85 王都グルームズの夏の祭典
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| [メニューの「氷菓子」という文字を見てすぐ思い出すくらいには、あの出来事は自分の中で忘れられないものになっている。 出した話題にすぐ笑い声が返るのに、あからさまにほっとした顔をした。 >>1] ……うん、余裕がなかったし、 ――甘えてたんだ。 「イクリールなら怒ったりしない」って。 「仕方ない」って口に出せるからといって、寂しくならない訳じゃないって、わかってたつもりだったけど。 仕事を続ける限り、似た場面はやってくるけど、これからだって毎回ちゃんと受け止めたいよ。 勿論、仕事以外で俺がやらかしたら、その時も。 [二人でいることが自然になって、並んで歩いていてもドキドキとは少し違う感情でいられる今でも。 「間違いじゃなかった」って、思って貰えるように。 >>3] (5) 2021/07/23(Fri) 21:20:29 |
| はっ? え、初耳なんだけど……。
[続けられた話題には、席を立ちあがらんばかりに驚いた。 見つめる先でイクリールが優雅にカップに口をつける。
ずっと昔から知っているのに、彼女はたまに自分の知らない顔をする。 視界の端にデザートを運ぶスタッフが映ったので、とりあえず座り直して。
待たせていたら折角のレモンシャーベットが溶けてしまうし。
そうして、テーブルにデザートが並んでから再び聞いた。]
(6) 2021/07/23(Fri) 21:20:54 |
| ……じゃあ、俺が最初に誘った時にはもう? あの時の会話って、俺に「口説け」って暗に言ってたってことか?
[そうだとしたら、彼女のことをずっと好きだった癖に一般論に落とし込んで回答した自分の何と間抜けなことか。]
てことは、俺が告白する前から、「次の恋」の相手は俺が良いって思ってくれてたってことか? ……うわー……やばい、
すげえ嬉しいわ。
[口元を手で覆うが、その下が緩んでいることなどお見通しだろう。*]
(7) 2021/07/23(Fri) 21:21:19 |
…………今すぐ抱きたい。
[漏れた本音は小声で。*]
…………そんなこと言われたら、
部屋に戻りたくなっちゃうじゃない……。
[消え入りそうな小声で、小さく付け足して。**]
| 後が怖いからとかじゃなくて、 目が離せないからなあ。 [はは、と笑う。 >>8彼女に嫌われるのが何よりも怖いと知ったのはあの時。] 俺がイクリールを叱ることなんてないと思うけど、うん。 隠したり誤魔化したりせずに伝えるようにするよ。 「本気で好きだ」とかな? [言葉こそ軽く響くが、本気の想いであることは彼女にはちゃんと伝わる筈。] (13) 2021/07/24(Sat) 15:22:16 |
| 聞いてない。 俺を手玉に取るのが上手いのは昔から知ってたけど。 [自分が本気で口説く前にそれを「望んでいた」ことを明かさなかった彼女の狡さは、慎重さゆえのものと推察する。 >>10その狡さに乗せられて告白した訳ではなく、自分が持つ想いがただ抑えきれなくなっただけだから、責めることもない。 昔から手玉い取るのが上手いと感じていたということは、昔から彼女には弱いと言っているようなもので。] 初恋の女の子に久々に逢ったら更に可愛くなってたからな、 意識してほしくて周りをうろちょろしてたんだ。 男前に見えてたならラッキーだったな。 [氷菓子は露店にあるような山盛りではなく、ホテルデザート仕様の上品な量だったので、口に運ぶとすぐになくなった。 カスタードコルネも口にして、口端に残ったクリームをぺろりと舐めとる。] (14) 2021/07/24(Sat) 15:22:36 |
| [見つめる先の耳が赤い。 これ以上見ていたら、スタッフに会話内容を勘ぐられてしまいそうだったので、非難する視線を「ごめん」と笑って受け止めた。
「ごちそうさま」の後は支払いも発生しないし、すぐにレストランを出る。
コンテストの開始までは、1時間程度か。*} (15) 2021/07/24(Sat) 15:22:50 |
戻りたくなってくれんなら、もう一回言おうか。
イクリールを抱きたい。
[ロビーに留まってコンテスト開始を待つのではなく、一度部屋に戻るとだけスタッフに告げて。
二人きりの昇降機の中、耐え切れずに唇を奪った。**]
て、テンガン......でも、
コンテスト、あるのに...... んんっ
[昇降機の中には幸か不幸か誰もいなかった。
待てないと言わんばかりに
熱い唇が押し付けられて、
もうそれ以上は何も言えなくなってしまう。
貪るような口づけにがくがくと足が震え、
昇降機が階につく頃にはきっとうまく歩けなくなっている。]
や、やああ......♡
[だめ押しのように囁かれ、
じわあっと下着の中が熱くなったのがわかった。
拒絶なんてもうすっかり口先だけで、
キスで期待に蕩けた顔は到底人様には見せられないだろう。**]
| 狡い女と狡い男でお揃いだな。 [冗談に聞こえる口ぶりで誘った時には、「本当に口説きたい時に受け取って貰えなくなる」なんて怒られたっけ。 でも今はちゃんと口説かれてくれるのだから、彼女はやはり自分に甘い。 >>16膨れた頬を見たらつついて空気を出させたくなる衝動に耐え、くすくすと笑いを零す。] 「これで意識しろー」なんて前置きした行動で本当に意識させられるのは余程の自信家でもない限り出来ねえよ。 無意識に俺の顔が浮かぶように視界の端にいるようにしたのと、あとは。 ……単純に好きだから、ずっと一緒にいたかったってだけ。 [今度は此方の耳が染まる番。 踏み込むのに足らなかった勇気は、彼女の人生を村に縛ることへの躊躇いが大きく。 それでも踏み止まれなかったのは、どうしても彼女じゃないと駄目だと自分の心が悲鳴をあげた所為。] (19) 2021/07/24(Sat) 17:33:54 |
| [大人になった自分たちは、堂々とサボるには職業が持つ「責任」が大きすぎる。 ましてや今は招待を受けている身。 「間に合わない」なんてこと、万が一にもあってはいけない。]
悪い男は嫌いか?
