7 【R18】鈴蘭の村:外伝6〜カフェリコリス〜【RP半再演ペア】
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( ここじゃ、息なんて出来ないから )
[ 首を締めて心臓を貫いて呼吸を止めた。
誰かが悲しむような声が聞こえた ]*
―翌日―
[ 狼は少年が起きる頃には傍に控えていた
念入りに隠されてしまった風貌に
狼は不思議そうに首をかしげる。
彼が服装を変えようと狼の眸には
彼は彼として映っていたからだった。
腹が空くかどうかに対する反応は
同意するように短く吠えただろう。
主がいようといまいと朝だろうと夜だろうと
彼に従い歩く眷属の姿は特に変わりなく映るはずだ ]
[ 少年が歩く道筋を辿るように狼はついていく。
少年が開けた空き部屋は沢山ある。
どれもがちぐはぐな部屋だっただろう。
ぬいぐるみが沢山用意されていたり
キャンバスに塗りたくられた絵だったり
ナイフが引き出しにこっそり忍ばれていたり
性別やその子の性格を表したような室内だった筈だ。
ニクスを模したのだろうか、
幼い子供の落書きだってある。
ニクスは相変わらず変わらぬ笑みを浮かべている。
はたは誰かに向けて綴られた手紙もあった。
羊皮紙に綴られた文字にはこのように書かれていた。
ごめんなさい、やっぱり私には出来ない
差出人は書かれていなかったが、
何か水滴が滲んだ痕跡も残っていただろう ]
[ 書籍が多く置いてある室内では、
吸血鬼のあり方や、殺し方、特性。
そんなものの纏めだってあったし、
聖水なんか用意してある部屋まであった。
しかしどの子供も結局実行には至らず
最終的に謝罪の言葉を残していた。
書籍の中に日記が一つ混じっていたのを
気づいただろうか。
書籍の中に記されている事は他愛のない日々。
背表紙に残っていた名前は、セレスと綴られていた ]*
[ 日が暮れる前の時間ならば、
男は寝室の中で眠りについている。
陽の光を許さない暗い部屋の中で瞼を閉じている。
死んでいるかのようにしかし細く長い息を続けている。
もし日が落ちて夜が始まれば男は散策をしている。
庭園にいる少年にも聞こえるような
ピアノの旋律が彼にあてがった部屋から
流れているのが耳に届くかもしれない ]*
―日記―
[ これからあの城で奉仕しなさいだって。
シスターはその為に私に様々な事を教えたわ。
炊事に、洗濯に、読み書きに、歌に、
それからどうしてか、ナイフの扱いも。
私が一番優秀だから選ばれたんだって。
だけど私知ってるわ。
あのお城には人の血を吸う悪い吸血鬼がいるんだって。
私が選ばれたのも私が一番かけっこが早いから。
きっとそうに違いないと思うの。
だから私があのお城に行って悪い吸血鬼を倒して
みんなが安心して暮らせるように頑張るわ。
金貨一枚。
シスターが私にくれた大きすぎるお小遣い。
どうしてかは判らないけどお守りとして
隠すなら誰にも見つからない部屋にしないと。
| 体型維持も健康管理も、どちらも大事です。 加えて道行く人々を観察したり、 役作りの為に読書や発声練習をしたり、 体力作りをしたりもするのかなと。 [主役ともなれば、舞台上に居る時間も長いだろう。 体調の悪そうな役者には、鑑賞より心配が勝ってしまう。 楽しむことに集中出来る気がしない。] そうですね。 折角お金を出すんですから、 客としては万全の状態のショーが観たい。 ……ありがとうございます。 留意しておきますね。 [失言を重ねがちな己にもヴィクは優しい。 >>30赦すように撫でられたなら、素直に甘えた。 見なし労働時間制の為、うちでは残業代は出ない。 人によって裁量が違う為で、旅行までに済ませられなかったのは自分の落ち度なのである。 そぞろ神の物につきて心をくるはせとはよく言ったものだ。] (116) 2019/04/14(Sun) 0:46:27 |
| [第三者から見ればきっと、どちらも等しく激務。 不毛な争いを起こしてしまうこと自体、疲れている印だ。
飯の用意は、別に毎日でなくていい。 余裕のある時に出来る範囲の手料理が頂けたなら嬉しい。
家に帰れば君が待っている。 それだけで、僕は幸せなのだから。
旅行だって、 本当は行き先など何処だって構わない。
誰と一緒に行くか、だ。] (117) 2019/04/14(Sun) 0:48:58 |
―日記 2頁目―
[ 今日、びっくりしたことがあるの。
吸血鬼と呼ばれた人にはじめてあったんだけど
あの人、赤ん坊のリリーよりも何も知らなかったわ。
私の姿を見ても追い出そうとして
全然手を出してこなかったから全部話したの。
そうしたら困った顔をしていたから
とりあえずお腹が空いた事を伝えたの。
その後どうなったと思う?
