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【人】 花嫁の友人 市村 真由美[煌びやかなホテルの廊下。 夢の終わりは寂しいけれど、明日はまた、違う夢を見よう。 乗馬クラブに入会の手続きをしに行こう。 ジェシーに乗れなくても、会うだけでも構わない。 ビリヤードをしよう。 美味しいご飯を食べよう。 ああ、夜はまた、蛍を見に行きたい……] 今日はありがとう。おやすみなさ……っ。んっ。……ふっ。 [ドアの前で、振り向いたら。 突然抱き寄せられて、キスをされた>>459。] (462) 2020/08/04(Tue) 0:07:01 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美…… ん 。ふあ んっ ……[小さく声が漏れて。 抵抗する余裕も無くて。 羽井さんの低い声が、耳を犯す。 口付けの合間に名前を呼ばれると、それだけで身体が熱くなる。 羽井さんの浴衣の胸元を、小さく握って。 薄灰色の麻の浴衣に、皺が寄った。] (463) 2020/08/04(Tue) 0:07:29 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美[ゆっくりと唇を開くと、舌を受け入れて。 ちゅっと小さく吸い付くと、羽井さんの胸をとん。と押した。 口付けながら、ゆっくり体を離して。] …………もう。 [小さく抗議の声をあげる。 一瞬だけ、羽井さんを睨み付けて。] (464) 2020/08/04(Tue) 0:07:56 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美[それから微笑むと、部屋のドアを開けた。] ……どうぞ。 [微笑みながら、入室を促して。 薄っすらと、目元が赤らんでいた。*] (465) 2020/08/04(Tue) 0:08:07 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美── 1人の景色 ── [目覚めた朝に、あなたが居て。 擦れ合う肌に、生まれたてのような喜びをみてた。 あなたに目覚めの口付けをして。 ゆっくりとバスタブで体の強張りを解したら。 あなたがホテルで過ごす最後の一日を、共に過ごした。 ハナくんはもう旅立って居たかしら。 思い出が、笑顔で彩られるものなのか、聞いてみたかったな。 ビリヤードの一件は知らないから。 そんなことを言ったら、あなたはヤキモチでも妬くかしらね。 旅立ちは寂しいけれど。 私はあなたに住所を強請って。 教えて貰った住所を手帳に書き留めた。 蛍を見よう。 今度は口付けを交わそう。 そうしてもう一晩、共に眠ったら……。 「またね。」って。 約束をして、お別れの時間。 なんでこんなに寂しいんだろうね。] (555) 2020/08/05(Wed) 18:47:57 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美[私の夏休みは、あなたより1日長くて。 あなたの出て行った部屋に、もう1晩、1人で泊った。 ジェシーに乗って、見て回った景色はやっぱり綺麗だったけど。 お土産屋さんで、絵葉書を見て回る。 美しい写真の印刷された絵葉書は。 このホテルの美しい景観を、余すところなく捉えていて。 夕暮れの葡萄畑。蛍の夕べ。 私は悩んで、2枚の絵葉書を買った。 蛍の絵葉書には、『星が降りてきたみたいだな。』>>1:684 一言そう書いて、自分の住所と名前を書いた。 もう一枚。夕暮れの葡萄畑の絵葉書に。] (556) 2020/08/05(Wed) 18:48:43 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美[その葉書>>*7が届いた時。 宛名の無い葉書。誰からのなんて疑問の余地も無くて。 思わず葉書を見詰めたまま、小さく息が零れて…… ただ、ただ、息を吐き出しながら、笑み崩れてしまった。 約束>>563の通り、また会った時。 私は2枚の絵葉書をあなたに見せて。] じゃん。 [なんておどけて笑って。 同じ言葉の描かれた、同じ絵柄の葉書。 消印だけが僅かに違って。 2人で笑い合えたかしら。 変なところで気が合うねって。 あの日の事を思い出して、今の2人で笑い合おう。 ここは蛍の沢では無いけどキスをして。 もう逃げたりしないよって。] (569) 2020/08/05(Wed) 20:41:49 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美[あなたは何時も当たり前のように2人の未来を埋めて行く。 あなたは何時も、当たり前のように、私が一番欲しい物をくれる。 話した事なんて無かったはずなのに。 どうしてこの人は、私の一番欲しい物が分かるんだろう? ────恋がしたかった。 お互いを見つめ合うような恋じゃない。 詩桜ちゃんの想いを聞いた時抱いた胸騒ぎ。 憧憬と共に感じた違和感。 私はもう年を重ねて、不幸だったわけも分かってる。 お互いを、では、無くて。 同じものを見て。 同じ経験をして。 分かち合える人が欲しかった。 私はそう言う恋がしたかった。 あなたは誰よりも、私を満たしてくれる。 でも一つだけ誤算だったのは………… あなたの事も、見詰めて居たいと、思ってしまったことかしら。] (571) 2020/08/05(Wed) 20:42:17 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美── 遠くない未来 ── [2人で料理をして、2人で食べて。 ソファに並んで座って映画を見て。 そんな一日も、当たり前になって行って。 あなたのその言葉>>564を聞いた時。 思わず、ゆっくり、笑顔が消えてしまってた。] …………ッ。 [思わず小さく口が突き出して。 ほっぺが膨れて。 まるで小さな子どもみたいな顔。 ごめんね。泣きそうなのを堪えてるの。 別に言葉が欲しかったわけじゃない。 あなたに愛されてるのは、ちゃんと伝わってたから。 でもあなたは口にしなかったから。 その言葉を大事に温めてくれていたのを知っている。] (572) 2020/08/05(Wed) 20:42:48 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美[優しく腕の中に包まれて。 なんだか悔しかったから、ぽかって羽井さんの胸を叩いた。 一緒に色んな映画を見た。羽井さんなら知ってるよね。 私が泣くのは嬉しい時。幸せな時。感動した時。 そんなことも、きっとバレてて。 肩口に顔を埋めて、背中の服をぎゅっと握り締めたら。 堪え切れない涙が零れて来た。 まだ早いって、囁き声>>-1137に。 むって顔を、羽井さんに向ける。 でも何時も自信に満ちて、ちょっと自惚れたあなたの言葉。 ずっと膨れていることなんか出来なくて。 涙が零れながら、笑ってしまう。 花が綻ぶように。] (574) 2020/08/05(Wed) 21:20:08 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美── ホテルにて ── [フロントで、伝言>>586を伝えられて。 一緒に居た、羽井さんにもハナくんからの伝言を伝える。] ハナくんから、羽井さんに伝言。 『勝負しよ。』『もう一度会えたら、俺の勝ち。』だって。 連絡先も貰ったけど…… …… ハナくんの連絡先、要る? [迷った後で、ニッコリ笑って聞いてみよう。 いつの間に、仲良くなってたの?なんて尋ねながら。 乗馬の時、会話してなかったよね。*] (588) 2020/08/05(Wed) 22:29:11 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美[要らないって言葉に、やっぱりって思う。 はぐらかされた言葉には。] ふーん。……そう。 [私も深くは聞かないけれど。 連絡先は丁寧に畳んで、しまったけれど。 自分から連絡することは無いだろう。 連絡しても良いかって、聞くのも違う気がしたから。 ただ、毎日。ご飯が美味しいと良いなと思った。 世界が綺麗だと良いなと思った。 楽しい事を、一つ、見付けられたら良いなと思った。 ハナくんの幸せを、ただ願って。 まさか自分の職場で再会するなんて、この時は思いもよらなかったこと。 花火の日の思い出を、語る時のあなたの顔は、きっとその時答えが分かるでしょう。**] (590) 2020/08/05(Wed) 22:47:47 |
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