147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】
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| [強くなってきた雨から逃れるように、館の玄関の軒先に飛び込む。 僅かな庇があるだけで地面に叩きつけられる雨は、 地を反射して足元もからも水気を残していく。 これは、しばらく止む気配はなさそうだ。]
だめ、庇ったけど結構濡れちゃった……。
困ったね……、でも、お屋敷が合ってよかったね。 中に人いるかな?
[着ていた服は身体のラインに張り付くように 水気を含んでぴったりと肌にくっついている。
上の大きなジャケットは、身体との合間に空気を取り込めば、 少し膨らんで張り付いた肌から剥がすことが出来た。 だが、中のキャミソールにまで水気は吸い込んでいて、 さすがに少し着心地が悪い。] (129) 2022/05/21(Sat) 22:33:16 |
| [トントン、と館の扉をノックして応答を待つ。 反応はなかった。
テンガンが館のドアを開けば簡単に、玄関が開いた。 中から物音はしない。どころか、人の気配もなかった。]
……えっ、勝手に入っちゃって大丈夫?
[その動向に少し驚きつつも、外は雨が酷くなるばかり。 仕方なく、おじゃましまぁす。と小さく断りを入れて、 自身もテンガンの後に続いた。
シン、と静まった大きな館は、外の雨のせいか、 少し重暗く感じてしまう。 その雰囲気がちょっとだけ怖く感じて、 思わず、すすす、とテンガンの後ろに張り付いた。] (130) 2022/05/21(Sat) 22:35:38 |
|
なんか、ちょっと怖いね……? 人、居ないのかな。
勝手に入っちゃったけど、怒られたりしないよね……?
[縋るように、テンガンの濡れた服をちょんと掴んで。 きょろきょろと辺りを見回した。
家具はついさっきまで人が住んでいるかのように、 取り揃えられているのに、灯りはなく、 人の気配はしない。 そのアンバランスさが返って不気味で、不安を煽った。*]
(131) 2022/05/21(Sat) 22:35:51 |
[諭す彼女は大人の女性なのだろう。
彼女の心を軽くすることに成功したかどうか。反応はあえかな息によって、快感にと流れるのを見、そちらにと誘導しようとする。だが、めっと叱られてしまった。まさか叱られると思わず、体をとめ、少ししゅんとしてしまう。
理性で彼女は諭す
でも肉体は俺を求めている
それが分かるほどに媚肉が締めつけてくる
けど彼女は気づいていないようだ]
……昼間にっすか?
人に見られないようになんて
いけない事しているんっすね、俺ら。
[熱を逃すように息を吐きながら言い
さて、大きくなったこれをどうするか。彼女からはお預けを食らったから、旦那さんがかえって来る前にトイレでも借りてと思えば、大胆な姿に目を瞬くことになった。どろっと零れる白は先ほどまで繋がっていた証拠。彼女の肌を彩る淫靡な香に思わず喉がなった。
しかも彼女は其れを見せつける。]
……ん
[ナナミさん。と興奮の声が漏れ。
豊かな胸にと注がれる液体を見た。ねっとりとしたそれをどうしてもっているのか。それを使って旦那とそういう事をしていたのか。ちりっと嫉妬の炎が燃えるが視線は彼女の行動にくぎづけだった。柔らかな弾力が肉棒を食する。食べられている感覚に息があがり。
興奮が身体を赤くする]
……はっ ん
きもち……いいっす
[柔らかで豊かな其処から
自分の欲望がみえかくれする。視覚だけで興奮は弾けそうで、たまらず彼女の頭を手で撫で、のりあげて肉体を揺らす彼女のはしたない言葉に肯き。。
もっと、と願おうとして
体が落ちてきた]
ナナミさん?
[大丈夫っすか。と
濡れる彼女を撫で、汚れる胸に視線を落とす。欲望にとキスをする姿は淫乱な雌のようで、でも申し訳なさそうな姿は愛らしく。長く息を吸い吐けば、身を起こして再び彼女をベッドの住人に戻そう。
体を気遣うように撫で]
だらしないの可愛いっすよ。
えっちなのに、体がついていかないとか
とても可愛いっす
[ただ生憎。
自分は彼女の可愛いペットで収まる気がない。先ほど彼女がキスしてくれた先端を胸の先に押し付け、ぐりぐりと其処を虐めれば、そのまま両手で彼女の胸を抑え。
手添えてと告げ]
いいこと、楽しみにしているんで
今日はこっちで気持ちよくなりましょ?
