「……おー………
多分俺今いい感じにエンドロール流れてたんだけど
もう出番な感じ?…しょうがねぇなぁ…」
響いた声の方向を見ながら愉快そうに笑う。
軽口の返事はないけれど、それでも心は満たされていた。
「田舎のいいとこその1、人が優しい。
その2、人も優しい。
その3、人たちが優しい。
っつーことで手伝ってやりますか。」
昔から、目立つのだけは得意だ。
だから、俺が目印になるから
―全速力で、走ってこい。
祭囃子の比なんかじゃない、
でっかい声でここだと叫びながら
皆をみつけて、お前も、見つけてやる。
「あ、でも見つけたら俺が満足するまで冷やかしの刑だな。」
笑って、
村を、山を、海を、
4人で駆け回ったあの日みたいに
俺もまた走り出した。