人狼物語 三日月国


202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】

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[名前を聞かれてハッとした顔をする。
そうだ、名乗り忘れていたと今になって気付いたのだ。

……だって、顔が似てるんだもの。
自分の名前を知られている気がなんとなくしてしまって、そのせいだって心の中だけで言い訳しておく。]

 私の名前は、天原珠月っていいます。

[喋りやすいようにと言われたが一先ず敬語で。
座ったまま背筋を伸ばし、膝に置いた手をぎゅっとして。]

 アスルさんの名前からすると……ミツキ・アマハラって言った方が分かりやすいのかも。

[どんな呼び方をされても気にしない、と此方は返しつつ。]

 おいって名前じゃないから、それは嫌。

[そういうところはキッパリと言う性格。
まだ知り合って間もない男性と、見知らぬ場所で、他に人も居なさそうで――強い態度に出すぎるのは普通なら控えるところだが、アスルという人には自然と出てしまう。
やはり幼馴染とそっくりだから、か。]


 ……えっ、私のこと……受け入れてくれるの?
 結構な面倒ごとだとは思うけど……。

[ぱちぱちと目を瞬かせる。
受け入れてくれないと完全に路頭に迷うから困るけれども、出会った当初から彼の様子はどこかやる気がなさそうというか、気力がなさそうというか、正直に言うと、何か悲しいことでもあった後なのかなーという感じがしていたから。

自分の拙い説明がどう伝わったのかイマイチ分からないが、アスルにはなにか納得がいったのだろうか。
あの女性の存在が大きそうには思える……かな。]

 身を任せる……?

[何がどうしてそうなるんだ、とはまず思った。
けれどアスルの神妙で真っ直ぐな眼差しに、変な考えは見えず、レンズ越しでもないその色はなかなか心臓に悪い。
知らず知らず息を詰めたせいで首や顔が熱くなる。]


 えっ、私もあの飛行機に乗っていいの?

[しまった。
こんな事態なのに声が弾んでしまった。
なにはしゃいでいるんだと冷めた目で見られないだろうかと、決まり悪そうに首をすくめて。]

 そっか、アスルさんが運転するんだ……。
 これは映画やアニメの中じゃないんだもんね。

 …………。

[信じられるか、と問われているのだろうし、信じられないなら危険だ、と前もって教えてくれているのだろう。
彼自身に危険が及ぶのがあるとしても親切で丁寧だ。
飛行機を見て、アスルを見て、空を見上げて、握り拳で深呼吸をし始める時点で乗ろうという気持ちは固まっていた。

助けが来るまでじっとしているわけにもいかない、だろう。
何日かかるか分からないのだ、ここで野営しているアスルをずっと引き止めるわけにはいかないのは分かる。
ならば信じる信じないよりも覚悟せねばに意識がいっていた。]

[だって、絶対に帰らなきゃいけないのだ。
何があっても、何に耐えてでも、諦めないで、あの女の人が無理でも自分で方法を探して、元の場所に戻らないと。

――幼馴染のとなりに。]


 ……っ、大丈夫って。

[実はよく覚えている、出会ったときの幼馴染の台詞。
言い方だって少し違うし、あの頃の幼馴染も今考えるとまだまだ小さな子供で、きっと必死で言ってくれた言葉で。
アスルのようにあやすような響きではなかったと思う。
なのに、やっぱり声が似ていて。幼馴染に、会いたくて。
似ているから安心しかける自分が、何だか嫌で。
こみ上げる泣きたくなる衝動に耐えるため、しかめっ面をしてしまえば、アスルはどう受け取ることだろう。]

 信頼って、そんな簡単にできるのか分かんない、です。
 ……でも今、一緒に飛行機に乗るの怖いとか嫌とか思ってないから、……そりゃいざとなったら怖い気持ちは湧くかもしれないけど我慢は頑張るし、迷惑はかけないようにできるだけするから……よろしくお願いします。

[自分なりに誠実に答えたつもりだった。]


 あと、そのー……。

[ちらっと見て、逸らして。]

 信頼される要素がないってことはない、と思うので。
 アスルさんはそんな風に言わないで良いです。

 ちゃんと私の話を聞いてくれるし、真っ直ぐ目を見てくれるし……おかげで、私は少し落ち着けているから。

 ありがとうございます。

[微妙に照れくさくなってきて、地面に足先を擦る。
お礼はちゃんと言わないといけないのに。]


 それと、えっと。
 ちゃんと覚えてないんですけど、そのテントをぐしゃぐしゃにしちゃったの、落ちてきた私ですよね?
 
