 ただ破滅のみを願ったことを。

 憎んでいたはずの神と

 同じ願いを持ってしまったことを。]

 


[ それは深い闇だった。

 とうに温度を失った抜け殻を抱きながら、
 ずっとずっと考えていた。

 考えて、考えて、考えて――

 そうして思った。

 死とは唯一の不変。永久の安寧。魂の救済なのだと。
 あの子にとって救いはもうそこにしかなかったのだ。
 
そう結論付けてなお、受け入れることなどできなかった
]
 


[ 世界はとっくに壊れているのに、
あの子はもういないのに

 どうしてそれでも回るのか。

 失われた命を、あの子を、僕を置き去りにしておいて。
 どうしてどうしてどうして。
 くだらない混乱はいつまで経っても終わる気配もなく
 取り返しの付かない死はやがて過去になり風化する
 誤りも罪も罰も忘れられてしまえばただ死んだだけだ
 そうやってただあの子の存在が消えていくこんな世界で
 のうのうと生きて息をする有象無象の全てが憎くて、
 疎ましくて羨ましくて妬ましくて妬ましくて妬ましくて――


 ふっと気付いた。

 どうせ混乱は果てまでも転がり続けるだろう。
 どうせ壊れる世界なら、僕が壊したって変わらない。 ]
 


[ わかってほしかった。
 この闇を。痛みを。絶望を。

 …… もしかしたら、

 彼女なら、彼女だけは、理解してくれるかもしれない。

 
の眼をした怪物はそう思った。
 何故って、彼女もまた、自分だけの光を持っていたから。

 けれど――少なくとも、
 彼女はその手で、怪物と成り果てたそれに幕を引いた。

 当然だったのかもしれない。
 だって彼女の「光」は、まだそこに生きていたのだから。 ]
 



 
『僕は僕の、君は君のなすべきことをした。それだけだよ』


 


[ それはかつて友であったきみへの、最期の贈り物。
 たとえ落ちる砂をひととき止めただけだとしても、
 きみの決断は正しいのだと保証する肯定。

 …… でも、僕の言葉なんかでは
    きみの心を軽くすることはできなかったらしい。

 まあそれは、当然といえば至極当然のことなんだけどさ *]
 

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
── 回想:誕生会 ──


[ 誕生会の歌の集い。
 女性だけの方が、とか全員で歌いたい、とか。
 風に乗って届く声に迷いつつ参加表明してみたけれど。
 練習からは少しずつ少しずつ足が遠のいていた。

 自主練しておくから、なんて言い訳してみたけれど、
 最終的にはやっぱり不参加で、なんて発案者のチェレスタ
 にも参加メンバーにも悪いことをしたなとは思ってる。
 もしユグに歌でなくともと参加要請されたなら、>>195
 その時は余った楽器を担当したかもしれない、けれど。


 音楽は好きだし、家庭教師に声楽を教わったこともある。
 でも、正直今の自分の声は好きになれない。
 高いままの声も、丸みを帯びていく体も、
 女性に近づいていく自分が嫌だった。
 こんなのはちっとも わたしたち じゃない。 
]
 
(231) 2022/12/14(Wed) 23:02:40

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ それでも暗い気持ちを片付けて、
 用意していた赤い靴>>0:30を贈れば
 彼女は喜んでくれただろうか。
 
 眩しかった。
 外界に解き放たれた可憐な蝶、
 これから世界を知っていく無垢な5歳の女の子。
 狂うことでしか自分を保てなかった、
 いつかの誰か>>0:106>>0:107を思い出すような気がして
 直視出来なかった。

 
 御礼を言われたら、
 「素敵な靴が素敵な場所に連れて行ってくれますように」
 と寿いで。……本当に、そうなればいいと願っている。 ]
 
(232) 2022/12/14(Wed) 23:03:42

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ 21人が一同に介した──かどうかは指折り数えたわけ
 ではないけれど、思い思いの方法で彼女がこの世に生を
 受けたことを祝っている。
 ……暗い気持ちを何度片付けても、ここにいる限り
 ずっと湧き上がってくるのだろう。

 ナハトが退席するなら>>169、引き止める代わりに
 一緒に誕生会を後にしようか。

 本当は、彼が避けているあの子に
 「今日のこの子とお話する権は完売だよ?」
 などと牽制してあげてもよかったし、
 皆でお祝いした方が、彼女も喜ぶだろうに。
 
  ……自分のことしか考えてなくて、本当に嫌になる。 ]
 
(233) 2022/12/14(Wed) 23:05:34