人狼物語 三日月国


185 【半突発R-18】La Costa in inverno【飛び入り募集】

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……そうか。


[男はリュディガーがどの様な過程を経てその結論に至ったのかは理解はできなかったし思い至る節も存在しなかった。
現在に至る前まで常から小憎らしい小僧としか思っていなかったのだから一切そうした視線で見たことがなく、どうして自分に付きまとっているのか甚だ不思議で――]


……お前、バカだな。
こんな男を好きになるなんて苦労するぞ。


[リュディガーがいつ自覚したのかは定かではないが付きまとっていた理由がそうである可能性はあると思い至る。
他人事の様に男は呟くと男は薄く開いた唇を自身の唇で啄み唾液を滴らせた。

男の扱う魔薬も魔術も精神作用はない、恐ろしく気持ち良くなりすぎるだけで。
中には歪に幻想を抱く者もいようが今回のこれは一歩手前のことで本心なのだろう]

[男の『美』で磨いた身をより艶やかに彩るために。
好き嫌いはさておいた男は一先ずに己が美を完成させようかとリュディガーに唇の交わりを味合わせ、薄く開いた隙間から舌を入れると唇の裏から歯茎や歯列へとそれを這わせて大人の口づけを教え込んでいく。

上の口を染め上げながら、男の指は秘孔へと伸び奥を更に疼かせるべく花の蜜を溢れ出させに掛かる**]

 

  …っぇ、あぅ ……ま、まって、
  い……今から、する、…の……?


[ ぽふ、と大人しくベッドへ押し倒されれば
  女は困惑したように瞳を瞬かせた。
  夜ならともかく、陽の光が穏やかに差し込む部屋では
  なにもかも見えてしまうのではないか。

  止める間もなく結び目を引かれ、
  頬や衣装を取り払われた胸元、──それから
  まだなにも崩されてはいない下腹部を撫ぜられる。
  行き場に迷った両腕がシーツの上で彷徨って、
  結局止めることを選べないまま落ちていく。 ]

 

 

  ふぁ、あ、 ンぅ……っ


[ 再び重なった口付けと、差し込まれる舌を追おうにも
  たどたどしい動きは彼を翻弄するには全く足りない。
  思考がぼやけて、快楽に涙が滲んで、
  彼の指先が胸の先を触れるたびに腰を跳ねさせた。

  ───半ば無意識に、もっと≠強請るように
  細い指先は、彼の服の裾を、きゅうと握って。* ]

 

彼女の指が、服の裾に掛かる。
それに気づいても彼女を責める動きは収まる事なく、ただただ貪るように行為にふける。
彼女に求められるままに。

胸を苛んでいた手が片方、スカートの中へと潜る。
彼女の太腿をなぞり上げ、下腹部に至り、スカートは完全に捲り上げられて――一息に下着をはぎ取ってしまう。

「脚を開きなさい。」

命じたのは、簡素な言葉だった。

平時のように、洒落た言葉を重ねる余裕がない。
彼女がより感じられるよう、荒々しく振舞っている。
彼女を責めているようで、自分も彼女に奉仕している。

唇が、彼女の身体を下り始める。
柔らかな頬を、細く滑らかな首筋を、胸元を、下腹を、そして彼女の秘所へとたどり着いて、そのまま口づけを落とす。
舌でなぞり上げ、小さな秘芽へと柔く歯を立てる。

性急で、遠慮のない責め。
彼女を性感へと押し上げて、落とさない。
指で秘裂をなぞり上げて――やがてゆっくりと中に飲み込まれていく。
最初に中指が彼女の中へ入り込み、円を描く様に掻き回し続ける。