薔薇の花を私に送ってきたの。
人は薔薇なんて食べないわって伝えたら
すっごくすっごくビックリしたみたい。
仕方がないから薔薇の花で作った紅茶を淹れて
二人と一匹に用意したら驚いていたわ。
でも狼って紅茶を飲めないのね。
その点だけは、反省。
| 利用時間決まってるんですよ。 24時間いつでも使えるって訳じゃないんです。 深夜のプールって背徳感はありますけどね。 不法侵入は良くないです。 [飛び込む余裕のあるプールは、十中八九お子様向けではない。 遊具など持ち込もうものなら白い目で見られてしまう。 だからこそ、宿泊先の自由度の高そうなプールが楽しみなのだ。 「僕とプールとどっちが大事なんですか」なんて、あまりにも子どもっぽいから口にはしない。 けれど、この会話 >>31をした時、僕は心に決めた。 長い旅の終わりに君が訪れるのは、 温水プールではなく我が家のバスルームだ。 両足を思い切り伸ばせる広々とした浴槽を御提供しよう。] (118) 2019/04/14(Sun) 0:51:09 |
| なら、良かったです。 まぁお肉料理も多少はあるでしょう。 朝からステーキという方もいらっしゃるそうで…… 野菜もちゃんと食べるんですよ。 [栄養の偏りに不安が過ぎった。 大食漢にも関わらず食に飢えていた頃を知っているだけに、旅行中はたんとお食べ……なんて思わず慈愛のまなざしを向けてしまった。 母親を通り越しておばあちゃんかもしれない。 ] (119) 2019/04/14(Sun) 0:51:48 |
| ─ そして現在・車中 ─ ……ん。 どうかされました? [不意に覗き込まれて >>37首を傾げた。 熱は無い。あったとしても旅行は押し通す。 触れられた箇所がまた熱くなってしまうのを感じながら、「大丈夫ですよ」と手を握ってみせた。 愛車の必要最低限の操作マニュアルを伝えておこうと思ったのだけれど、いまいち伝わっていないのを感じた。 その時々で改めて伝えた方が良いかなと悟った。 車は好きだ。 言わば、移動の出来る秘密基地。 乗り心地が良いに越したことはない。 アクセルを軽く踏んだだけで気持ちよく進んで欲しいし、外装とインテリアの隙のない美しさには痺れる。 セーフティ機能は勿論、パーキングアシストも付いている。 ドライバーの注意力が落ちれば警告音とディスプレイで休憩を促してくれる機能まで搭載されているのだ。 新車の購入を検討していると知ったなら、喜んであれこれ推薦しただろう。] (120) 2019/04/14(Sun) 0:53:50 |
―日記 3頁目―
[ 結局泊まっちゃった。
大きくて広い部屋は私が今まで見たことのないくらい
立派でお姫様が眠る部屋みたいだった。
落ち着かなくなってそれからあの人を尋ねたのだけど
揺すっても頬を叩いても全然起きないの。
吸血鬼が夜にしか起きられないのは本当みたい。
仕方がないから夜まで待っていたら眠っていたみたい。
起きたら彼がそばにいたわ。
帰れって言われたからもう一度私の目的を話したの。
世話役は間に合っていると聞いたけれど
私は私で代表として訪れているから
何も出来ずに帰るのは困るって伝えたの。
[ そうしたら彼は鋭い歯を見せてきたの。
狼よりも細くて固そうな牙だったわ。
とても恐ろしいものには思えたけれど
この人自身は相変わらず怖くなかったから
逃げ出さない私を見て不思議に首をかしげてたわ。
卿が覚めたなんて失礼な事を言うから
