人狼物語 三日月国


47 【半再演RP】Give my regards to Jack-o'-Lantern【R18】

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【人】 魔王軍幹部 フォルクス

──魔王城・地下研究施設──


[ 手首から伸びる透明な管と、その先に繋がり吊るされた袋を眺めた。
 描かれている魔法陣が仄かに光るのは中の液体の鮮度を保つ為、
 これは血だ。人類のものと比べ、やけに明るい赤色をしているが。

 ────拘束だなどととんでもない寝惚け方をしたものだ。
 これは、自分が自分であり続ける為に必要な行為だというのに。

 病んだ血液を排出する、瀉血と呼ばれる医療行為は存在したが
 専門職ではなく刃物に長ける散髪屋がする仕事であり、
 殆どの場合聖魔法や薬草を用いたのがあの頃の人類。

 女神が与えた器の血を、他の器に移し替える行為は冒涜である。
 試みて背信者として追われた者も、結局は患者を死なせたという。

 その程度の知識と道具しか、ありはしなかった。
 これは教会に意図された世界文明の停滞の一つ。** ]
(53) 2020/10/21(Wed) 23:23:28

【人】 琴羽の天狗 時見

[何やら手にもこもこした物を持った琴羽と共に
宿の部屋へと案内され。

窓から見える彩度の高い紅葉の景色やら
宿の者の心尽くしのおもてなしに
すっかり旅気分も高まって。

どれ一つ仮装でもしてみるかと
琴羽に背を向け、着衣を落とす。
そうして最後にバサリとマントを羽織り
何気なく振り返れば────…



 着慣れない衣装に、
 悪戦苦闘している琴羽がいた。




いや、あれは衣装、なのか?
なんというか、布地の面積が少ないというか
目のやりどころに困るというか……
(54) 2020/10/21(Wed) 23:31:16

【人】 琴羽の天狗 時見



 ね、ねこ……?


[思わず疑問形になってしまったのも
無理なからぬ事だろう。

頭の上に見える三角形の耳や
腰の後ろにちらちらと見えるしっぽは
確かに猫のそれではあるのだが……

俺はさぞや恐ろしい顔で
凝視してしまっていたに違いない。

それ程までに、ふわふわとした毛皮は
彼女の細身の肢体の曲線美を
絶妙に際立たせていて。

例えて言うのなら、
ジュワリと適度に火を通した
肉汁滴る霜降り肉に、
更にわさび醤油を添えたというか──…
一瞬で理性が飛びかけたというか……]
(55) 2020/10/21(Wed) 23:40:40

【人】 琴羽の天狗 時見

[いや、何を考えているのだ時見……ッ!

この旅は琴羽の慰労。
慰労なのだ。

ぐっと血を吐く程に奥歯を噛み締め、
帽子を落とした前髪にぐしゃりと手を添える。
そうして白の髪をオールバックに整えれば
曲がりなりにも吸血鬼のマネごとができただろうか。

(本当はそうやって自らの掌で
あえて視界を遮らない限り、
延々と琴羽を見詰め続けてしまいそうだった事は
気付かれていない事を切に願おう)]



 やはり出掛けるのは…… 
  あぁ、いや、なんでも無い。

    だが、その、なんだ。

  寒いといけない。これでも羽織れ。


[他の者の目に触れさせるのもまた
どうにも耐え難かったのだが。
此処は彼女の母の故郷であり、
楽しみにしていた散策を禁止するなど
できるはずもなく]
(56) 2020/10/21(Wed) 23:54:45

【人】 サラリーマン 御門 涼司

食べれます食べれます。
ちょっと感動したって言うか、感心してただけなんで。

[残すなんて勿体ないと慌てて否定する。
味自体は特別凝った事をしていたわけじゃないし、
感動するほど美味しいってほどじゃない。
それは分かっているんだけど、
何だか彼の手で作られたってだけで特別な気がして――