……旦那さん、いつ頃かえってくるんっすかね
旦那さんを迎えるとき、中に
…俺の精子入れたままになってたりして
[シャワー間に合うかな。
何て言う。自分にこんな強い感情が、独占欲があったなんて初めてしった。正直自分でも戸惑うぐらいの強さをもっているその感情に少しだけ不安がよぎる。
彼女を束縛してしまいそうで
其れを隠し、誤魔化し
彼女が胸にと手を添えてくれたのなら肉体をまたぎ。熱棒を胸の間に滑らせ、こすり付けよう。先ほどの痴態に育ったそれは肉の間から現れては彼女の首を押し、此方の手でと頭を下げるように誘導すれば、顎に、唇にと当たるような位置を調整し。
腰を乱暴にふり]
…はっ、ナナミさんっ
ね、おっぱいまんこなんて
どんな気持ちで言ったんですか――?
[精液のように見える液体を
他の液体を重ねることで、消していこう。彼女の肉体から旦那さんの痕跡を消すように。何度も何度も先端で唇にキスをして]
は っ く
ご飯の前に こっち
食べて
[彼女が良いというのなら
欲しがってくれるのなら、擦られた熱をそのまま顏に胸にとかけようと動きを大きくさせ、上半身の淫花で果て、彼女を彩ろうとするだろう*]
| [ >>98頬杖つきつつ、彼女を見据えて溜息を一つ] (…、……解せぬな) [この娘は何故、己の価値を低く見積もるのか] なぁ、娘。 ひとつ、思い違いをしているようだから言っておく。 (132) 2022/05/22(Sun) 0:14:26 |
| 誰かに『選ばれる』とか『選ばれない』とか そんなことは些末なことだ。 お前にとって大切なことは お前自身が『選ぶ』か、『選ばない』かだ。 それがなんであれ。 その意志こそが、お前の物語を紡ぐ。 ひとつ具体的に挙げるなら、 「我を選ぶか選ばないか」だな。 お前自身の 生きる道に、我が必要か否か。 [先の問いに関しては、 ほぼ、答えは得たようなものか >>100] (133) 2022/05/22(Sun) 0:16:06 |
|
…重ねて言うがな。
仮に我と「ともだち」になりたいと望むのなら、 お前の物語を、他の誰かの選択に委ねようとするな。
我は「ともだち」という概念に詳しくはない。が。
人の子は己の「ともだち」を悲しませたり、 傷つけたいとは思わないものなのだろう?
[尤も、歴代の我が召喚者たちに、 そういった類の者たちはいなかったゆえ。]
(……やはりよくわからぬな、うん) (134) 2022/05/22(Sun) 0:16:48 |
| ―――…まぁ、いい。 汝の願いを叶えよう。娘よ。
[世界に破滅を齎す程、心惹かれる想像は浮かばないが。
それでも、我と共に在ることを この娘が望むというのなら その望みを叶えることとしよう。]* (135) 2022/05/22(Sun) 0:18:53 |
| 「なんとなく、いる気配がしない。 空き家か……………」 雨が酷くなる前にたどり着けなかったせいもあるが、 彼女がきていた服がびしょ濡れになって その体にぴたりとくっついて、ラインが見えてしまう。 >>129彼女に顔を向けて話を続けようとしたが、 視線が釘付けになりそうになって頭をふるっと一振り。 「…………一晩くらいなら、何も言われないだろう。 おいで、寝室がどこかにあるはずだから 見つけて………服を乾かそう。」 玄関と思わしき場所から中に入れば、明るさはなく、 どこかに灯りをつける場所がないかと きょろきょろと見つけようと思っていると、 彼女が服を握ってきたのがわかった。 >>130手を差し出して、握って、と伝えたなら ベッドがある場所を探して部屋を歩き回って。
(136) 2022/05/22(Sun) 0:19:44 |
| 「多分空き家になって日が浅いんだと思うよ。 鍵が開いてたのは運が良かったんだけど。 家具があるのは……どうなんだろう、 前の家主がこれごと売ってしまったか、かな」 彼女の不安を取り除くように テンガンの考えを優しい声で伝えてみる。 >>131けれども、水に濡れた彼女の服のことが 頭から抜けずに、我慢の枷が外されそうになっている。 そのせいでにゅるりと、何かが背後に出てきているかも。 秘密はまだ、彼女に教えていない。 けれども、彼の魔力が大量に消費される原因でもある。 それもこの秘密を教えたなら、教えることになる*
(137) 2022/05/22(Sun) 0:23:06 |
[内壁が一際強く収縮し、ぞくぞくと射精感が高まったが、今度はつられずに耐えられた。一度出して楽になったからか。
ぐらりと傾き、彼の上体が此方に倒れて来る。
肘を付いて少し起き上がり、快楽の余韻に震える背中を摩った。
ゆったりした動作で身体を起こす様子は気怠げで。
移動を頼んだのが申し訳ないなと思いつつ、彼が埋め込んだ脈動を引き抜く仕草の艶かしさに意識が向く。下腹に触れると精液にしては透明なぬめりが指先を汚した]
ん、……どうした?
