人狼物語 三日月国


202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】

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[とはいえ、身を任せろ。といった当人としては黙っているなんてできるものじゃない。
少なくともミツキから歩みよろうとしてくれているのだし]

 …空じゃ周りの目を気にする必要なんてない。自由だしなぁ。

[遠い景色を映すように視線を細める。
元気になって、あるいは開き直って叫ぶミツキを軽く首を傾けて見て]

 旅して楽しかったことはやっぱ色々変わったものが見えるとこだな。
 さっきもいったが今から補給のために降りる浮遊都市はな、凄い高い山からでっかい滝があってな。その水の上に浮かぶように人が暮らしているんだ。

 まぁそこはこれからいくからその時の楽しみっていうのでいいが、住んでる都市…というか土地に合わせて発展してるってのは見ていても楽しいな。

 似通った土地もあったがやっぱどこか違うってのは行く先々で飽きさせない驚きがあったな。

 ただ共通してるのは、空を移動する術の発展だけは行おうとしているところだ。
 俺も元々そういうところで働いていたからわかるんだよ。他所とやりとりしないとこれ以上できることが増えないのはあるからな。植物の種のやり取りから技術の交換がやっぱいるな。ってな。

 それに…いっちゃなんだが浮遊都市がなんで浮いてるのか。正確にわかっているやつもいないだろうからな。外界への行き来もあるが飛べる手段ってのはどこも大事だって思ってるみたいだ。

[そういった未知の部分が目に見えて多いからこそ、別世界からきたミツキという存在を受け入れる下地になっていたのだろう。

と、世界の説明と絡めて自分が工場で働いていたことを話していき]

 そういやそっちじゃどうか知らないが、この世界じゃ能力を持って生まれてくるやつがいる。
 油汚れを落としやすい。とか、木材を均等に切れる。とかそういう感じのだけどな。

 俺もそうなんだぜ。俺の場合は風詠みだ。まぁ、風を少しだけ操れたり風の流れがなんとなくわかったりするぐらいのものだな。

 そういう力ってな訓練が必要なんだよ。

 で、俺も当然訓練したんだ、どうやったと思う?

[なんて聞いてみつつ、多分当たりを引き当てることはできなかっただろう、悩むようなら少しだけ待ってみたりして、その後、正解と口にする。]

 正解はスカートめくり。
 いやぁ、出来ないかなぁと思ったら少しだけ浮き上がらせてな。
 といってもそんな強い風を操れるわけじゃないからめくれるまでは結局できなかったんだけどな。

[そんな昔のエピソードを口にしながら、空の旅を続けるのであった*]

 
  うるせェよ……昔は飲めたんだ。


[可愛らしいと揶揄われ、楓はぼそりと抗議した。
 『昔』が何を意味するかは彼女ならわかるだろうと補足しないまま、用意してもらったカップに手を伸ばす。
 カップに何が描かれているのか、この暗がりでは楓には見取ることができなかった。元を知っていれば白い筋が何なのか想像がつくのだろうけれど。

 床で膝を抱える彼女をちらりと見下ろしながら、カップに口をつけた。慣れない芳香に混じって、アルコールの匂いが微かにあった。これだけ少量なら気分を悪くすることは無いかもしれないが、酔いを感じる可能性はある。
 人狼に成ってからというもの、極端に弱くなってしまったから]

[彼女の『怖い夢』の話に、じっと耳を傾けた。
 見慣れた人が深い水底へ引きずり込もうとする夢……。

 自分の悪夢が『殺す夢』なら、
 彼女の悪夢は『殺される夢』なのだな、と内心で思った。
 それがそのまま最も恐れることなのだろうか。

 同意を求めるような視線に気付くと、楓は暗がりの中でじっと彼女の瞳を見つめ返す。その瞳の色がどうなのかは、今は記憶に頼るしかない]


  ……オレがあの夢の話したのは、椿だけだ。
  だからまだわかんねーな……。


[人に話すぐらいで見なくなる夢とは思えなかった。それでもいくらか気が楽になったと感じる部分はある。
 彼女には、今まで誰にも話せなかったことをいくつか話している。楓にとって、自分が人狼であることを明確に明かしたのは二人目。心の内をこれだけ語れた相手は初めてだった]