考えがどうにも乙女ちっくになってるなあ
なんて少し我に返って別の理由を探してみる。]

俺なんて朝も昼も雑ですよ。
腹に入ればいいやくらいな感じで。

自炊しても適当過ぎて、毎回味変わったりするし。

[そうそう。
俺が彼ぐらいの手際で料理なんてしたら、
野菜の大きさはバラバラで何なら切れてない事あるし
味なんてからかったり薄かったりするんだ。
普通に美味しいってすごいことじゃないか。

また憧れる好きなポイントが増えていく。]
(57) 2020/10/21(Wed) 23:58:06

【人】 サラリーマン 御門 涼司

[食事中、ちょっと異質な視線を感じたりもしたけど
どうにも今日は俺は冷静じゃないって
自分に都合良いように受け取りそうなのを自制する。

二日酔いどころか酒が残ってるのかも。
じゃなきゃ俺が食べてるのを眺めてる視線が
まるで唇に向けられてるような気がするなんて
そんな妙な事思うわけがない。

やばいやばい。
そんな風に見られた意識するじゃないですか。
昨日、俺の記憶がない時間に
この唇がどんな風に貴方に触れたんだろうか、とか。

残りの食べ物を急いでかき込んで
逃げるように片付けに向かったとしても
決して俺はヘタレではない。決して。

相手がこの人なのが悪い。しょうがないだろ。
嫌われたくないって思える人なんて滅多にいないんだから。]
(58) 2020/10/21(Wed) 23:58:34

【人】 サラリーマン 御門 涼司

[自分が同性にしか欲情しないって気付いたのは
高校入ってすぐくらいだったか。

元々恋愛自体、興味が薄かった事もあって
同級生が騒ぐ漫画のグラビアよりも
スポーツ選手の鍛えられた身体の方に興味が向いて
もしかしてそうなのかもって思った程度だ。

確定的だったのは高校途中で入った塾で
講師から目が離せなくなったあたりだっただろうか。
当然多感な十代なので自慰はするんだけど、
いつのまにか頭に浮かぶのが彼の顔になって
それが全然嫌どころかめっちゃ良かったものだから
俺は本格的に自分の事を理解した。

けどそれから情緒が育ったかと言われれば
そうでもなくて恋愛感情は希薄なままだった。
最初に関係を持った相手が恋人とかじゃなく
割り切った相手だったのが良くなかったのかも知れない。

好きだなとか親しくなりたいな、よりも
この人上手いのかなって気持ちが先行してしまう。
自発的に誰かを抱きたいと思った事もない。
だから別にこだわってるわけでもないんだけど、
仲間内では俺はウケ専って事になってる。]
(59) 2020/10/21(Wed) 23:58:58

【人】 サラリーマン 御門 涼司

[けど今年の異動で葛西さんに再会した時、
唐突に随分昔の事を思い出したんだ。

誰から目が離せない感情とか
笑顔が見たいなって小さな希望とか

抱きたいなって欲望とか。]
(60) 2020/10/21(Wed) 23:59:23

【人】 サラリーマン 御門 涼司

[酔っぱらって泊めてもらっただけで
何だか分からないけど朝食もご馳走になって、
片付けが終わってしまえばここにいる理由なんてない。

別に何か期待してるわけでもないんだけど、
ただもう少しだけ一緒に過ごしていたいって欲が出て
何て声をかけようかって悩んでいたら
トイレ掃除の合間に顔を出した彼が
映画を流し始めたからこれを理由にさせてもらう。

まだいんの?とか言われたら
職場での悪意のない顔で「見たかったんですよこれ」とか
適当に言って居座ってしまおう。

でも予想とは反対に何か俺なんかいないみたいに
相手はまるで俺を意識しないで過ごし始めた。
チャプターだって勝手に飛ばしちゃうし、
いや自分の家なんだから好きにしていいんだけど
俺って異物をまるで気にしてない感じで
ここに俺がいるのが普通の事みたいな――
まだいても迷惑じゃないんじゃないかって思えてくる。]
(61) 2020/10/21(Wed) 23:59:51

【人】 微睡む揺籃 アリア

──1週間後(その2)寝所──
>>43
[ この城の住人、魔に従うもの達はみな、メイベルの意を察して動くことが根底にある様子で。とすれば彼女が言うのも>>43無理からぬことかもしれない。
 一蹴されはしたけれど、あ、と反論を思いつく。]

 あぅ。
 そ、それは……敵とか。主人公、とか……?