続いて、二本、三本。
彼女の弱い場所を探り当て、集中的に責め立てる。
彼女がより多くの快楽に浸れるよう、懸命に。

その間も舌で秘芽を突いて、唇で吸い付く。
もっと≠ニ彼女が望む通りに、彼女を貪り続ける。*


…………ん…………

[ ゆっくりと差し込まれた舌を噛まないように受け入れる。仕込まれていたのだろうか、と少し過ってあながち間違いでもないと、考える余裕はこの時は無かった。

本当に事前申告しておいて良かった。もしもブランシュと同じ調子でされていたら、本当に壊れてしまっていたかもしれない。まず男だと思われていた訳だけど。

今だって、上も下も刺激されているのだから、直ぐに達してしまいそうになっている。]*

[初めてからと言われると最早理解は追い付くことはなかった。
男の認識としてはリュディガーと最初に出会ったのはこの場所に移転してからではなかったろうか。
男の見目――ではなく技術。
そちらに惚れたと言うのならばリュディガーの好きの基準は男には難解なものである]


……ふぅ、それで――。
自分で中に指を入れたりはしたことはあるか?
このように――。


[唇はあくまでも優しく触れ合わせ舌での探りも繊細に行うが秘裂に溝を作る指先は愛蜜の源泉を探り当てて術を施している途中、その入り口が緩まったところで男は問いかけながらも人差し指を第一関節まで埋めてやる。
媚肉が指を締め付けてくれば受け入れ緩むまで柔肉に心地好さを与えこみ、指先を次第に深くまで埋めようとしよう*]

 

   …っ、  ゃ、


[ 太腿をなぞる動きに、びく、と体を跳ねさせて
  そのまま彼の指が下着を取り払ってしまうものだから、
  女はちいさな悲鳴を上げ、首を横へ振った。
  捲り上げられたスカートをどうにか戻そうと、
  羞恥で瞳を潤ませながら腕を動かして── ]


  ……な、なんで、 … ぁう、 ぅ…っ


[ 出来ない、と懇願するように彼を見つめる。
  けれど彼が其れを受け入れてくれないと分かれば、
  脚を震わせながら、僅かに左右へと動かした。 ]

 

 

[ 恥ずかしくて堪らなくて、
  自分で脚を開くなんて、嫌なはずなのに。
  ……残るのは羞恥と逃げ出したい気持ちだけの筈で、
  それなのに何故か
  彼の言うことを聞くだけで、妙な幸福感が胸を満たす。

  触れるだけではない、という言葉の意味を
  女はこの時ようやく悟った。 ]


  ッやだ、ゃ、そんなとこ …っ


[ 力の入らない体で必死にやめさせようとしても、
  快楽で追い立てられてはそれさえ上手くいかない。
  秘芽を甘く噛まれた瞬間、視界にぱちりと星が散って
  ────ずく、とお腹が重くなる、ような、 ]
 

 

  ふぁ、ぁ  ンぅ、〜〜〜っ!


[ 自分の体なのに、まるで自分のものではないような
  そんな感覚さえ迸る。
  指を中へ差し込まれれば、いやいやと頭を横に振って
  けれど媚肉は彼を喜ぶ様に収縮した。

  増やされた指が中を掻き回すたび、
  粘着質な音が響いて 耳を塞ぎたくなって。
  自分でさえ知らない弱い場所を擦られてしまえば、
  もう体に抵抗する気力なんか残っていやしない。 ]


  っぁ、ン、それ……とめて…っ
  や、なにか、きちゃう からぁ…っ


[ ぞくぞくと背中を甘い痺れが走り、
  頭も視界もぱちぱちと弾けて、ぼやけて、 ]

 

 


  ────── …… ッッ!


[ 声にならない嬌声を零し、
  きゅぅ、と一際強く彼の指を締め付けては
  息を乱してベッドに沈み込んだ。* ]

 



な、ぃ…………ぅ……っ!


[内側を丁寧に触れられて、また少し飛びそうになる。この状態なら胎内へと受け入れる準備も早く済むだろう。男が巧すぎるのか、自分が淫蕩なのか。もはや分からない。

理解できるのは、触れている男に対する自分の感情だけ。]

[初めてここにやってきた時は、単純に好奇心からの行動であった。名家の娘が素性を割ることもなく、速やかに治療を終えられる場所。何せ急な事だったから、お抱えの術者の都合をつけられず「腕は確かでこちらの素性を詮索せず終わらせられる術者」として白羽の矢がたったのがこの店。