[カップの中身をちびちびと舐めるように飲んでいるうちに、だんだんと体の芯に熱が灯されるような感覚を得始めた。ほんの少し混ぜてもらったラムによるものだろう。
 同時にどことない怠さを感じ、改めて自身の変化が身に沁みる。彼の喉からは自然とため息が漏れた。

 一方で、動くのが億劫なのはほどよい加減とも言える。
 今から何かする気は起きそうにない。
 外をうろつく気も、……労力のかかる食事をする気も。

 彼女の様子はどうだろうと隣の様子を窺った。
 進んで『毒』を口にするぐらいなのだし、自分より弱いことは無いだろうと思いながら]**


 へぇぇ、なんか想像力の限界を超えてくるなぁ。
 滝があるのに水の上に住んでたらびしょ濡れになりそうだけど……なるほど、これからのお楽しみってわけね。

[ならまだ突っ込まないでおこう。
一眼レフカメラでも持ってくれば良かったとまで思ったところで、ポケットのスマホのことを思い出す。
昨夜の時点で電波は当然のように通じなかったが、カメラ機能ならいけるかもしれない。]

 それもそうだよね。
 日本も昔は鎖国って言って、他の国と交流しない!とかやってた時期があるらしいの。
 でも独自の文化は生まれやすいだろうけど、発展に関しては難しくなっちゃうんだろうなー。
 
 そうそう、私の住んでた日本も島なんだよ。
 空じゃなくて、海……湖の大きいやつに囲まれてるの。
 昔は船……はここにもある? そう、船が必要だったんだけど、最近では海を飛行機でも越えるようになってて――。

[そんな風にお互いの文化を語り合う。]


 いいじゃん、空の自由への発展を諦めない! かっこいい。
 アスルさんも目指すもののために頑張ってるんだ。

 でも工場は辞めちゃったの? 旅のため?

[そこは素直に気になって聞いた。]

 えっ、住んでるところがなんで浮いてるか分かんないの?って思ったけど、私も地球の内部とか理解してないや……。

[帰ったらまず幼馴染に聞いてみよう。
それからふたりで検索するなり本を探すなりしようか。]

 不思議な力、……持って生まれた能力?
 そういう感じなんだね。

[自分の世界でいう霊感なども当てはまるのか分からないが、また種類が違いそうにも思える。
興味深そうに身を乗り出すように聞いていた。
油汚れを落とす力は正直便利そうでいいなって思いつつ、髪を上手に洗えるとかがあったらどうなんだろうなぁ。]


[武藤とは幾度幾度も身体を重ねてきた。

当然、慣れてないわけでもないのに、ここ最近、していると涙が止まらないことが増えてきていて。

それはきっと、身も蓋もない言い方をすれば"きもちよすぎるから"なのかなとは思っている。

でも、過ぎる快楽の他にも、幸福感だったり、安心感だったり、色々な理由が絡まり合っている気はしていて。

最初のうちこそ武藤を狼狽えさせてしまったけれど、今はむしろ、どこか嬉しそうな顔をされてしまうのには、泣き顔の私なんてかわいくも綺麗でもないだろうにな?とは思ってしまうのだけれど。]

 …………ぇ……?

["昨日の夜もしたかった"、と

武藤の言う"かわいい"が"好き"と同義なのは知っているものの、でも、言葉を交わして2日足らずでそれは早くないかな?と一瞬、戸惑ってしまった。

いやでも、あの美術館で告白されて抱き締め合って、キスまでした(された)のはもっと短い時間でのことだったんだっけ……と思い返せば、そういう思いに時間の多少はあまり関係ないのかもしれない。

…………いや、でも、やっぱり早いよね?とは。]


 ……ッ……ぅ、く……っ……ッ、

[このコテージは一戸建てだし、すぐ隣に別の棟が立ってるわけではないから、さほど声を殺す必要も無いのかもしれないとは思いつつ、それでもつい、声を殺そうとはしてしまう。

奥を突かれる度に涙はぽろぽろ零れてくるし、口から漏れるのは、獣の吐息じみた、ふー、ふう、というものばかりになってきて。

食い縛る風な吐息が増えてくる頃には、身体が勝手に頂点を求め始めてしまうのは、もういつもの事だった。

ずくり、と、胎内の奥が重く痺れた風になって、武藤のを搾り絡め取ろうとばかりに、蠕動するように蠢きはじめる。]

 ッ、ぁ……っ、ひ、ぅ……ッ!