なんとなく腹が立って長い足を蹴ったけど
そういえば彼の名前を知らなかったから聞いたの。
名前なんてないって言うから、考えたわ。
そうしたらぴったりの名前があったから
今度から私は彼をそう呼ぶことにした。
ニクスって。セレス、私の名前とぴったりだもの。
夜と月って素敵よね ]**
|
……あ、良いですね。 次は遊園地に行ってみましょうか。
[家族の話を振った時、 不自然な沈黙が流れたのには気付いた。
今までの僕であれば信じてしまいそうな、ごく自然な演技。
此方から無闇に踏み入ることはしない。 いずれ挨拶をすることになるのなら、事前にリサーチしておきたいと思った迄。
職業柄、「普通の家庭」が如何に恵まれたものであるかは知っている。うちだって世間一般から見ればきっと、相当変わった家庭なのだから。]
(121) 2019/04/14(Sun) 0:58:05 |
| [そうして、どれくらい眠っていただろうか。 ほんの少しの間だったかもしれないし、小一時間経過してしまっていたかもしれない。] 身を賭して、は……大袈裟…… ふ……、はは…………、 精々頑張ってくれたまえ!! …………んむ。 [ドライバーに休憩を促すアラート音で目が醒めた。 一番近いサービスエリアで、少し休まないかと提案してみる。 悪態 >>36はまったく聴こえていなかった。 寝顔をじっと眺められていたことにも、勿論気付かない。 自覚はなかったが、疲れは溜まっていたらしい。 これでも泣く子も黙る鬼判事補様だ。 だから先の年末年始も、所長直々に特命を下されてしまった。] (122) 2019/04/14(Sun) 1:00:45 |
| ……ふぁ……すみません。 つい、心地良くて。 ……夢を、見てました。 懐かしい、 君と出会った頃の夢です。 [彼の印象がまだ、 " クソ生意気な目立ちたがり屋 " だった頃の。 おそらくは、向こうも己に対して良い印象は持っていなかっただろう。今でこそ刎頸の交わりだけれど。 ( あの頃は、 旅行どころか食事さえ、 共に出来る気がしなかったな。 ) 小さく笑みが零れた。 車を降りて外の空気を吸えたなら鼻歌交じりに手を引いて、ご当地ソフトクリームでも買い求めにゆこうか。]** (123) 2019/04/14(Sun) 1:13:23 |
[ 森の影が伸びる頃合いまで、
思考に沈む間の手は余計な薔薇の芽を摘み、
荒れを緩やかに押し留めようと従事していた。
陽は白い肌を赤く焼く。
それに気付かない程に幾度も繰り返す思考は、
子供部屋に残された痕跡のいくつかを中心としている。
忍ばされたナイフを片付けなかった理由。>>$50
見逃されたのか、残されたのか、
描かれた絵の笑顔の意味とその心情も。
涙の滲む羊皮紙には息を詰まらせた。
これを見たのだろうか、彼は。
見たうえで彼は子供たちに望み続けたのだろうか ]
……痛いな
[ ひりひりと痛む焼けた肌を、
土に汚れた指でゆるりと撫でて息を吐く。
連なる謝罪の言葉から響く重なる彼への想いは、
この古城の主の過去に繋がる扉のひとつなのだろう。
けれど殺し方やその手段を目に見えて残したままなのは、
意図的だとしてもそこに残された痕跡まではどうなのか。
なにより聞き憶えのある名が示された、
何気ない日々が綴られたあの日記の存在は……? ]
| (a25) 2019/04/14(Sun) 1:19:24 |
[ 考えても答えを持つのは夜の名を持つ彼だけで、>>$56