[ 自信なさげな口調になってしまった。
 この世界のどこかでもう存在しているのかもしれないけれど、転移の魔力で各地を飛び回るという妖魔に聞いてみても、人間の国にしばしば入り込んでいるという淫魔に尋ねても、それらしい兆候は無いようだったし。

 そして拙い反論より、重ねての問いかけは>>44
 更に私を追い詰めてくる。]
(62) 2020/10/22(Thu) 0:00:08

【人】 サラリーマン 御門 涼司

[また掃除に戻ったらしい相手を待ちながら
まだ見た事のない途中からの映画に目を向ける。
人気シリーズなのは知っている程度で、
飛ばし飛ばしに見ている程度の映画だから
途中からだと余計に内容が全く頭に入って来ない。

けど誰が主人公なのかは分かるし、
ハリウッドのお決まり的なやつで展開が読めるとこもある。
こう言う映画は何かよく分からんところで
ラブシーンが挟まるって決まりがあるものだ。

ほらね。これ意味あるんだろうか。
そんな状況じゃないだろうよ。緊迫した状態なのに。

ぼーっと眺めていたら彼が帰ってきて
俺はそっちの方が妙に気が向いてしまう。

ほんとにまだいいんだろうか。
迷惑だなって思われてないだろか。

途中からの映画なんてどうでもいい。
ずっと見ていたら不審者だから映画見てるフリするけど
それでも視線は相手に向かってしまって。]
(63) 2020/10/22(Thu) 0:00:26

【人】 サラリーマン 御門 涼司

[そして目が合ってしまった。
熱っぽくて絡むような彼の視線が刺さる。

俺だって子供じゃない。
一夜の相手を求めて夜の街に繰り出した事もある。
だからその目がどんな意味を持ってるか、
十分過ぎるくらい分かってる。
だっておんなじ目した奴、何人も見たし。

わざと、なのか。
わざとじゃないならそれはそれで心配だけど。

駄目だって言いましたよね、俺。
据え膳出すなって何度も忠告した。

それでも分かっててやってるなら
そのつもりだって考えていいんですよね?
俺の妄想なんじゃなくて、それが貴方の意思だって。]
(64) 2020/10/22(Thu) 0:00:42

【人】 琴羽の天狗 時見

[苦肉の策として、
自分が普段着ていた学生服のマントを
彼女の肩にかけたのだった]


 ほら。これでお揃いだ。


[目元で笑いかけ、
琴羽へと手を差し出す。

まずはこの祭りの由来らしい
破牢院とやらに詣でてみようか。

そんな話をしながら、
二人肩を並べ湯煙の温泉郷へと繰り出した。


見るもの、行き交う人々全てが珍しく。
石畳の通り沿いにしばし歩けば────…]
(65) 2020/10/22(Thu) 0:01:03

【人】 サラリーマン 御門 涼司

葛西さん…?

[少しだけ腰を浮かせて今度はちら見じゃなく
ちゃんと相手を見据えて声をかける。]

ひどいことはしないんで、

もうちょっと、そっち行ってもいいですか?