[武藤のものを己の身体で勝手に強く締め付けて、それに感じて身悶えしてしまう始末。

自分の身体の内側がぜんぶ武藤で満たされてるみたいな感じがして、それもね、大好きな感じだったりするのだけれど。]
 


 ん、……っぅ、ん……すき……、だい、すき……。

[とら、すき、と。

壊れたプレイヤーのように繰り返して、揺さぶられるままに足を大きく開くと、明らか、水音が増しつつあった。

自分がこういう時、どれほどに身体の裡からどろどろに溶けているのかも、もう当然のように知った感覚だったし、きゅう、きゅう、と不規則に武藤を締め付けようとする速度もまた、増していく一方で。]

 …………ッ!?は、ぁッ…あ、ん!

[ぶる、と身を縮めるようにしながら大きく震わせたのは、武藤の犬歯が首筋に食い込んだ直後のことだった。

瞬間、身体の毛穴が全部開いたような感覚と共に、びく、びく、と瀕死の獣のように太腿や腰が跳ね上がる。

もうすぐ、という予感はしていたものの、予兆をほとんど伴わなかった絶頂。
驚いた風に見開いた目は、世界が滲むばかりでもう何も映しはしなかった。]
 


 え、訓練なんでしょ?
 
[突然のクイズに顎に手を当てて考え込む。
口をへの字にして、しばらくの間。]

 凧揚げして風を操作してなんとかとか?
 旋風で洗濯物吹き飛ばすとか?
 あ、いっそ、人に羽根くっつけて飛ばしてみたとか!

[真面目な回答は最初だけだった。果たして正解は――。]


 ……最っっ低! 小学生男子か!

[思いっきり突っ込みを入れたのだった。*]


 ぁ、ゃ、わた、し…………?!

 ッ……ぅあ!や、やぁ、ん……ッ!

[呆然と、"私、イッちゃったの?"という言葉を口にする前に、武藤も状況を悟ってくれた風ではあったけれど、でも彼の側も限界が近かったらしい。

引き攣るような収縮が続く中、それを捻じ伏せる風な荒い抽挿が幾度かあって。

刺激の強さに視界が真っ白に染まってしまう中、最奥で熱が弾けるのを微かに感じた……気が、する。


私は、どうやら色々と限界に来ていたらしく。

早鐘のようにがなり立てていた己の心臓の音が、武藤のと共にいくらか収まろうとしていく中、意識をするりと手放してしまったのだった。]

 ご、め……も、げんかい…………。

[それだけはなんとか告げられたかな。
でも、おやすみなさいは、言えなかったよ。**]

 そう聞くと世界は違ってもそういうところは一緒なんだな。

[他の国と交流しない。ということをしていて発展がしづらい国。
空の変わりに海――大きな湖のようなところに囲まれたニホンという国。
そう聞くと、自分よりもペルラがいってみたそうな場所だなぁ。などと思いながら、自分が喋るぶん、ミツキの世界の話も聞いていく]

 工場やめたのは旅のためでもあるし、やりたいことのためだな。
 実は今な、うちの故郷にある資源と交換して得たものもって帰ってる最中でもあるんだ。ひとまず今はそれを工場に持ち帰るってとこだ。

 まぁそういう意味じゃ故郷に帰るところでついでにミツキを拾ったって感じだからそこまで負担っていうわけじゃないぞ。

[素直に聞かれたことを応え、ついでのように故郷に帰るつもりだったこと途上だったという。だからこそアスルがいたところは故郷に近かったというのもある。]

 いや、その小学生ってのはわからねぇけど、まだ十歳にも満たない頃だぞ。

[どうやら最低だったらしい。とはいえ素直な感想としていたのだろう。堪えた様子もなくいって―――]

 ぁ…そういやなんだが、今からいくとこな。
 全裸に近い男性や女性が結構いるんだが……ミツキは大丈夫か?