 ごめんなさ……あ、ああ!?

[急に一緒になって思い出してしまった光景があった。
近づいてくる地面、テント、近くの人影、ピントが合った瞬間に見てしまったのは――いやいやまだぼけてたけど!]

 な、ななな、なにも他は見てないんで!
 とりあえずその! 上着の前! 閉めてください!

[急に立ち上がると、勢いよく後ろを向いた。
幼馴染とあれだけ一緒に過ごしてきて、部屋着もパジャマ姿も嫌というほど見てきたが、下着姿もない、はずで。
なにかに絶望したかのように頭を抱えるのだった。*]

 ならミツキで。

[おい。というのは名乗らかなかったらの場合で教えてもらえれば違うのだ。
ただ彼女がアスルさんと呼ぶ声は、親しんだ声なのに他人行儀で、ほっとするような居心地の悪いような感覚はある]

 受け入れるも何も、そもそもこうして旅の最中に遭難したやつがいたら助けるってのは倣いでもあるからな。嫌がらない限りは近くの島にまでは送るつもりだったぞ。

[その手を跳ねのけるならば別だが、そうでなければ誰かの頼み関係なく近くには送っただろう。ただ全部面倒をみるかというと話は別だが。とまでは言わずに驚いた様子のミツキに苦笑交じりに返す。]

 いや、乗っていいっていうか…ああ、そういう感じか。

[困ったようにいいかけた言葉は途中でとめて、少し納得する。自分が壮大な迷子といってみたのは気取ってみたつもりだったが、案外本当にそういうもののようだ。

俺が運転するという言葉には鷹揚に頷いて、それで待つ。
もしも彼女が嫌だというならば――と考えつつも、ミツキがどう判断するか慌てることなく焚火の土台の上にヤカンを置いた。

そうして少し待っている間、ミツキの目が―――ペルラのようにとらえるならば覚悟を持ったようなものへと変わっていくのが見て取れる。]

 ほどほどに自信とやる気があるなら十分だ。それに素直なのもいい。

[変に自信満々のやる気満々でも、逆にまったく自信なくて嘆かれても困る。ペルラからのように無償の信頼を得られるほうが稀なのだ。

途中表情がおかしかった気がするが、自分が大丈夫。なんていうのは似合わなかっただろうと自己納得することにして、強気なようでちゃんと礼儀正しい態度をとるミツキを見て頷いて]

 いきなりやれ。なんていわないしやりかたは教えるから任せておけ。

[実際二人で乗るなら彼女にも協力してもらうときが出てくるだろう。まぁそれは二人乗りだから仕方なしにというのはありつつ、おそらくもっと色々必要なことがあるのだろうなぁ。などと思う。あくまで想像が合っていればだけど、と思たところで次の言葉には、予想外で少しの間固まった。]

 …………そんなもんか。

[自分の対応で落ち着けたらしい。自分でも自覚しているが、投げやりな態度であったとは思ってもいる。
だから納得しているとはいわないが、ミツキにとってはそういうものなのか。という風に受け止めて]

 礼は、色々上手くいったらな。

[自覚がない事柄なので、まぁ後でな。というようにお礼の言葉は保留するような言葉を口にした。]

 ああ、最初はテント潰したことに腹立ったがどうしてそうなったのかわかったから気にするな。怒っていない。

[水浴びしていた時だ。当然ながら裸だった。
そして大切なイヤリングをなくすわけにはいかない。テントにいれていたのだが、それが呼び水となったのだとミツキの話からわかったんだが、なんか思った以上に狼狽しており、首を傾ぐ]