腕前に惚れたと同時に、一見すると分かり辛い、彼の内側でまだ消えていない『美への執念』らしき片鱗を、無意識に感じ取っていた、のだと思う。


隅へ追いやられて自虐の日々を送りながらも、止まらない上昇志向に、

……生まれつき恵まれているのに空虚な自分が、持ち合わせていなかった感情に、


徐々に惹かれてしまったのだと思う。
そのうちに、技術以外の外見も性格も本質もなにもかもに捕われていってしまった。]

[元より底までおちてしまっていたのだから、これ以上沈み込む事は無い。]*

ー1日目ー

「好き、ねえ…」


目前での淫蕩な施術のなか、女の方から施術師の男に告げられる告白を、半ば予感はしつつも
これどんな気持ちで傍で聞けばいいんだろうと生
暖かく見守る。

男の指がリュディガーの内に埋まるのも、自分よりは手心を加えつつだが、同じように。普段はさっぱりとした話し方の女が、どろどろとした泥濘のような快感に沈みゆく様を嬉しそうに目に焼き付ける。

「うん。やっぱり磨けば光ると思っていたけれど予想以上。
良いものが見られそう。
……まあ、私の方も、(客としての)関係を終わりにするつもりは今のところないんだけれど…
そこは容赦してもらいましょうか。

彼の腕、確かに「美しい」ものですもの、ねえ?」

目の前の、二人の世界を妨げようとは思わない。
ただ、誰にともなくそう口にした*

[押し倒した女の首筋に男は唇を這わせた。
口付けてから舌で舐め、今度は強く吸い付いて赤い痕を付ける。
そうしながら服を弄り、肌に指を滑らせて、女の情欲を煽るように触れる。]


 お前は私のものだ。


[そして、男もまた女のもの。]


 だから、私の全てがお前のものだ。


[男はゆっくりと女の衣服を脱がせていく。
そして、己もまた身につけた衣服を脱いでいく。*]

【人】 人造生物 ユスターシュ

――回想/此処に来るまで――

[生まれたときの最初の記憶は、冷たい石の床の上。
床の上の僕を取り囲むように描かれた赤い模様と、薄暗い蝋燭の灯。

そして、赤い模様の向こう側に見える背の高い男の人の姿。
その姿を一目見たときに思った。
ああ、このひとが、僕の主様なのだと。

あるじさま、と。
不安定な身体を蠢かせながらそう呼ぼうとしたとき。]


「―――…失敗作、か」


[彼の口から吐き捨てられたのは、
思わず身を竦ませるような、そんな冷たい声だった。

その声につられて視線を上げたとき、幾つかの目が
彼の二つの双眸と合ったように思う。

…あのとき、僕を見た主様は、
いったいどんな気持ちだったのだろう。

己の命を、己の魂を、己の人生の全てを賭して
産み出したはずの存在が、己の望みから遠くかけ離れた、
何一つ『美』など持たない存在だと知ったとき。

きっと、僕は主様を心底絶望させてしまったのだと思う。]
(22) 2022/11/28(Mon) 23:46:46

【人】 人造生物 ユスターシュ

[冷たい眼差しのまま、此方に背を向けて此の場を去ろうとする彼を追いかけようとしたところで。
部屋の外…否、建物の外から罵声と怒号が響いた。
同時に、遠くから響く大きな衝撃音。

何が起こっているのかわからないまま、部屋の外へ駆け出す主様を追いかけようとしたけれど、上手く動けなくて。
物陰に隠れながら、建物の中に入ってきた人たちをどうにかやり過ごした。

訳が分からなかった。
ただ屋敷に入ってきた人たちの殺気が恐ろしくて、怖くて。
必死になって主様を探していたそのときだった。

―――廊下の奥、開かれた扉のその向こうで、
主様が、知らない男に剣で胸を貫かれるところを見たのは。

どうして、この人たちは主様に敵意を向けるのか。
どうして、あの人は主様の命を奪ったのか。
何もわからなくて、ただ怖くて、そして悲しかった。]
(23) 2022/11/28(Mon) 23:48:18