[なぜかというと、水の上で生活しているため濡れてもいいように。というのもあるが泳いで渡ったほうがはやいとかある人も結構いるのだ。自分も驚いたなぁ。などとミツキへと説明する。
別に彼らは生活しているだけでいやらしい感じはしなかったが、上半身を羽織るだけでいた自分にすらあの有様なんだが、大丈夫か?などと聞くのであった*]

[旅に出た理由や帰路の途中であったことを知る。
これからアスルの故郷の島へ向かうんだね、と頷いて。]

 10歳以下ならまぁ小学生か……。

[小学校については軽く説明したことだろう。]

 分かった、好きな子のスカートめくろうとしてたんでしょ。

[軽い口調で、あくまで冗談っぽく流すと。]

 
 え゛ぇ……!?

[全裸に近い、ですって?]

 …………いや、まぁ、そういう文化なら否定しないし。
 郷に入っては郷に従うって言うし……。

 大丈夫、うん。目は逸らすと思うけど。
 あと私は脱がないです。脱げないです。

[胸に手を置いて深呼吸。]

 ま、まさか……アスルさんもまた真っ裸になるの!?

[その可能性に行き着いて、途端に真っ赤になった。
住民100人の全裸よりこの人の全裸の方が困る!*]

[そういう学ぶ施設があるのか。
文字を教わったりするのは自分たちはお年寄りの仕事だったな。などといいつつ]

 いんや、同世代ってだけで誰かという特定はしなかったぞ。

[好きな子といわれたときに一瞬だけ眉が寄ったが、すぐに切り替えてその時のことをいう。性差とか意識している頃でもなかったので、練習だったしなーと軽くこちらもいいつつ、次にいく島での憂慮すべきところを聞いてみたが]

 いや、脱がなくていいし、俺も脱がんよ。
 ってかまたもなにもあの時は水浴びしてたんだから脱いでて当然だろう。
 それに泳げるけど荷物持ちながら泳げるほど上手くねーしな。

[あくまで泳いでの移動ならばというだけでそうじゃない人間はそこで住む人間も服を着てるのである。

――と、ミツキが慌てているとこが根本的にはずれているアスルであったが]

 他所の文化に対して文句とかいったり騒ぎにならないならいいんだが、一応な。

 丘の上に発着所があるし、風景もそこから見えるから大変だったらそこで待っていてもいいぞ。宿泊もどこか小島に泊ればいいだけだし、無理する必要はないからな。

[目を逸らして歩くのは歩くのは大変そうだし、やらなければならないことじゃないからな。というのであった*]

 ミツキ、そろそろ着くぞ

[そうやって喋っているうちに太陽の位置も変わっている。時間も結構経ったのだろう。

開けた視界にはぼやける大きい陰のようなものが徐々にくっきりとしてくる。

目立つのはやはり島の中央にある一際高い山だろう。そこから四方に降り注ぐ滝の水により島の半分以上の面積をもつ巨大な湖を作っており遠目に見ても色合いとして水色が多く、島からは更にその外へと水を垂らすようになっている。

そんな湖の上に丸太を繋いで水上都市として機能させており、湖の外周部には畑や牧場があり、発着所といっていた丘もその近くにあった。

と、風景を楽しむように島へと近づいた後はスピードを落とし、緩く周りを見れるように巡航をしてみせながら高度は徐々に下がり発着所のほうへと向かう。]

 そろそろ背中にしがみついてくれ。降りるからな。

[そうして背中にしがみつくように促すとハンドルごと体を傾けて、スピードと高度を落としながら旋回すること数周。
身体を傾ける角度が真っ直ぐに戻ったころ]

 着地するぞ。手摺につかまれ。

[ミツキへと促して、慣性だけで動いていた飛行機は着地の時だけ身体を揺らす衝撃を出しながらも、無事に動きを止めるのであった。

なお、指示したときの動きが鈍かったら、事前にいっていたように抱き寄せられることになったが、ミツキはどうだっただろうか**]

[そうやって身を寄せた時、深江が促すように顔を近づけた。そういやそうだ、と鼻先でつつくように唇に触れると、自然に口が開く。長くざらついた舌が深江の口内に入り込み、気を唾液や舌や息ごと絡め取るようにして喰らっていった。
 効率で語るなら血肉を喰らうのが最も早く保ちがいい。時間を気にしないなら何時間もかけて体を寄せてじっくり気を奪えば良い。だがこれはそのどちらにもあたらない方法だ。
 深江に痛みの負担もなく、傍でちまちま奪うよりも早い。合理的な手段である――多分、最初はそういう感じだったはず。