 いや、こんだけしてりゃ十分だし、いちいち気にするなよ。

[だらしないようで実はしっかりしていたミツキの幼馴染と違って、この辺りだいぶ大雑把なアスルなのであった。

後ろを振り返り頭を抱えるのをみて、これからしばらく大変そうだな。などとは思いつつ、開けていた前を閉じた後に、もういいぞ。と声をかける。]

[その後は、気にしていたようなのでミツキも誘ってテントを元に戻す。
一人だと手間な作業だが、真ん中がぐしゃっとなっただけなので紐を引き直して整えるのも二人がかりだとすぐに終わる。
そして荷物からコップをもう一つ取り出した。沸いたお茶――少しだけ懐かしく蜂蜜を少しだけいれたお茶をミツキへと渡してお茶を飲みながら]

 眠たいかもしれないが少しだけ話をさせてもらうぞ。

 おそらくだが…ミツキは俺たち風にいうと御伽噺の世界の人間とかそういう類のやつだ。

 意味わからんかと思うが実際そういうのだと思うぞ。

 ミツキは飛行機に自分も乗っていいんだ。っていってただろ?この辺りでの移動は全て飛行機ってのが常識だからな。乗らないならここで暮らす以外の選択肢はないって感じだ。

[どれだけ遠くても恐らくそれだけは常識だろう。と確信をもっていいつつ]

 昔色々あったらしくてな。大地で住めなくなって、俺たちは浮遊する島に移り住んで暮らすようになった……って古い本にのってた。

[大雑把ながらその辺りを成り立ちといわれているものを説明する。
それからは浮遊都市で人は暮らしている。地続きで都市と都市は繋がっておらず移動は飛行機でいくもので危険がつきものなのだ。とか。
だからミツキが上から落ちてきたときに飛行船とか飛行機から落ちてきたと思った。等と付け加えたりしつつ、何か質問があればいくつか応えはしただろう。]

 それと、当面だが向かう先は決めてある。

 不思議な空間で、ミツキに似たそいつに、なんとかする。って言われたんだろ?

 ……そいつの力が通いやすい場所を知っている。

[安全確保、もあるが、そこに導いてほしい。というのもあったんだろう。とは内心だけで呟きつつ]

 もしミツキが戻れるとしたら、正直いって今のところそこ以外浮かばないからな。だからそこに向かうがそれでいいな?

[そいつ。とペルラの名を頑なに口には出さないまま、方針を伝えた後は、寝るときはテントを使え、俺は外で寝る。というのであった*]

[そうして翌朝。
火を起こし―――その仕事をミツキが上手だったのに少し驚きながら、保存食の乾パンとドライフルーツ。それに簡素なスープを食べた。
そしてテントを片付けて荷物を纏めたところで]

 じゃあ、飛ぶ前に色々教えるからな。

 俺はここで操縦する。他の空いてるスペースならどこにいても基本的にはいいが、離陸と着陸のときだけは手摺に捕まるなりしてくれ。安定したら離していい。
 最初は怖いかもしれないが慣れれば腰掛けて寛げるぐらいになれるぞ。

 ただこの機体は左右に大きく動くときは乗ってる人間も身体を傾ける必要があるからその時だけ協力してもらう。

[ミツキにとっては雅空とバイクを二人乗りしてるときにそういうことを教わったかもしれない。]

 だから事前に曲がるときは言うから俺の背中にしがみついて身体を傾けるか、黙って抱き寄せられるかになるんでその時だけ協力してくれ。

[それはつまり、緊急時や、ミツキの動きが鈍かったら強制的に抱き寄せる。ということである。年頃の女性がどうだとかもそういった思惑もなく。必要なことだからとあっさりというし、反論も聞かないという態度で説明した後に、荷物はフックをかましサイドに縄で固定する。]

 んじゃ、いくぞ。

[ミツキが手摺なりに手を伸ばしたところで頷いて、スイッチを押すと折り畳まれていた翼が側面から現れる。

油圧式のポンプを手作業で何度も引いては押して圧力をかけることで内部では駆動音が響き、翼が動き出したところでエンジンをかけたところで、そろそろ動くぞ。とミツキへと声をかける。

風が肌をうち、髪が後ろに流されるように揺れる。
最初は草原の地面をすれすれで滑空するようにしながら徐々に高度をあげていく]