【人】 人造生物 ユスターシュ

[そうしているあいだに、主様を襲った別の誰かが建物に火を放ったのだろう。
赤い焔と煙はどんどんと、僕らがいた建物を覆っていって、
何もわからないまま、僕は建物を出ると人間たちの目を掻い潜って森の中に潜んだ。


屋敷を焼き尽した炎が漸く消えたのは、それから夜が明けた頃。

焼け焦げた残骸の外に、其処にあるものは何もなかった。
そのはず、だったけれど。

…僕が其れを見つけたのは、本当に偶然だった。
瓦礫に埋もれた地下への入口。
狭い石造りの階段を這って下りた先にあったのは、屋敷にあった其れとは別の、書斎めいた部屋だった。

其処は、主様の『思い出』が遺された部屋。
魔法や錬金術に関する研究ノートや、彼の日々の記録が綴られた日記。
これだけでも恐らく一財産になるだろうそれを見つけてからはそれを読み解くことが、僕の生きる目標になった。]
(24) 2022/11/28(Mon) 23:49:38

【人】 人造生物 ユスターシュ

[とはいっても、生まれたばかりの僕は字が読めなかったから。
闇に紛れて森の向こうの人間たちの村にこっそり忍び込んでは人間の言葉や習慣を学んだ。

村の教会で、神父様が子供たちに読み書きを教えているのを屋根裏から覗いたり。
子供たちが遊んでいるのを遠くから眺めたり。
羊飼いやお百姓たち、パン屋に仕立て屋。
森で見かけた、仲睦まじい、若い恋人たち。

きっと、人間たちにとっては何気ない日常だろうその光景は、僕にとっては遠いもの。
だけど、いつしかそれらの景色は、僕にとってどうしようもなく眩しいものになっていた。]
(25) 2022/11/28(Mon) 23:52:20

【人】 人造生物 ユスターシュ

[読み解きのほうも進んでいた。
主様の人となり、過去に何があって、誰を憎んで、そして僕を造るに至ったかを知った。

「全てを滅ぼせ」と主様は願った。
そしてその望みに足らないだろう僕は、あの人にとって失敗作だった。

実際、僕は失敗作だと思う。
僕は、自分の知ってる人間たちを…村の彼らを滅ぼしたくなかった。

たとえ主様を殺した人たちだとわかっていたって
僕は、村の穏やかな風景と、其処に暮らす人たちが好きだった。
たとえその人たちに自分が「化け物」と呼ばれても、仕方ないと思っていた。

だって、僕の姿は何もかもが人間とかけ離れている。
主様だって一目見て失敗作だと断じるくらい、僕は人間からは程遠い生き物。
好きになってもらえなくても
傍にいられなくても
仕方ない。

―――でも、主様のことは可哀想だった。

最愛の人も、親友も、名誉も何もかもを失くして
失意の末に造り出した存在にさえ、裏切られたら、
…それはどんなに、悲しくて苦しくて、辛いことだろう。]
(26) 2022/11/28(Mon) 23:55:24

【人】 人造生物 ユスターシュ

[主様の願いを叶えてあげたい気持ちと、
村人たちの穏やかで平和な日々を望む気持ちと。
そんな気持ちの板挟みになりながら過ごしていたある日のこと。


その日は、何やら朝から村が騒がしかった。

遠巻きに様子を伺っていると、村の外に出稼ぎに行っていた男たちが帰ってきたのだという。

村の広場に集まって再会を喜ぶ人たち。
今まで見たこともないくらい賑やかな村人たちの輪の中の、その中心にいたのは。
あの日、僕の目の前で主様を殺した男だった。>>23]
(27) 2022/11/28(Mon) 23:56:23