 “人”に慣れた今となっては、これがどういう意図のものか理解しているし、食事と異なる意味で交わすこともあるが……まあ、今は飯だ、今は。
 明日もあるからと奪いすぎないように、あくまで一食の範囲で気を吸って]

 ごっそさん。

[二人分の口元をべろりと舐め、ふすと鼻を慣らして深江の首筋に顔を擦り付ける。片足を引っ掛けてこちらに倒れ込ませ、丸まる体の中にしまいこんだ。
 先の白い尾で包み込みながら、ごろりと転がる顔を覗く]


 ん?
 ……血出とるんか。どこぞ引っ掛けたか?

[鼻を鳴らしたのは薄い鉄の匂いを感じてのこと。少々低くなった鼻をすんと鳴らして元を辿ると、親指の腹が僅かに裂けている。傷は浅いが、元からそうなのか、治りつつあるからかは一目見ただけでは判別がつかない。
 これが自分の寝相と関係があるとは露知らず、不思議そうにしながらも傷跡を舐めた。文字通り舐めれば治る傷だ。朝ごはんのつまみぐい程度のもので、心配には値しない。
 そして近づきがてら、唇も舐める。ふ、と口を緩ませて触れ合わせただけの他愛ない挨拶だ]

[昨日の夜もしたかったと告げたら不思議そうな顔をされて、思わず頬に添えていた手で抓りそうになってしまった。

オレも健全な男子なので?
好きな子に抱きつかれて同じ布団で一晩過ごすとか、そりゃあそういう欲求は湧くというもので。

泣きじゃくってるとこにそんなことは出来なかったのもあるし、告白もしてないからという諸々の事情があったからというだけだ。

美術館の夢から還ってきた日の夜、病室のベッドで最後までは出来なかったけど、許される状況ならしていただろうことを考えれば経過時間的には似たようなものだと思う。

柚樹はその辺の認識が甘いから警戒心……といつも心配になる。

それとは別かもしれないが、何だか以前のような“女として私なんか“的な状態に戻っていることに、モヤモヤしたような気持ちを抱いていたことを察せられていたとは此方は此方で気づかないまま。

求められて繋がった後には、そういった機微にも頓着出来ない状態にはなってしまっていた。

溢れている涙の理由の全ては理解出来なくても、過ぎた快感を拾っていることが要因のひとつであることは見てとれたし、柚樹がそんな風になるのはここ最近のことではあったから。

巻き戻っているような様子のことは一旦どこかへと行っていたのもあるかもしれない。

柚樹の心が身体に追いつかないみたいな状態は、前にも一度あったから、それならあの時みたいに怖くなくなるまで抱けばいいのかなって。]


 ……っ、ふ……、声、だしてもいいのに、

[押し殺しているような声に、そう溢しはしても、出してと言われてなかなか出せるものでもなかったかもしれない。

何かを堪えている様子で漏れ聞こえてくる吐息も、胎内の拍動と合わせてよく知るものだったし、興奮を煽られるものには変わりはないのだけど。]

 く……ッ、ぅ……、
 あんま、締められると、すぐイきそう、だから……、

[これも言われたところでどうしようもないのはわかりつつ、一度目は大体早々に達することが目には見えていても、少しでも長くこの快感の中に溺れていたいと思ってしまって。

それに、柚樹のえろいとこもいっぱい見たいし、なんて。]

[“すき“と言い募られるのも、呼ばれる愛称にも昂りが増すばかりでは、限界がくるのは早そうだった。

雄を搾るように蠕動を始めた内壁から逃れるように中を擦り上げ、擦り下ろしても受ける刺激が加速するだけだというのに、快感を追っているのか堪えようとしているのかもわからなくなってくる。

せめて柚樹がイけてからとは僅かに残った冷静な部分でなんとかもっているようなものだったから。

中の挙動からそれも近いとは感じていたのだけれど。

“刻んで“と言われて反射的に噛みにいってしまったのは短絡的だったかもしれない、とは。

何も物理的に刻む必要があったかはともかくとして、その行為は達する時の癖のようなものだったし、ここ最近は柚樹の方もそれが引き金に絶頂を迎えることがあるのも知っていたことだというのに。]

 ……ッ、ぐ……、

[肌に歯が食い込んだ瞬間、吐精を訴えるように膨らんだ雄芯を強く搾る痙攣を内壁が返して、喉奥から、ぐる、と唸り声のようなものが漏れる。

困惑したような声が耳に届きはしたものの、衝動的に大きく跳ねた肢体を押さえつけて掻き抱くと、跳ね上がった腰を縫い止めるように引き抜いたものを荒く深くへと穿って。

達している最中の胎内を暴く摩擦の刺激に響いた嬌声を気にかけてやる余裕もなく。]


 ───ッ……!