[キスの後も絡んだままの視線に、僅かに首を傾けてみせる。
全然余裕という訳ではないが、無意識に渋りたがっているのかもしれない。今は興奮で交感神経が昂っているが寝不足だし、体力はあっても若者には負けるだろう。
そのまま足の間に収まる彼を見守りながら、もう一度質問を投げ掛けようか考えていたが、思考は中断される]
[近い距離で紡がれたから、彼の言葉が鼓膜によく届いた。 フィクションでしか聞かないような台詞に、だらりと頭を垂れたまま小さく笑う。
屹立を食んだ粘膜が無自覚に奥へ誘うから、笑う素振りで逃した吐息も熱くなるけれど。痩せた体躯に両腕を絡めて、彼の肩口に甘く歯を立てて吸い付いた。恋人が戯れつくみたいに]
男として複雑だって?
はは、……でも、それで良いじゃないか。
私は君のことが好きだし、君も私が好きなんだろ。
……私は既に君の虜だよ。
[ずっと前から──という補足は、流石に重過ぎて喉の奥に引っ掛かった。彼にとっては他愛ない睦言だったかもしれないが、私の何らかの琴線に触れたらしく、まるで其方に誘導したいような、願望が透けかねない言い回しになる。
拡大解釈すれば、私がいなければ生きられなくなる。
もしくは生に執着する理由になるかもしれない。
……と、深刻に極端に物事を捉える傾向のある頭でぼんやり考えていた]
まあ、でも……案外くせになってるかもな。
後ろだけでも気持ち良いんだろう?
素質があるのは嬉しいけれど、……
君がはじめてで良かったと思うよ。
[飲み込みの早さに感心する一方で、魔性な彼が男を知らないでいて良かったとも思う。そんな感想を零し、そろそろ口を動かすだけでは物足りなくなり、緩く胎内を掻き混ぜるように揺する。ただこんな風に話す穏やかな時間も良いなと思って、焦らす意図は無いけれど自分にスイッチが入りそうで引き伸ばす。
そのうち首を傾けて口付けを強請り、自由な両腕で彼の素肌をまさぐりながら、碌に触れられなかった彼の熱にも手を伸ばして。次第に抽送を早めていくだろう*]
[家屋もまた、財産没収の対象とされた
農奴の身分で費用を賄う為には当然のこと──という名目によって。
寝起きしていたのはほんの小さな古びた小屋
世話をする大人がいなくなったのならば、一層に荒れ果てる。
灯りも無い廃れた空間で、黒黄の瞳だけが爛々と輝いて見えた。
死体漁りの肉食鳥、などという知識は子供には無かったけれど
確かにその姿は、上位種を思わせるに相応しいもので。
それでも、語られるままを受け入れるばかりで心は動かなかった。
この身体でどうして逃げられようか、
一体逃げ場とはどこにあるのだろうか、
それは人間が相手でも悪魔でも変わりはない。
唯、予想外だったのは
触れる手の温かみの無さが心地良く、清めるように動くから
恐怖の代わりに申し訳なさを抱いてしまったこと。]
他に何が出来るの?
病気で死んだって殺されたって、どちらも同じことでしょう?
[やはりその言葉にも諦めが宿る。
けれどこの時点で、未来の主に心を動かされてしまっていた。
母親が連行されてから今まで、
本心を思うまま口にすることすら出来なかった
受け止めてくれる大人もいなかったのだから。
最期に置かれた環境のどうしようもなさを口にするだけでも、
少しは気持ちが楽になる……なんて、
なんとも視野の狭い人間らしい思考だったのだろう。]
……えっ
[閉じた思考をこじ開けるような、大きな揺さぶりだった。
まるでただの光る石みたいに動きのない瞳に射抜かれ、
何処か緊張で強張っていた身体、乾いた喉が息を呑む。
母親の素性まで知っている驚き、
子供では知り得ない事情の薄暗さと理不尽さへの動揺。
それすら関係が無いことだというように、悪魔の演説が続く。]
やだ、……
嫌だ!もういいよ、もう聞きたくない!
