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【人】 移り気 ジェイド■キネイと ────吸血鬼なんて。 "なりたい"と憧れを抱かれるような、そんなものじゃない。 孤独で退屈。 "あの人"に言わせれば憐れな生き物。 僕は、キネイに小さな布袋を渡し、中を見てと告げた。 袋の中、固く鈍く光るものは、何の変哲もないティースプーン。 ────ただし、純銀製。 おかしなところはないか彼自身に確認させ、その後、それを寄越せと己の掌を差し出した。 僅か触れただけで、じゅ、と掌の肉が焼けるような音と、立ち上る腐敗臭。 毒薬を垂らしたように広がり皮膚も肉も腐らせていく醜く黒い染み。 「………………ぅ」 覚悟の上だったけれど痛い事には変わりなく、僕は小さく呻いてスプーンを床にぽとりと落とした。 「吸血鬼について調べたのなら、知ってるだろう?」 「吸血鬼の弱点の一つが、銀なんだ」 「触れると、こうなる。刃物で切られてもすぐ治るけど、この傷はなかなか治らない」 何をどう告げても信じなかったお前の事だ。 ここまで見せても、尚、疑ってくるのかもしれないけれど。 (0) Valkyrie 2019/12/30(Mon) 9:42:05 |
【人】 移り気 ジェイド手品の類じゃないちゃんと見て、と、スプーンが触れた部分だけが醜く爛れた掌をキネイに示しつつ、僕は必死に彼に告げた。 ああ。本当に、僕は"ヒキコモリ"だったから。 伝わるように伝える事は、本当に大変なんだ。 自分は、お前がなりたいと望む吸血鬼なのだと。 "設定"とかそんなんじゃなく、真実500年生きているのだと。 確かに不老不死だけれど、 長く生きて最後に残るのは空しさしか無いのだと。 「────お前は、お前が慕いお前を慕うコトネを置いていくつもりなの?」 周囲から誰も居なくなる。 家族も友人も、己を知る者全てが自分を置き去りにしていく。 自分だけが時の流れに取り残される。 「一人ぼっちになったら、お前が固執する美しさは何の意味も持たないのに」 今此処にある幸せを、何で捨て去ろうとするんだ。 それは手放したら二度とは手に入らないものなのに。 「────考え直せ、キネイ」 「お前が抱くのがその願いなのなら、僕はそれを叶えさせるわけにはいかない」* 感情書き換え:好敵手(+)→保護(+) (1) Valkyrie 2019/12/30(Mon) 9:43:58 |
【人】 移り気 ジェイド■コトネと 「────ん?少し、ね」 キネイの元を離れ、醜く黒ずんだ左手に包帯を巻こうとしていたら、コトネに一体何があったのだと見咎められた。ちゃんと手当てしましょうと慌てる彼女に、薬で治るものじゃないから包帯だけで良いと制止して。 「コトネは、今でも彼の力になりたい?」 小さく問う。 彼を応援するという事は、彼との別離の後押しをするという事。 彼は一人、時の流れの中に留まり続け、人ですら無くなろうとしているのだから。 「吸血鬼だって、怪我をする」 「銀のスプーンに触れただけで、この有様だ」 僕のこの手を見たでしょう?と、白く細い布で覆われた左手に視線を落とす。 昨日まで、信じてくれずとも構わないと思っていた。 所詮、ゲームの参加者だ。 勝敗決着はどうあれ、きっともう会うことは無いだろう子供達なのだし。 ──────でも、今はそうは思わなかった。 (2) Valkyrie 2019/12/30(Mon) 9:55:31 |
【人】 移り気 ジェイド「僕は、吸血鬼だ。キネイがなりたいと望む、吸血鬼」 「────他の誰でもなく、君にだけは、信じて欲しい」 訥々と言葉を紡ぐ。 「10年くらい前、雪の日に泣いていた子供は、君だったんでしょう」 賑わう街で。母親とはぐれて。 僕のコートの裾を握って、離さなくて。 だから一緒に、母親を探してやった。 子供を肩車した経験なんて、後にも先にもあれっきり。 今日よりもっとずっと寒い日だったねと、離れた窓の向こうに見える曇天をちらりと見やる。 「僕の願いは、キネイとは逆。────僕は、人間になりたい」 「もう僕は人の血を飲みたくはないし、不老不死なんて要らない」 「キネイに、人の生き血を啜って生きる道を歩んで欲しくない」 (3) Valkyrie 2019/12/30(Mon) 9:58:40 |