[こんな質問、前にしてきたのは彼女だった。 嫌いだと言われても離せないくらいにしっかり握った手は、昇降機に着く前には指と指とを絡めるような繋ぎ方に変わる。]
コンテストまで、あと1時間くらいある。
[空調が効いたホテルで、握られた掌だけがじっとりと汗ばんでいる。**] (20) 2021/07/24(Sat) 17:34:11 |
ん、 んぅ……は、
[くぐもった声は、昇降機の稼働音に紛れる。
狭い空間の壁に彼女の身体を押し付けて貪った。
最後に口にした彼女のレモンシャーベットの酸味と自分のカスタードの甘味を感じたのは一瞬。
あっという間に混ざり合って、別の甘さが生まれる。
ふうふうと荒い息の合間に欲望を口にすれば、稼働音よりも大きな甘い声がイクリールの口から漏れた。
もう少し上昇時間が長ければ、この場でもっと及んでいたかもしれないが、幸か不幸か響きと共に機械は止まった。]
首に手、回せるか?
[蕩けた顔は肩に埋めて隠せば良い。
ふわりと彼女を抱き上げて、部屋へと速足で向かう。
持ち上げた生足の間から、女の匂いが立ち上って来たような心地がした。
大きく開け放った扉がゆっくり後ろで閉まるのを気配だけで確認し、大きなベッドに彼女を下ろす。]
……この後着替えてたら、あからさまか。
脱がせるから、手伝ってくれるか?
[乱れて皺になった服を再び着せるのも忍びない。
乱暴にしないようにだけ灼けつきそうな理性に刻みこんで、ショートパンツのボタンに手を伸ばす。
つまり上は自分で脱いでくれ、と目線で伝えて。
自分の方もボタンを外して腰までずらしたら、あとは足で雑に脱ぎ落そう。**]
ん、ふぅぅ………っ
[昇降機が昇り切るまでの短い時間。
2人きりの密室は淫猥な空気で満たされた。
入り込んだ舌先に隅々まで蹂躙され、
レモンの甘さが彼の味に塗り替えられていく。
理性の天秤が欲望に傾いて、
彼の手に抱かれたいってことしか
考えられなくなっていく。]
…う、ん…
[すっかり荒くなった息や
蕩けた顔を整える間もなく目的の階に到着する。
促され彼の首に手を回し
しがみついて顔を埋め
先程出たばかりの部屋に戻ってきた。
今は景色を楽しむ余裕もなく、
降ろされた身体がベッドに沈む。]
[自分で服を脱ぐ段になって僅かに理性が戻り
本当に行為に耽っていていいのか
ちょっとだけ逡巡してしまったけれど。
ここまで火がついてしまうと
お互いに一度しないと収まらなさそうだし、
何より考えている時間が勿体ない、――なんて。
自分自身に言い訳をして。
言われるままにニットを脱げば、
白い下着に包まれた胸が露わになったか。
ショートパンツを脱がせれば
ショーツの中央には小さく染みが出来ていたろう。
尤も、一緒に脱がせてしまえば分からなかっただろうが
既に女の匂いを漂わせ、
受け入れる準備を整えているのは確かだ。
彼が手早くズボンを降ろせば、
やはり興奮しているのが分かっただろうか。]
[彼の興奮を目の当たりにすれば
またすぐに思考が色欲に溶けていく。]
はぁ、 はぁ………
………テンガン…………
[熱っぽい双眸を向けたまま、
して、
とくちびるの動きだけで示した。**]
| [――――――もう一生ばかでいい。]
(23) 2021/07/24(Sat) 22:50:33 |
[自分の方は雑に脱いだとはいえ、彼女の方は繊細な生地を破かないようにそれぞれ脱がせるつもりでいた。
だから、ショートパンツをずり下げた時に、眼前に広がった下着の染みもよく見えた。
ふうっとそこに息をふきかけてから脱がせる。
服は同じものを身に着けても、これだけ濡れたら下着は換えた方が良いかもしれない。]
最近またデカくなった気がする。
[カップの上に乗る丸い膨らみに手を伸ばす。
唇の動きだけでねだる様は壮絶に色っぽく、導かれるようにやわやわと揉みしだいた。]
[焦らす余裕は此方にもない。
カップの奥の蕾を捏ねながら、もう片方の手は蜜を湛える秘所へと。
其方の蕾もまた既に存在を主張して、触られるのを待っていた。]
乳首とクリ、どっちが悦いんだっけ?