その名を名乗った彼を思い出し、唇をきつく噛み締める。
そこまで繋がれば己の鈍い頭でも理解はできた。
明らかに同じ村の出だろう奉仕を仕込まれた女の子。
似た名前と、彼女だけが持たされた金貨のお守り。
愛されるべき子供の行方はここで、
ここはその女の子と、夜の怪物の居場所だったのだろう ]
……要らないね、これ。
[ 聖水の瓶は中を捨てて空にして。
ピアノの音色が響いて顔を上げるも、
陽に焼けてしまった鼻の頭がひりりと痛んで。
また唇を噛んで痛みを誤魔化し、
土を払って立ち上がれば狼が小さく鳴いた。
ずっと傍にいてくれたらしい律義さに、
そっと微笑んで大丈夫、とだけ唇の動きで囁いた ]
[ 食堂で手を洗って、
空腹を今更思い出し林檎を一つ手に取った。
森を探して食料を得る時間は思考に奪われ、
麺麭を焼くにはもう陽は落ちて、
焼きあがるまではお腹が持ちそうにもない。
それに、音色が途絶える前に。
裸足と違って乾いた音を響かせて、
ピアノに誘われ部屋へと戻り扉を叩く。
与えられた部屋なのに客人のように。
誰かのための部屋だったここに慣れてはいけないと、
檻を課した無意識を発露しているのには気付かずに ]
おはよう、ニクスさま。
[ 顔を覗かせ、唇だけが覗く格好で“笑う”。
左手にはぴかぴかの赤い林檎がひとつ、
右手には棘を払った薔薇一輪を挿したグラスがひとつ。
ピアノの傍には寄らず薔薇を飾るために、
窓辺に寄ってそこにグラスをことりと置いてから ]
お部屋をたくさん見て回ったんだ。
あなたのことを描いた絵も、手紙も、ナイフも、
残していたのはわざとだったりする……?
[ 問い掛けは直球で、
けれど言葉遊びのように答えを期待するでもなく。
フードを脱ぎ顔を覗かせ小首を傾いで見せながら、
外套の内側に入れていたコインを掌に乗せ差し出した。
あの子のお守り。
知らなかったのならこれを持つに相応しいのは、
己なんかではなく、彼の方だろう ]
月の落とし物を拾ったから、夜に返すね。
[ 月というには黄金のそれは、陽のようだったけれど ]*
─ ─
[ この時からさらに数ヶ月前のこと。
俺は初めて舞台で主役の座を得た。
実際はダブル主演で、単独の主役では無いのだが。
それでも、俺にとっては念願の念願。
入団してから一年も経たぬ間の電撃展開である。
主役を勝ち得たことも嬉しかったが、
何より努力が認められたことが嬉しかった。
だが、一部古参の先輩達の中には、反対や反発もあった。
実際、数年在席しながら主役未経験者も珍しく無い。
客観的に見れば、面白くないことは理解出来る。
目に見えて風当たりも強くなり、嫌がらせも発生したが
当の俺は練習で忙しく、構う余裕すら無かった。
この辺りのメンタルは強かったのだろう。]
「聞いてくれ! 次の舞台で主役に決まったんだ!
○月○日だが、予定が無ければ是非来いよ。どうだ?」
[ リーへの報告の電話は、顔が見えずとも
声が喜びを隠せていなかった。
むしろ隠すことなど出来ようか。
だが生憎、日程が長期出張か何かと重なっていたらしい。
是非来て貰いたかったが、流石に仕方が無い。
なら次は来いよ、と何事も無く電話を切ったのだが。
[ ──この先起こる現実を、たとえ後に知るとはいえ
友が直接見なかったことは……
果たして幸か、不幸か。]
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