 ほら、繋がってないだろ。

[小島の端までいけばそこは絶壁であり、海の変わりに空が広がっている光景がミツキには映るだろう。そうして彼らは空へと飛びあがった。]

 もう手を離していいぞ。

[飛行が安定したところで声をかける。

風圧や冷たさを想像していたかもしれないが、思ったよりもそのどちらも穏やかで、ミツキにとっては電車に軽く揺れているぐらいの感覚だっただろうか。それがより異世界だと思えたかもしれない。
実際、そういう空中においての守りがこの飛行機には備わっているのがこの世界の文明だ。と小難しい説明は退けて、ミツキに聞かれたら簡単に応えただろう。]

 じゃ、このまましばらく飛行して一旦浮遊都市があるからそこに立ち寄る。一人旅分しか物資もなかったし、色々補給しないといけないからな。
 目的地はその次の島だ。

[空から見える大地は霧のようなものに覆われており不気味に見えただろう。反面空は清々しい群青色を背景にしており、小さな岩場が浮いていたり、自分たちが止まっていたような小さい島もいくつか見えたかもしれない。そんな光景を楽しんだりしていただろうか。その間は邪魔せずにいつつ、一段落したところで声をかける。]

 そういや聞いていいか?

 最初あったときに俺をみて、生き別れの兄。とかいってたが、俺にそっくりなやつでもそっちにいるのか?

[少し気になっていたことを聞く。いるならばどんなやつ?と聞くのは単に気になったからであり、飛行中の世間話でもあった**]


 一応言っとくけど、昨夜の時点でもオレは柚樹のこと、女子として意識はしてたよ……?

 じゃなきゃあんな、ベッド離したりしないし。

[半年前のオレが柚樹に恋情がなかったと思ってたなら違うよ、とは言っておかないとな、と思って。

うっかり見てしまった胸や下着も、まるで気にしてないみたいだったから。

いや、女だと知られたことの方に意識が行ってたのはわかるんだが。]

 あれもあの時点のオレには、刺激が強くはあったので……。
 
[告白もしてない状態で手を出したりはしない(できない)のはあるとはいえ、何かあったら困るわけで。

いや、あの場合オレはオレだからいいのかな。
でも経験の記憶がない状態では、またもたつくかもしれないし、それはちょっとカッコ悪いから。

柚樹の心情を思えば、そんな状況でもなかったのはわかってるんだけど。]


でも、こうしてちゃんと触れるようになってよかったな。

[指を絡めて握ると、身を乗り出して軽く口付けた。

丸一日くらい一緒にいて、キスのひとつもしなかったことなんてそうそうなかったから、随分久しぶりに感じられた。]**


[共に死ねた日こそ、最も満たされる瞬間であろう、とも]
 

  大丈夫……はい、大丈夫です。


[辛うじて答える。
 気分が悪い。

 今のは、やはり“そう”だろうか? こんなに短時間で波がひくことは、今まではなかったはずだが。楓が同類であることが理由だろうか。

 ついさっきそれでも構わないと思ったはずなのに、実際に起こると暗澹たる気分になる。
 それは、椿に生きていてほしい、と言った楓にわざわざ殺させたくないのだ、と気がつく。

 ならば自害すべきだろうか。
 それにも、頭の奥でNOが響く。

『ヒトでないものが生きようとして、何が悪い』

 楓の言葉が繰り返される。
 そう、そうだ。どこかでずっと、そう思っていなかったか。
 認められなかった。それを認めてしまえば、あの人が悲しむ。同時に、やはり彼こそが椿を最も拒絶していたのだと知ることになる。あれほど愛してくれたというのに。]


 う……。
 意識されてたのは、……うん、わかってはいた、けど。

[寝室の隅に座り込んで。顔を覆って。ベッドは左右に思い切り、離されて。

でも、意識するしないとは別のところで、"私の身体に興奮するのなんて、私の武藤しかいないのだし"くらいのことは、思ってしまっていた。

女と知ってしまったショックとかはあれど、興奮材料になんてならないでしょう?みたいな感じ……だったのかな。

男として振る舞おうとし続けていて、そのあたりの回路の電源がぜんぶ、落ちていた────みたいな。

再び武藤の手が伸びてきて、今度は指ごと絡められ。
寄せられる唇に、こちらから首を伸ばす風なことが、なんだか、まだ出来なくて。

おずおずと少しだけ顔を傾けたところに、唇がごく軽く触れあった。]
 