出て行って、
出て行ってよ!
[呆然と聞かされるばかりだった子供は、
やがて余りに残酷なその内容に寝台の上で首を横に振った。
母親との思い出が、かつては優しかった村人との生活が
一つ一つ腐り、穢されていくようだった。
枯れた声を振り絞り叫び、そのせいで咳が激しくぶり返す。
棒きれのように細い両腕で必死に耳を塞ぎながら咽び泣いた。
だが、何をしても悪魔の声は少しも遮られることもなく
残酷な物語の傍聴を強いられ続け
一時の幕切れを迎える頃には涙も叫びも使い果たし、
ぼんやりと昏い目で悪魔を見上げるばかりとなっていた。]
村の、大人
村の…………人間達
[促されるままに口を開き、既に用意された解答をなぞる。
その自覚も無いまま、奥底に沈んでいた感情が引き摺り出されていく。
死んだ瞳が、光を忘れたままに新たな命を手に入れる。]
…………
[品のある動きを目で追い、そちらへと身体の向きを変える。
落ち着きを取り戻し、再び力を無くしていた腕が
緩やかに持ち上がり、少しづつ伸びていって。]
……
皆を殺して、この村を滅茶苦茶にして
[白く大きな手と自身のそれを重ね、願いを告げた。]
[急な変化に驚き、悲鳴を上げて羽虫の渦から逃げようとしてしまったが
悪魔が願いに応えようとしているからだとすぐ気づいた為に、
震えながらその悍ましさに身を預けた。
そうして私はこの世界から消え、
同時にこの世界のあちこちへと存在するようになった。
現象であり群生であり、害なる者へと。
幼い子供の世界の何もかもを奪い去った者達は破滅を待つばかり
他者の残り少ない命すらも不足する食糧の為に切り捨てる醜さ。
病床の少年の消失を、共犯者がいると提唱する者が出たことから始まり
疑心のままに母親にしたことと同じ過ちを繰り返し、
村から逃げ出そうとする者もまた、魔女と定められ捕らえられ。
人間の弱さ、どうしようもない愚かさ
狂気と妄言が蟲と共に日常を食い尽くしていく様を、
全てが終わるまで私は見ていた。
まるで悪夢のようであった。だって……]
[悪夢じみた日々の終わりは村の破滅と共に。
色彩無き廃れ場に、歩き方を忘れたように座り込みながら。
共犯者となった男をぼんやりと見上げ、頷く。
もう此処には何も無い。喜びも悲しみも、全て食い尽くされ焼かれた。
自分自身がそう望んだことによってだ。]
……ゾラ
お母さんが、付けてくれたの
[それは、異国の言葉で黄金の夜明けを意味する。
私が産まれたのは丁度その刻で、
空の移り変わりが美しい色に輝いていたらしい。
統一を目指す国の争いに振り回され移民となり、
辺鄙な農村にも届く世界情勢の翳りに憂う母親は
その光景を、我が子を希望と捉え名付けたのだそうだ。
当人は心を折られ焼かれ、子供は悪魔の手を取ってしまったけれど。]
ねえ……、あのね……
[自分自身を抱き締めるように片腕を胸の前に横断させ、俯く。
何かを問うように声を紡ぐが、口ばかり動いている。
背丈が高すぎる者は、頭より下の声を聞き取りづらい。
幼い子供を相手に話す時、屈む大人は多い。
実際その時、そこまで計算していたわけではないけれど。
悪魔が何らかの手段で、こちらとの距離を縮めた時。
落ちていた焦げてはいるが鋭く尖った木片を握り、
人間ならば心臓があるだろう部分に向けて突き刺そうとした。]
……駄目だった。やっぱり、強いんだ
虫なら食べられるかなって、思ったのにな
[けろりと笑い。小首を傾げる。
紛れもなく不遜であり、そして生命力を宿した行動。
相手の強大さを真に理解する智慧があれば出来なかったこと。
確かに全ては私が齎した破滅だ。今や思い出すら残っていない。
だが、何故それについて憂わなければならないのだろう?