[首筋へと歯を立てたまま開いた口から唾液が溢れるままに荒い息を吐きながら、幾度目かに奥を突いた先で、びゅく、と熱が吐き出されるのを感じていた。]

 ハ……、ぁ……、
 ゆずき、だいじょぶ……?

[繋がった先では断続的に精が吐き出され続けていたけれど、我に帰って問いかけた先、あまり大丈夫ではなかったらしいとは惚けたような表情からも見てとれて。]

 ……ん……、おやすみ。

[限界を訴える声に軽く唇を重ねると、微かな寝息が聞こえてくるまでに時間はかからなかった。

刺激が強過ぎて意識を飛ばすようなことはそうそうないものだから、これは眠気が限界にきただけだろう。

無理をさせてしまったことを内心で謝りつつ、また昂ってしまわないうちにと腰を引いた。]

[ずるりと抜け落ちた陰茎の先、脚の間から溢れてくる白濁を柚樹のかけていたタオルで拭き取ると、一度身体を離して。

抱きしめたまま眠りにつきたい気持ちはあったものの、風呂入らないと、とはいくらか冷静になった頭で思い出すことはできたので。

柚樹に布団をかけてから、そっと額に口付けるとベッドから降りてバスルームへと足を向けた。

装飾品は左耳の上のピアスと指輪以外は外してからシャワーを浴びて。

煙で燻されてた髪や汗ばんだ全身を洗い流すと、頭を冷やして大人しく寝られるように気持ちを落ち着ける。

寝間着に着替えて髪を乾かすのもそこそこにベッドまで戻ると、膨らんだ布団と空のベッドを交互に見てしばし逡巡した。]


 …………、

[なんもしないから大丈夫。
それに、裸のまま一人で寝るのは風邪ひくかもしれないし。

夢の中でも風邪をひくかはわからないが、せっかく着たスウェットを脱いで膨らんだ布団の方に潜り込んだ。

直肌の方が多分温まるし……って雪山でもないんだけど、その方が心地良いかなってだけなんだけど。一応下着は穿いてるので……。

巻き戻っているような感じは治っているだろうかと寝息を立てる顔にそっと口付ける。
朝起きたら確かめてみた方がいいだろうか。
聞くのもな……、と思えば、唐突に胸を触るとか、さすがに怒られそうなことしか思い浮かばなかったので寝ることにした。

布団の中で柚樹の身体を抱きしめると、頭に浮かびそうになる邪念は振り払って瞼を閉じた。

柚樹の方が早く目を覚ますとは思うのだけど、朝を迎えて声をかけられても抱きしめた腕をなかなか離そうとはできなかったかもしれない。

顔やら何やらを擦り寄せてしまうのはいつもの挙動としても、おそらく起きてすぐにシャワーを浴びたいだろう柚樹の邪魔をしてしまいそうなことは申し訳ないのだけれど。]**


["私はそういう風にはならないから"という自分基準で考えてしまうものだから、私は"健全な男子心"にどうにも疎いみたいで、武藤をさんざんやきもきさせてしまっているらしい……とは、自覚しているような、していないような。

でも、だって、昨夜の自分を昨夜の武藤が、そこまでそんな風に思っていたなんて、ぜんぜん、ほんとうに気付かなかったんだよ?

それを否定しているわけではないけれど、"声出していいのに"とか"あんま締められると"なんて言葉 には、でも、だって、と告げるように首を振る。

"刻んで"と譫言のように口走っていたのは、自分でもどんな意味で、どんな風にしてほしいと思ったのかは定かではなかったけれど。

けど、首に食い込んで来た歯には、懐かしいような、切なくなるような、深い安堵を覚えていた。]