[引き返せるよう、逃げ道は一応用意しておく。
逃がしてあげるつもりだってある。

でも逃げないだろうなって自信はあった。
この色の目は見慣れてるから。

膝立ちで少しずつ距離を詰めて
まるで猫がすり寄るみたいに近付いていく。
鼻先を僅かに擽らせて最後の確認を取ってから
そっと唇に触れるだけのキスをした。]*
(66) 2020/10/22(Thu) 0:01:14

【人】 微睡む揺籃 アリア

 
 ぅ。
 だって、
 み、見ちゃうと……その。


[ 口ごもる。
 これ以上聞かないで、と視線をそらす。
 それでも足りないので俯いた。]


 触りたく、なるじゃない……。


[ どちらかと言えば好奇心や鑑賞したい気持ちからなんだって思いたい。少なくとも何も許しを得てもない、数日前に知り合っただけの相手を裸だからって触りたくなるのは控えめに言っても犯罪的な考え、だと思うし。]
(67) 2020/10/22(Thu) 0:03:00
サラリーマン 御門 涼司は、メモを貼った。
(a5) 2020/10/22(Thu) 0:03:11

【人】 琴羽の天狗 時見



 
破牢院は……
 何処にも存在しない、だと……?



[観光案内の看板を前に、
思わず首を捻る。

てっきり神社か何かの名だと思っていたのだが。

とすれば、この祭りの来歴は一体……?
火のない所に煙は立たぬ。
俺が霊峰より生じた様に、
この祭りの起源もまた、
神に近しい"何か"あるはずだと思うのだが。


そう、首を捻りつつも]
(68) 2020/10/22(Thu) 0:05:28

【人】 微睡む揺籃 アリア

[ けれど、俯いたところで彼女の声が聞こえなくなる筈もなかった。強い言霊の籠もる声、”力ある言葉”が私の顔を上げさせる。]


 ……っ、……うぅっ、


[ 押し止めようとすればするほど、
 メイベルに返事を発しようとする気持ちが強くなる。
 心の中で、数秒のせめぎあい。
 屈せざるを得ないのはわかっていたんだ。]
(69) 2020/10/22(Thu) 0:07:52

【人】 微睡む揺籃 アリア

 
 ……見、たい、……です。

 ……そう、見たいの。
   じっと見たいし、色々な様子を見たいし、

   それだけじゃなくて、触りたいの。
   触ったり、撫でたり、してみたい。

   マルコシアスを従えた時みたいに、
   私、この世界のいろんな存在を感じてみたい……!

[ いつしか手からクッションは落ちていて、代わりに
 メイベルのつま先が私の身体をなぞっていく。
 平らな胸を押す力に少し揺れるけれど、倒れるまではいかず。
 彼女の問いに答えると、その瞳を強い光で見つめ返した。]*
(70) 2020/10/22(Thu) 0:12:52

【人】 琴羽の天狗 時見



 まぁ、見つからぬのなら仕方無い。
 とりま温泉グルメとやらを楽しむか。

 琴羽。
 目を瞑って口を開けてみてはくれないか? 


[そうして彼女の口に放り込んだのは……

1.大当たり!ふかふかの温泉まんぢゅう
2.猫舌には大敵!?あつとろの温泉卵
3.秋の味覚。名物のかぼちゃプリン
4.大自然の味。スライスかぼちゃ
5.琴羽にはこれだろう?俺の人差し指
6.全部いっとこうか!*]
(71) 2020/10/22(Thu) 0:12:52
琴羽の天狗 時見は、メモを貼った。
(a6) 2020/10/22(Thu) 0:15:38

【人】 魔砲少女 シオン

―― 躾タイム ――


  不思議なことを言うのね。


[...は襲い掛かる爪と牙を前に小首を傾げた。
 余裕を持った所作で二度、三度と地面を棒で叩く]


  人間は何でも獲っていくものよ。
  全て、ALL、根こそぎ……。
  持てるエネルギーを全て使い、全てを獲るの。


[周囲にリーマンの姿は既にない。
 逃げ出したか消し飛んだかは不明だが、
 この空間には対峙する私と貴女しか存在しない。

 ...は一等愉快そうに笑い声を挙げる]
(72) 2020/10/22(Thu) 0:16:30

【人】 魔砲少女 シオン

  ふふっ、そんな事も知らないで獲れないと侮る。
  だから貴女は猫なのよ!