 ………………っ。

[なんだろ、なん、か。

無視していた感覚が、一気に押し寄せてきた、みたいな。
ぶわりと顔が、熱くなる。きっと今の私、耳まで真っ赤だ。

キスなんて、"今の私たち"には挨拶みたいなもので、こんなことに顔を赤らめるとか、もう、全然、大丈夫なはずなのに。]

 …………うう……。

[にげても、いいですか?みたいな感じに指を引っ張ったら、あっさり繋がった指は解かれるんだろうか。そうはならない気しかしないよ。*]
 

[立ち上がった直後、楓は彼女の頭に手を伸ばして、ぽんと軽く触れた。
 何か声をかけようかとも思ったのだが、言葉は出て来なかった。

 何をしようとしたにしろ、望まないことをやりかけたのだろう。
 彼女の表情を見ていれば、簡単に推測できることだった。

 けれど負傷もせず未遂に終わった以上、咎める気は起きなかったのだ。
 それが今の仕草だけで通じるものかはわからなかったが。

 伝わらないからといって楓が気に病むことこそないだろうけれど、伝わったなら安堵するだろう]**

[楓の手が、椿の頭に触れる。
 振り返り、彼の表情を窺う。
 目を伏せて、また歩き出す。

 すぐそばに見えているはずの扉がやけに遠く感じられる。]


 ……そういうとこ、警戒心……って心配になる、ていうかなってた。

[男として振る舞うのが久しぶりすぎたせいもあるのはわかるんだけどね。

昨晩からずっと触りたかったし、キスもしたかったよ。

半年前に戻ってた感覚のおかげで何もせずには済んだだけで。]

 ……柚樹、かわいい。

[赤くなった顔を覗き込めば、キスひとつで照れているのがなんだか懐かしい気がして目を細める。

軽く口付けた先、絡めた指が離れていきそうになるのを引き留めて手を握り直せば、鼻先に唇を落として。

再び唇を重ねると舌で唇をなぞって、隙間に舌を差し入れる。
舌を絡めると、さっきまで飲んでいた紅茶の味が微かに感じられた。]


 っは……、抱きしめてもいい?

[吐息に熱いものが混じると、テーブルを挟んだ距離が遠いなとはどうしても思ってしまって、絡めた指先で手の甲を撫でながら問いかけた。

したいこともいろいろあるんだけど、今は柚樹に触れたいなと思ってしまった。]*


 …………っ……。

 ………………ふ……、む、と……。

[ちょっと待って、という風に引いた手はむしろ引き返されて、また顔が寄ってきて。

深く合わせた唇も、忍び込む舌も、全部、全然、覚えがあるものばかりなのに、なんだかひどく久しぶりのことのようで戸惑ってしまうし、薄く開いた瞳が困った風に彷徨ってしまう。

武藤のこと、昨日今日とずっと、雄だと思わないようにしてた。
自分が雌であることも、否定してた。

触れる指の熱さや、少しだけ強引な挙動、常より低い声で囁かれる"かわいい"に、見ないようにしていたことが、全部、引きずり出されていくような気がして。]
 

 
 …………、……うん。

["抱きしめてもいい?"の言葉 に、抗えるはずもなく。

え、と、どうしよう……ともたもたと立ち上がってる間、武藤の側が数段早く、近づいてきていたと思う。

性急に椅子が動く、ガタリという音も、どこか現実から遠く感じるまま、私は武藤に抱き締められていた。

同じ背丈だから、胸元に顔を埋めるとかはできなくて。
武藤の耳下に自分のこめかみを擦り付けるようにしてしまうのは、馴染んだ仕草。

すん、と鼻を鳴らすように呼吸すれば、見知った武藤のにおいがして、ああ、私の武藤だ────って、今更ながらに実感した。]