先に手を出したのはあちらではないか、
あのような自分のことしか考えていない醜い連中に覚えていられても、
救われることなどあるわけが無いじゃないか。]
僕を殺すの?
[好事家の悪魔だとは知らなくとも
語られない部分に含まれた意味に、此処で解放された理由に
気づくことは子供でも出来た。]
殺さなかったらきっと、とても役に立つよ
だって僕は、もっと見たいんだ
……人間がいっぱい苦しむところ
[片手を頬に寄せ、ほうと息を吐く。
彼に見せられた数ヶ月の記憶を思い返し、目を細めた。
うっとりと笑む口許は口角が吊り上がり、歪む。
ただの不幸な魂と呼ぶには、もう既に手遅れだ。*]
ん?
[ ただでさえ邂逅の夜とは違う距離感、
俯けば更に聞き取り難くなった声、内容が分からない。
その言葉が何か少年の結末に影響するとは思わなかった悪魔だが、
これで最後という思いが、聞き取る為に屈ませた。
その結果、予想外なことが起きる。 ]
……っ!!
[ 刃物や銃も効かない悪魔が、残骸の一片に傷つけられるわけもなく。
充分な生活が出来ていない子供の行動への対処など容易。
だが、一度霧散し再び収束した時、驚きに目を見開いていた。
好かない名前に面白くなさそうにしていた表情など
今や欠片も存在しない。 ]
ッ、は……
あはははははは!!
[ 無垢を感じさせない子供の仕草、残酷に響く声。
暗黒めく口内を露わに悪魔は大笑いを無人の村で響かせた。
夜闇に佇む枯れかけの露草は、活力を再び手に入れた。
それはとても拗れた方向に。
与えた歪みは全て計画の内ではあっても、
用意した道から外れながら近づいてくるのは想定していない。
泣きじゃくる子供は完全に潰えてしまったらしい。 ]
お前の口説き文句は薄っぺらいな
土いじりとお祈りしか知らない子供が、何の役に立つ?
病か人か悪魔か、
どれを選んでも殺されるしか選択肢が無かったちっぽけな存在が
[ 顎に手を添え、持ち上げて上を向かせた。
肉食鳥と食虫植物の光彩が合わさる。
その温度は冷え切って、声には吐き捨てるような色を含む。
勘違いしてはならない。
少年もまた、悪魔にとっては弱者たる人間の一人でしかない。 ]
……いいさ。役立つ為の教育を施してやろう
満足させたらもっと相応しい名前も考えてもいい
それまでお前は、名無しだよ
[ だが、一瞬でも悪魔を驚かせた褒美というべきか。
はたまた、長い刻を暗躍する人ならざるものの気紛れが働いたか。
その誘いに今度は自分が乗ってやることにしたらしい。
そうして彼は再び黒に包まれる、世界から消失する。
今度は随分と長い時間になるだろう。
何しろ行き先は地獄、悪魔の知識をそこで授かるのだから。
痕跡も本人も見知った人々も、何もかもが無くなった。
誰もゾラを見つけない。二度と、永遠に。 ]*
[ フィクションめいた台詞に馴染みがあるせいだろう、
頭に残っているからこそ頭を使わずに出てくる。
その台詞を囀ったのが
画面越しだったか生身だったかの記憶はないが。
歯を立てられる、加減されたその痛みすら
なんだかきもちいい気がしてしまうくらいに
疲労と酸欠を極め茹だった頭は完全に馬鹿になっていた。
浅く弾む息をなんとか整えようとして長く息を吐くけれど
まるであべこべに、無意識に腰が揺れてしまうから
喉の奥から溢れるのは感じ入った嘆息ばかりで
ちっとも落ち着くことができない。
暫く引き篭って運動不足を積み重ねた体は
もうすっかり限界なのに、気ばかり急いで
上手く休息も取れずに淫楽に溺れて喘ぐ。
こんなの知ってしまったら戻れないじゃないか。
けれど彼が「それでいいじゃないか」と言うから
なら良いのかもしれないと働かない頭で鵜呑みにする。
そうか、彼は俺の虜なのか……はて、虜ってなんだったか。
日常ではなかなか無縁な単語の意味が
いまいち出てこなくてぼんやり虚空に視線が泳いだ。
ぴたりと不自然に動きが止まったのは
漸く気が逸れた所為だったけれど
背中越しにはその呆けた思案顔を伺えないから
何か別の意図にも感じられたかもしれない。 ]
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