[...はまっしぐらに襲い掛かる>>0:87皮の首輪へと左手を振るう。
 それすらもブラフだが同時に概念的意味としては必殺級だろう。
 振るった左手から伸びるはリードだった。
 首輪に触れれば繋がれる。
 自由を奪うリードはカウンター気味に放たれた]


  お風呂は毎日!
  ドライヤーで綺麗に乾かして梳いてあげるわ。


[...は四度目地面を棒で叩いた。
 仕込みは済んでいる。

 ...の影が大きく広がりそれ自体が魔法陣と化していく。
 範囲は広くリードを避けてからでは難しかろう。
 また緑の穂先は爪と牙が襲い易いように振るっていた]
(73) 2020/10/22(Thu) 0:16:43

【人】 魔砲少女 シオン

  おやつならこれをたんと喰らいなさいっ!
 
     
ちゅーる!!

  
<<血餓竜>>



[...は魔力を注ぎ込み、最上級の魔砲を発動させた。
 足元から赤黒い光が漏れ出し影から粘度の高い液状の竜が召喚された。
 竜は最初から咢を大きく開いていた。
 影と地面の境界が盛り上がり、自分諸共その咢の中に放り込む攻撃であった**]
(74) 2020/10/22(Thu) 0:18:46

【人】 怪物皇女 メイベル

――浴室にて(1週間後・その1&その3)――>>38


  ────。


[少ないながら数度彼女の力を見たことはあるが
やはり不思議なものだと思う。
今まで見たことのない力。
魔力を介している訳ではないように見えるのに
世界の法則が書き換わっているように思える……いや、変わってる。]


  ふーん、予言書、ね。
  
  
[>>39近い未来を読み取るものがいない訳ではない。
けれどこの場合の予言書はかなり先のことまで書いている。

私の頭の中に描いていただけの
滅びの黒龍「ソロモン」のことすら
この書には書き綴られているのだから。

ただその結末は
私の吸収であり、そしてその黒龍すら
討ち果たされる運命にある。]
(75) 2020/10/22(Thu) 0:42:27

【人】 怪物皇女 メイベル



  ……ふん。
  気に食わないわね。

  どうしてこの書の内容を恐れないといけないのかしら。


  
[>>40彼女が作り上げた一枚の紙片。
それを手のひらで炙るようにして燃やす。
簡単な魔法であればメイベルであっても使う事ができる。

力の発露のようなもので羊皮紙と同じ材質ではないだろうが
それでもそれを私の目の前から掻き消した。

戯言と称して相手をしないでなく
焼き尽くしてしまうのは
その予言書の力が真に迫ったものだと
メイベル自身も薄々勘付いていたからかも知れない。
そしてその事が更にメイベルを苛立たせた。]*
(76) 2020/10/22(Thu) 0:44:12
大丈夫ですか〜。

[やばいなって自覚はあった。
けど久しぶりの深酔いがふわふわして
思いの外気持ち良かったから自制せずに飲んで、
用を足せばちょっとは酒が抜けるかとトイレに向かった。

そこでちょっと洒落にならない声が聞こえたので
誰だか判別出来ない後ろ姿に声をかける。
返事の代わりにまた嗚咽が聞こえたものだから
さすがに本気で心配になって背を擦ったら
振り返った顔がまさかの見知った顔だったわけだ。

相手がトイレに行っている事も覚えてないくらい
俺も大概に酔っぱらっていたわけで
やばいって思ったのは間違いじゃなかったらしい。]

ほんとに大丈夫ですか?

