人狼物語 三日月国


22 【身内】Valentine's black art【R18】

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視点:


[犠牲者リスト]
該当者なし

事件:楽観

本日の生存者:エガリテ、ジェレミー、ポップ、うさぎさん、大河内 佳代以上5名

 
[魔力を生み出す炉。
 生み出した魔力を貯蔵する器。
 魔力を魔術に載せて使い熟す素養。

 それらは遺伝すると云われており
 血統を重んじる風潮は古くからある。

 身分違いの婚姻は後ろ指を刺されるし
 どこの馬の骨とも知れぬ子を養子に迎え入れて
 血を濁すなど以ての外だ。

 そんな封建的な魔術界ではあるが
 オルグレン家の婚姻統制の徹底ぶりは
 とりわけ異彩を放っていた。

 
[事実としてオルグレン家は
 国の中枢を担う優秀な魔術師を
 数多く輩出しており
 栄華を極めし家名の一つ。

 強い輝きを放つ一族だからこそ
 抱える闇もまた深いのだろう。

 恋人から話を聴かせて貰い
 その氷山の一角へと触れる最中――、
 物言うことなく閉ざしていた唇は

 彼の言葉に心ごと震わされた。

 
[「俺が身を引いて」……

 そう言われた時には、
 彼の居ない未来を刹那想像して――、

 千言万語を費やせども表現しきれぬ
 喪失感を味わっていたものだが。]



   ……、ジェレミーは優秀なのに、馬鹿だよ



[緩んでしまった涙腺が、また働いてしまう。
 じわりと滲み、目尻から溢れて、シーツを濡らす。

 先程の、恋人の不遇への悔しさ
 自身の不甲斐なさから流したものとは違う

 温かい泪だった。]

 
[スリ……、重なった額、擦り付けて。

 俺のこと、誰より
 理解してくれている貴方でもまだ

 気付いてくれていなかった
 一つのことを伝えよう。]


   ジェレミーがいない人生なんて
   俺は、ぜっ……たいに、嫌だよ


[俺の為に身を引くなんて、馬鹿だ。
 本末転倒というやつだ。]


   俺のこと、要らなくなった訳じゃないなら
   離そうとしないで 離さないで

   離れられたらきっと、生きていけないよ


[貴方の気持ちを聞かせて貰った後だから、
 くしゃりと微笑いながら言える。]

 
   ずぅっと……、一緒にいて欲しい
 

 
[細まる瞳から雫が溢れて、肌を伝い落ちた。]



   ジェレミーが俺を助けてくれるように
   俺もジェレミーを助けたい

     俺が、ジェレミーを幸せにしたい



[繋いだままの手を引き寄せて
 誓いの口づけを捧げる。]



     俺に貴方を護らせて



[いまはこんなナリだけれど
 護られるお姫様でばかり居たくない。
 頼りなくとも、貴方のナイトになりたいんだ。**]

 
[加熱しすぎた想いを
 激情のままにぶつけてしまった。
 狂っている、と怖がられたとて不思議はないのに
 馬鹿だ‥と紡ぐ声音は、酷く温かい。

 潤む瞳から、湛えきれなくなった雫が
 音もなく伝い落ちるのを
 息を詰めて見入っていれば

 すり…、と
 額からもぬくもりが伝わってきた。