【人】 人造生物 ユスターシュ

[―――殺さなければ、と思った。


僕の目の前で主様を殺したあの男。
たとえ「失敗作」と蔑まれ嫌われたとしても、僕にとってはたった一人の大切な人を奪った男。

あの男がいなければ、主様は死なずにすんだかもしれない。

もし、主様が生きていてくれたら。
あの人に、あんなふうに殺されずにすんだならば。

…もし、僕の知ってる何かが違っていたならば。
―――こんな気持ちに、ならずに済んだのかなぁ…


生まれて初めて内側から湧いてきた真っ黒な気持ちに、
心の中がこんがらがって。ぐちゃぐちゃに沸き上がって。
どうにかなってしまいそうだった。

具体的にどうすればいいかなんて、あのときは何も考えてなかった。

ただ、殺さなくてはいけない、と。
身体の奥の芯が痺れて、うまく考えもまとまらないまま、沸き上がってくる真っ黒な気持ちを制して、男の大きな影を追った。]
(28) 2022/11/28(Mon) 23:58:36
[男は吐息を溢した。
内側に眠る熱を吐き出し肺臓に籠った魔薬の香りをもリュディガーに嗅がせていく。

自分でしたこともないと素直に白状するのだからそれなりに堕ちゆく最中なのだろう。
或いは最初から堕ちていたのかもしれないが男には与り知らぬことである]


……ならじっくり慣らしてやる。
いくらでもイっても最後までするからな。
溺れないように意識を保てよ。


[男の手で溺れないとなかったのはブランシュを含めそう多くはない。
多くの星の卵たちは自分がたちが目指す星となる前に男の『美』となってきた。

今回のところリュディガーは星の卵として男の術を施しているのではないから堕ちることは男としては些か不本意なものである。
快楽に堕とそうとしながら堕ちるなとも言う。

男の傲慢さというものの表れであろうか]

【人】 人造生物 ユスターシュ

[広場から離れ、仲間や村人たちと別れた男が向かったのは、村の外れにある小さな一軒家。
その粗末な家の扉をノックするその背中を、物陰から見つめた。


…扉を開けたのは、小さな女の子だった。
ちょうど、あの子によく似た年頃の女の子>>0:225


男の顔を見たときの女の子の顔を、僕はよく覚えている。
一瞬驚いた表情で男を見つめた後、笑って男に抱きついて。
それから安心したのかわぁわぁと、少し離れた此方からも聞こえるような、大きな声で泣き出した。

女の子の泣き声を聞いて駆け付けたらしいその子の母親も、やっぱり同じように喜びと涙が切り混じった表情を浮かべていて。
そんな二人を、あの男はそっと自分の許に抱き寄せていた。

……温かい、家族の絆がそこにはあった。]
(29) 2022/11/29(Tue) 0:01:41

【人】 人造生物 ユスターシュ

[それからどこをどうしたのか覚えていない。

気がつけば、僕は男たちの家から離れて森を抜けて、主様の屋敷跡まで逃げていた。
…あのとき、誰にも見つからずに済んでいたのは本当に運が良かったと思う。]


……。


[屋敷の地下に潜り込んでも、
相変わらず、頭の中はうまくまとまらない。

あの小さな女の子を見るまで、沸々と沸き上がっていたはずの黒い気持ちは今はしんと静まり返って。
ただ、身体と気持ちだけがずん、とタールのように重く、身動きを取れなくさせている。]
(30) 2022/11/29(Tue) 0:02:37

【人】 人造生物 ユスターシュ



……ぼく、は。


[まとまらない、頭の中。
それでも、ただ漠然と理解できたのは。]


……僕は。


[あの男を……あの人たちを、殺せない。]
(31) 2022/11/29(Tue) 0:03:01

【人】 人造生物 ユスターシュ

[――認めたくない気持ちを、理解してしまった途端。
堰を切ったように蛋白石の瞳から水が溢れてくる。
ぽろぽろと、溢れた水は地瀝青の体表を伝って石の床に滴り落ちていった。


殺せない。
殺したくない。
あんなに、殺したかったはずなのに……それでもできない。


―――だって。
あの男が死んだら、あの小さな女の子はきっと悲しい想いをする。
……あの日、僕がそうだったように。

主様を殺されて、僕が悲しかったように。
あの子だって、父親を殺されたら同じように悲しい。

だから…あの子の父親は殺せない。
僕と同じ想いを、誰かにさせたくはないから。]
(33) 2022/11/29(Tue) 0:07:16
 




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