【人】 移り気 ジェイドもっと、冷静を務めて話すつもりだったのに。 ぽつ、と膝上に1粒水滴が落ちてしまえば、止まらなかった。 ぼろぼろと頬に冷たいものが伝っていくのを半ば呆然と受け止めながら、呟くように言葉を投げる。 「……吸血鬼、は。好きな人に好きと伝える事も、出来やしないんだ」 ああ、情けない。 こんな子供の前で、初めての涙を流すことになるなんて。* 感情書き換え:執着(-)→恋情(+) (4) Valkyrie 2019/12/30(Mon) 9:59:13 |
【人】 少女 コトネ「駄目よ、包帯だけでいい訳無いわ!」 歯を磨かないと思ったら、今度は怪我の放置だなんて! ぷりぷり怒りながら、手当てに必要な諸々を持ってこようとしたけれど、ジェイドは飄々と別の事に話を振ってくる。 この人、大丈夫かしら。色んな意味で。 とりあえず雑に巻かれている包帯は巻き直してあげながら、私は俯いた。 「………わからないわ」 素直な気持ちを、ぽつりと零す。 わかってるわ。 このままキネイが権利を手にしてしまったら、私はきっと寂しい。 当たり前に繋いできた手が離れる様で、すごく、寂しいわ。 「…………そう」 吸血鬼だ、という告白には、そんなに驚かなかった。 内容自体はかなり受け止めにくいけれど…でも、ジェイドの目は嘘を言っている人の目では無いと思うの。 きっと、彼は吸血鬼なんだわ。 ずっと前、私が会った人と同じ人。 ………キネイには、また心配されてしまうかしら。 すぐ人の事を信じちゃ駄目だって。 でもね────キネイ。人を信じるって、素敵な事よ? (5) rein-joir 2019/12/30(Mon) 10:39:39 |
【人】 少女 コトネ「!?」 急に泣き出したのを、驚いて見つめてしまう。 子供みたい。500年を生きたという吸血鬼なのに、不思議ね。 「────泣かないで」 うんと背伸びして、ジェイドの頭を抱えるように抱きしめる。 「寂しかったのね。………寂しいのは、嫌ね」 たぶん、好きな人に好きとも言えないまま。 終わらせる事も出来ないまま、終わり無い夜に一人で居たんだろう。 それが吸血鬼の性だとしたら────なんて寂しい事だろうか。 スズネさんは、今のジェイドを見たら何と言うのかしら。 宥めるように頭を撫でてやりながら、私はそんな詮無い事を考えた。* (6) rein-joir 2019/12/30(Mon) 10:40:05 |
【人】 少女 コトネ■キネイとの感情書き換え(未定) キネイは“人間辞めたい”と軽やかに言った。 ずっと美しいままでいたいんですって。 さもなくば死んだ方が良いと、思っていたんですって。 ────私…キネイがそこまで悩んでるなんて、知らなかったわ。 「キネイ」 躊躇いがちに、呼び馴染んだ名前を呼ぶ。 何を言えば良いかなんて、纏まってない。 だって私は、その願いが何であれキネイが望むのなら…応援してあげられたら良いなって思っているの。一番に、味方でありたいの。 でもね…同じくらい、キネイの願いが寂しくて仕方ないんだわ。 「私、キネイが好きよ」 どう言えば伝わるのかしら。 言葉が見つからないのがもどかしくて、俯いてしまう。 「美しいからとかじゃ、なくて。キネイがキネイだから、好き」 「吸血鬼になると、夜しか出歩けなくなるんですって。 ご飯も、生き血以外は意味が無くなってしまうんですって。 今までみたいに2人でお出かけしたり遊びに行ったりご飯食べたり、できなくは無いけど…きっとすごく、難しくなるわ。 キネイは……」 (7) rein-joir 2019/12/30(Mon) 11:44:27 |
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