[心配はもちろんしている。
けど苦しさから薄っすら滲んだ涙で潤む目が
妙に艶っぽくて目が離せなくなっていて、
吐くの手伝いましょうか、なんて口実を口にして
しゃがみ込む相手に覆い被さるように身体を寄せた。]

[唾液でわずかに濡れた唇は滑りが良くて
触れたらぬるりと容易に形を指先に伝えてくれた。
その柔らかい感触にぞくりとして
いけない事をしている気になってくる。

けどそれが逆に好くて濡れた跡を辿るように
唇を何度も撫でて、指は次第に口内へ侵入した。
しんどくて抵抗する気力もないのか
それとも酒で完全に頭がやられてしまっているのか、
彼の唇は俺の指を受け入れるみたいに開いた。

歯列や頬の内側を柔く撫で弄って
その度につらいのとは違う息が漏れるのが楽しくて
吐くのを手伝うって言ったくせに
まるで目的を果たそうともせずにしばらく弄ぶ。
その度に唾液が溢れて余計に酷い有り様になった。

そのうち指じゃ物足りなくなって、
気付いたら口を塞ぐように口付けていた。]

[徐々にしんどいのとは違う顔が見えてくる。
可愛いな、なんて調子乗って舌を奥に進めたら
突然強い力で身体を押し退けられてしまった。

やり過ぎたかと一瞬冷静になる。
その上、相手が笑い出したものだから
完全にその気になっていた俺は置いてけぼりを食らう。
けど聞こえたのは想像とは全然違う言葉で。]

はは。うそでしょ。

俺、


男ですよ?

[彼の言の通り、確かにそこは布を持ち上げていて。
素面だったらあり得ない状況に驚いたりするんだろうけど
すでにまともな思考なんてしてないから
自分を棚上げしてからかうみたいな言い方して
主張するそこをやんわり撫で上げてやった。

もっとヤバい事になればいいのに。
そんな悪意が顔を出す。]

[どうやらその悪意は役目を果たせたようで
イエスとしか答えられない問いかけを投げかけられ、
答えを声に出す前に俺はネクタイを掴まれた。

自分からも股間押し付けちゃってめっちゃエロいなあって
可笑しくなってにこにこしてついて行った俺の姿は、
一緒に飲んでいた知人達からしたら特別な事じゃなくて
『憧れの先輩に構われて嬉しそうないつもの俺』程度にしか映ってなかっただろう。

手を恋人みたいに繋いで歩くのなんて
いつもの俺だったら飛び上がるくらい嬉しいのに、
もう頭の中がその先の事ばっかりで
ずんずん先に歩いていく相手がホテルとは別へ向かっても
全然気にしないまま素直に付いて行った。

コンビニのトイレから出て来た時、
彼が割とすっきりとした顔をしていたものだから
もしかして抜けたのかなって少し距離を取る。
正気に戻ってる可能性もある。

けど店を出た途端、やっぱり手は繋がれたから
ああ、まだ酔ってるのかなって安堵した。]

[そのうち相手の部屋らしき場所に連れ込まれて、
もう人目もないんだからって壁に押し付けた。]


…責任取ってほしいのは、俺の方ですよ。


[正気に戻られる前にって気が急いて
貪るみたいに唇を少し乱暴に押し付ける。

今まで自慰だけで済ませてたのに。
貴方はノンケだから想うだけにしとこうって思ってたのに。
エサぶら下げて飛び込んできたのはそっちだぞ。
俺の頑張りを無にした責任取ってくれよ。

…酔ってる間だけでいいから。

持っていたコンビニの袋が足元に落ちて、
中に入っていた避妊具の箱が零れ落ちたけど
今すぐ必要じゃないやってそのまま捨ておいた。]*

【人】 怪物皇女 メイベル

──浴室にて(1週間後・その3)──>>41>>42


  まだ慣れないの?
  別に裸で居る人間もそちらには居るんでしょう。

  それにオンセン……と言うものに入る時は
  裸なんでしょう?


[この泉は冷たい水だが
彼女の世界だと暖かい湯に入る習慣があるのだとか。
その際に突っ込んで聞くと、オンセンに入る時は
裸で入るそうだし。]
(77) 2020/10/22(Thu) 0:57:20