[唇は耳元に。
もう声を潜める必要もないのに囁いた。
彼女に卑猥な部位の呼び名を聞かせるのは確か初めてだ。
行為は自分が初めてとして、名称を知っているかどうか――知らなくても教えるだけだが。*]
ぁんっ……!
[ふうっと下着越しに吹きかけられた息に
染みが一回り面積を広げた。
恐らく替える必要があるだろう。
一応下着は多めに持ってきている、
…というのは余談。
目前で反応を見られていることに
顔を赤く染めながら
胸に走る彼の手を受け入れる。]
そ、そう、かな……
テンガンに、いっぱい、触られたから…っ
[こりこりと乳頭を捏ねられれば
すぐに膨れて硬くなり、
彼の指に興奮を主張したか。]
[もう片方の手は露わになった下肢へ。
くちくちと水音を立てながら
膨れた淫芽を刺激されれば
びりびりと痺れるような快楽が走る。
不意に耳元に低い声が落ちて
いやらしい響きにぞくっと腰が震えた。
溢れる蜜が彼の指を直接汚していく。]
んっ、 クリ……って、 はぁあ……、ぁん
ここ、っ、 のこと……? よね、
[一般的な年相応の性知識はある。
ただ俗称までは詳しくなくて、
一拍理解が遅れたけれど。
絶えず動く指先に余裕を削られながら、
喘ぎ声交じりに口を開く。]
クリ、トリス、も、きもちい、けど……っ
ち、乳首っ はぁぁ………すきっ……
お腹、きゅんきゅん、してっ はぁぁん
な、中に、ほしく、なるのぉ………っ
[それこそ胸で感じるようになったのは
彼が触るようになってからで
最初よりも確実に感度が上がっている。
平時なら言い淀むような恥ずかしい台詞を
流されるまま口にしてしまうのは
今まさに弄られている真っ最中だから。
申告通り花弁を疼かせながら身を捩れば
たわわな胸がふるふると揺れた。**]
ずっと触ってるとデカくなるんだなあ。
脇の肉はすっきりしてるままってことは、肥った訳でもないだろうし。
てかさっき抱き上げた時はむしろ軽かったし。
[先端だけを爪先で削ってみたり、窄めた手で乳輪を摘まんで引っ張っては離して見たり。
はちきれんばかりのカップの中で愛するには少し狭かったので、ホックも外して貰った。
たゆんと揺れる乳房はやはり最初に抱き合った時よりも育った気がする。
イクリールがどんどん自分専用の身体になっていっているというのは、濡れ方を見てもわかる。
触る前からの染みはどんどん広がって、受け入れる準備を整えてくれる。
まあ濡れているからといって、いきなり挿入はしないが。]
そう、知ってたんだ?
イクリールがエロい単語口にしてるって思っただけで興奮する。
[きゅちきゅちと音を立てて陰核に当てた指を小刻みに動かした。
そこでの快感を拾うのも、彼女はとても上手だけれど、折角教えてくれたので。]
じゃあ胸をもっと可愛がろうか。
こーしたら、ナカが疼くってことだよな……
[つんと主張する蕾に顔を寄せ、ねっとりと舐め上げる。
ちゅうっと吸い上げてから少し場所をずらし、白い肌に薄いキスマークをいくつか散らした。]
このまま指をいれる?
それとも……
[びしょびしょに濡れた指を離し、その手でイクリールの手を掴む。
すっかり上向いた中心に導いて、そっと擦らせた。]
もうコレが欲しい?
[流石にそれを口にしろとねだるには、羞恥が勝るだろうか。**]
[刺激を受けることで
女性ホルモンが分泌されて大きくなるとかなんとか。
通説として聞いたことはあるものの
どこまで本当なのかは謎だが。
留め具が外され、
支えるものがなくなった乳房が
たゆんと柔らかく揺れた。
先端を爪先でかりかりと掻かれたり
きゅうっと引っ張られたりするたびに
じんじんと甘い疼きが広がって
正直に染みを広げていく。
彼に抱かれるようになってから
乳房だけではなくて乳輪も
少し大きくなった気がする。]
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